衝動的なの   作:ソウクイ

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ゲートに巫女さん3

 

コレから先の人生、コミケが中止になったあの日の事は忘れないだろうな。色々な意味で忘れられるわけがない。……銀座に門と兵士が現れた事を、俺が英雄みたいに報道された事を、そして博麗霊夢(?)が俺のネット友と知った事を…………本当に現実ってなんだろうな。

 

銀座事件からもう数ヵ月、博麗霊夢(?)は軟禁生活をしている。そして俺は知り合いって事で博麗霊夢のパシリ兼護衛役の任を受けさせられていた。

 

まぁパシリだろうと全国の博麗霊夢ファンが羨む立場なんだろうな……。現実知らないって羨ましいよ。羨むやつには是非ともジャージ姿でゴロゴロして休日のオッサン化してるコレを見てもらいたい。

 

「あ、伊丹おはよう」

 

軟禁から数ヵ月、もう完全に慣れたのかジャージ姿でグータラする姿は、現代風博麗霊夢って感じがする。……二次創作の残念な方のな。

 

「伊丹なんか変なこと考えてない?」

 

俺が伊丹って呼び捨てで呼ばれてるのは俺からの要望だ。呼び捨て前がネト友か伊丹氏だったしな。お前本当に見掛け考えろって言いたい。今見てるテレビも止めろよ。

 

日曜朝アニメ。燃えじゃなくて萌えのアニメ。某美少女の戦士が戦う長寿シリーズアニメ。子供は純粋にヒーローを見る目で楽しみ成人男性は思いっきり不純な目で見るアニメ。

 

付き合いで見てるけど30オーバーな俺が見るの厳しいんだよ。寝転がって見てるコレはぎりぎ見てても可笑しくない見掛けはしているけどな……

 

「ッチ、なんであの角度で見えないのよ。いつも思うけどこのシリーズって毎回スカートで格闘戦してパンチラ一つしないの腹立つ。完全に物理法則無視して見せないの腹立つ。スパッツは良いけど、あのモコモコはなに?アニメのエロ規制いい加減にしろ。お風呂サービスまでするしず○ちゃん見習えってのよね」

 

やーめーろーー。

 

そんな美少女が言ったらダメな台詞をオンパレードするな。見掛けだけなら最高の美少女が日曜アニメを不純な目で見るなや!

 

『ーー!』

 

女の子の変身シーン、発光でボディラインしか見えない。舌打ちが聞こえた。ホント見た目だけでも美少女から聞こえてほしくない。

 

「やっぱり変身シーンは隠さず全裸になるリリなのみたいなのが素晴らしいわよね。伊丹もそう思うでしょ」

 

俺に同意求めるなぁ!!この部屋女性職員の監視有るの知ってるだろ!因みに霊夢の監視二割であと八割は俺が霊夢に何かしないかの警戒って理不尽割合!!

 

「ど、どうだろうな。俺的には見えなくても良いと思うな」

 

無難な発言でスルーする。エロ議論は勘弁してつかーさい。本当に見掛けだけなら可愛いんだからな。見掛けだけなら。大事な事なのど二度言ったぞ!心の中だけで。

 

「見えない方が?あぁ伊丹はチラリズムが大好だっけ、見えそうで見えない方が萌えるって言ってたの覚えてる」

 

あぁ!!!過去の俺のばか野郎!!何を言ってたんだよ。無難な発言したのにエロトークに完全に乗ったみたいな事になったじゃねーか。

 

過去の俺はネットで40代の歳上のオッサンと思っていった相手が実は年齢半分以下な美少女とか思うわけねーだろって言うんだろうな。今のオレもそうだよなって頷く。

 

「そう言えば伊丹が好きな女の子で上げたキャラって、大体このアニメみたいに女子中学生キャラだったけ」

 

