衝動的なの   作:ソウクイ

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ドラゴンボールとヒーローアカデミア


師匠が噛ませ

 

 

クールな荒野のロンリーウルフと呼ばれる噂のナイスガイ、俺の名はヤムチャ!!

 

昔はこんな自己紹介してたかな。ちょっぴり違うか?やってなかった気もするな。記憶がぼやけてるな。名乗りとかしてたの何十年前の事だし仕方ないか。若かったんだな。今じゃこんなカッコいい名乗りは無理だな。

 

ナイスガイではある。歳はいってるが今でもイケメンフェイスは健在だし問題ない。ウルフ的な強さは……はぁぁ。

 

マトモに動けないもんなぁ。

 

体が重い。昨日までは動けたのに今日はもう起き上がるのもキツい。どれだけ強くなっても人間年には勝てないんだな。サイヤ人とか武天老師さまはあんなん例外だ。

 

なんとなくわかるんだよなー。たぶん次に寝たら、二度と目覚めない。もうすぐあの世に行きそうだ。俺は重い体を動かして外に置いてあった椅子に座り荒野を見た。

 

俺が盗賊してた頃に縄張りしていた荒野。最後の場所に選んだのは荒野に昔作ったアジト。もう何十年も昔に造ったアジトがボロボロでも残っていてくれていた。  

 

ここは前と変わらず人なんて滅多に来ない。誰もいない。嫁さんは居ないし、子供もいないし。最近だと友人や仲間とも連絡もとってない。静かな所で最後を迎えたいと思ったけどいざ最後となると寂しいな。

 

プーアル……。

 

プーアルだけはずっと居てくれると思ってたんだけどなぁ。居なくなったのは何時だったか。プーアルはいつの間にか何処かにきえていた。

 

俺って愛想つかされたんだろうかな?

……はぁ……心当たりは有りすぎる。

 

そもそもプーアルはなんで俺を慕っててくれたのかな。なんだっけ、何でだったのか思い出せない。やっぱ年か。出会いを歳でも忘れるなんて見捨てられるのも当然か。

 

プーアルが居ないけど荒野はあの頃と変わんないなぁ。ここで色々とあったよな。

 

走馬灯みたいなもんか遠い昔の記憶を思い出してきた。記憶を思い出すと俺の人生って結構摩訶不思議だったんだなとつくづく思う。

 

死んだのに二回も生き返ってるとか。地球のピンチに戦士として戦ったとか。宇宙で最強になった奴と仲間だったとかさ。自分の事ながらけっこうスゴい人生だったな。 

 

荒野に居た頃、16までは普通だったんだ。アイツ等との出会いで俺の人生がかわったんだな。この荒野で出会った宇宙最強になる孫悟空と初の恋人のブルマ。盗賊だった俺は荒野に来たブルマ等を襲った。今だと信じられないけどあの時の俺はあの悟空に勝ったんだよな!…翌日の再戦でボロ負けしたけど。後から知ったけど一回目に負けた理由も悟空は腹が減ってたから…。

 

負けん気がまだあった頃で…ぼろ負けしても懲りずにまた悟空たちを狙ったんだよな。そんな時に何でも願いを叶えてくれるドラゴンボールを知った。横取りしてやろうと俺は荒野を出てアイツ等を追ってドラゴンボールを探す冒険に出た。そう言えばあの時にドラゴンボールにお願いする予定だったの……女の子が苦手なの直してほしいだったよな。

 

はははは……ドラゴンボールに願うことじゃないな。今思うとバカな願いだ……。しかも結局願いは叶わなくて、いや、まぁ…結果的にはブルマと付き合えたし…願いは叶ったと言ってもいいか。

 

ドラゴンボール探しのあのあとには…ブルマの恋人として付いて都会に行ったんだ。田舎育ちの俺は初めての都会を楽しんだけど……まだまだ若い頃だったから…悟空に負けたくなくて修行をした。

 

…ブルマを頻繁に放置して、それで強くなったと思って天下一武道大会に出て悟空との再戦を目指したら悟空と戦う前に負け。天下一武道大会あと悟空との差が判って悟空を強くした武天老師さまに弟子入りすることにした。その時に悟空が世界最強の軍隊のレッドリボンに戦いを挑んだとしって、援軍に向かったけど倒された後だった。

