だから今日も眼鏡を買う   作:yourphone

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vs秋葉名戸ほど書きにくい試合は無いでしょうね……かくいう投稿者もなかなか書けないのですから。
しかしそのような理由で皆さんをお待たせするのは申し訳ない。
よって、番外として未来編です。

やったね目金君必殺技が撃てるよ!


幕間1:いつか来る(かもしれない)圧倒的な目金

「円堂監督、ここは……」

「見て分からないか? ゲームセンターだ!」

 

 雷門中学校の監督である円堂君は雷門イレブンを率いてとあるゲームセンターに来ていました。円堂君はいつも通り笑顔ですが松風君たち雷門イレブンは何とも言えない表情を見せていますね。

 それもそのはず、彼らは円堂君いわく「イナズマイレブンの切り札」に会いに来たのでしょうから。

 ホーリーロードに向けて一秒でも惜しいというのにゲームセンターとは……相手が円堂君ではなく鬼道君だったら最悪フィフスセクターの洗脳を疑われたかもしれません。これが人徳ですか。

 

「本当にここに例の『切り札』が居るんですか?」

「ちっ、やっぱ信じられねぇ」

 

 キャプテンである神童君でさえ疑っているのだから、反抗期の狩野君や元々は敵だった剣城(つるぎ)君が信じられないのは仕方のない事でしょう。

 

「あー、もう待てない!」

「天馬待ってよー!」

「あ、おいお前ら! ―――はは、まったく」

 

 だからこそ純真な行動は一層目立つ。

 

 僕は視線を監視カメラから外し、眼鏡をかけ直す。さてさてどうやってお迎えしてあげましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

「う~ん……見付からないね、信助」

「そうだね。っていうかここ広すぎ! こんなんじゃいつまで経っても見付からないよ!」

 

 素朴二人組発見。よし、では作戦(プラン)Cでいきましょう。皆さん頼みましたよ。

 オタクハッカーの仲間たちが作戦に移ったのを確認したところで僕は二人に声をかける。

 

「やあ。探し物かな?」

「あ、店員さん。その……俺たちある人を探しているんです」

「円堂監督が『イナズマイレブンの最終兵器』って言えばすぐ分かるって言ってたんですけど」

 

 うっわー。分かりませんよ知りませんよ何ですか『最終兵器』って。そもそも『切り札』ですら無いんですからあんまり大言壮語しないで欲しいものです。

 ……さて。まぁ気を取り直して()()()()()()()()()

 

 僕は目金欠流。子供時代から『目金欠流』として生きてきたその演技力を刮目するがいい!

 

「円堂監督? ふむ、つまり君たちはあの雷門イレブンの?」

「はい! 俺、松風天馬って言います!」

「僕は西園信助です!」

「ほーう」

 

 バカですねぇ。自分たちの名前まで教えてくれるなんて。僕が酷い人だったら個人情報の一から十まで絞りとってますよ? もう持ってるから良いですけど。

 

「なら、ここで君たちを捕まえればイシドシュウジ様もさぞかし喜ばれる事でしょうね」

「「えっ」」

 

 指パッチン。うん、いい感じに鳴りました。今日は調子がいいです。

 二人を挟み込むように通路の反対側に現れたのは太っ腹(外見)で僕と同じく眼鏡、モシャモシャヘッドは健在。皆大好き『ゴールずらし』の相戸留(あいどる)君だぁっ!

 

「挟まれた!?」

「お前たちフィフスセクターなのか!」

「さてはて。関係ないじゃありませんか」

 

 ちなみに円堂君や鬼道君たちにはこの作戦一切伝えてません。なにせ伝えたくても僕の最初に出会った人たち次第で変わりますからね。

 作戦Cは簡単に言えば『有名人となる恐ろしさを思い知らせる』作戦です。円堂君たち監督組は上手い具合に生徒たちから引き離し生徒たちを目標に攻撃、もとい口撃を繰り出します。あ、もちろん手は上げませんよ? フィフスセクター以外に敵を作る気はありません。

 

「ど、どうしよう天馬」

「くそ……俺たちを捕まえて何が目的だ!」

「あーあー、店内ではお静かにー。学校が終わってすぐこんなとこ(ゲームセンター)に遊びに来るような悪い子たちにはお仕置きが―――」

 

「天馬、信助! 全く、勝手に行くから探したぞ?」

 

 うげ。僕の後ろから聞こえてくるこの声は。

 

「「円堂監督!」」

 

 ですよねー。まだ何もしてないんですけどー。

 

 

 

 

 

 ゲームセンターの奥、フィフスセクターによって建設を余儀なくされたサッカーコートにて。僕は正座をしていた。ギリギリアウトな悪戯に円堂君がぶちギレたからです。

 円堂君にしては珍しく本気で怒り、『怒りの鉄槌』もかくやと言わんばかりの拳骨を喰らいました。いたた……。あと地味に鬼道君の説教が心にきます。

 

「まあ、今回は俺の生徒たちの事を思ってやったらしいからこれくらいで許してやる」

「……余計なお節介だったみたいですけどね」

 

 バラバラに分かれた雷門イレブンたちにもそれぞれオタクハッカーの仲間たちをけしかけたのですが、ものの見事にやり返されたみたいですしね。

 

「とはいえ、生徒たち自身にも危機感を持って貰わないと。過去に事故と称して雷門を消す、なんて事例が無かった訳じゃないんですから」

「……分かっている」

 

 おっと、鬼道君の心のトゲを叩いてしまいましたか? これはすみませんね、なにせ徹夜していたもので。あとさっきの皮肉混じりの説教のお返しです。

 

「さて。さてさてさて。無駄話はこのくらいにして、本題に入りましょうか」

 

