衝動的なの   作:ソウクイ

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カストロ憑依?

 

昔々、もし漫画やらアニメの世界で転生するなら何処がいい?かつて友人にそんな質問をされた事があった。特に何の意図もない雑談として…

 

アニメや漫画の世界を思い出して、転生したい世界を真剣に考えて見ると…候補が多すぎて答えられないな!そう真っ正直に返すと呆れた顔をされて次の質問をされた。

 

じゃあ逆に此処だけは転生するのが嫌な漫画世界ならどこよ?現代以下の文明な漫画世界全般と即答した。範囲が広すぎだと怒られた。 たしかに、むしろ現代日本並みの世界観の方が少ない。なら現代と同じぐらいの世界観って条件ならどこか。

 

現代レベルの文明…けど転生したくない…先ず思い浮かんだのはハンター&ハンターの世界。

 

 

人気王道の少年漫画なのにシビア過ぎる世界観。漫画の世界に有りがちな補正の様な安全地帯がほぼ無い…主人公とその仲間にだけ辛うじて命の保証があるぐらい。危険が生々しい。人気少年漫画の皮を被ってるのに人の闇がごった煮。殺人鬼、人体パーツ、拷問、人食、サイコパス、こんな単語やら描写が平然と出てくる…。撲殺されたり首だけになったり可愛い女の子キャラでも喰われたりする。そんな世界には転生したくないな!と友人と話していた。

 

で、もし、そんなハンター&ハンター世界に転生するとして、更に原作キャラで転生するとしたら誰が嫌だろうか?という話になった。

 

悲惨な死に様を晒すキャラはまず除外された。

其処まで悲惨な死にかたをしてないキャラならどうかという話で出たのが…

 

…カストロ。

 

漫画では初にハンター×ハンター屈指の強キャラのヒソカに初めて大ダメージを与えた"かませ"キャラ。失敗の題材にされた悲しいキャラ。容姿が良く才能もありそうなのにミスでダメになったキャラ…ハンター×ハンターでなければ強キャラとしてきっと活躍していた。

 

これは、そんな微妙で残念なキャラとしてハンター&ハンター世界に生まれ変わった男(カストロ)の物語である。

 

自分の状況を思い出してみた。

とても虚しい気分になった。

 

ここはハンター×ハンターとしか思えない世界、同姓同名の別人ということがなければ私はやられ役(カストロ)。

 

なんで私はカストロ…。

 

やられ役なんてゴメンだ!!原作のカストロのような人生は避けたいと思うのが当然。原作を知っているのに原作をなぞらえる為に原作通りに死ぬなんて、何処かの変態の様な極まった精神は持ち合わせてない!

 

どうするか。

 

私としては平穏な生存を目標にしたいが…ハンター×ハンターの世界で平穏…確実な生存…無理だな! なるべくなら平穏を目指し…最悪でも原作カストロのような無様に死なずに済む事が目標とすることにした。

 

先ず原作の様な死の回避。

ヒソカ…

 

死因の変態(ヒソカ)に目をつけられれなければ回避できるか?興味を引かれて一度目をつけられたら死ぬまで逃げれそうにない

 

ヒソカを倒すのは無理……倒せるかどうか以前に原作の重要キャラ。主人公が強くなる切っ掛け。もし死因が居なくなれば強くなる切っ掛けも無くし主人公が強くならない。主人公が消える。原作の先は不明だが平穏な未来だとは思えない。きっと主人公が解決するだろう…主人公がいないと未来が大惨事になる…。

 

原作ではヒソカとは天空闘技場で出会ったんだったか。なら天空闘技場に行かなければ…もっと言えば武術家に成らない様にすれば良いか?。

 

いや、しかしそれも…殺人鬼が居たりして一般人でも何処に死亡フラグがあるか判らない世界。自己防衛できる強さが必要。無防備でいるのは怖い!

