地球にやってきたサイヤ人は、ハゲの大男とベジータ王子、地球の戦士に倒されて気の縄で簀巻きにされていた。なんで拘束してるんだ?
オヤジは唖然としてる。
「ど、どういうことだ」
頭を抱えてるオヤジ。
オヤジは良いとして弟は終わってから来た孫悟空を見てる。元から蘇生するとは聞いていたが、孫悟空はドラゴンボールで今日蘇ったのか。ドラゴンボールは今日使った。ドラゴンボール使うと一年間使用不能と聞いていた。…半年前に私が使えるの一年後って言ってたような。
「オラ急いで来たのに全部終わってるんか。皆が無事だったのは良かったけど……えぇ」
孫悟空が肩を落としていた。今回の為にあの世で修行とかしてるとかクリリン達が言ってたな。……死後の世界のあの世があって修行もできるのか、地球にきて初めて聞くことが沢山あるな。
それにしても孫悟空のあの髪型と顔、何処かで見たような。サイヤ人……惑星ベジータにいるときに親でも見たことあるのか?ベジータ王と王子みたいに髪型が遺伝してる相手とか……あの髪型は……こう、喉元まで出てるのに思い出せない。それなりに有名なサイヤ人で……
「は、はは…拍子抜けしたって感じか悟空…俺達も悟空の気持ちよくわかるよ」
「なんでだよ。クリリン達は戦ったんだろ」
「…え、まぁ…戦った…戦ったんだけどな…」
「なんなんだよ。もしかして弱かったんか。」
「弱くはなかったぞ。強かった。苦戦するぐらいに強かった。強かったんだけど………勝ち目が無いぐらい強いと思ってたから…」
「実は俺……悟空が来るまで時間稼ぎ出来るかどうかってぐらいの差がサイヤ人相手にはあるんだと思ってた」
「俺もヤムチャさんと同じ様な気持ちでしたよ」
「…………そうだ。思い出せば……ラディツのヤロウがいた……………ラディツのレベルから考えたらこの二人のサイヤ人の強さぐらいでも……」
「ピッコロさん……」
激闘を予想して肩透かしを食らった?
特訓が無駄になったみたいな感覚かな。
「……なぁさっきから見てるけどオラに何か用でもあるんか」
弟はどうしたんだ。
なんでそんなに孫悟空を睨んでるんだ。
「……カカロット」
うん?あぁ孫悟空のサイヤ人としての名前か。
「カカロットってラディツの言ってた…おめぇもサイヤ人か」
「悟空敵じゃないからな。ブロリーはサイヤ人だけど俺たちを鍛えてくれた側だから」
「それって半年前に界王様が言ってた……へーークリリン達を鍛えてくれたんかー。クリリン達スゲーー強くなってるよな。どんな修行やったんだ」
修行に興味津々な様子だな。
「…孫悟空……その髪型に顔は……」
オヤジは何か思い出したみたいな反応をしてるな。髪に顔か……どこかで見たような気がする。
「オッチャンもオラの事を知ってるんか」
「オッチャンではないパラガスだ。…お前を知ってる訳ではないが………お前はバーダックの倅か?」
「倅っていうと、父ちゃんってことか。父ちゃんの名前なんてオラ知らないぞ」
「そうなのか。うーむ、そうだ。思い出した!バーダックの子供がカカロットという名だったはずだ!」
「カカロット…オラが呼ばれてた名前だ。ならバーダックてのがオラの父ちゃんなのか」
「悟空のオヤジさんってパラガスさんの知り合いだったのか」
「何度か顔を見たことが有るぐらいで知り合いでもない。バーダックは下級戦士なのに高い戦闘力をもったサイヤ人として惑星ベジータで其なりに有名だったから覚えていた」
バーダックの名前は聞いた覚えがあるな。
「はーー悟空、お前の父さん凄かったみたいだな」
「オラの父ちゃんがバーダックって人か……ブロリーが見てくるのと何か関係あんの?」
「…そうだ。色々と話を聞くバーダックの倅のカカロットと息子のブロリーが保育器で隣り合わせだったのに驚いた事があったな」
保育器?
