最強の目を持つハンター   作:kurutoSP

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ここまでが原作通りの話です。


彼女の目からは逃れられない

 面談を終え、その結果を紙にまとめたネテロは、

 

「思ったより偏ったの」

 

 しかし、何か思いついたのか、楽しそうな顔をして、部屋を出て行った。

 

 

 

 

 クラピカは面談が終わり、ゴンの様子が気になり探していたところ、夕焼けを一人眺めるゴンを発見した。

 

「ゴン。いよいよ最終試験だな」

 

「うん」

 

 しかし、ゴンはいつもの様な元気な返事をクラピカには返さず、また顔を夕焼けに向けてしまった。ゴンの視線の後を追いながら、その様子を見てクラピカは本題を切り出すことにした。

 

「ゴン……」

 

「うん?」

 

 こちらから再度話しかけても生返事で、こちらを今度は向かなかったゴンに対して、クラピカはその様子が気になり、一緒に外に向けていた顔をゴンの方へ向け、

 

「やはり、四次試験の時になにかあったのか?」

 

「………」

 

 何も返事を返さないゴンを見て、自身の考えに間違えがなかったことを確認したクラピカは話し続けた。

 

「合流した時、様子が少しおかしかった。ゼビル島をでてからも様子が変だった」

 

 クラピカは心配そうに言い、事情をゴンが話してくれるのを待った。

 

「…俺のターゲットがヒソカだったんだ」

 

「なっ!…………」

 

 クラピカは驚いたが、同時に疑問を抱いた。ゴンが合格時にプレートを二枚しかもっていなかったことに、

 

「…一度はヒソカから隙を突いてプレートを奪ったんだけど、俺も他の奴に付けられていて、毒矢にやられたんだ。結局ヒソカがそいつからプレートをうばい返して自分のプレートを俺の前に置いて行ったんだ。貸しだとか言ったんだ」

 

 ゴンの言葉を聞き、ヒソカの行動にクラピカはビックリした。

 

「ヒソカが?」

 

「いらないって言たら、ぶっ飛ばされて、『今の様に一発僕の顔にぶち込むことが出来たら受け取ってあげるよ』て言われた。…やり返せなかった自分がすごく悔しくて……」

 

 ゴンは肩と声を震わせながらの発言を聞き、クラピカはゴンの様子を観察すると、その頬に涙が流れていることに気づき、ゴンがどれほど悔しかったのかを感じ、今までの様子に納得がいった。

 

 しかし、クラピカはその気持ちを理解できても、ゴンに掛ける言葉が見つからず、ただ綺麗な夕焼けを見つめた。

 

 そうしていると、ゴンが顔を腕で拭い、顔を上げ、その顔に微笑みを浮かべ、

 

「そしたらさ、その後無性に情けなくて、寂しくなってさ。余りにも自分の力が不足しているような気がして、だから誰かと一緒にいて、誰かの役に立ちたかった。それで、二人をさがしまわっていたんだ」

 

「ゴン…」

 

 なぜ、ゼビル島でゴンが余りにも無茶なことをしたり、こちらを手伝おうと必死になっていたのかという疑問が解けたクラピカは同時に彼に掛ける言葉を見つけた。

 

「お前がいたからこそ、私も、レオリオもここまで来れたと思っている」

 

 そこで、一息つき、ゴンの顔を見つめ、

 

「本当に感謝している」

 

 ゴンはクラピカの言いたいことを理解し、普段通りの様子に戻り、

 

「俺の方こそ、ありがとう」

 

 二人の友情の絆による感動的シーンであったが、その間彼女が何をしていたかと言うと…………、

乾燥した服を着て、乾燥機の性能が悪かったせいであのような事態が起きたと考え、乾燥機に対して理不尽な怒りを向け、ひたすら蹴りまくり、最後は切り刻んでしまった。

 

 しかも、乾燥機がある部屋はゴンとクラピカが会話していた通路に近く、その音は彼らの耳に届いていた。

 

 さらに、その音を聞きビーンズが駆け付け、

 

「何をしていらっしゃるのですか!壊したら駄目じゃないですか」

 