 

強くなるには武術…武術を学んでも天空闘技場を避ければ偶然に死因と出会う事はない筈だ。…万一闘技場以外で出会っても何とかできる強さがあれば安心だな。

 

強くなるには特訓か修行、修行の主導をしてくれる師匠なんて居ないので独学で……独学は自分のキャラ的に不味そうだ。……ハンター×ハンターの主人公の修行やらを参考にしたモノなら大丈夫か?

 

成果は…引く程に現れた。

流石はアニメ世界…!

 

身長を超える大きな岩を持ち上げたり砕くことはできたり、木から木に跳び移れるほどジャンプ力、分身殺法なんて動きも出来る。念を覚えてないのに凄いな。まぁこの世界ならこれぐらい出来る人間は無数に居そう。

 

この肉体の才能?前世のネットでプロテインが空気にある世界と言われたハンター世界なお陰?それにしても筋肉は増えてるはずなのに体格が全く変わらない。原作主人公も同じだったわ。

 

流石はカストロの肉体か。能力選びに失敗した事を除けば作中屈指の天才には認められていただけある。 考えてみると…元祖カストロ並みに成るの大変じゃないか?

 

肉体の才能は変わらない筈、なら身体的なモノは努力次第として……念能力。

 

念能力は描写からして精神力が重要。原作で念を使えて強いキャラは極まった精神力をしてる。私があんな精神が極まる事があるとは思えない。 次の問題は頭もそんなによろしくない。他に観察力に機転の良さ発想力、重要なモノが軒並みあると思えない……。

 

元祖のカストロな能力選びに失敗してるが、自力で念能力を会得してる。もし自分なら…自力で会得なんて出来ない。原作知識があってもどうやったら良いのか。原作より劣化してる。

 

念能力の師匠が欲しい。

しかし…念の師匠はどこにいるのか。

 

念の師匠と言えば年齢詐称か天空闘技場のメガネの彼が思い浮かぶ。

 

ウイングは強さは不明だが人格もよく教えかたは上手そうだった。念の才能が無くてもシッカリ教えてくそうでもある。しかし何処に居るかも不明だ。それ以前か…彼は原作で私(カストロ)と年代が其ほど変わらないように見えた。今の私は小学生ほど、同年代なら念の師匠どころか今の時代だと念を知ってるかどうか。

 

メガネの彼の師匠の年齢詐称の人物なら今の時代でも確実に念を知ってるだろうが……師匠としては原作でトップだが…まぁ元祖のカストロなら兎も角…私だと才能的に、主人公の様な特大の原石でもないと教えてくれそうと思えない。

 

原作から所在が何となく解りそうな念能力者は…危険人物しかいないな。暗殺一家、マフィアのお抱え。師匠にできるわけがない。例え師匠に出来るとしても私は裏社会なんて怖いので関わりたくない。論外ばかりだ。

 

他には天空闘技場の200階以上の選手、原作では洗礼とやらで200階以降の選手は念能力を習得してる様だった。此方は裏社会に関わりは無いだろうが、レベルが低いと原作で言われていて、しかも独学で目覚めてる。其処から学んだら原作のカストロの失敗をなぞらえる事になる。

 

念以前の修行場所には良さそうなんだが、私(カストロ)として天空闘技場は避けたい。死因の変態と出会う可能性があるから。

 

ふと思いついた事があった。

 

変態に師匠になってもらう。念能力者としては一流。もし強くなる可能性があるなら案外頼めば教えてくれそうでもある!……無いな。何を馬鹿な事を考えてるんだ。

 

仮に変態に教えられたら、『強くなってくれて師匠としてとても嬉しいよ♪…そろそろ収穫時かな?』って強くなったらきっと殺しにくる。逆に弱ければ『うん、もうどうでも良いかな☆サヨナラ』きっと殺しにくる。殺しに来ないパターンがない!

 

他に機会と言えばハンター試験…原作なら試験に合格なら裏ハンター試験で必ず師匠が派遣されて念能力を教えられる!

