フルーツバスケットの日常   作:ハーメルン’s

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どうも、『no-name』です
今回は急参加の方の物語です
では、どうぞ


第七話 読書と独書

それはいつもと同じように一人で本を読んでいた時の事だった。

菅井(かんい)さん、その本面白いよな」

そう言われ、一瞬固まっていた私だったが、相手がクラスの中でもよく本を読んでいる空亡君だと分かり、その緊張は過去のものとなっていた。

「そうでもないよ、初めの方から最後が見え見えだわ」

素っ気なく返したが、正直今読んでいた話はいわいるテンプレと言われるものや、お約束と言われるようなものがちりばめられていて、先の先まで、予想出来てしまうのだ。

そんな本であったとしても、面白いと思う人もいるだろうが、私にはお世辞にも面白いとは言えるものではなかったのである。

おっと自己紹介がまだだったね。私は菅井(かんい) 顕紀(けんき)

男のような名前だが、性別は女である。

小さいころから小説を読んで育ってきてそれでも、心から面白いと思える本にたどり着けていない者だ。

最近は自分でも書いていたりもするが、自分で書くのは、今は絶版となり、出回っていないあの本以外では心の書庫を埋めてくれるような作品に出合っていないからである。

話は戻すが、私は空亡君が苦手だ。

しかし、話していても苦ではない。むしろ本の話以外の話を持ち掛けてくる人よりは拒絶しないというだけである。

だからこそ、私は決まっていつも言っていることがある。

「心から面白いと感じ取れる本なんて、簡単に見つかるはずないじゃない」

私はその言葉を残していつも独りでいる。誰かが私を満足できる本を書いてくれるように祈りながら。そしてまだ見ぬ本を探し、本屋や図書館を巡る。その巡った先に新たな作品のネタがあるかもしれないから。

その日から数日彼女は学校に姿を現さなかった。クラスの人はそんな彼女を心配する者はごくわずかな者だけだった。

というよりも、来ていないという事に気づいているのがごくわずかな者しかいなかっただけなのだが…

教員たちは彼女が特別推薦で入学したことを知っているため、何も言わない。彼女は彼女の仕事に詰まっているのだと感じて。

一か月位学校に行かなかった私は編集からせがまれていた本を計10冊分納品し、さらに少し遠出をしてまだ見たことのない本を探して片っ端から読んで行っていた。

そして久しぶりに学校に行くと編集が早く続編をと催促していた本を読んでいる人がそれなりにいた。

そのことにうれしさ半分、恥ずかしさ半分だったが、表情に出すと作者が私だとばれてしまう可能性があり、そうなると静かに読書が出来なくなってしまうと思い、表情には出さないでいた。

その日の昼休み、私は相も変わらず屋上の貯水タンクの上で本を読みながら昼食をとっていたその時だった。

「菅井さん。この小説あんたが書いたものでしょ?」

そう言われて私は思わず読んでいた本を落としてしまっていた。

そのことにより確証を持たれてしまったのか、彼女は続けて言った。

「この本、面白かったわよ」

そう言って彼女は去っていったが、私はしばらく放心状態になっていた。

何故ばれてしまったのか、このことが広まったらどうしようと。

私は放心状態から復帰した後、彼女を探したが、どこのクラスの誰なのかそもそも何年生なのかさえも分かっていなかったため、お礼を言うことも、何故分かったのかを聞くことも出来なかった。

「どうして分かっちゃったんだろう。名前も後書きの話し方から読み取れる性格も全く違う物なのに」

そのつぶやきにこたえる人は誰一人いなかった。

それに、その答えは名も知らぬ彼女しか分からないだろ。

しかし、そのつぶやきに疑問を持つものはいただろう。

その答えは誰も知ることが出来ないのに。

そうして私には一人の学生としての日常が戻ってきた。

今までが非日常だった訳ではないが少なくとも普通の学生としての日常では無かっただろう。

ミステリー、ラノベ、ラブコメ、その他にも手を染めてきた私にとっては小説を書くことが日常となっていたのだろう。それが他の人にとっての非日常だとしても。

私はネタを求め今日も学校へ行く。

まだ見ぬネタを求めて。

私は今日も本を読む。

まだ見ぬ心の書庫を満たしてくれる本を求めて。

その書庫の中で私はまた独書するたった一つしかない本を片手に。

私は探し求める。私の中で独書がいつの日か読書に代わると信じて。




えー、どうでしたでしょうか?
僕は菅井さんがどんな心象で小説を書いて行くのか、次回があれば楽しみです
次回、この方の物語を上げる際は自身で上げる事になると思うので、宜しくお願いします
と、言う訳で、指摘や感想などを是非、我らはお待ちしております
読んで頂きありがとうございました

@Aaizayoi
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