 ビーンズの叫び声が通路に響き。それに対し、彼女は力強く、

 

「この乾燥機がわるいのよ!それと、当然こうしたことに後悔はしていないわ」

 

 それを聞き、ビーンズは

 

「当然のように言わないでください。後悔もちゃんとしてください、って、そうじゃないです。後悔ではなく、反省をしてください。…あれ、ちょっと待ってください。まだ話は終わってませんよ」

 

 彼女は、さすがに少し悪いと思ったのか、ビーンズに対して怒りの感情を向けずに、そそくさと去って行った。

 

 そして、自由人ネテロの秘書である苦労人のビーンズの慌てた声が響いた。

 

 それを聞きゴンは笑い、完全にいつもの調子を取り戻し

 

「最終試験がんばろうね、クラピカ」

 

「……ああ」

 

 クラピカはどうにも釈然としない感情を抱きながら返事をしたのである。

 

 

 

 

 

「むん!」

 

 飛行船のある一室でネテロがふでを持ち、紙に何かを書き上げていた。

 

「これで良し」

 

 その紙を丸めて持ち、試験官達を待たせている部屋へと歩き、その部屋に入るなり、

 

「待たせたのう、組み合わせが出来たぞい」

 

 そう言うと、ネテロは丸めて持っていた紙を両手で全員に見えるように広げた。

 

「えっ!」

 

「それは!」

 

「………!」

 

「かっ、会長。これ本気ですか」

 

 全員がそれを見て驚愕の表情を浮かべ、全員の気持ちを代弁するようにブハラが問いかけた。

 

「ほっほっほ、おおマジじゃ」

 

 全員の反応を見て、いたずらに成功した悪ガキの様な顔をしながらネテロは楽しそうに笑った。

 

「確かに、本気の目ですね」

 

 サトツが言うと、

 

「本気の目なんだ、あれ」

 

 メンチがツッコみ。

 

「これで勝てば、晴れてハンターの仲間入りじゃ」

 

 ネテロが相も変わらない顔をしてその場を締めた。

 

 

 

 

 

 次の日、最終試験会場に全員が集まると

 

「さて諸君、ゆっくりと休めたかな。ここは委員会が経営するホテルじゃ。すべての試合が終了するまで貸し切りとなっておる」

 

 ネテロがそういうと、布に包まれ何が書いてあるのか分からないボードが集まった受験生の前に運ばれてきた。

 

「では、最終試験じゃが。一対一のトーナメント形式にて行う」

 

 ネテロがボードの布を剥すと、誰と誰が戦うかがシールで隠されたトーナメント表がでてきた。

 

「つまり、勝ち残った最後の一人が合格ってことか」

 

 レオリオがそれを見て結論を下したが、

 

「いや、たった一勝で合格である。つまり、勝ち抜けのトーナメントであり、最後まで負け続けた一人が失格じゃ」

 

 そう言い、シールを剥すと、第一試合はゴンとハンゾー、彼女ことセリムとヒソカの試合が組まれ、第二試合はゴンとハンゾーの試合の敗者とポックル、彼女とヒソカの試合の敗者とクラピカの試合が組まれ、第三試合はポックルとの試合での敗者がキルアと戦い、クラピカとの試合での敗者がポドロと戦う二試合が組まれ、第四試合はキルアとの試合での敗者がギダラクルと戦い、ポドロとの試合での敗者がレオリオと戦う二試合が組まれ、最後に第四試合での敗者同士の試合が組まれ不合格者が決定するトーナメント戦となり、かなり偏った試験内容となっていた。

 

「安心するがいい、誰にも二回以上戦うチャンスがある」

 

 ネテロが受験生の反応を見ながら発言したが、

 

「そうは言っても、294番と405番、44番と402番はチャンスが五回もあるぜ」

 

 ポックルが文句を言い、

 

「組み合わせが公平でないわけは?」

 

 ポドロが質問した。

 

「うむ、当然の疑問じゃな。この試合は、これまでの試験の成績を基に決められておる。簡単に言うと、成績の良いものにチャンスが多く与えられておる」

 

 ネテロがその質問に答えた時、後半の発言を聞きキルアがハッとし、

 

