衝動的なの   作:ソウクイ

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ゲートに巫女さん5

 

特別製の筆で一筆、一筆に力を乗せて決められたモノを書いて最後に護符と書く。書いたモノを台にズラッと並んだ同じ護符の列の中に入れる。これで今日百枚目。あぁ数を思い出すと疲労感が、けど……

 

「あと少し、あと少しで終わる……」

 

コンコン

 

ノックの音?

 

「博麗さん失礼します」

 

何処かいってる伊丹の代わりに私の護衛兼パシリ、もとい御手伝いになってる里田さん、飲み物でも持ってきてくれ……え……

 

う、嘘でしょ。いや、い、い、や、こないで!

 

「博麗さん追加で護符100枚お願いします」

 

ドサッと高級紙が置かれた。

 

「うがあぁああ!!いい加減にしろやぁあ!!」

 

キャラ崩壊?そんなん知るか!!

 

「博麗さん!?落ち着いてください!」

 

「これが落ち着けるか!!落ち着けるわけない!ねぇなんでこんな注文が来るのよ!?」

 

可笑しい。絶対可笑しい。

元を正せば少しは私にも原因があるとおもって我慢して護符を造ってきて、もう作成数が軽く四桁いってる。いい加減に限度ってものがあるでしょ!?

 

手がねスゴい痛いの。

 

「手抜きして、コフン!簡略しても護符一枚作るのにも結構時間掛かるんだけど!?」

 

なんで異世界に来て一人モクモクと内職しなきゃいけないのよ!

 

「というか!昨日!これ以上は指揮官の人が注文しないって言ってたと思うんだけど!?」

 

まさか私の願望の記憶?それなら私はガチでこの異世界に旅立って消息絶つわよ!

 

「…そ…その、断れないクラスの偉い人からも注文がきまして…」

 

断れない偉い人って軍の上の人、政治家?百枚分も?

 

「なんで私に注文するのよ。偉い人なら格式高い神社とかの御守りを買えばいいじゃない……効果あるか知らないけど」

 

しかも偉い人って地球側でしょ。態々異世界にいる私に注文とかするな!

 

「効果についてはなんとも言えませんが、実際にアレが見えたりするのは博麗さんの護符だけですし……」

 

遠くの方で歩いてる半透明な人、幽霊を指差した。

よく意味がわからない。

 

「……見えない方が良いと思うんだけど」

 

見えてもウッサイだけだし。そう言えば護符で姿はともかく声も聞こえてるんだっけ?

 

「それにその注文した偉い人の居るの日本よね。それなら幽霊が見えるとか意味ないとおもうけど」

 

「え、なんでですか?」

 

「此処ではよく幽霊を見るけど日本の方であんまり幽霊とかみたことないし」

 

「そうなんですか」

 

これ言ったの初めてだっけ?

 

「そう言えばこの説明って里田さんが居ないときに、日本政府に渡す分が欲しいって言われた時にちゃんと説明したはず。日本だと幽霊は凶悪犯罪者ぐらい人から恨まれてる人の周りぐらしいしか居ないって」

 

とにかく護符の増産とか嫌だから凶悪犯罪者の近くにしか見えないとか嘘八百で力説した記憶がある。

 

「そんな説明したんですか」

 

「それで護符がほしいって事は注文してる人は……」

 

「「…………」」

 

少し無言になった。

 

「凶悪犯レベルな大悪党?……その偉い人……」

 

「い、いえいえ!博麗さんの護符なら凶悪犯じゃなくても欲しいですよ。例えば幽霊が見たいだけの無類の幽霊好きと言う可能性も有りますし」

 

それ理由としてどうよ。

 

「その偉い人もそうだけど、なんで護符とか必要なのかしらね。今までずっと見えてなかったんだし気にしなきゃ良いのに」

 

「それは無理ですよ。恨みをもった幽霊が傍にいるの知って気にしないなんて、幽霊がいるのを知って何人ノイローゼになったか知ってます?」 

 

「数は知らないけど、ノイローゼとかで精神的に病んだ人が、呪われたやら取り憑かれたやら大人数で私に相談しにきて面倒だったわ」

 

とりあえずカウンセラーの人にパスした。それでも私に何とかして欲しいってしつこいのには、祓い棒(ぽいの)でぶっ叩いてこれで悪いものは祓ったから大丈夫と適当に言っておいた。……ぶっ叩いて感謝されたのは気持ち悪かった。

 

「……そのせつはご迷惑をかけました」

 

え、里田さんも来た人だったんだ。あのとき数が多すぎて流れ作業やってたから……里田さんもぶっ叩いたとかないわよね私?

