フルーツバスケットの日常   作:ハーメルン’s

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今回はフィラーです!

視点は管井ですので間違えないようにしてくださいね...
そうじゃないと盛大なキャラ崩壊を起こします


スランプ

一時間目の授業が終わり、次の授業の準備をしていた時に、担当編集の方から一通のメールが私の携帯に届いていることに気づいた。その件名はいつもの原稿催促のものでは無かったのでその場で見ることにした。

 

「貴女とペアを組んでいた、舟橋(ふなはし)さんが先ほど病院に搬送されました。命に別状はないようですが、病状については電話で話させていただきたいです。なので都合が合うときでいいのでこちらに電話してきてください。ただ、間知先生まで倒れられるとこちらとしても大変ですので、お体に気を付けてお過ごしください。」

 

私も何度か私の小説の表紙デザインをしてくれている舟橋彩七(ふなはしあやな)さんの所にはお邪魔させてもらっていたが、私よりも健康な生活をしていた人だった。なので、何故倒れたのかが気になり、彩七の事が気になって集中して受けることの出来ないであろう2時間目の授業を飛ばすのも視野に入れつつ編集に詳細を聞くことにした。

 

まだ午前中だからなのかは分からないが無人の屋上に出て私は担当編集に電話を掛けたら数秒足らずで出てくれたので、つながったとたんに私はこう言った。

 

「彩七は大丈夫なんですか?」

 

すると、担当からは少し諦めの混じった声で言った

 

「今は大丈夫ですよ。でも、スランプが続いていたらしく、まともに飲食もせず、睡眠もとっていなかったそうなので、もう少しこちらが発見するのが遅れていたら栄養疾患で大変なことになっていたかもとのことでした」

 

その報告を聞いて私はそんなにひどかったなら一言言ってくれたらよかったのにと心の中で愚痴っていたが、よくよく考えると彩七は人に相談するのが苦手で、一人でため込みやすい性格なのでスランプに陥ったなんてことになったりしたらばれないように必死になるだろうと自分の中で結論を出していた。

 

「それなら安心しました。病院の方は編集部近くの病院ですよね。」

 

「はい。そこの316号室です」

 

「それなら、帰りにでも寄って少し活を入れてきますよ...」

 

そう言って電話を切り、私も連載決定当時はスケジューリングをミスってよくあの病院に運ばれたっけと昔を思い出して少し懐かしくなりつつも仕事上の関係から親友にまでなった彩七の事を少しでも励ましてあげようと私なりに考えてみることにした。

 

少し昔話をしよう。これは私がネット上で小説を投稿していた時のことだ。

最初の方は自分が書いた小説を見に来てくれる人は少なく、気楽に書いていた。

しかし、だんだんと口コミで広がっていき、私はその小説を気楽に書くことが出来なくなった。

”次は一週間後に上げよう”という思いと、”まだ次の話の骨組みすら出来てないよ...”という不安とが混ざり合い、書いても書いても評価の二文字が頭をよぎって納得のいくものが書き上げることが出来ず、気分転換に別作品をどこにも上げることなく書き続け、最終的にはメインの小説よりも趣味の作品の方が出来がよくなっていた。

そうなってくるとメインで書いていた小説を書くたびに矛盾が出てないか...タイピングミスが無いだろうか...と気になり始め、ついには趣味の方もネットに上げているメインの方も両方とも書けずに筆が完全に止まってしまっていた。

そんな時、一通の応援メールが届く。

 

「いつも楽しみに読ませてもらっています!キャラの絵を非公式ながら書かせていただきました!私生活も大変かと思いますが、更新まっています!sienne.jpeg」

 

このコメントを読んで、言葉だけの私の小説に光が差し込んだ気がしました。

添付されていた絵はその当時書いていた小説のキャラの特徴を見事なほどに表現していつつ、少し荒いところもある絵でした。

その絵を見たとき、私の頬には人知れず一筋の涙が流れていました。

 

”書き続けてて良かった。私はこれからもこの人からもらった勇気を胸に書いて行こう”

 

そう思えるほど私の心に響いたのです。

 

私がスランプになったときに届いた、スランプ脱出するきっかけを作ることが出来るきっかけをくれた一つのファンレターを思い出し、それも彩七が書いてくれたものだったっけと思うと今度は私が励ましてあげる番だと言わんばかりに一つ筆を執り、私もスランプに陥ったことがあり、その時に一通のファンレターから勇気をもらったその時の状況を思い出し、たとえ自分が気にくわなくてもその気にくわないは成長の助けになってくれるということを書いた文章と共に今日の終業のチャイムを待つのだった。




誤字などがあれば@fira49081までお願いします

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