フルーツバスケットの日常   作:ハーメルン’s

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どうも、番外編担当のフィラーです。
少し更新間隔があいてしまっていたので別の作品として書き始めたものの没になってしまってそれでも消していなかったものを急遽短編として仕上げました!
良ければ読んでください!


番外編

 「間知先生、新作の原稿まだですか~」

 

そう言って次の作品をねだってきたのは私の担当編集である中尾花楓だ。

 

彼女は私がデビューしたときに入社した新人だったのだが、話を聞く限りでは、web小説時代から私の小説を読み続けていてその小説たちを世に出したいと思い、入社したそうだ。

 

「まだ描き上げては無いのですが、もしかしてもう枠を取っていたりします?」

 

私は土日の間に行こうと考えていた取材旅行の準備をしていた手を止め、机の上に置いているパソコンに向かい合って聞いた。

 

「三か月後の枠は取っていますよ~前の作品も重版が決まったらしいですし、早めに出してくれるのに越したことは無いのですよ~」

 

私としてはもう少し余裕をもって枠を取ってほしいものなのだが、そんな思いは担当の彼女には届かず三ヶ月ペースでの出版となってしまっていた。

 

そんな生活をしているせいで学校にも修羅場のせいで行けないことも多いのだと心の中で愚痴りながら私は答えていた。

 

「毎回毎回〆切が早くないですか?私にも少しは休みをくださいよ」

 

そんな私の心からの叫びに対し彼女は追い打ちをかけるようにこう言ってきた。

 

「上からの指示でもあるのですよ...だから頑張ってくださいね!」

 

「え、ちょ、ちょっと~!」

 

担当編集は私の文句なんて知らないとばかりに用件を伝え終わった後私の言葉を待たずに一方的に電話を切った。

 

しかし、文句は言えない。これからどれだけ書き続けられるかは分からないが、今、私にはまだこれしかお金を稼ぐ方法が無いのである。将来の事を考えればどれだけあっても困ることは無い。

 

「さて、少し見切り発車ででも書いていきますか」

 

全くもってネタは上がっていなかったがそう言って机に置いてあるパソコンのキーボードに手をかけ書き綴り始めた。

 

一作目、没

二作目、没

三作目、没

 

所々休憩もはさみながら没作品の山を築き上げていった。そして...

 

「終わった~もうしばらくこんな修羅場には会いたくない!」

 

納得のいく作品が出来、私は脱力していた。いつも〆切ぎりぎりに発注してくる担当に私はこうメールしていた。

 

「今後の依頼はもう少し間隔を上げてくれると助かります。そうじゃないと過労で倒れてしまいますよ… あと、今回の小説ですが没ネームと共に添付フォルダに入れてあります。没をどう使うのかはあなた次第ですが、少しは反省してください」

 

そのメールと共に作った小説を担当に送ると、私はもう土日を通り過ぎて平日になっていたことに驚き、急いで学校へ行く準備をしていたその時、私の担当からの電話がかかってきた。

 

「間知先生、他の先生たちの育成のためにも僚に入ってみませんか?」

 

この誘いは私にとって悪魔の誘いにしか聞こえなかった。なぜならこれまでと同じペースで小説をねだりつつその上後輩の育成までやれと言われているように感じたからだ。しかし、興味はあったので話だけ聞いてみることにした。

 

「中尾さん、話だけ聞かせてもらえますか」

 

私としては後輩が育ってきたら少しは出稿ペースが下がってくれるかと少しばかり期待して後輩の育成だけはやってもいいかなと感じそう言っていた。

 

「えっとですね… あっそうでした。わが社でも新人の育成の為に僚を作り、その中で切磋琢磨してもらおうという物なのですが入りませんか?」

 

この話を聞いて、すでに日常生活に支障をきたしているほどの人にそこに入る意味はあるのだろうかと思い、アドバイスだけする取引を持ち掛けた。

 

「納品の間隔を開けてもらう代わりにそこにビデオアドバイザーとしてならいいですよ」

 

「分かりました… ではその様に先方に伝えておきます」

 

こうして私の中に小さな休暇を手に入れることが出来るようになった。だが、この平凡はとても儚く、そしてとても大事な時となるのだった。




この子の話がもっと読みたいという方がもしいらっしゃいましたらお気軽にツイッターの方(https://twitter.com/fira49081)にお声掛けください。
要望が来ましたら短編集として私個人のアカウントで書かせていただきます。

誤字・脱字あればご連絡お願いします。
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