 

で謝った里田さんが気まずそうに目で紙をチラチラと見て「……あの……作業」と言っている。

 

「伊丹がソロソロ帰ってくると勘が囁いてる。出迎えの準備をしてあげないと!」

 

「え、待ってください!」

 

伊丹は隊を率いて近場の調査とかしにいった。私も護符造りから逃げたくて行きたかったけどいけなかった。

伊丹が何か面白いものとか見付けたとか無いかな。何かもって帰ったらお土産屋として貰うと約束したし。

 

 

「まさか可愛い女の子をお持ち帰りするとは…」   

ビクビクしてるエルフさんにゴスロリさん、伊丹がもって帰ったということは、私のお土産屋として……ゴクリ。

 

「ちょっと待とうか博麗の霊夢さん。その言い方だとオレ誘拐犯か変態みたいやん」

 

変態じゃない?

 

「まぁ女の子以外も沢山いるけど…………どうしたのこの人たち?」

 

「それは……」

 

伊丹率いる第三なんちゃら隊が調査してるとドラゴンを発見。あのワイバーンの何倍もデカイ、ゴジラみたいな赤いドラゴンだったそう。是非見てみたかった。そのドラゴンが森を燃やしていた。其処がエルフさんの村だった。エルフの村とか行きたい!と思ってたら、ドラゴンにやられて村は壊滅で残ったのはそこのエルフさんのみとすぐに言われた…残念。エルフの幽霊とか居るかもしれないけど微妙

 

まぁとにかくエルフの女の子を保護して近場の村に行こうとしたら、その行こうとした村の人たちがドラゴンから逃げてきた。で放置できず、伊丹率いる隊が女の子含めた避難民を沢山連れてくることになる。途中でドラゴンに襲われながらも帰ってきたと。

 

善意で連れてきた避難民かぁ。

こう言う善意の結果とか大体ろくな事に成らないと思うけど、日本的には

 

それにしても

 

「上の許可とかよく出たわよね」

 

敵地みたいな所で避難民を抱えるとか避けたいと思うんだけど。

 

「ははは、実は連れてくる許可とってない」

 

隊員の人達から笑い事じゃねーよみたいな目で見られてるけど隊長さん。

 

「それはそれは…こうして連れてきたら返すの無理だし。指揮官のひと大変そう」

 

「なんか霊夢さん嬉しそうだな」

 

「いえいえそれは伊丹さんの気のせいですよ。指揮官の人に恨みとかこれっぽっちもないから私はとても気の毒に思ってるから。ええ本当に」

 

「…………わー初めてみるスゴい綺麗な笑顔だ。、胡散臭い」

 

胡散臭いいうな。

べ、別に護符造りやらせた責任者に苦労しろとか思ってる訳じゃないからね!

 

「まぁ、避難民の人達が来た理由はわかったけど……あのゴスロリさんとかエルフさんが私を警戒した感じな理由はなに?」

 

「さぁ?危険物とか思われたんじゃないか。ネットでエルフとかゴスロリでのエロ話をしてた博麗霊夢さんだし」

 

「それなら伊丹も危険物じゃない。伊丹がしたエロ話でエルフの乱れ「ハハハ……うん、この話題止めようか!!」

 

まぁいいけど、伊丹これから大変そうだし。避難民を連れてきた事で青筋を立てた人達に伊丹がドナドナされていった。

 

……エルフさんとゴスロリさんがずっと視っぱなしなのどうにかしてから行ってほしかったなー。

 

ゴスロリさんが恐る恐るって感じで話しかてくる感じ。何か聞きたいことある感じなのはわかってたけど、此方の言葉とか無理なんだけど。

    

 

 

「ねぇ貴女って向こうの神様?」

 

 

 

…………え、日本語?

 


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