勘弁して。違うんや。ネットのノリで言ってただけなんや……へへ絶対に後から世話役兼監視の美人なオネーさんに汚物を見る目で見られるんだ。前に見たとき目が言ってた中学生の女の子(博麗霊夢)に何かしたら命は無いってな!チラって見えた拳銃が怖かった。 

 

ただでさえ博麗霊夢好きな知り合いのお偉いさんから、コイツがこんなのに成ったのお前のせいかとか詰め寄られたのに……博麗霊夢の安全のために俺の下のを切り取ろうか検討されたとか嘘ですよね。

 

「あ、あくまでアニメキャラならその年齢でもセーフって話で、現実のはアウトと思ってるからな?」

 

真顔で訂正。

 

現実までセーフなら目の前のコレも対象だって言うようなもんだろ!例え見かけが良くてもコレはない。本当にない。本当に大切なことなので二度いった!

 

「アニメキャラだけセーフって……それ2次元じゃないとアレが反応しないって話?」

 

「女の子がそんな言葉を口に出すんじゃありません。あと憐れみの目で見るな!」

 

コイツ一体どっちどうなんだろうな。本物か似てるだけの別人か。幻想郷を知らないとかは嘘をついてるとは思わなかったけど、あの力とこの姿を考えるとただの博麗霊夢の別人ってのは無理あるよな。……下ネタも東方MMDの霊夢のせいであの言動でも本物でもあり得そうとも思えるし。

 

政府はこの数ヵ月色々と調べてるらしい。

 

オレが教えられてる範囲で言えば、政府が調べても彼女の両親は不明、今の保護者も記録的には存在するのに接触は出来なかったらしい。それ以前に聞き込みしても霊夢以外に目撃者すらゼロだったらしい。霊夢の証言で霊力の使い方とか保護者に習ったとか言ってたから、だから保護者探しは相当な人数動かしたらそうなのに手懸かりすら無かったらしい。……その保護者が人間かとても怪しいよな。

 

このせいもあって政府は本気で幻想郷があるパターンとか考えてるみたいだよな。幻想郷が本当に存在するか確認するのに幻想郷関連で色々と調べてるってきいた。

東方projectを作った作者は拘束されたり、日本の歴史とか調べたり、幻想郷の外で幻想郷に関連する高校生とかあの神社とか調べたりしてるそうだ。

 

本当にあるのかね幻想郷。

 

そう言えば不確かな情報だけど東方projectに関係ありそうな誰かが見付かったとか言ってたな。これはどうなんだろうな。

 

本当って可能性も勘違いって可能性も、嘘だって可能性もありそうだ。門の事もあるけど幻想郷がある疑惑で国外の工作員がだいぶ動いてるらしいしな。工作員の目を誤魔化す虚報ってのもあり得そうだ。

工作員といえば当然だけど博麗霊夢の居るこのホテルにもだいぶ工作員は来てる。何人も撃退されてるンだよな。

 

最近、工作員の行動は過激になっててもうこのホテルには居られない。ここにいたら下手すると、いや下手しなくても自衛隊+霊夢VS 工作員になんて事になりそうなんだよな。……それに政府の方へ掛けられてる圧力がシャレにならないそうだ。

工作員はどうにかなっても政府の方がどうにもならないレベルらしい。

 

だから動かなきゃいけない。

 

「明後日にはここでるから」

 

「ここを?……あぁようやく家に帰れる」

 

残念ながら違うんだよなぁ。

と言うか本人もわかってるだろ今は帰れないのは。

 

「いやここを出るだけだ」

 

「あーそう、で何処にいくの。ネットも繋がらないような離島とかなら流石に勘弁してほしいけど」

 

「銀座のあの門、ゲートの向こう側」

 

 

「ふーん…………え?なんで?」

 

 

 

 

えーこちら博麗霊夢、ぽいと思われてる同姓同名で見掛けそっくりで力があるだけの博麗霊夢(別人)。現在地、私が大変な事になった元凶たる門の向こう側……

 

