衝動的なの   作:ソウクイ

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インプモン2

 

生まれ変わってデジモンになってた俺。生まれわってレオモンやジュリとすごすことになった俺、ジュリとはいった風呂を上がった俺(死んだ魚の目)

 

ジュリのやつ隅々まで、隅々まで

 

幾らなんでもあそこまで洗うなよ。

 

しかも執拗に…………

 

風呂あがりホカホカとした髪を拭くジュリ。

下着姿で。

服着てから拭けよとか言う気力はない。

 

ジュリはパジャマを着た。

オレはジュリに抱き抱えられてレオモンのいるリビングに。

 

 

 

 

体長二メートルは優にあるライオンの頭を持った獣人、リビングで静かに瞑想をする様に目をつむっている。鍛えぬかれた体に刻まれた無数の傷、歴戦の戦士を思わせる。中学三年生15歳のレオモン。

風呂から妹とインプモンが帰ってきた事に気付き目を開いた。

 

 

フロ上がりの一杯を飲むジュリは気持ちよかったという顔だ。そんなジュリに抱えられたインプモンの目は死んでいた。哀れな。

 

ジュリもいい加減にインプモンを風呂に連れ込むのは止めたら良いのにな。ジュリもインプモンが五歳の感性でない事は知ってるはずだろう。流石にインプモンに裸を見られて何も思わないという事はないだろう?オレも何度かインプモンが居ない時に説得したが、素直なジュリが珍しく聞き入れない。

 

何か理由でも有るんだろうか。わからない。インプモンから風呂の時のジュリの目が怖いと聞いてるが……まったくわからないな。

 

オレは改めて死んだ目のインプモンを見た。

 

ジュリに無抵抗に抱き抱えられている。 その姿にインプモンには悪いが笑みが出てしまう。

個性社会であるこの世界でオレやインプモンの様なデジモンの個性の持ち主は、強者と思われている。。逆にジュリは無個性でありこの世界で弱者とされているのだ。

 

無個性であるジュリは自分が弱者であると自覚してか、明るく見えてあまり心の内をさらけ出す事がない。他人どころか親やオレに対しても遠慮をする。そんなジュリが唯一完全に心を許していると思えるのがインプモンだ。ジュリはインプモンが居るときには本当に明るい顔をするようになった。本当に……。ジュリにとって、いやオレにとってもインプモンは大切な家族だ。  

 

誰になんと言われてもだ……。例えインプモンの過去がどうあれ……

 

オレは後悔している。

 

今のように家族と思わずインプモンの事を警戒していた頃のオレが、インプモンの事をアイツに話してしまったことを。

 

俺と違いアイツはインプモンを危険だと思っている。

 

俺の様にインプモンに直接関わればアイツもインプモンが危険だという意見をかえるか……変わらないだろうな。責任感の強いアイツだ。もし今が安全と認めても将来危険になる可能性があると言うだろう。実際のところ良くも悪くもデジモンは進化した事で性格が変わる事があるから、俺も強く否定する事ができない。

 

それに遅かれ早かれインプモンは大変な事になる。

それほど"知られていない"インプモンが成長期の今なら大丈夫だろうが、成熟期にでもなれば、恐らく気付く人間が出てくる。

 

そうしたらインプモンはなにもしてなくても渦中に入ることになる。放置なんてされないだろう。わかっていて何も対応しない訳にはいかない。そこでオレはインプモンの事を信頼できる相手に相談した。

 

やはりあれの話に乗るしか無いか。

 

オレはインプモンの目に生気が戻ったのを見計らって、ある人、いや人ではないか。人でいいのか?ある人?から渡された紙を取り出した。

 

「少しこれを見てくれ」

 

「なんだこれ?雄英高校の推薦状」

 

「え、……本当に雄英の推薦状!?」

 

「ぐえ」

 

「あ、ごめんね」

 

ジュリが驚き驚いた拍子に力んだのか、抱かれてるインプモンが潰されたカエルの様な声を出した。

 

「雄英ってことはレオモンはヒーローになるのか?」

 

ジュリの腕から抜け出したインプモンが聞いてきた。ヒーローになるか聞かれた理由はわかる。世間からして雄英に入ろうと言うならプロヒーローを目指すと言ってる事と同義だろうからな。

 

聞いておいてインプモンは興味無さそうな顔をしている。しかし本心は関心を持ってるのを隠そうとしてるな。隠さなければ嫌悪感が顔に出ているだろうな。……インプモンがヒーローにかんして良い感情が無いことはわかっていた。有る方が可笑しい。

 

 

インプモンの近所からのイメージは悪ガキ。謂れのない事で怒られる姿を何度も見たことがある。別にインプモンは悪さなんてしてはいない。少なくとも俺が知る限りな。ワルガキと言われた原因はあるプロヒーローだ。

 

インプモンの姿は小悪魔の様に見え元から悪さをしそうというイメージを持たれやすい。火の無いところに煙が立ちやすい状態だった。 

それでも何もなければ問題はなかったが、あるプロヒーローが、近隣にたいしてインプモンが悪さをしたら自分の事務者に連絡してほしいと頼んで回った。

 

プロヒーローに悪さをすると疑われるインプモンの評判は……。そんな事があったんだ。インプモンがプロヒーローにいい感情を持てるはずがない。

 

ジュリは複雑そうだな。

インプモンの事でプロヒーローにだいぶ怒って嫌っていたからな。

かくいうオレもインプモンのことでプロヒーローになる事には抵抗がある。

 

そもそも今回雄英に受験に行くのは正確にはプロヒーローになる為じゃない。

 