「それって納得がいかないな。もっと詳しく点数の付け方教えてよ」

 

 キルアがネテロを見つめながら聞き、ネテロも目を閉じ思考をしたかと思うと、

 

「だめぇぇぇ!」

 

ネテロが人を馬鹿にしたようなアホウなツラでキルアに向け、否定をし、

 

「なんでだよ!」

 

 キルアが若干キレながらも聞き返した。それに対し笑いながら、

 

「採点内容は極秘事項じゃ。全てを言う訳にはいかん。じゃが、やり方くらいは教えてやろう。先ず、審査基準は大きく三つ。肉体能力値、精神能力値、印象値からなる。身体能力値は、敏捷性、柔軟性、耐久力、五感能力などの総合値。精神能力値は耐久性、柔軟性、判断力、想像力などの総合値からなる。じゃが、これはあくまでも参考じゃ、ここまで来れたものにそれらが大きく欠けていることは無いからの。しかし、最も重要なのが印象値じゃ。これは即ち前に挙げたモノでは測れない何かじゃ。言うなれば、ハンターの資質調査と言ったところかの。それと、諸君らの生の声を吟味した結果こうなった。以上じゃ」

 

 キルアはそれを聞き、

 

『試験の結果なら俺の方が上のはず、資質でゴンにおれが劣ってる』

 

 キルアがそう思考していた時、

 

『ヒソカとか、あのクソ爺やりやがったな。しかし、どうする。奴に降参は絶対に嫌だけど、奴を降参させるのも、難しそうだし。ほんっと、やってくれたよ。あの顔に一発ぶち込みたいね。とにかく、ヒソカは腕一本切ればいいだろう。……待てよ、ヒソカは幻影旅団に嫌われキャラ、ならば、ここで殺しても問題ないし、欠員補充で私が選ばれる可能性がある。……なら、ハンターになる必要はない?……!殺しても問題ない!』

 

 彼女はネテロに殺気を飛ばしながら物騒な結論に至った。そんな彼女のことを気にせずネテロは説明の続きをした。

 

「戦い方は至ってシンプルじゃ。相手に参ったと言わせたら勝ちじゃ。もちろん殺しはご法度じゃ、失格とし、その時点で最終試験を終了とする。戦闘は武器の使用はokayじゃ」

 

 そこで、説明が終わり、最終試験の開始が合図された。

 

 

 

 

 

 第一試合のゴン対ハンゾーの試合はゴンが驚異的身体能力を見せるものの、長年鍛錬をし続けたハンゾーの実力を前に意味をなさず、一方的な試合となり、レオリオがハンゾーに対しキレながらも、審判から介入は即ゴンの負けを意味すると聞き動けずにいると、

 

「ハゲ、流石になげーぞ、降参させれないならあんたが降参すれば、時間の無駄だし、見ていて退屈だわ。というか、アンタ本当に忍者?期待していたのと違い地味ね。派手なのは頭だけかしら。なら、サッサと死んでくれない、さっきから太陽光が反射してピカピカ光ウザいんだよね」

 

「ハゲじゃない、これは剃っているだけだ。というかうるせえぞ」

 

 彼女がハンゾーに文句を言い、ハンゾーがキレて言い返し、腕に力を入れてしまった。この時、彼はゴンを下敷きにして拘束をして降参するように説得しようとしており、腕を極めていたので、

 

 ボキ

 

「…っあ、くっ……」

 

 ゴンはいきなり腕を折られたが叫ばなかったが、激痛がその体に走った。

 

「しまっ、…さっさと降参しちまいな。次は腕だけじゃすまないぞ」

 

「今更真面目ぶっても、というかしまったって言わなかった。かっこわり」

 

「うっせえぞクソ女」

 

「ハゲが誰に対して物を言ってる!」

 

 余りな事態にハンゾーに対して怒りの感情を抱いていたレオリオだが、ツッコみ処を失いクラピカの方を見た。

 

 しかしクラピカも、どうしていいか判断が付かなかった。

 

 ハンゾーもこのままでは格好がつかないと思ったのか、いきなりゴンから離れ、片手人差し指で逆立ちをし、目をつぶり自身の凄さを象徴しつつ、

 