 

念の師匠と確実に出会う手段はハンター試験の合格。ハンター試験を合格出来れば……ハンター試験なんて凡人だと試験会場にたどり着く事すらできない

 

「まさか…会場にも行けないか」

 

ハンター試験に応募して故郷から旅に出たが会場にたどり着く事すら無理だった。流石は難易度最高の試験だと実感した。何だあのクイズは、案内人の偽者までいるなんて理不尽だ。いや見破るのもハンターの才能か。合格出来る気がしない。今の私は主人公と年齢は同じぐらい。……才能は下としても本来のカストロなら会場ぐらいまでなら行けた気がする。やはり私がこの身体を劣化させてる…。せめて肉体トレーニングを頑張って少しでも穴埋めしないと…!

 

ハンター試験はまた挑戦するとしても次まで時間がある。

 

「……あそこに行ってみるか」

 

試験会場が見付からなかった代わりに強くなるのに良さそうな場所を見付けていた。

道場。

 

何の流派の道場かは知らない。人気があるのか人が沢山いたから試しに入ってみようかと思った。

 

看板は心源流拳法。

看板を二度見、三度見した。

 

あの人類最強格のネテロ会長の流派?確か原作キャラでも何人か同じ流派の人間はいた。道場があっても不思議はない。流派として念を教えてくれるかもしれない。まぁ教えて貰えそうな可能性があると思っても、念については期待として極僅か。

 

念は秘匿するモノで厳しい基準を越えなければいけない筈。凡人の私だと基準になるのは何時になる?何年だ。念を教えてくれる頃には原作のハンター試験が終わってるなんて事になるかも。

 

強くなるのに近道はないという言葉は有る。ただ原作が変わらないならジックリ強くなる時間がない。他にあてがない。

 

もし念は無理でも武術は学べる。

原作最強格の流派を………本物なんだろうか?名前を使った無関係な道場って可能性も…

 

短期間だけ体験で入れるか聞いてみる事にした。あと月謝が幾らか聞かないと。

 

道場に入ってみた。

空気感が前世で見た事ある部活の空手部よりも緩い感じがした。外れ感がして仕方ない。いや、まだだ。教えてくれる人を見るまでまだダメかはわからない。

 

「ん?お前さんは」

汗だくのオッサンがきた。

師範で道場主らしい。

…サングラス、無精髭……某マダオの姿と重なって見えた。騙り…

 

「入る希望者か?」

 

体験で入れるかどうか聞いてみた。

ダメなら諦めよう。

ダメだと言ってくれ

 

「体験か…まぁ良いぜ。一月ぐらい体験してみな。月謝はこれぐらいだ」

 

示された指の数は…月謝安い。

…この値段なら間違えでも仕方ないと思えるぐらいに安い。余計にダメそうに感じた。はいってみる事にした。

 

入ってからも一月後

 

体験の延長はしなくて良いなとおもう。

 

この一月、ナゼかよく模擬戦を仕掛けられる。模擬戦で勝つと空気が悪くなる。年上しか居ない先輩達と模擬戦して全勝したから、技術では相手の方が上だった。ただ根本的なスペックが前世の人間とアニメキャラみたいに違った。この肉体が優秀過ぎる。

 

別に模擬戦は良いとして、指導がろくにないのは酷い。師範がろくに指導とかもなく隅っこで一人。何かヒソヒソと女子の同門に陰口を言われ、男の同門には怒りを向けられた。何でなのか。

 

練習としては模擬戦は糧にはなってるけど空気感が辛い。体験にしといて良かった。

 

 

最終日。

この一月、他の道場を調べた。

ちゃんと指導してくれそうな道場を見つけた。

明日からはそちらに移ろうと考えていた。

 

で…困ったことになった。

 

「あんたね。心源流に喧嘩を売りに来たバカって」

 

 

どうして年齢詐称の人が?

 

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