それとジュリもインプモンも勘違いをしている。

 

「ジュリ、雄英に推薦されてるのはオレだけじゃないぞ」

 

「え?どう言うこと。推薦されたのって誰」

 

誰となんで聞く。この場で推薦の対象となる相手は……無意識に違うと思ったか。

 

オレはジュリを指差した。

ジュリとインプモンは何故かジュリの後ろを見た。何処にも居ないと言いたげにオレを見た。

 

俺は少し溜め息をはいた。

 

ジュリとオレは15と同い年だ。しかしジュリは無個性、ヒーローに重要とされる個性がない。だから雄英に推薦されるとは欠片も思えないか。オレは推薦状に書かれてる名前を読めと指を指した。

 

「えーと名前が書いてあるの?推薦されたのは加藤ジュリ…加藤ジュリさん何処かで聞いたような……え!?私!!ど、どういうこと。それにレオモンのパートナーって書かれてるよ!?」

 

ジュリは混乱しインプモンも困惑している

 

「どういうことだ?」

 

「雄英ではデジモンの個性の持ち主はパートナーとともに推薦を受けることができるのだ」

 

デジモン個性の持ち主は信頼関係のある誰かと共にいると力を増す事ができる。その相手をパートナーと呼ぶ。

 

「私がレオモンのパートナー……?」

 

驚いたのかジュリは放心していた。

 

「パートナーって理由で一緒に高校の推薦受けるものなのか?」

 

放心したようなジュリの代わりにインプモンが質問してきた。

 

「恐らく現在活躍しているデジモン系のプロヒーローの中の多くに、サイドキックとしてパートナーが存在するからな。そこから考慮したんだろう」

 

自分でも少し辛い言い訳な気がするな。

 

「そういうものなのか?……まぁそれはいいとして、それよりジュリがレオモンのパートナーってどういうことだ?」 

 

インプモンの言葉は聞かれて当然の事だ。

考えていた言い訳を口にした。

 

「それは、すまない……たぶん俺のせいだ。」

 

「レオモンの?」

 

「ああオレに推薦の話が来たときになんだが、一番信頼する相手を聞かれてな。それにジュリの名前を言った。恐らくそれでジュリがパートナーかパートナーになれると思われたんだろう」

 

「パートナーと誤解されて私も推薦されたんだ」

 

「俺としては誤解でなくても良いと思っている」

 

「え」

 

オレはオレの『デジヴァイス』をジュリの前に出した

 

「れ、レオモン!?こ、これ」 

 

ジュリが慌てている。

 

デジヴァイスはデジモン系統の個性の持ち主が、生涯に1つだけパートナーの証しとして作り出せるとされる物。デジヴァイスには出来る条件がある。第一に相手との信頼関係が深いこと。そして第二に相手が無個性であることだ。信頼関係もそうだが無個性であることという条件が厳しい。今の人の八割が個性持ちだからな。厳しい二つの条件にジュリに適合する。

 

「ジュリがオレのパートナーになる事がイヤだと言うなら訂正してくるし。推薦も無視して貰って構わない。……だがもしジュリがパートナーとなってくれるならパートナーの証であるこれを受け取ってくれないか」

 

オレはジュリの言葉を待った。

 

「そ…その、えっと…………えーっと、驚いたけど、レオモンのパートナーになるのは嬉しいよ。けど本当に私で良いの」

 

「ジュリが一番信頼できる相手だ問題はない。これを、パートナーとしての証を受け取ってくれるか」

 

「…っ…うん、」

 

ジュリはデジヴァイスを受け取った。

まるで壊れ物を扱うように。見掛けはプラスチックだが強度はソコソコあるぞ。

 

「これでジュリはオレのパートナーとなった。これからもよろしく頼む」

 

「こ、こちらこそよろしくお願いします」

 

ジュリが顔を真っ赤にしてる。インプモンはうわぁ兄妹でと言っている……なんだ、何かやってしまったような気が。

 

インプモンは何か言いたげにしていたがデジヴァイスを嬉しそうに握っているジュリを見て口をつぐんだ。

 

「そう言えばジュリは推薦も受けるのか」

 

ああパートナーはともかく推薦については承諾はされてなかったな。

 

ジュリは今度は悩んでいた。

 

ヒーローになるのは嫌か。それか雄英の推薦というのは重くかんじてか。それとも無個性の身で個性のエリートが集まる場所というのは辛いのか。

 

 

「う、うーんお父さんはなんて?」

 

「……ジュリの好きにしていいと言っていた」

 

「そうなんだ………ちょっと考えさせて」

 

オレは無言で悩むジュリの言葉を待った。

 

「うん決めた…………私…雄英の推薦受けるよ」

 

「そうか」

 

俺は頷いた。

 

「じゃ夜も遅いしそろそろ寝るか」

 

「そうだね。インプモン一緒に寝ようね」

 

「イヤだよ」

 

ジュリが推薦を受けると決めたことで話が終ったという空気になってる。肝心の事がまだ終わっていない。まさかジュリの名前だけでもう一つに気づかないとは

 

「待て」

 

「おお!レオモン助けてくれるのか!」

 

「いや別に一緒に寝るのは止めるつもりはないが」

 

「おい」

 

「それより二人とも……推薦状をもう一度ちゃんと見てくれ」

 

「もう一度みるの?あ、インプモンの名前があるね…………え?」

 

「マジか!?え、ほ、本当にオレの名前も書いてあるな?……印刷ミスか」

 

印刷ミスはないぞ。

 

「インプモンもオレと同じジュリのパートナーデジモンとして推薦を受けている」

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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