流星の憑依者はロマンを求めてメットを被り続ける   作:てっちゃーん
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ガンダムのメドレーを聴きながらウェーブインです。

ではどうぞ。


第37話『孤独の包帯を焼き切る頂きは』

 

 

私の名前はソロ。

 

ムーの末裔であり、その生き残りだ。

 

そんな私は幼い頃から周りの人間にとって『バケモノ』と扱われ、ただの『恐怖』としてしか見なされなかった。

 

気づいたら攻撃の対象となり、私はいろんな人から痛めつけられた。

 

そして女であろうとも、まだ守られるべき幼い年齢であろうとも、手加減なしに叩きのめされる。 そして私は女で産まれたことに苦しみ続けた。 だから髪を伸ばし、目元は人を拒絶する程冷たく仕上げ、私は口調も変え、男の姿を作り上げた。

 

それから私は人に襲われないように立ち振る舞うことにした。

 

もう私は周りとは違う。

 

一人だけでは何もできやしない人間なんかと、群れれば強くなったつもりでいる雑魚なんかと、私はそんな情弱な奴らなんかとは違う。

 

私は一人であることで『強さ』を示した。

 

絆や繋がりなんかを拒絶し続け、憎み続けて私は完成させた。 そうすることで強さを身につけた。

 

何も寄せ付けないこの強さで私は生きた。

 

 

そんな『形』を手に入れたのに…

 

手に入れたのに…

 

 

【アイツ】が現れた。

 

 

出会いの場所はナンスカ。 偽物の神様を作り上げ、ムーを侮辱する牛の電波体を見つけた。 そんな愚か者に裁きを施そうとした時、星河スバルが現れた。

 

最初は私の殺意に気づき、ただの平和ボケした子供じゃないことはこの時点でわかった。 そして謎の電波体ウォーロックって奴も連れてるおかしな人間だった。 そしてもう一つ隣には人の形をしたウイルスのムーサが居た。 謎極まりない存在だったがボッーとしてる緊張感無い生き物で、スバルと『群れ』ている

 

こんな奴らは私が睨めば退くだろうと思い、殺意をぶつけたが彼は平気な顔をして対立をしていた。 しかし私はこの時から少しおかしかった。 人だろうがウイルスだろう、群れてる団体なんか普段の私なら心の中で冷たく斬り捨て、無視していたはずた。 なのに私はスバルから意識を外せずにいた。 本能がコイツは敵だと認識していた。

 

すると彼はあの牛の電波体に「繋がり」と言葉を放った。

 

次の瞬間、そのワードに怒りが伴い、私は「ああ、こいつもそんな戯言を」と許せなくなった。 私は常にそんな人間を打ち倒し、冷たく否定続けてきた。

 

だから今回も同じ事になる。

 

私はスバルと戦うことになった。

 

奴はウォーロックの電波体を利用し、力を借りて電波世界に降り立っていた。 そして片腕に乗っ取らせ、いかにも一緒に戦う感じだ。 やはり一人では何もできやしない奴。 そして私はそんな奴らよりも強く在り続け、今まで生きていた。 こんな戦いやるだけ無駄だ。 終わった後はコイツも地に伏せられ、自分の愚かさを知ることになるだろう。 絆や繋がりを否定する孤独のわたしには勝てないと。

 

 

そう考えていた。

 

 

しかし

 

 

違った。

 

 

スバルに翻弄され続け、私は殆ど何もできずに打ちのめされた。 やり方は小細工ばかりだが、彼は終始余裕でわたしを追い込んだ。 途中とある事故で私はスバルに女であることを知られ、常に調子を挫き続けられていた。

 

冷静立ち回れなくなっていたため、頭が熱くなっていた私は安直な攻撃を繰り出すも簡単にいなされ、ウェーブロードに叩きつけられるとソードの刃が喉元に当てられ、勝敗を教えていた。

 

しかし私は諦めきれずに彼との対立を諦めなかった。 ここまでウォーロックと戦っていた彼は一つ姿を変えた。

 

それは彼が得意とするバトルカードの読み込みを封印し、ウォーロックアタックやシールドやロックバスターも使用不可能になり、ここからはウォーロックのバックアップを無しに『一人』で私と対立をした。

 

青色から少しだけ薄く蒼いカラーに染まる。

 

そして彼のもう一つの変身を終え、目を見開いた瞬間だった。 今まで感じたことない威圧感に包まれ、私は軽く戦慄してしまう。

 

なぜこんなにも『恐れ』を抱いたのか?