「俺は忍びと呼ばれ、忍法という特殊技術を会得するために特殊な訓練を幼少の時期から叩き込まれ、以来18年訓練し続けてきた。お前の年には人を殺している。殊格闘に関しては今のお前じゃ勝ち目がねえ」

 

 ハンゾーが自慢げに自身のことを長々と話している間に、ゴンはある程度回復し、彼の頭めがけて蹴りを放った。

 

「ないシュー」

 

 彼女は満足げにそう言い、レオリオは、

 

「ゴンそこだ、もう一度蹴って、蹴って奴を殺るのだ~」

 

「レオリオ、殺しは敗北だよ」

 

 冷静にレオリオにツッコむクラピカだったが、ハンゾーがゴンを痛めつけたことがやはりあまり良く思ってなかったため、ゴンが彼の頭を蹴って、スッキリした顔をしていた。

 

 倒れていたハンゾーが素早い動きで起き上がりながら、軽く距離をとると、

 

「わざと蹴られてやった訳だが」

 

 顔から鼻血を出しながら言った。

 

「嘘つけ!」

 

「カッコ悪。私の忍者を汚すなモドキが!」

 

 即座に、レオリオと彼女からツッコまれ、

 

「外野は黙れ。あと、本物だ。……今度は腕じゃすまないぜ」

 

 無理やり、雰囲気をシリアスに戻し、表情を引き締め、隠していた剣を取り出し、

 

「今度は足を斬る、さっき腕を折ったのとは違い取り返しのつかないことになる。これは命令だ。降参しろ」

 

 殺気を滲ませながらゴンの顔に突きつけ、降参を促した。

 

「それは困る」

 

 全員が呆けた。いや、彼女は笑っていたが。

 

「足を切られるのも嫌だ。でも降参するのも嫌だ。だからもっと別のやり方で戦おう」

 

「自分の立場分かってんのか!」

 

 ゴンの発言を聞き、ハンゾーは怒り、他のモノは苦笑もしくは普通に笑った。彼女は大爆笑していた。そして、ハンゾーは忍者と言うよりもチンピラの如き恫喝を行うも、

 

「それでも俺は参ったとは言わない。それにもし俺の足を切って出血多量で俺が死んだらこの場合ハンゾーさんの負けになるよね。それじゃあお互い困るでしょ。だから、考えようよ」

 

「ぅぅぅっ」

 

 ハンゾーは歯をギリギリ言わせながらどうしようもできなくなっていた。

 

 その中、キルアは不思議に思っていた。ゴンが強くなったわけでも、ハンゾーが弱くなったわけでもないのに、さっきまでの殺伐とした雰囲気が壊れたことが理解できなかった。

 

 しかし、ハンゾーはゴンの顔に少し剣を突き刺し、死んだら元も子もないことを言い、自身は来年があるが、死んだお前にチャンスはないと、自分とゴンが対等ではないことを明示しつつ、今度こそ顔を締め、殺意を剣に乗せた。

 

「……」

 

 ゴンはそれに対して無言で彼を見つめ続けるだけであった。

 

「…何故だ?たった一言言うだけだぞ。命より意地が大切だとでもいうのか!来年またうけりゃあ、それで済む話じゃねえか」

 

 ハンゾーはゴンの目が絶対の死を前にしても揺るがないことに、顔から汗を滲ませつつ問いかけた。そこでゴンは自身がハンターをしている父親に会いに行くためにも自身がハンターになる必要があることを言い、

 

「ここで、諦めたらダメな気がするんだ。だから、引かない」

 

「ここで死ぬとしてもか」

 

 ゴンに再度問いかけるも、その瞳は濁ることなくただハンターになることと自身の夢のためにも曲げられない思いがそこには確かに存在していた。だからハンゾーは、

 

「参った。俺の負けだ」

 

 敗北宣言をした。…が、ゴンがその敗北宣言に納得がいかずごねて、ハンゾーがキレて彼をぶっ飛ばしたため、勝者が気絶し敗者が立っているといういささか閉まらない試合結果となった。

 