軟禁から数ヵ月待って家に帰れるどころか強制的に海外旅行って、異世界旅行ともいう。

 

教えてもらった事だけど私はハリウッドクラスのスーパースターより人気者

 

某国からは私への招待状。某国からは私の引き渡し要求。某国からは工作員による拉致。某国からは私が某国人だと返還要求。マスコミからは私の記者会見要望、と私は本当に人気者だったそうよ。まったく嬉しくない。

 

私関連で干渉を受けてもう政府も限界らしいから、お前ほとぼりが冷めるまで門側に行っとけとさ、此方なら他国の干渉から逃げられるからってね。

 

「まぁそれは仕方ないと納得するけど……誰、この服を用意したのは」

 

今着てるの紅白の博麗霊夢のあの服装。

コスプレの安いのじゃなくて肌触り的に布地がものすごく上等。作りも確りしてるし。値段を想像するの怖いんだけど。値段もそうだけど私は博麗霊夢(本物)って主張するみたいなこの服が用意された意味って一体……

 

そう言えば工作員とか色々と大変とか言ってたし

 

「私が門の向こう側に行ったって宣伝するためとか?」

 

場所が此方なら国内で私探しとか余計な事をされなくて済みそうだし。

 

「そう言う理由も、ある」

  

わかりやすい。

伊丹の反応的に他にも理由がありってこと。

伊丹をジッと見る。

 

「あー…その服については…ある偉いお人が博麗霊夢はその格好じゃないとダメだって言い出してな」

 

「…へー……………私たちの同類みたいな人がお偉い人に居たんだ。けど私はその人の思う博麗霊夢(本物)じゃないからコスプレにしかならないんだけど?」

 

「中身はともかくその見掛けのクオリティーならコスプレとか思えないぞ。中身とか知らなきゃな」 

 

なんで中身を二度言った。

 

「何が言いたいかわからないけど!それよりもう門のこっちがわだし着替えていい?ジャージはどこ」 

 

この服をを着てつくづく思った。私のベストな服装はやっぱりジャージだとね。 

 

「ジャージはダメだ」

 

「いやいやなんでよ服装は自由でしょ」

 

ジャージの方が動きやすいし。こんな高そうな服を汚したくない。何よりこんな本物(博麗霊夢)ですよって宣伝する様な服とか面倒、なんか自衛隊の人すら変な目で見てくるし。

 

「とあるお偉いさんが血の涙流してジャージはダメだって言ってな。ジャージは着せるなって命令が来てるんだよ」

 

「なにそれ、そんなバカなことないでしょ、そんな命令するってどんなお偉いさんよ。アホらしい。え、なにその顔、えぇ本当の命令?』

 

頷かれた。

 

ま、まぁ本当に存在する命令が本当だとしても。

 

「そんな命令こっちには関係ないから」

 

その誰か知らないお偉いさんの私情しか無いなら着てる理由はない。私とジャージの絆を断ち切ろうとする権力なんかに屈しない。 

 

「あーもしジャージを着たいとか本人が強硬に言うなら」

 

ふん権力にモノをいわせるつもり? 

そんなの

 

「某お偉いさんは土下座してでも説得するとマジ顔で言ってたんだけど……着たいか?そのお偉いさん50越えてて……現職大臣だけど」

 

「冗談、よね?」

 

「冗談だったら嬉しいなー」

 

伊丹が遠い目をしてそういった。

……マジっぽい。50越えの現職大臣の土下座……何てひどい脅迫!なんで普通に権力でなんとかしようとしないの!

 

 

着替えたい。着替えたいけど……はあ…仕方ない…さよならジャージ

 

これ権力に屈したと言うの?

 

 

ま……これをずっと着てられわけないし着替えられる時を待つしかないかぁ。

  

 

 

 

着替えも用意されて全部同じデザインだった……。

 

 

 

 

 

服に妥協させられてからどれぐらいだろう、大規模な軍隊に自衛隊は襲われた。

 

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