 

また結構ブルマを放置しながら修行して、次の天下一武道大会では大分強くなったのに天津飯に負けた。実質悟空が勝ったけど天津飯は優勝して…クリリンが死んだ。

 

ピッコロ……ピッコロ大魔王の部下に狙われて殺されかけて見逃された。悟空や武天老師さまチャオズ俺より強かったみんなが殺された。もう残されたのは俺と天津飯だけと思って死を覚悟で戦いに行ったけど、悟空は生きててピッコロ大魔王は倒された後だった。

 

嬉しいけど仲間が死んだのに何も出来なかったのは悔しいよな。更に俺は厳しい修行をして強くなって三回目の天下一大会に参加、予選を通過した後、普通のオッサンぽいのに足元お留守とか言われて負けた。後から神様だってしった…。

 

それから何年かして悟空が死んだ。悟空の兄のサイヤ人に殺されたんだ。まぁ悟空は生き返るって話を聞いたし其所はよかった。問題は悟空を殺した奴より強いサイヤ人が来る。俺達は神様の所で修行をした。

 

で、サイヤ人、ベジータ、ベジータ達の手下のサイバイマンに勝ったと思えばサイバイマンの自爆で死んだ。俺が死んだ後で生き返った悟空がベジータ達を倒したんだよな。悟空みたいにあの世で界王様のところで修行した。フリーザを悟空が倒して、生き返らして貰って、生き返った後は…修行の成果……

 

それから何年かして地球にフリーザがきた。悟空が居ない絶望、俺は戦いに向かった。なんか知らんやつにフリーザが倒された。

 

その知らんやつがトランクス、当事恋人だったブルマとベジータの子供……そういや悟空がブルマに元気な子供を生めとか言ってたような……………思い出したらなんか……あの悟空が気まずそうな顔をしてたような……

 

未来で自分達を殺す人造人間が来ると教えられた。…有る意味で殺されるより悲惨な俺の未来については教えられなかった。いや、トランクスが教えてくれる方が可笑しいんだけど…思い返したらアレだなぁ。

 

修行にかまけて恋人のブルマを放置した俺が悪いのか…自業自得か……いや!!?ベジータも絶対に修行でブルマ放置してたよな!!なんでベジータも俺みたいに別れなかった…!子供か…トランクスみたいに子供が出来なかったら別れずにすんだかな………あとベジータみたいに遠慮なくトレーニングに設備とかブルマを頼ったりしなかったのも……

 

止めよ……思い出しても悲しくなるだけだ。

 

未来の情報を知った後、正直、あのフリーザを軽く倒せるトランクスが勝てない人造人間相手に役に…立つのか疑問だったけど、修行はした。

 

で、何年も修行をして強くなって、人造人間と戦いに挑むのに、人造人間を探してたら不意打ちで腹を貫かれた。仙豆で治ったけど戦力外だから病気の悟空を連れて逃げた。

 

未来を破壊した人造人間より人造人間のセルが現れて、地球の存亡をかけた大会を開くと聞いて一応また修行した…チビセルに負けた。悟空が死んだ。悟飯がセルを倒した……悟飯が悟空を越えた……悟飯は10才少し………才能が総てだってのを見せ付けられた感じで……悟空も自分より上の悟飯が居るからあんなにアッサリ死んだようにみえて……年齢も有るけど、精神的にも折れてセル以降は一線から退いた。

 

それから悟飯が高校に通う頃に悟空があの世から帰ってくると聞いて、久しぶりに天下一武道大会に集まった。クリリン出てたなー。悟空とか出てて俺が出ても恥をかくだけと思ってたけど…出てみても良かったかな。大会は界王神様やらが出てきてクリリンも悟空とか居なくなったしな。…あ、18号が出てたしダメか。

 

それから俺は天界に居るとブウに食われた。死んだあとまた界王様の所で修行した。で、また生き返って……それから……それから……色々とあったけど……もう何があってもそこら辺の一般人と同じ立場だったなぁ……見てるだけの立場だ。

 

ウーロンとかと立場は同じだな。

ウーロンか…泣けてきた。

年取ると涙もろいな。

 

俺って一線を退く前も、あれだけ修行したのに勝つどころかなんの活躍もしてないな。

 