「へ、そうなの!?悟空とブロリーが赤ん坊の頃に隣同士だった事があるのか」
「オラ全く覚えてねぇ。それが今オラが睨まれてる理由なんか」
「ブロリーとの接点と言えば其れぐらいしか無いと思うが、ブロリーどうなんだ?」
「……」
弟は無言、答えたくないみたいだ。
しかし間違ってるなら否定するだろうし正解か。
「悟空……お前寝相悪いからなぁ。寝てるときとかに隣のブロリーさんになにかしたんじゃないか」
寝てる時?
…寝てる時…
「ひでーなクリリン。オラそんな寝相悪くねーよ」
「うそつけ!昔、武天老師さまの所で一緒に修行してた時に寝てるお前に何度も蹴られたぞ」
「え、そうだったんか?わりーーな」
保育器。寝てる時…初めて弟と会ったときで、確か……あの時弟が泣いてて、弟を泣かしたのは……ツンツン頭の……戦闘力二の子供に泣かされてると笑われてた
…弟を泣かしていた戦闘力2の赤ん坊か
空気が凍ったってこう言う時に言うんだろうな。サイヤ人って言う驚異がアッサリ片付いて安心だと思ったのに!!
お姉さんの一言に皆が固まってる。
あの悟空さえ
い、威圧感が、ブロリー……悟空睨んでた理由は赤ん坊頃に泣かされたから。なんで今でも覚えてるんだ!恨み深いとかそんなレベルで済むのか!?
ブロリーは基本的には穏やかだけど切っ掛けがあったら一番ヤバイ。
一目で判るほどブロリーはお姉さんが大好きってタイプだ。そのブロリーがよりによって赤ん坊の頃とはいえ泣かされてる所をお姉さんに見られてたのかよ!
や、ヤバイ。気がドンドンと高まってる。サイヤ人と戦えるぐらい強くなった俺達が、心底から震えてくる!地球を壊せそうなパワーを感じる。折角サイヤ人に圧勝したのに、ち、地球の終わりが悟空が泣かせたせいなんて事はないよな!?
お姉さんがブロリーを見て首を傾げた。
ブロリーにどうしたんだって聞いた。
「………な…なんでもない……」
ヒューンって感じで気が消えてく。
あぁそうか。泣かされたことを思い出して怒ってるなんてお姉さんに言えないか。簡単におさまったけど……これお姉さんが居ない所で悟空と会ってたら大惨事になってたよ!!
「ふぅ…すまなかった」
俺達に謝ってくれた。
平常通りに戻ってる。
もう暴れるとかないよな。
「はー!お、オメェースゲーな!ブロリーって言うんだったか。とんでもなくデケー気を持ってんだな!」
「ご、悟空」
お前よくあんなデカイ気で敵意向けられて嬉しそうにできるな。俺なんて敵意を向けられてないのに、地球ごと終わりだって腰が抜け掛けたのに。
ブロリーの方は無視してるみたいだ。
お姉さんの前で格好悪いからか怒ったりはしてないけど、悟空が嫌いでは有るんだろうな。まぁ今の状態ぐらいなら悟空の性格と此れまでの事を考えると、その内仲良くなってそうか?ほっといても大丈夫かな。…何とか成らなかったらどうしよ。
「ブロリーは別格だけどよ、みんなからもスゲー気を感じたぞ!オラも界王様の所で修行してうんと強くなったのに、皆はそれ以上に強くなってるみたいだし悔しいなぁ。どんな修行を受けたんだ!」
どんな修行?
修行?
「修行じゃねぇ。拷問を受けたんだぎゃ……」
ヤジロベーの心底からはいたぽい言葉に全員が頷いた。ブロリーとパラガスさんまで頷いてる……後ろ二人はやった側だろうが!!
「拷問みたいに厳しい修行ってことか?……でも強くなれるんだろー」
強くなるって所だけ見るな!
「悟空、止めとけ!ピッコロでももう世界征服とかどうでもいい。いっそ一思いに殺してくれって言うぐらいなんだぞ!!」
「クリリーーン!!!お前!!それを言うな!」
「えぇマジか。あのピッコロがそんなことを言ったんか!?本気で厳しそうだな。想像しただけでもこえーぞ…………だけどもよ、それだけ厳しいから強くなれたんだろ…」
「おい!悟空!!余計興味津々って顔をするなよ!!お前!せっかく生き返ったのにまた死ぬぞ!!」
「大袈裟じゃねーか。皆もその修行受けてるのに生きてるだろ」
「悟空、生きてるけど、マジで死の縁ギリギリに立たされるぞ?俺達、生きてるの不思議だからな?。もう一度受けたら死ぬと思うからな?」
「……と言うか心臓止まるの恒例だし実質的に死んでないか?」
「少なくとも外見的には死体と区別つかない状態になってたな皆」
皆が思い出して震えてる。
かくいう俺も震えてる。
流石に悟空の顔に冷や汗が。
けど修行への否定の言葉は出さないんだな! お前そう言うとこだぞ!
