賭博エレジオン   作:くろの あずさ

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第2話<お嬢様と美少年>

「ありがとうございます、ルーク様。助かりましたわ…。わたくしは、ミモザ=エレジオーネ。このご恩は必ずお返し致しますわ…」

 

丁寧にスカートの端を持ち、美しく礼をする美少女に、美少年は右手を差し出しながら、

 

「ルーク=フリーゼルだ。ようこそ、エレジオーネ嬢。」

 

と微笑んだ。

美少女は美少年の名前を聞いて驚きを隠せずにいた。

 

「まぁ!あのフリーゼル卿のご子息でしたの⁉︎わたくし、フリーゼル卿とは、祝賀会で何度かお会いしていますの!代々、我が家を贔屓にして頂いて…。」

 

そんな美少女に優しく微笑み返した。

 

「そうでしたか。なら、いつでも遊びにいらしてください。カウンターに名前を言って下さったら、1000万ポーン分のコインをプレゼント致しますよ。それで、エレジオーネ嬢は今夜どちらに?」

 

「コモドという名前のカフェレストランに下宿する予定なのですが、帝都は初めてなので…」

 

美少年が、困り顔のミモザの地図を覗き込む。

 

「僕の友人の家ですね…。エスコートいたしますよ。

それで、もしよろしければ、あちらについたらお手合わせ願えますか?」

 

「はい、ぜひ♪」

 

満面の笑みで答えるミモザに、

美少年も照れを隠せないでいた。

 

「着きましたよ、ここがコモドです。」

 

「ありがとうございます。それで、何を賭けます?わたくし、小腹が空いていますので、何か奢ってくださればそれで十分ですわ♪」

 

「分かりました。とりあえず中に入りましょう、エレジオーネ嬢。」

 

扉をひらく。カランと鐘が鳴る。

 

「いらっしゃいませぇ〜♪マジックカフェレストランバー、コモドへようこそぉ〜♪って、ミモザちゃん!?ひさしぶりぃ〜♪ルークさんも、いらっしゃいませぇ〜♪」

 

ふわふわとした髪の毛と雰囲気を携えた可愛らしい少女が2人を嬉しそうに出迎える。

 

「ひさしぶりね、フローラ。幼少期に遊んだきりだったけど、改めてこれからよろしくね♪」

 

フローラと呼ばれたその少女は、ミモザの荷物を預かる。

 

「フローレンス・コモドとお知り合いですか?エレジオーネ嬢」

 

美少年が尋ねると、ミモザは嬉しそうに答えた。

 

「えぇ。幼少期に、お母様が決めた遊び相手でしたの。」

 

「そうでしたか。僕の友人のジャックもそんな感じですよ。おい、ジャックはいるか?トランプを貸して欲しいんだが。」

 

店の奥まで届くような声を出す。

 

「相変わらずだな、ルーク。突然きた上に、いきなりゲームとは。んで、何をやるんだ?」

 

店の奥から、眠そうな目をこすりながら、マジシャンの格好をした、小生意気な少年が顔を出した。

 

「帝都流インディアンポーカーだ。」

 

「了解。嬢ちゃん、インディアンポーカーってのは知ってるかい?」

 

「ええ、たしか、カードを自分に見ないように、相手から見えるように額に当てて、相手のカードより数字が大きいか否かを当てるゲームでしたよね?でも、最低参加人数は3人。本来は5人が好ましいですが…」

 

「この辺じゃ、オリジナルのルールがあってな、カードは1〜10とジョーカーのみで、相手のカードとの差も予測するんだ。

どちらかがジョーカーなら、5から下に負けて、6から上に勝つ。ジョーカー同士なら一戦追加。差については、ジョーカーは5として考えると楽だぜ。差が少なかったほうが勝ち。で、5に賭けるんじゃ面白くないから、5は禁止だ。ディーラーは俺がやる。そしてヒントとして、配られなかったやつから一枚ランダムで開示する。

何か質問は?」

 

「ジャック様、インディアンポーカーは、自分は見て相手には見せないカードも、配るのですが、こちらも相違ないでしょうか?それと、ルーク様は一体何をかけるのですか?」

 

「あぁ、言い忘れていたな。相手には見えて、自分には見えないカードと、自分は見て、相手には見せないカードが一枚の合計二枚だ。つまり、盤上には5枚出て、御前達が自分だけで見れるのは3枚ってこった。」

 

「俺は…二人きりで話したい事があるから、ミモザ嬢の時間を少し。」

 

「わかりましたわ」

 

「じゃあ始めようか、ルーク、お嬢ちゃん。」

 

ジャックが軽やかにカードを切り、そして配る

 

「こいつは見ないで額に。

こっちは自分にだけ見えるようにして見ろ。今回のヒントは…6だ。」

 

ミモザは考える。

自分から見えるカードを纏める

自分が持つカード8。相手の額には3、ヒントは6。

つまり、1.2.4.5.7.9.10.Jokerが出ていない。つまり、最大の差は7となる

1〜7の平均は4。

差は4にしよう…

 

「差は4よ。私のカードはあなたより大きい数字だと思うわ」

 

「差は2だ。俺のカードはお前より小さい」

 

「カードオープンだ。ルークが3で、ミモザが5。ルークの勝ちだな。」

 

「残念、負けてしまいましたね…」

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