 しかし、そのハンゾーも、キルアからなぜわざと負けたのかの質問を受け、自身の流儀がゴンのただ前を見る目を見た瞬間から貫けなくなったこと、彼を気に入ってしまったことを理由として話した直後、彼は地面とキスをした。

 

「テメエがかっこいいこと言ってると何故だか知らんが怒りを覚える。次は私の試合だから敗者はサッサとどきな」

 

 彼女により、頭をはたかれ、またもモミジを作る彼はとことん不憫である。

 

 

 

 

 

「44番ヒソカ様、402番セリム様、両者準備はよろしいでしょうか」

 

 最初の試験から少し経ち、この試験最も危険人物たちの試合が始まろうとしていた。

 

「ねえヒソカ」

 

「何だい、セリム♥」

 

「次名前を言ったら、その口そぎ落とすわよ」

 

 ヒソカに名前(仮)を呼ばれ、気持ち悪かったのか、それとも他の要因があるのかもしれないが、どちらにせよ、彼女は試合がまだ始まってもないのに彼の口に向け、腰のサーベルを振りぬいた。

 

 しかし、まだそれでも冷静であったため、彼女は本気ではなく、ヒソカも余裕を持って、下から上に向け、斜めに来る斬撃を体を前に傾けながら回避しつつ、そのまま踏み込みつつ拳を彼女の体に向け放ったが、彼女も本気で攻撃したわけでもないので、体の軸もぶれていないためサーベルを戻しつつも後ろに飛び退り、サーベルを正面に構えなおし、ヒソカも追撃をせず、トランプを数枚手に持って彼女を観察した。

 

 ここまでいきなり始まった戦闘に、審判は慌てて下がり、

 

「それでは、試合はじめ!」

 

 そのコールを聞き彼女はヒソカに対し言いたいことを伝え戦うことにした。

 

「ヒソカ、あんたが降参するのが、私の勝利条件、アンタの勝利条件はアンタの頭が胴体と離れることよ」

 

「それは、どちらも僕の負けじゃないかな♠」

 

「私がアンタに負けるはずないじゃないか。それに、どっちでも変わらん」

 

 彼女は言いたいことを言い終えたのか眼帯を外し、ヒソカに向かって全力で走り、その間合いに捕らえるとその首に向け躊躇なく残光しか残らないほどのスピードで振るった。しかし、ヒソカも、彼女に向かってトランプを投げており、その殆どは彼女のスピードに対処できず外れたが彼女が回避を行ったため、ヒソカを間合いに捕らえるのが少し遅れた隙にトランプに彼の念能力『伸縮自在の愛(バンジーガム)』を付与しつつ、多方向に投げ終わると同時に、彼女が目の前に来て、視線がその首に向いていたので、首に硬を行いつつ、『伸縮自在の愛(バンジーガム)』を発動した。

 

 この念能力は、ゴムとガムの性質を自身のオーラに付与するものであり、接着も離すのも彼の自由であり、その有効性の割に、弱点がほぼない素晴らしく戦闘向きな念能力である。

 

 これにより、自分とトランプを予め接着しておくことで、高速移動を可能としたヒソカは、それでも彼女の斬撃が彼の首を浅く切りつけたのに驚いていた。

 

『首に硬をしていなかったら、頸動脈は確実に傷つけられていたなぁ♦ああ、やっぱり彼女は素晴らしいよ♥』

 

 ヒソカは彼女が強敵であることを感じつつ、他に仕掛けたトランプにより、彼女を中心に六角形を描くようにして高速で移動しつつ、彼女に向け少しバラけるようにして四方八方から周を施し凶悪な凶器と化したトランプを数十枚投げつけた。

 

「私の目に死角などない。死ねヒソカ」

 

 彼女は振り返ることもせずに体をそのまま正面に向けつつ走り、自身に当たりそうなトランプのみ右手に握るサーベルを後ろに振り弾くと、彼女が進行する方向にヒソカが現れ彼女は今度こそ、その首をはねるために右肩のサーベルを抜刀し、上段から首めがけて振り下ろした。

 

 ヒソカは自身のトランプが完全に避けられ防がれたことにはそこまで驚いてはいなかったが、これほど高速に動く自身の動きを完全に把握され今まさに必殺の一撃が自身を襲おうとしていることに驚愕していた。