天下一武道大会ぐらいの頃はそれなりに戦えてた。だけどサイヤ人が来てから…レベルが…悔しいよな。どんな努力しても地球人と才能も肉体も違いすぎるんだよ。少しは活躍できたピッコロは宇宙人だし。天津飯も後から知ったら宇宙人の末裔らしいし。

 

地球人最強はクリリン…もっと頑張れば地球人最強にはなれたかな…挫折しなかったらいけたかも…挫折した理由は成長率の差も有るけど、年取って衰えが来てたからだよな。歳をとって衰える様に見えない悟空とか羨ましかったなぁ。

 

あの世では肉体の衰えはない。だからブウに殺された後のあの世だと若い頃みたいに強くなろうと修行もした。短い間だけど肉体の衰えがないあの世での修行は楽しかった。

 

そうだ……死んだらまたあの世で年齢とか気にしないで修行できるのか。界王様とか呼んでくれるよな!皆とかあの世でもまた修行をしてそうだ。やってない方が驚くな。

 

少なくとも天津飯、俺と同じくリタイアしたクリリンもあの世で修行してそうだ……ベジータは悪行的に怪しい……悟空、アイツは絶対居るな、またとんでもなく強くなってそうだ。はは俺のやる気とかポッキリ折られそう……。けど……またみんなで修行か。悟空風に言えば……ワクワクしてきたな。 

 

ふぅ…瞼が重い…眠くなってきた…たぶん、もう起きることはないよな。けど怖くない…あの世で皆と会うのが楽しみだ………皆と。まだ皆が逝ってあの世にいるのかわからないか。はは……もし俺があの世への一番乗りなら…皆が来る前に修行して強くなって驚かせて……………

 

 

 

 

 

……チャ……サマ…

 

 

 

「と、言う感じで寝て……死んだよな俺って?」

 

此処ってどう見てもあの世じゃないよな。空には青い空に白い雲。黄色い雲ばかりだったあの世の景色でない。幽霊も居ないし案内の鬼もいない。なにより死人につく輪っかが頭にない。俺はまだ死んでないよな?

 

ここあの世でも、元いた荒野でもなくて…何処かの町中の路地裏だよな。

 

どうなったんだ。

 

路地裏だしあの世って景色じゃない。

けど死んではいるのか?

 

だって体がさ……若くなってる。

 

肌の感触がカサカサしてない。張りと弾力は悟空とあった頃ぐらい。下手をすればもっと若い感じの肌だ。肌だけじゃくてあんな消えかけの線香花火みたいだった肉体が、線香花火の火が原子炉にかわったみたいに力が溢れてる。

 

死んで若い頃の肉体が再現された、って事じゃ無ければ若返ってる。

 

若返る事はドラゴンボールであり得るけど、俺の若返りとか願う相手なんて居ない。自分の若返りとか願いそうな相手の心当たりなら有るけど……万一若返りを願われたとしても、現在地が路地裏になってる意味がわからない。

 

「何が起きたんだ。それに此所はいったいどこなんだ」

 

町中なのはわかるけ路地裏じゃどこかわからない。

 

「体も動くんだし上から見るか」

 

トウッとビルの上まで跳んだ。 

 

「おお!体が軽い!」

 

やる気になれば天界までジャンプで行けそうだ。流石にジャンプでは無理。そんな気持ちってことだ。軽い体に感動しながらビルの屋上に着地して周りを見る。

 

「……どこだよここは?」

 

まったく見知らぬ町の光景が広がっていた。

 

ただの町なんだろうけど、なんというか町並みに違和感がある。地球の建物と少し違うよな。ここは地球なのか?

 

悟空の瞬間移動みたいなので別の星に飛ばされたとかないよな。一応地球の町にも見える気もするけど……違和感が……何年も前から外に出歩く事なんて無くなったけど…最近だとこんな感じなのか?