一年前に悟空が死んでどれだけ悲しかったか。生き返ってどれだけ嬉しいか判るか?それなのに今度は能動的な自殺とか。
「おっかねぇな。けどその修行やったら強くなれるんだろクリリン?」
「そりゃとんでもなく強くなれるだろうけど……あくまで修行をして生きてやり遂げたらだぞ」
もう二度とやりたくないって気持ちではいるんだよな。
「……おい、その修行とやらを俺にやらせろ」
「な、ベジータ!なにしてんだ!」
な!
「あ!お前らいつの間に脱出してたんだ!」
気の縄はそのままで芋虫みたいになったまま移動したのか。その状態で逃げようとしてたなら……なんかパラガスさんがスンゴイ悲しそうな目で見てる。
「何か言ったか」
あ、ピッコロ、いつの間にかサイヤ人の逃げてる方向に居る。逃げてるの気付いてたのか。
「もう一度いう。俺にもお前達がやった修行をやらせろ」
ピッコロの姿に一瞬ビビった顔をしたのにすぐに不敵な顔でそう言った。
「な、ないってんだベジータ」
ナッパとか呼ばれてたサイヤ人の台詞は俺達全員の台詞だな。
「貴様は黙っていろナッパ、で、どうなんだ」
「バカか貴様……お前達が何をしに地球に来たのか覚えてないのか」
ピッコロが正論を言った。
俺達にダメージがあるだけでほかに被害もないし此処から始末ってのはアレだけど、それでもこの二人のサイヤ人は敵だ。俺達が弱ければ俺達は殺されてた。下手したら地球人皆も。
なんでそんな敵に修行を提供するとか思うんだ。逃げてたの自分でバラしてまで絶対受け入れられない提案するとか馬鹿か。仲間のハゲ男すらコイツ正気かみたいな目で見てるぞ。
まさか同じサイヤ人のパラガスさん達を頼るつもりか。サイヤ人の王子さまらしいけど…パラガスさんとかやっちまえみたいに首をかっ切る仕草をしてるな。
「……よく聞け。俺を強くする事はお前達にとっても利益があることだ」
「は?どんな利益が有るってんだよ」
何もないよな。
「その話をする前にだ……其処の奴がカカロットだな」
「オラは孫悟空だ」
「サイヤ人としての名前はカカロットなんだろ。お前はラディツにやられて一年前に死んだはずだな。なのに生きている。前の通信で聞いてたがこの地球あると言う…何でも願いを叶えるドラゴンボールとやらで本当に生き返ったのか?」
ドラゴンボールの所でなんで声をデカくしたんだ。
「そうだけど、それがどうしたんだ」
「なるほど、なるほど、半信半疑だったが、ドラゴンボールか。まさかお伽噺の類いと思っていたナメック星人の作るどんな願いも叶える玉の話が本当だとはな。こんな辺境の地球にまさかそんなお宝が有るとは予想外だ」
コイツ、ベジータの話し方、なにか変じゃないか。
「だからそれがどうしたって言うんだよ!地球にドラゴンボールが有るからって何なんだよ!」
「ふふふは…ふはははは!」
「何を笑ってやがる」
「いやなに…願いを叶える玉がこの地球にある事を認めてしまったな」
なんだベジータのしてやったりみたいな顔は。
「み、認めたからてどうしたってんだよ」
なにか嫌な感じがする。これ以上ベジータと話すべきじゃないって気がした。
「この俺の目にあるスカウターには戦闘力を測る機能があるのは知ってるな?」
「あ、ああ」
ラディッツが持ってたのをブルマさんが修理して使ってくれたから知ってる。
「それと比べたら大した事はないが、その他にも機能がある。それは相当に遠方まで届く通信機能だ」
通信って……遠方まで届いても通信先が居ないと意味ないだろ。ラディッツて奴が言ってた事を信じたらサイヤ人はもうコイツら以外に居ないって感じだし。
「ま、まさかベジータ!お前達はまだアイツの配下なのか!!!」
え、パラガスさんが慌ててる。
アイツ、配下?……それて
「通信先にはコイツらの仲間か上司が居るのか!?」
こんな侵略するような奴等の仲間や上司なんてろくな想像が出来ない!そんな奴等にドラゴンボールを知られた……
「(まだ?)その通りだ……聞いて恐れ戦くがいい。俺達の上司は宇宙の帝王のフリーザさまだ」
俺達は無言になった。
「……だれ?」
マジで誰だフリーザって。
なにか物々しい感じなのは判るけど。
皆もどんなリアクションしたら良いのか困ってる。
「ふ、ふん辺境の星だからこその反応だな」
「ば、バカにしやがって」
鼻で笑ったハゲサイヤ人にヤムチャさんが怒ってる。地球以外では有名なのか?恐れろとか言ってたし地球でいうピッコロ大魔王みたいな感じか?