 

彼はウォーロックを無しに『一人』でそこに立っているのになんでこんなにも強さがあるのか?

 

今まで感じたことない出来事に対面していると顔に痛みが走り、気づいたら私の紫色のライザーはひび割れていた。 そして吹き飛ばされる。

 

彼の初手は見えない一撃であり、ただの肘打ちであった。 しかしこの時点で既に力の差を教えていた。 未知数な力に体強張り、反応すら出来ずにいた。

 

それから私は何もできず、何もわからず、完膚なきまでに叩きのめされてしまった。

 

だから私は不思議だった。

 

私は絆や繋がりを持たず一人で戦ってきたから誰よりも強い存在を証明した。 だが彼は繋がりも、仲間も、共に楽しめる誰かを側に置いて尚且つ『戦士』でいた。

 

完成された強き存在として立っていた。

 

私が目指す先に彼は『繋がりを持ち込んで』そこに立っていた。

 

この時から私はわからなくなった。

 

何故、彼はこんなにも強いのか?

 

 

「ロマンを求めていたら強くなれた」

 

 

まずはふざけた回答だった。

 

しかし彼は次にちゃんとした答えをくれた。

 

 

「切っ掛けを持ったからココまで俺は伸ばされた」

 

 

誰かの存在があるから彼は強くなった。 その中に『責任』ってモノが感じられた。 それは何に対する責任かわからないが彼はただ飄々と楽しそうにロマンを求めてるのではなく、そうすることで強さを掴んでいた。 遊んでるように見えるがそうじゃなくて、彼はその過程を自身のレベルアップに変え、今の強さを作り上げたんだ。

 

だから彼の『ロマンを求めて』はいまなら分かる気がする。

 

 

そしてナンスカで一戦終えた彼は私に名前を教え、住まう場所も明かし、ムーサと名前を持つウイルスと合体して大空を羽ばたいた。

 

この時も私は知らしめられる。

 

ムーサって繋がりから力を借りた瞬間、大気が震わせていた。 まだこれだけの強さを残していた星河スバルを見た私は今まで積み上げできたモノが壊れた。 繋がりを持つ彼に完膚なきまでに覆されたから。

 

孤独 は 絆 なんかよりも強い…

 

そう掲げてきた定義は私の中に無くなった。

 

 

普通ならば私はこの瞬間自分の不甲斐なさと、認めてしまった私の弱さと、そして掲げてきたモノとプライドを悉くに壊した彼に対して怒りに染まるべきだろう。 孤独の敵であることは確定明らか、断然憎む的対処だ。

 

だがしかし

 

不思議とそんな気持ちは浮かばなかった。

 

 

むしろ…

 

私は彼が気になった…

 

 

そして彼は『ニッポン』って場所にいる。

 

 

私はそんなことを思い出す。

 

 

だがそれを知って私はどうするんだろう…

 

 

でも

 

 

私は、そんな彼に惹かれていた…

 

 

それは強さに対してだと思うが…

 

 

私は星河スバルが気になった。

 

 

それから私は彼が気になりニッポンって国まで足を踏み込む。 しかし来たのは良いがノープラン。 とりあえず私は彼を観察することにした。

 

 

しかし簡単に彼に見つかってからかわれる失態を犯した。 解せぬ。 だが彼は軽くストーカーもどきの私に「よく来たな」と歓迎していた。 私は情けなく恥ずかしさに包まれしまい、この場を去ろうと思ったが彼に手を引かれた。

 

初めて触れる彼の手のひらは……大きかった。

 

触れた彼の肌はヤエバリゾートの冷気に負けないほど熱く、冷酷な目つきで周りを拒絶する私の世界を溶かすほど。 それは私にとって凶器の一つだった…

 