 

『彼女の目はここまで高性能だったなんて♣』

 

 血が舞った。

 

 しかしそれは彼の肩からその胴体に向けて浅く切りつけられたことによるもので、彼は彼女の死角に入った時に念のため、もう一つの彼の念能力『薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)』を発動していた。

 

 彼の念能力『薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)』はオーラの質感を様々なモノに変化でき、ヒソカは再現できる質感を多数持っている。

 

 これにより、彼は自身の首からその体の一部を覆い、彼女の目はそれを見抜き違和感を感じたため、剣筋が鈍り、ヒソカは致命傷を回避できたのである。

 

 彼女はそれでも右手の後ろに向けていたサーベルを前に振りヒソカが追撃できないようにし、体制を再度立て直し、左のサーベルを体の正面に構え、右手のサーベルは腰だめに構え半身で手元を見えにくくして、ヒソカの首を取ろうとしようとした時、

 

「降参。とっても残念だけど、僕の負けでいいよ♠」

 

 彼女にトランプを投げ、突撃を阻止しつつ、そう宣言した。審判はそれを聞き、

 

「勝者402番セリム。ハンター試験合格者第二号です」

 

「ちっ。殺し損ねたか」

 

 審判は彼女の発言を聞きヒソカが降参してくれてよかったと感謝にも似た感情を持った。それもそのはず、彼女とヒソカの戦いでヒソカの投げたトランプは彼女が避けた時あらぬ方向へ飛ぶ。今回は偶然当たるという不幸な者はいなかったが、長引けば分からなかったであろうし、彼女も周りの被害など気にしないたちなので、切られる者も出た可能性があるだけに、彼女的には不完全燃焼であろうが、審判と受験生にはありがたいことであった。

 

「命拾いしたわね変態」

 

「ライセンスを手に入れた後、幻影旅団のことで話し合おうよ♥」

 

「ふん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 この後の試合は、第二試合を頭にモミジを付けていた物のポックルに対しハンゾーが勝ち、ヒソカとクラピカはケガをしていてもヒソカが圧倒していたが、クラピカの耳元で彼の目がクルタ族の証である緋色の目になるほどの何かを囁き有利であったはずのヒソカが降参をして勝者はクラピカとなり、第三試合はポックルとの戦いがつまらないと感じたキルアが降参して勝者ポックル、ボドロとヒソカはヒソカが終始圧倒し、最後はボドロの耳元で何かを囁き、今度はクラピカの時とは逆にボドロが降参をした。

 

 第四試合はボドロとレオリオの試合が最初に組まれていたが、ボドロの疲労を考慮してレオリオが試合の後回しを要求し、それが受諾され、キルアとギダラクルとの試合になり、ここでギダラクルは偽名であり、本名はイルミと言い、キルアの兄であることが判明し、試合の様子がおかしくなり始めた。

 

 イルミはキルアがハンターに向いてないことを指摘し殺し屋であり、何も欲しいものがないことを指摘し、キルアはそれを否定し、ゴンと友達になりたいことを主張し、クラピカとレオリオがすでにゴンとは友達であることを叫ぶと、イルミは殺し屋に友達はいらないとして、ゴンを殺しに行くと言い、キルアに降参しなければゴンを殺すと脅されキルアは降参、その後、ボドロ対レオリオの試合となったが、イルミに降参してから茫然自失としていたキルアがボドロの背後から襲い殺してしまうことになり、キルアの不合格となり、ハンター試験はキルアとボドロを除く8人を合格者として、終了したが、ことの顛末をサトツから聞いたゴンは、ライセンスについての説明を行っている部屋に急いで行き、イルミに対し、キルアへの謝罪を要求し、それが無理ならキルアの居場所を聞き出し、説明会終了後、レオリオとクラピカと一緒にキルアを連れ戻しにゾルディック家に向かうことになる。

 

 その一方、彼女はハンター試験後にヒソカと合流し、幻影旅団に接触し、包帯男ことボノレノフと対峙していた。 




次回からはオリジナルな部分が強くなります。
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