バカとテストと召喚獣 トリックスターとバカの物語 作:ぺるそな
「おやおや、これはまた珍しいお客様でございますな。」
群青色の部屋の中心のテーブルに座っている妙な鼻の老人がこちらに向かって話しかけた。
「私の名はイゴール。この部屋、夢と現実。精神と物質の狭間の場所⋅⋅⋅⋅⋅⋅ベルベットルームの主をしております。どうぞお見知りおきを。そして、横におりますのが⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
「ラヴェンツァと申します。このベルベットルームで主のお手伝いをしております。」
老人はイゴール、少女はラヴェンツァというらしい。
「さて、どうやらあなたはかつてこのベルベットルームを乗っ取った存在から世界を取り戻したお客人の事を知っておられるご様子。」
「人の世とはかくもはかなく移ろい行きます。蝶の羽ばたき一つで運命が大きく揺り動くように」
「これからあなた様にはそのお客人が歩まれたもう一つの物語。それをご覧いただこうかと思います。異なる運命を新たなる絆を結び乗り越えた⋅⋅⋅⋅⋅⋅いや、これは失礼。世界を違えても変わらず結ばれる絆と新たなる絆、と言ったところですな。」
「それではご覧ください。私の愛しのトリックスターの物語を。」
「⋅⋅⋅⋅⋅⋅娘を持つ親の気持ち、理解出来るような気がしますな。」
「それじゃあ、行ってきます。惣次郎さん。」
「行ってきます!そうじろう!」
「おう。気いつけて行けよ。⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
⋅⋅⋅⋅⋅⋅?どうかしたのかな?
「どした?そうじろう?」
「ん?あぁ、もうそいつが来て一年経つのかと思ってな。」
「そっか、そういえば。暁が来てもうそんなんなるんだ。」
そうか、そうだよな。もう一年か。こっちにきてからはみんなとは去年の夏休み以来会えてないな。あのふたりが付き合うようになったって話はこの間したけど。
「しっかし、お前はよく貧乏くじを引くな。」
否定する気はない。
「俺はただ自分が正しいと思う事をしただけですよ。」
「そうだぞ、そうじろう!だからこそ暁は私の自慢のカレシなんだ!」
流石にハッキリと目の前で言われると照れるな。
「双葉。お前なぁ、義理とはいえ父親の前では止めてくれないか?結構きついぞ?」
「まあまあ、ゴシュジン。そこは耐えてやろうぜ」
何も知らない人がみたら驚く光景だ。猫がしゃべっているのだから。
「お前さんも双葉が作ったその首輪のおかげで喋るようになってそろそろ一年だな。」
「どやぁ。」
母親譲りだというその頭脳には本当に驚く。間違いなく来年のAクラス代表は双葉だな。
「じゃあ、改めて。行ってきます、惣次郎さん。モルガナ。」
「いいこにしてろよ、モナ!」
からんからん!
「なあ、大丈夫なのか?噂じゃかなりひどいって聞いたけど。」
「大丈夫だよ、そんなやわじゃないさ」
俺はそういって安心させるように双葉をなでた。
「むぅ⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
だがまあ、一人心配な人の心辺りがあるけどね。だけどその時は。
「そういえば一年生はあれないの?」
「ああ、一年は操作の練習だけだよ。」
仕掛けるまでさ。
「いやぁ、早く一年たたないかなー!」
「はは、気が早いな。」
戦争を!