最強の目を持つハンター   作:kurutoSP

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彼女は漢字に弱いのかもしれない

「おかしい」

 

 彼女は一人部屋で呟く。

 

「財布が何時まで経っても膨らまない」

 

 彼女は財布を逆さにして、中にある金をテーブルにぶちまける。

 

 そこには少々の小銭が出てくるだけである。そして彼女は今度は通帳を覗くが、そこには彼女が以前強盗で稼いだ金額の1/10程度しかない。

 

 彼女はまた口の中でおかしいと呟くが、彼女は気づかない。

 

 彼女がヒソカをこの部屋に連れ込むたびに、もしくはヒソカが侵入するたびにこの部屋がこわれていくのだが、それが直ぐに修理されていることに。

 

 今日も彼女はイラっとして朝今自分が座るイスを壊していたのだが、それが直っていることに気が付きもしない。

 

「またヒソカか!」

 

 彼女は即座に八つ当たり先を見つけると、ヒソカの部屋に突撃しに行く。どうやら、先日の嘘の情報が相当頭に来ていたようだ。ハッキリ言っていちゃもんである。

 

 しかし、彼女の今回の八つ当たりは意外と的を射ていた。

 

 彼女の通帳の金を部屋の修理に当てる契約を彼女が強盗に精を出している間にハンコもろもろを利用してヒソカが勝手に結んでいたのだ。普通によろしくないことなのだが、天空闘技場側も困っていたため両者の利害が一致した結果、彼女の金は毎日コツコツと減っているのである。

 

 彼女は原因は自分にあるのだが、それに気づきもしない。本来なら領収書などが彼女の元に届くはずなのだが、毎朝彼女で遊ぶために来るヒソカがそれらの一切を回収してしまうため彼女は気づけない。

 

 彼女は今日も天空闘技場でお金を使うのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいゴン!これ見ろよ」

 

 キルアは完治したゴンにあるチケットを見せる。

 

「どうしたのキルア?そのチケットがどうかしたの?」

 

「よく見てみろよ」

 

 そのチケットにはヒソカの名前があった。

 

「あ!ヒソカそれいつなの」

 

「落ち着けよゴン。今日のチケットだよ」

 

 ゴンはキルアに詰め寄りそのチケットを持つ手を握る。そして、対戦相手の名前を見て首をかしげる。

 

「カストロ?キルア知ってる」

 

「この天空闘技場で唯一ヒソカからダウンを奪った相手だよ。だから今回このチケットはかなり人気があったんだぜ」

 

「ふ~ん」

 

「ゴン行こうぜ!」

 

「ちょっと待ってキルア。まだ約束の一か月が過ぎてないよ」

 

「あっ!そうだったな。お前の回復が余りにも早すぎるからもう一か月たったような気がしていたぜ」

 

 ゴンは怪我をした日にウイングから誓いの糸を指に結ばれており、ケガが治る一か月の間念の修業を禁じられていた。

 

 ただ、キルアが言う通り、ゴンは怪我自体は2週間程度でほぼ完治まで持ったいていたため、キルアと普通に外に出たりと完治に一か月かかる怪我人らしからぬ行動をしていたため、怪我が治るまでの期間=約束の期間と思いキルアはゴンにこのチケットを持ってきたのだ。

 

「ま、試合を見るだけならいいだろうよ。それにもう数日で約束の一か月が過ぎるし問題ないだろう」

 

 キルアは見に行こうぜと続けたかったが、その前にいきなり後ろから感じる嫌な気配にその場から離れる。

 

「あっ!セリムさん」

 

 キルアの後ろには彼女がいた。

 

「てっ!テメェ何の用だ!」

 

「そんなに警戒しなくても」

 

 彼女の言葉はいささか無理がある。キルアは警戒を解かないが、ゴンは気にせずに彼女に近づく。

 

「何か用かな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女は朝の運動を終え、何時ものようにヒソカと朝食を食べた後、ヒソカからカストロ戦のチケットを貰い、どうしようかと悩みつつも、今日は何処に強盗に入ろうかと天空闘技場を出ようとして、主人公たちを見つけた。

 

