げふぅ……痛いなぁ……全く。『デスレイン』とかいうのにボコボコにされました。これでもなんとか一個は弾き返せたんですけど。
「『マジン・ザ・ハンド』! ……ぐっ、うわあぁっ!」
円堂君も止めきれなかったようですね。っていうかあれシュート技なんですか。それにしてはゴールに行ってないボールもどきが多いですけど。これで、0-2。
さて……相手の速さに付いていけないです。タイマンなら足止めぐらいは出来ますけど、パスを中心にしてくるんですよね。
「うわっ!」
しかもなんか僕ばっかり狙ってきますし! パスカットしようとして足が弾かれてからはもう避ける事に集中しています。なるべく皆さんに迷惑がかからないように避けてるんですけど、余波だけでボロボロになっていきます。
ぐぐ……そんなに体力無いんですからやめてくださいよ!
っていうか君たちの最大の敵は円堂君なんでしょ!?
「まずは貴様が消えろイレギュラー! デス・スピアー!」
ん!? 僕に向けて必殺技ですか!?
だったら、僕の新しい必殺技を見せてあげますよ!
目をつぶって、
黒の闇。朱の彼岸花。そして、銀色の
見えた、開眼!
「しに!」
足を振り上げてボールにぶつける。横振りの鎌をはじく。
「がみ!」
今度は横から掠めるようにボールに回転をかける。鎌を遠くへ飛ばす。
「がえしぃ!」
最後は
これぞ、文字通り死の淵で見出だした必殺技! その名も『死神返し』!
これは必殺シュートに対するカウンター、元のシュートが強ければ強いほど成功しやすくなります!
なんと今のところ『死神返し』が
あの『ドラゴントルネード』や『イナズマ落とし』、『イナズマ一号』でさえ発動できなかったんです。
「なにっ!?」
「い……けえぇぇぇっ!」
おお! なんと綺麗な直線なんでしょうか……ここまでかっこよく成功したのは初めてです!
ですけど、ほぼゴール前から逆側のゴールへうったので威力はかなり落ちているでしょう。
「おおぉっ! ニードル、ハンマー!」
GKの拳が震え、ボールをズガガガガッと貫通しま―――貫通!? ボール壊してるじゃないですか、って直っただとぉっ!?
さ、さすがは未来の必殺技……。
と、笛の音。ようやく前半終了ですか。
「ちっ命拾いしたね!」
男の娘が悪態を付いてベンチへと戻っていきます。
……僕も染岡君と支え合いながらなんとかベンチへ。
「凄いじゃないか目金! これならガンガン攻められるな!」
円堂君がハイテンションで話しかけてきます。よくもまぁ……いや……これは、半ば空元気ですね?
「いえ、無理です」
「な、なんでだよ。後半もあぁやって必殺技を返していけば―――」「簡単に止められます」
すみません、嘘でもそれで行こうってことにしたいんですけど……。
「『死神返し』は性質上、相手から必殺シュートを蹴られなければ使えません。つまり大体さっきと同じ距離を飛ぶ事になります。これじゃあどれだけ威力があっても意味がないです」
「だったら」
「豪炎寺君か染岡君に必殺技を蹴ってもらうと? ……それはリスキーです。彼らのサッカーを見たでしょう? 突出した瞬間、餌食になって行動不能になってしまいます。今の状態で二人とも動けなくなったら……今度こそ攻め手が無くなってしまいます」
「っ……」
「そして、これが一番大きな理由なんですけど……」
あぁ、限界です。染岡君、ここまで運んでくれてありがとうごさいます。
倒れる。
「目金!?」
「は、ははは……すみません。僕は、目金欠流。本当なら『死神返し』でここからの活路を開きたいんですけど……これ以上動けません。右脚が、多分折れました」
マヒしてるのか痛みはない。あれですね、そう言えば、僕はこれでも病み上がりだったんですよね。
リハビリ頑張ったんですけどねぇ。
「……マックス、出番だ」
「はいよ、監督」
これでベンチ組は皆交代しましたね。
…………あぁ、悔しいなぁ。
その後、何か光の玉としか言い様の無い何かがデス・スピアーを受け止めて、未来からの仲間とか言うのが空から降ってきて僕らの代わりに戦ってくれました。
豪炎寺君が新しい必殺技を出したりしてかっこよかったです(小並感)。練習では全く見せてませんでしたし、まさかぶっつけ本番?
……相手のGKの背中からDF二人が出てきたんですけど。
どおりですかすかな訳です。
で、円堂君のオメガ・ザ・ハンドとかいうのでデス・ブレイクを握りつぶして大逆転、3-2!
いやぁ、最高ですね。バタップ君もサッカーの楽しさを知ってくれたようです。
未来ですか。……僕は何をしてるんでしょうね?
「やった、ついにやりましたよ!」
「えぇ……フットボールフロンティア……優勝よ……!」
たはは、僕も動ければなぁ。立ち上がれれば、少なくとも最後の礼も出来たんでしょうに。
カチッ
―――ん? 時間が止まった?
「目金欠流」
「バタップ君?」
わざわざ時間を停止してまで何かようですか?
「忠告だ。良くも悪くもお前はイレギュラー、お前がどこまで未来を知っているのか知らないが、いつかお前の能力を越える何かが来るだろう」
「……」
「その時の為に、これを」
そうしてバタップ君が渡してきたのは、やけにスタイリッシュな眼鏡。
「未来の技術で作られた特殊な眼鏡だ。壊れにくく、時間を越えて通信できる。……もしもの時は、俺たちを呼んでくれ」
「……はは、呼ばれる側かもしれませんね? まぁ大事にします」
―――そっか。そうかそうか。なんか点数がボヤけて見辛いと思ってたんですよ。
眼鏡、割れてますね。
「それじゃあ……
「えぇ、
カチッ
今度こそバタップ君たちは未来へと帰っていきました。
……この眼鏡は、なるべく大切に使うことにしましょう。壊れにくい未来産の眼鏡ですか。もう、眼鏡を買う必要もないかもなぁ、なんて。
―――僕は目金欠流。念には念を入れるイレギュラーな
だから、明日でも眼鏡を買いましょう。
軽い感じで終ー了ー!
読了、ありがとうございました!