だが感じたことないこの温度に私は怖くなったが、離れようとはできなかった。 わからない……何故私は流されている? そんな感情に戸惑っていると私はホテルの上のスキー場に連れていかれた。

 

ここで何をするのか? すると彼は「体重移動にもっと磨きをかければ電波の移動も楽になるだろう。 電波移動は感覚大事だから」と笑いながらスキーを生身で楽しんでいた。

 

とりあえず渡された私の分のスキーをどうすればわからないまま私はとりあえずコテージで眺めていた。

 

するとそんな彼の滑りを見ていたスキーの女の子がいた。 その子はヤエバリゾートホテルのオーナーの娘であり、彼はその子に声をかけられる。 その子の名前は滑田アイと言う。 私はその子の事はよくわからないがニッポンでは天才スキー少女として有名らしい。 本人曰く「そんなんじゃないよ」と謙虚だ。

 

それから彼は一旦休憩に洒落込み、私のいるコテージにまでやってきた。 滑田アイも休憩のためにスバルの後ろを付いてきコテージの中に洒落込む。 すると彼は「せんせーい、初心者の俺たちに一つ授業をお願しまーす」と滑田アイに頼み込むと「ええと…きゅ、休憩時間だけだよ?」と了承、何故か私を巻き込んでスキーの話が始まった。

 

別に頼みもしてないが滑田アイは私達にスキー入門者としてホワイトボードを使って説明をしてくれた。

 

この時、私はムーの血が疼き、他人と馴れ合いを拒絶しようとしていた……筈だったが、なぜかその血の疼きは激しくなかった。

 

いつもならムー血が激しく疼き、脳に痛みが走り、過去に起きた出来事が体に警告を送り、直ぐにその場から去ろうとする。

 

だから今回もそうなると思っていた。

 

 

でも

 

 

不思議とそんな事は無かった。

 

 

いつもならそうなるはずだったのに、私はいつまで経っても座っていた椅子から動く事は無かった。

 

 

でも、それはおそらく彼が近くにいるからだ。

 

 

何故そうなのか、どうしてそうなのか?

そんな詳しい話は分からない。

 

だが私は彼から離れずにいたのだと思う。

 

血が疼くからこの場から去る……そんな理由よりも彼の近くにいることが重要としていた。 でもそれなら私は何故彼の近くでこの人を見ていたい? それだけはハッキリとしないでいた。

 

それから滑田アイは練習に戻り最上級コースに乗り込んで行った。 すると彼は私に勝負を持ち込んだ。 こんな事いつもなら「くだらない…」と斬り捨てて居たはずだけど、私はその挑戦を受けた。

 

彼が言っていた『体重移動』って言葉も気になり、それが自身の強化になるなら私も星河スバルのように強さを身につけれるだろうか? そんな気持ちで私は勝負を挑む。

 

まぁ勝負の結果は惨敗に終わる。

 

途中彼が提案した『電波変換のスキー』もやってみたがそれでも彼には勝てなかった。 電波変換による身体能力の強化もあったが、次は慣れない速度と、滑る時の力の使い方も分からず、雪だるまのウイルスにぶつかった時は大変痛かった記憶。 そんな彼は電波変換のスキーはどうなっているのか? それが気になり彼の滑るところを見ると途中現れる雪だるまのウイルスをソードで斬り捨てながら滑っていた。 器用な事をする。 雪玉を破壊した上に中身のウイルスにまで刃を届かせ、一気に斬り捨ていた。 彼はソードの扱いに長けているようなのでコツさえ掴めばこのくらいどうって事も無いようだ。 そしてわたしにも練習すればできると教えてくれた。 どうだろうか?

 

それはともかく…

 

負けず嫌いな私はこの屈辱を忘れずにいた。 そして後に彼と何故かナンスカで出会う。 私はとりあえず前回負けた屈辱を思いだし、何かしら難癖つけて勝負事を持ち込んだ。 随分と幼稚な事をしてると思ったが彼は笑いながら了承し、次はグランドスキーで勝負することになるのは余談だ。

 

それから彼はナンスカの村長のところまでビジネスってやらのために戻った。 同じ子供のばすだが……本当になんなんだアイツは?