『あれはゴンとキルアか。指に糸を付けているし原作通りに進んだということか』

 

 彼女は遠目に彼等を視界に入れつつ、どうしようかと考える。

 

『ここで彼等に対していい印象を持たせるメリットと強盗するメリットどちらがいいだろうか』

 

 物騒なことを天秤の片方に乗せながら彼女は思考し、遂に考えがまとまったのか、二人に近づく。

 

 彼女は気づかない。既に天秤の片方に乗せてあるモノがちゃんとおもりがあるかどうかに。

 

 そして声を掛け、見事にキルアに警戒されるのだが、ゴンの怖いもの知らずの態度に助けられ、本題にスムーズに入るのである。

 

 

 

「君たちが何か約束事を破ろうとしていたみたいだからそれを止めようと思っただけだよ」

 

「何でいきなりあったお前にそんなことを言われないといけないんだよ」

 

 キルアが最もなことを言うが、彼女はそんなキルアを残念な子を見る目をする。

 

「なっ何だよその目は」

 

「はぁ。君たちは念について何も知らないんだね。哀れだ」

 

「いきなり何なんだよお前はよ!」

 

 キルアが恐怖を忘れて彼女にかみつく。もちろんそんなキルアをなだめるのはゴンの役目なのだが、彼女はというと優越感に浸っていた。

 

「何も知らない馬鹿に教えてあげよう」

 

 彼女の頭には好印象を与える当為目的は薄れているようだ。

 

「念能力とはゴン君が私との試合で見せたように常人では考えられない防御力等の力を与えてくれる。つまり念により生まれるオーラとは一種のエネルギーだ。つまり、このエネルギーの使い道によっては様々なことが出来る」

 

 ここまで彼女が上から目線で言うとキルアはハッとしてゴンの指を見る。

 

「これにも念が込められているのか」

 

「そう言うことだから約束事を破るとそれは千切れるということ」

 

 彼女は能天気に念について彼等に教えていたが、彼女は肝心なことに気づいていない。

 

 彼女が注意したものはある条件で千切れてしまうことに。

 

「あの~セリムさん」

 

「ん?どうしたのかな。説明はまだと……」

 

 三人の視線が一か所に集まる。

 

「切れちゃった」

 

「「…………………」」

 

 ゴンの指の糸は綺麗にブツンと切れて解けてしまっていたのだ。

 

「あはははは」

 

「アハハハハじゃねぇだろゴン!おいクソ女どうしてくれんだよこれっ」

 

「黙れクソガキ!私は悪くない!」

 

 彼女はゴン達と友好関係を気づきに来たのかもしれない。

 

 しかし、彼女はキルアの自分に対する悪口に即座に反応すると手が出てしまい、キルアを壁に叩きつけてしまう。

 

 友好とは、有効打のことであろうか。

 

「キッキルア、大丈夫?」

 

 ゴンは慌ててキルアの元に駆け付ける。

 

「大丈夫じゃねえよ。叩かれた頬が脹れただろうが」

 

 彼女が本気じゃなかったと言え、頬が脹れるだけで済むキルアは流石である。

 

 そして吹き飛ばされたキルアは当然の文句を言う。

 

「いきなり何すんだよ。お前のせいでゴンの糸が切れたんだぞ。それなのに逆切れかよ」

 

「何言ってんの。約束が何だったか知らないけど、約束の内容を知らない私を責められても困るわよ。後不可抗力」

 

「キルア、僕たちの不注意を彼女のせいにするのは良くないよ」

 

 ゴンは冷静に判断するが、全て彼女の責任で、キルアの指摘は実は正しい。

 

 何故ならば、彼女はキルアたちの事情を一から十まで全て知っていたのだから。本当に何をしに来たのであろうか。

 

 ウイングが来るまでキルアと彼女との口論は止まることを知らない。ただ、残念で理不尽なことにキルアが一方的に彼女にボコられていただけであり、好印象を与えられたかは甚だ疑問であろう。

 

 

 ちなみに、この事態はウイングが最初から見ていたため、ゴンが念能力を教われなくなると言った最悪の事態は免れたのである。

 

 

 

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