 

「悩んでてもしかたないか……人に聞こう…ってあれで良いかな?」

 

下の方に男達が居るのを見付けてはいた。さっきの路地裏の近くだ。見るからにチンピラぽいけど場所を聞くぐらいできるだろ。あとコソコソとなにか悪事をしてる感じだし気になる。何かを運んでるな。

 

俺はビルから飛び降りてチンピラ達の前におりる。

 

「うお!?」

 

「空から人が降ってきた!?」

 

チンピラたちが俺を驚いて見ている。俺が予想したより警戒した様子を見せてる。何か悪いことでもしてたのか。

 

「驚かせてすまないな。すこしいいか」

 

そう言ってチンピラのリーダーぽいのに声をかけた

 

「な、なんだテメェ!」

 

「ここは俺たちの縄張りだぜ!」

 

外見的にチンピラと思えば言葉遣いもチンピラ。つまりやっぱりチンピラ…自分の若い頃を思い出すからちょっと恥ずかしくなるな。

 

「まぁそんな怒るなよ。ただ少し聞きたいことがあるだけだ。聞いたら直ぐに去るからさ」

 

「知るか!別の奴に聞け!俺達はお楽しみを邪魔されて我慢できないんだよ!さっさとどっか行け!」

 

お楽しみ?こんなチンピラ達だと、ろくなお楽しみとは思えないな。何を隠してるのかと思えば、口を塞がれた涙目の小柄のお嬢様って感じの長い蒼髪の可愛い女の子がいるな。なんだ…何故か知ってるような気がした。

 

「ーーーーー!!???」

 

此方を見て目を見開いて女の子が何を言ってるのかわからないな。こんな路地裏で口を塞がれて涙目の女の子、マトモなお付き合いじゃ無いな。見過ごせない。この手のヤツには無駄だろうけど一応警告はするか。

 

「おいおい、女の子には優しくしなきゃいけないって教わらなかったのか?その子を離してやれよ」

 

「うっせえ!ぶち刺すぞ!」

 

「…ならハッキリ言ってやる…悪いことは言わない。その娘を置いて消えろ。この俺にブッ飛ばされんうちにな」

 

決まった。強者感溢れ「死ねよ」

 

「うおおおう!?」

 

と、驚くフリをしたけどコイツの拳ぐらい簡単に避け…うおぅ!手から刃物が生えてきた!?

 

「あ、アブなぁいなぁ!」

 

フリじゃなくてマジで慌てたぞ!いきなり手から生えてきた刃物で刺してくるとか短気すぎるだろ!手からいきなり刃物を生やすのか最近のチンピラは、んぅ?手から刃物が生えてる?うわ…見間違いじゃない。刃物が手から直接生えてる。痛そう。刃物を手に埋め込んでんの。そういや…手に刃物といえばサイボーグの桃白白が手に刃物を仕掛けてたな。機械ならともかく生身には無茶だろ。

 

「それ痛くない?」

 

「…俺の不意打ちを避けやがった?」

 

おい心配してる声は無視か!

 

「タダ者じゃねーな。テメェ見ない顔だがプロヒーローか!」

 

「は?」

 

こう言う場面だとヒーロー気取りとかじゃないか。プロのヒーローってのはなんだよ。ヒーローにプロとかあるのか。ヒーローと言えば昔悟飯がやってたグレート何とかみたいなのかな。あんな色物と同列扱いとか勘弁してくれ。

 

色物…いやプロのヒーローね。俺を見てどうしてヒーローなんて勘違いをしたんだ?…あ…服が最期だと思って着てた亀仙流の胴着。まさか、これがヒーローのコスプレと思われたのか?

 

「プロヒーローじゃないのか?てことは趣味のヴィジランテかよ」

 

趣味のヴぃじらんて…自警団?自警団って趣味というのか。あと自警団が居るってここらへん治安が悪いのかよ。目の前の奴等を見たら良くないのは一目瞭然か。

 

「別に自警団じゃないが俺は可愛い女の子の味方だ。女の子を置いて去る気が無いなら掛かってきな」

 

「ふざけやがって!」

 

へー掛かってくる気か。何十年ぶりの戦闘だ。相手にしては相手が役不足と言いたいが、手から刃物を出したヤツ以外にも体が変化してる。だけど感じる気は大した事無い。初見じゃ不意打されたけど相手にも成らないな。…って!!!油断はしない方がいいか!!……油断したら大抵酷い目にあってきたしな。

 

「久し振りにこのヤムチャさまの武術のさえを見せてやるぜ!」

 

 

 

 

 

 

「「お、おぼえてろぉぉ」」

 

いや…うん……武術のさえとか見せる暇もなかったなぁ。

 

なんだよ。警戒したのに強さは感じた気相応か。全員合わせてもたぶん悟空と会う前の俺より弱かった。弱くて体を変化させるとか……ウーロン居たな。もしかしてアイツら妖怪だったのか?