 

 

不思議な彼にますます興味が引かされた。

 

 

だから私は、その後も、その後も…

そして、その後も…

 

星河スバルとの接触をやめなずにいた。

 

繋がりを強さにする『彼』は孤独を強さにしてる私とは正反対な存在。 許されない最大の敵なはずなのに飽きなく惹かれ続けてしまう。

 

 

 

あなたはどうしてそんなに強い?

 

 

あなたはどうやってそこまで強くなった?

 

 

あなたは強いのになんでそんなに笑えてる?

 

 

あなたは笑えてるのに最強を目指そうするの?

 

 

あなたは既に最強であるのに……

 

 

なんでまだ上を目指せる?

 

 

 

 

 

 

「あなたは一体、私にとってどんな人間?」

 

 

 

私は自分から口を開く。

 

彼はほんの少しだけ驚くが冷静に答えた。

 

 

 

「今のソロちゃんでは『【絶対】に超えれない存在』だな」

 

 

「……な、に?」

 

 

 

彼は指を立てて話を続ける。

 

 

 

「俺にはソロちゃんには無いモノで溢れている。 純粋にその差だと言えるな」

 

 

「……」

 

 

「ソロちゃんの強さは『孤独』だ。 なら俺の強さは『繋がり』と『絆』と『挑戦』と『度胸』と『余裕』と『ゆとり』と『向上心』と『探究心』と色々あるぞ?」

 

 

「っ…私があなたに勝てるモノは……」

 

 

「何一つない。 この際だからハッキリ言おうか?」

 

 

「ハッキリ?」

 

 

 

彼は私に顔を合わせると少し笑みながら教えてくれた。

 

 

 

「ぶっちゃけると俺からしたらソロちゃんは弱いし、恐れにたらない存在だな」

 

 

「……」

 

 

「ソロちゃんは幼い頃から孤独を強さに掲げてきた。 君にとってそれは最強の形なんだろうけど………そんな程度の力で俺を覆せないぞ?」

 

 

 

彼は満面の笑みで自信満々に言い切った。

 

私にとってそれは『ソロ/ブライ』を全否定する言葉だ。

 

 

 

 

「…………そう」

 

 

 

 

初対面の戦いでプライドもろとも今の今まで掲げてきた孤独の力は打ち崩されたが、今もこうして会話の中で壊してくれる。

 

 

もう、絶対に…

 

 

 

 

そんな力(孤独)では彼に打ち勝てない。

 

 

 

この会話でハッキリと示されてしまった。

 

 

 

そして、私も……認めてしまった。

 

 

 

 

「……どうしたら……あなたの最強が分かる?」

 

 

 

だから乞いてしまう。

 

彼から抱く『どうして?』を知るため…

 

私は純粋な気持ちで始めて人に尋ねた。

 

 

 

「……知りたい?」

 

 

 

彼は、はぐらかす事なく再確認する。

 

隠すつもりもなく、聞けば答えてくれる…

 

 

 

「教えて、どうしたら分かる?」

 

 

 

悔しさも、プライドも、そこにはない。

 

『子供』にどうしたら良いかを押してくれる『大人』の雰囲気持って彼は応えた。

 

 

 

 

「人は人から刺激を貰うことで自分にとって必要な新たな働きが分かるものだ。 まぁ、そうだな、手取り早いのはより近くで見て学べる拠り所を探せば良い事だね。 ……だからさ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー 俺と暮らしてみる? ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは【私】を壊してくれる一言だった…

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく






原作?なにそれ?もう壊れ果ててるよ。

原作のブライは『男性』でありプライドも高く、心の強さはこの小説よりも遥かに高いでしょう。 でもこの小説のソロちゃんは女性であり、原作ほどの威勢は無く、精神共々やや弱さを引きずる感じです。 更に憑依スバルに寄って完膚なきまでに全否定されました。 そうなると何が正しくなるのか考えてしまいますね。 そしてその原因(憑依スバル)を追求しますね、どうしてって?

今回はそんな話です。

さて、ソロちゃんのナンパ完了です。

どうしようかなこれから?

とりあえず義妹のミソラとお兄ちゃん争奪戦やらせようかな?
一気にカオスにしてくれるはず。


ではまた!


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