「…………なんという」
「あ、あのパラガスさんはフリーザって奴を知ってるんですか」
「フリーザとは恐怖の権化として宇宙にその名を轟かせてる者だ。……多数の星から集められたエリートの戦士達で構成された強大な軍隊、フリーザ軍があるのだが、サイヤ人はこのフリーザ軍の一部にしか過ぎなかった」
「サイヤ人が一部にしか過ぎない軍隊……もしかしてサイヤ人以上に強いやつも」
「あぁフリーザ軍の幹部格は当時サイヤ人最強と名乗っていたベジータ王よりも強かった筈。そんな強大な軍隊を持つフリーザだが、さらにフリーザ個人の力も大きく宇宙最強と呼ばれる程だ」
「う、宇宙最強なんかフリーザちゅうやつは」
おい悟空なに目を輝かせてるんだよ!?
ど、どうすんだよ。そういうことだよな。これまでの話の流れ的に……
皆の視線がベジータに集まった。
「さぁー問題だ。この通信機から地球にある何でも願いを叶えるドラゴンボールの存在を知ったフリーザはどうするかな?」
「……ドラゴンボールを求めて地球にくる」
「そうだ!見たところお前たちは少数だ。どれだけ強かろうが多数のフリーザ軍相手にとても地球全土は守れない。つまりはだ……地球を守るにはフリーザと戦う戦力が一人でも必要だろぅ。あぁ先にいっておくがドラゴンボールを渡しただけで無事で済むなんて甘い話は無いからな?」
なるほど修行を提案できる根拠はわかった。
けどな致命的な問題があるだろ……
「それお前等が此方の味方になる前提の話だよな?」
この場だけ誤魔化して後でフリーザがきたら裏切るよな。
「ふん、俺は態々この通信の事をバラしたのだぞ。フリーザからすれば事前に準備をされてドラゴンボールを取るのが面倒になることは確実だ。面倒を増やしたとして処分される。もっと言えば今現在俺が裏切り同然の台詞を言ってるのだからフリーザは裏切りモノとして俺を許さないだろう。だから俺が取れる選択肢は1つだけだ」
「その選択肢が俺達の味方って事か…」
うーん、なんか信用できないんだよなぁ。
皆半信半疑ぽい
「……フリーザとやらはそんなに厳しいのか?」
天津飯が聞いた。
俺達はフリーザの事をまるで知らない。実際のフリーザがそんなに厳しい相手なのかわからない。コイツが嘘をついてる可能性もある。実際には厳しくなくて嘘も方便で助かるための嘘なら許してくれる寛容さがフリーザにあったら
フリーザの事を知ってそうなパラガスさんを見てみる。
「ふむ、確実にそうだと断言も出来ないが、話に聞くフリーザの冷酷さを考えるとベジータの話も嘘とは言えない……」
パラガスさんが知ってるの噂ぐらいか……まぁ侵略者の親玉が甘いって可能性の方が少ないか。
「俺は生き残るにはフリーザに勝つしかない。そしてお前達もフリーザに勝つしかない。だから御互い生き残るために手を組むしかない。手を組むなら俺を修行で強くするのはお前達の利益になる。どうだ。納得したか?」
確かにそうなのか?なーんか芋虫状態でドヤ顔でそういうベジータは物凄く腹立たしかった。だから皆、ブロリーから頭を持ち上げられたベジータを無言で見ていた。
チョ,チョットマテ
ゴチャゴチャウルセーヨ!