 

「……」

 

助けた女の子が呆然とした感じでこちらをみてた。

 

「お嬢さんもう大丈夫ですよ」

 

口を塞いでた布を外しナイスガイな俺は安心させるように微笑む。目がウルウルしてる。安心してか。ふ、それかナイスガイな俺に惚れたかな!!

 

「……さま」

 

「ん、なんて」

 

さまって言ったか?

 

「…ムチャさま…ヤムチャさま?」

 

「ああヤムチャさまって言ってたのか。……って!え、俺の名前を知ってるのかお嬢さん?」

 

いやさっき自分で名前を言ったのか。

 

「ほ、本当に……や、ヤムチャさま〰ーーーー!!」

 

「うお!?」

 

な、なんだ!抱きついてきた。柔らかい。じゃない!しりあいなのか!?そう言えば何処かであった気がしたな。声も何度も聞いた覚えが……アイツの声、いや違うよな。

 

相手は可愛い女の子。嬉しそうに胸に顔を頬づりしてる。アレ?この感じって。

 

冷や汗が…いやいや…ど、どこぞの武天老師さまみたいに年齢を忘れてナンパとかした覚えはない。大体この娘の年齢は守備範囲外で、女性関係なんてこの娘が産まれる前ぐらいしか……けど知ってる感じが……見覚えがあるの昔の彼女のこ、こど…とか…冷や汗が、それなら覚えが有る理由も、いや!違うよな!違うはず!違っててくれよ……。この歳で知らなかった子供が発覚とか!

 

「お…お嬢さんは、俺とどんな知り合いなのかな」

 

「え?………なにをいって………」

 

な、なんで絶望したような顔を!?

 

「いやぁーーー!すまない!年のせいか物忘れが酷くてね!!たまに自分の名前を忘れたりするぐらいなんだよ!」

 

ご、ごまかしのつもりだったけど、まさか本当にボケて記憶から消えてるなんて事はないよな!?

 

「ぐす、年って……ヤムチャさまボクですよ!プーアルです!」

 

僕っ娘、お嬢さんの名前はプーアルか。聞いたことあるな。プーアル……プーアルって…プーアル茶…は?

 

「プーアル?」

 

「はい!僕ですプーアルです!」  

 

俺の知ってるプーアルって名前は一人、一匹しか居ないぞ……え、プーアル?

 

「まさか……猫ぽい妖怪のプーアル?」

 

「そうです!そのプーアルです!!」

 

「……砂漠で一緒に盗ぞ、いけない事をした事があるプーアル?」

 

「砂漠じゃなくて荒野ですよねヤムチャさま」

 

「ハハハハハ引っ掛からなかったか。それを知ってるってことは本当にプーアルか……え、マジでプーアルなのか!?本当にプーアルだっていうのか!?」

 

「グス、なんでそんなに念押しするんですか。ボクの事を見忘れたんですか」

 

「いや……女の子の姿で見忘れたとか言われてもな」

 

「え……あぁああ!!そ、そうでしたね!すみません!この姿だとボクだとわかりませんよね!ちょっと待ってください……変化!」

 

ボフンと煙が吹いて中から女の子の代わりに空に浮く青い猫ぽい生き物。嘘だろ…おい…プーアル……本物のプーアルだってのか。

 

「…………プーアル…」

 

「……はいヤムチャさま!」

 

「プーアル!!」

 

「わぁ!ヤムチャさま!」

 

俺はプーアルを抱いた!!

プーアル、プーアルだ!!

涙が出てきてとまらないぞ!こら!!

 

「プーアル!久し振りだな!何処に行ってたと思えばこんな所にいたのか!!」

 

グルングルンと回った。

 

「ひゃ!!あの!ヤムチャさま!!」

 

ボフン!!

 

「はは、オイオイ、プーアルなんでまたその女の子に変身するんだ。そんなに気に入ってる姿なのか?」

 

プーアルと判ってても可愛いから微妙な気分になるからやめてほしいな!!

 

「あ、いえ、実は今は此方が本当の姿なんです」

 

「へー」

 

 

なんだって?

 

 


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