 円堂君と鬼道君、音無君にガミガミ叱られたのでもうきっついんですよ。さっさと話を終わらせましょう。

 

「こんにちは、はじめまして雷門イレブンの皆さん。僕が目金欠流です。では早速、本当はやりたくないんですけど」

 

 僕の後ろにオタクハッカーの仲間たちが立つ。うん、例え見かけ倒しだとしても謎の威圧感ぐらいはあるでしょう。

 

「サッカー、やりましょうよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なーんて、格好つけたものの。中学以降一度として試合なんかしていなかったのでぼろ負け中です。必殺技の一つも見せていないとはいえかなり堪えますね。

 前半終了時点で点数は3-0。負けてます。うーん、後輩たちからの視線が痛い。しかも聞こえてくるんですよ、「本当にアレが強いのか」っていうブーイングが。

 

「どうする目金? 俺たちこれでも全力でやってるぜ?」

「んんっww 現役には勝てないってそれいちww」

「ヒーローは……負けんっ!」

 

 いつもながら濃いメンツですねぇ。この現代社会でどうやって生きているんですか? それはともかく、急遽集められた元サッカー部員じゃどうしようもありません。僕が何とかしなくては。

 僕は目金欠流。へたれな弱者で居たかったです。というか実際弱者なんですから。

 

 しかし―――ガキにナメられたままなんて癪に触る。

 

「いいでしょう、僕が盛り返します。勝ちましょう」

 

 この体でどこまで出来ますかねぇ。

 後半はオタクハッカーからキックオフ。僕は『ど根性バット』のバットの方こと、芸夢君からボールを受ける。

 定石ならば一度MFに渡してからFWは攻めるべきですが……オタクハッカーはこれでも全員社会人。これ以上僕以外に負担はかけられません。このまま行きます。

 

「皆さん! 必殺技を解禁します!」

 

「「「おうっ!」」」

 

 まあ、カウンターをくらったらひとたまりもありませんが。そこは相戸留君たちに期待です。

 雷門イレブンの皆さんも少しだけ気を引き締め直しましたか?

 

「たぁっ!」

「よっと」

 

 スライディングしてきた神童君はジャンプで避けます。おっと着地際に松風君ですか。アレはもっと複数人を巻き込んで使いたいですから……。

 

「そよかぜ―――」

「遅い。イリュージョンボール!」

 

 ボールに過剰回転をかけ指向性を持たせずに放置。使った本人にさえどう動くか分からないボールは、まるで複数に見える事でしょう。

 

「そんな! それは鬼道コーチの必殺技!」

 

 応える義務はありませんが言うとすれば―――他人に出来て僕に出来ない理由はありませんよ。

 ちらっと鬼道君の方を見ますがあのトンボの眼みたいなゴーグルのせいで表情は分かりませんね。

 

「ザ・ミスト」

「おっと」

 

 霧野君の手の動きに合わせて霧が発生する。オタクハッカーの『五里霧中』ほど対応範囲は広くないようですけど、その分周りが見辛くなりますね。こういう時は撤退撤退。

 僕は目金欠流。逃げ腰で対応しなくては。無理はするだけ無駄ですよ。

 

「……は?」

 

 霧が晴れた時、霧野君がボールを保持していますがその目の前には僕。向こうからすればどう見えているんでしょうね。『相手からボールを取ったと思ったら既に相手は目の前に居た』何を言っているか(ry。

 

「じゃ、そよかぜステップ」

「うわあっ!?」

 

 相手の懐に潜り込み、体を捻ってボールを取りつつ抜く。相手は飛ぶ。

 

「今のは天馬の!?」

「くそっ、前半は隠してたっていうのか!」

 

 えーえーそうですよそういうことにしておいてください。……動きは知ってましたが実はぶっつけ本番です。

 

「いきますよ!」

 

 ボールを軽く蹴り上げ、蹴る。蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る。右を蹴ったら即座に左を。上から落とす力は下からの力で回転力に変換して。産み出されるのは神の力の一つ。

 

「ディバインアロー!」

 

 名前はアローですが槍を突き出すように蹴り出す。うーん、ただこれは……

 

「ビバ! 千里の長城……うわ!」

「ハンターズ……ネット!」

 

 二人がかりで止められました。石造の城は破壊したのですがその後の網は破れません。

 

「ありゃりゃ」

「あっぶねぇ……」

「ナイスだ狩野!」

 

 ふむ、もうちょっと強くすれば『ハンターズネット』も敗れますかね? でもあれで『ディバインアロー』は限界ですし……。ま、取り合えず一生懸命に戻りますか。

 

「っ、速い!?」

「あれが……『雷門の切り札』……!」

 

 大袈裟ですってば。脚が長いだけですって。……でも必死に練習した必殺技を誉められるのは嬉しいものです。

 

「よーし、頑張っちゃうぞー」

 

 うーん、我ながら棒読みですね。っと来た来た。

 

「絶対に―――」

 

 松風君が叫びながら駆けて来ます。叫ぶと疲れますよ。……と、松風君の背中から黒い影が。

 

「負けない! うおぉぉぉぉ!」

 

 影は人の形となり、赤毛のムキムキ化身となりました。確かあれの名前は……

 

「魔神、ペガサス!」

「そうそう、ペガサスでしたね」

 

 仕方無い、使うべきはここですね。

 

 右手を上に掲げる。

 

 松風君は車のような勢いで突撃してくる。正直怖いです。

 

 ですが僕は目金欠流。普段へっぴり腰なんですからやるべき時はやるしかないでしょう。

 

「ヘブンズタイム」

 

 指パッチン。

 

 時が……止まる。ここから6秒間は僕だけの時間です。




気付いたらそこそこに長くなるので2つに分けます。妄想が捗れば幕間3まで行くかも……?
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