「皆さん、ぶっちゃけますとゴーストロックは催眠術ですね」
ハーフタイムで水を一口飲んでからぶっちゃける。あれ、『ぶっちゃけ』って死語ですかね?
「……は?」
「おいおい目金。急にどうしたんだよ」
「なんですかその目は。僕が何かおかしな事でも?」
うーん、いきなり過ぎましたかね?
「とにかく、催眠術を解くの方法は大抵頬を叩くとか水をかけるとか色々ありますから、頑張ってください豪炎寺君」
「……」
豪炎寺君は頷き、ストレッチを再開します。
「僕は豪炎寺君と交代です。……そろそろ後半戦始まりますね」
「うーゎ、目金さん自己チューですね」
「でも、間違った事は言ってない……」
「それが余計面倒なんですよ」
「やれやれでヤンス」
「こら、聴こえてますよそこ!」
……まったく。
そう言えば、僕が抜けたら豪炎寺君と染岡君のツートップになりますね。さっきまではポイントゲッターが染岡君しか居なかったからパスコースが決まっていましたけど……吉と出るか凶と出るか。
「なるほど……よっし、目金がゴーストロックの解除法を見つけてくれたんだ! この試合、勝つぞみんな!」
円堂君の掛け声と共にポジションにつく皆。
ベンチには僕と冬海先生、マネージャーの秋さんと新聞部の
ピピーッ!
「さぁ、後半戦開始でありますっ!」
いやぁ、実際にプレーしていると全然聴こえてこない実況ですけど、結構大声でやってるんですね
「あれれ、目金さん良いんですかベンチで? 確か帝国との試合でも大活躍したって聞いていたんですけど」
音無君が話し掛けてきました。正直、こういうずけずけと人のプライバシーに入り込んでくる人は苦手ですね。
しかしそこはこの目金欠流。
「べべべ別にいいい良いじゃぁありませんか!?」
…………。ほら、あれです。あの、理想的なオタクとして正しい回答ですよ?
「……あー、いえ、でもあのまま目金さんが出ていれば勝利は確実でしたよね?」
「は?」
何を根拠にそんなデタラメ言えるんですかね。これだからマスコミは……。
「明らかにポイントゲッターの豪炎寺君が出た方が勝ちに繋がるに決まってるでしょうに」
「あ……そ、そうですよね!」
「君の目は節穴ですか? 眼科行かなくて大丈夫ですか? それとも先に精神病院ですかね?」
「ひどい!?」
うーん。どうにも女の子と話すのは緊張してしまいますね。思ってもないことをペラペラと喋ってしまいます。
うぅむ。落ち着け僕。
「おぉーっと! 豪炎寺君の必殺シュートだぁ!」
おや、ファイアートルネードですね。燃え盛るボールが相手のゴールへと飛んでいきます。
「ゆがむ空か……うあぁっ!」
ボールは、キーパーの手を弾いてゴールへ。
「決まったぁーーーっ! 雷門のゴーーールッ! 尾刈斗と並んだぁっ!」
うるさ。真横で大声出さないでくださいよ。
さてさてさて。豪炎寺君のおかげで得点は並びましたが、尾刈斗はゴーストロックを発動していません。僕が口出ししたとはいっても、実際にゴーストロックを破れるかどうか……。
「ふはははは! ゴーストロック開始ぃ!」
「おぉーっと、またしても尾刈斗のゴーストロックだぁっ!」
さて……どうなる……?
「雷門またしても動けないぃっ!」
皆さん、ピッタリと動かなくなりました。うわぁ……端からみると阿呆ですね。何余裕綽々で突っ立っているんですか?
そしてシュートが雷門ゴールへ。
ああ、これは入っ―――
「ぅ……ぉおおおおっ!熱血パンチィ!」
円堂君がボールを上へ弾きました。
「皆ぁ……動けぇぇっ!」
大声。そして拍手による大きな音。
「え、円堂さん! 動けるッスか!?」
「ああ! ってお前も動けてるじゃねーか壁山!」
……ふぅ。やっとゴーストロックの攻略成功ですか。円堂君なんか催眠術にかかりやすそうだからどうなることかと。
「こっから逆転だ! 宍戸!」
「ほいっと! 少林!」
「はい、よっと!」
パスを繋ぎ、ボールは瞬く間に前線へ。あちらさんはゴーストロックを破られた事で少し動きが鈍いですね。
それでも豪炎寺君をマークしているところ、なかなかやりますね。
ん! 染岡君がフリーです!
「豪炎寺さん! お願いします!」
はぁ!? 少林君なにしてるんですか!?
「おぉーっと! 雷門渾身のパスミスかぁ!?」
豪炎寺君は困惑しつつもボールを取ろうと奮闘しますが、ボールの飛んできた場所が悪く取られてしまいます。
「なにやってんだ少林!」
これには流石の円堂君も怒鳴ります。そりゃそうですよ、あそこで染岡君に渡していればシュート出来たんですから。
「だ、だって!」
「だってじゃねぇ! 俺に回せよ!」
「む……!」
「ま、まあまあ……」
半田君が染岡君を止めます。……まあ失敗は誰にでもありますし、よってたかって一年を苛めるのもあれですしね。
しかし……凶に出てしまいましたか? いやいやあれだけで決め付けるのも良くないですか。
「尾刈斗中、駆け上がります!」
角馬君ごめん、うるさいです。
「ゴーストロックを破った程度で、僕たちに勝てると思わないで欲しいですね! 月村さん!」
「おうっ!」
目玉バンダナのファントムシュート……おや?
ファントムシュートは、ボールをかかとで蹴り上げて落ちてきたところを蹴る技。しかし、あちらさんはファントムシュートを上空へと飛ばしました。
複数に分裂したボールが空中で一つになり……黄色く変色しました。
「ウルフムーン!」
月村と呼ばれたMFがボールをオーバーヘッドシュート。
ボールは輝く月の様にゴールへと飛んでいきます。
「ゴッド、ハンドォ!」
円堂君はゴッドハンドを突き出しました。
ボールと手がぶつかりあい、火花を散らします。
……いやあの、なんで火花が散るんですか?
「円堂君止めたぁ! 尾刈斗中の必殺技をことごとく止めていく、まさに神の手だぁ!」
あーもー、角馬君うるさいですよ! なんて口には出しませんけどね。
「はぁ~。先生、交代お願いします。松野君と交代で」
「え?……あぁ」
オリジナル必殺技・ウルフムーン。上に飛び一つにまとまった瞬間のファントムシュートを蹴る。
月村が
陣形が崩れるので目金の交代相手を宍戸君→