衝動的なの   作:ソウクイ

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ドラゴンボール10

「フリーザさま、その」

 

「どうしましたザーボンさん、ドドリアさん。報告にきたのでしょう」

 

「………旗艦から東方面に向かった者達の反応が全て消えました」

 

「……これで不愉快な報告は何度目ですか…一体どういう事です。ドラゴンボールが見付かるどころか、此方が立て続けにやられてる報告しかないとは、ナメック星人に調査に向かわせた者達が全員ヤられたのですか?」

 

「は、はい、現状で考えますと…」

 

「たしか報告だとナメック星では1000以下の戦闘力しか記録されて居なかったはずですよね?何故その程度の相手に部下が負けているのです。相手は何か優秀な武器でも持っていたんですか?」

 

「いえ、どうやら1000以下と言うのが間違いだったようです。スカウターの記録を調べた所、相手の戦闘力が跳ね上がっている事が確認されました」

 

「跳ね上がっている、つまり……相手は戦闘力をコントロールしていると言うことですか」

 

「そう思われます」

 

「力を隠して油断させてた姑息な野郎共ですよ!!」

 

「姑息ですが……戦闘力を低くしているのは普段からなのですかね。もしや…」

 

「フリーザさま?」

 

「いえ…とにかく、スカウターの数値は宛に成らない。相手の位置を調べる程度にしか使えないという事ですね……ザーボンさん、急いで残存する兵士にスカウターの数値は宛にならない事と、なるべく合流して油断せず事に当たるように命令を……それと情報が欲しいので一人でも良いので捕虜を連れてくる様に伝えてください」

 

「は!直ちに命令を出します」

 

「ドドリアさんは近隣の部隊と特選隊の皆さんにも至急来るように連絡を」

 

「特選隊にも!……り、了解です」

 

「まったく…忌々しいですが、永遠の命の為に少し我慢しますか」

 

 

 

 

 

 

「AL方面に五人、いえ合流して十人の敵が向かったわ!相手の戦闘力は千前後!クリリンくん組と天津飯組で迎撃して!」

 

『了解ブルマさん』

 

『わかった』

 

ナメック星での戦闘が始まっていた。

ブルマが司令として頑張ってる。

 

ブルマの護衛の私はなにもやることがない。地球の映画や漫画を見てるが…流石に身体を動かせないのはな。なんで私は戦えないんだ。弟と遊んで気を紛らわるのもダメだと、戦闘力を上げて向こうのスカウターで気取られたら困るんだと……。

「BF方面の敵はロストね。ご苦労様。次はBI地区で待機をお願い」

 

今の処は順調なのか。

 

味方の損失は0だったか。向こうが一方的に損害を出している。フリーザは狙わずに先ずは手足、増援も含めて倒して孤立させたフリーザを倒すそうだ。フリーザ以外は損害なしに勝てるかな。

 

……なら私も戦った方がよくないか?

 

 

 

 

洞窟の中に設置したフリーザ軍との戦いの司令塔。ナメック星全域に配布したカメラの映像とスカウター機能が入ったレーダーのデータを映した複数のモニター。頑張って設置した設備は予定どおり使えてる。

 

『MGに居るピッコロだ。やってきた奴等の殲滅は完了したぞ。次はどこだ』

 

「次はMO方面に向かって。1500前後の敵が十人ぐらい固まってるから」

 

『……また雑魚か。すぐに向かう』

 

戦況は順調。向こうの戦力だけ減って此方の人員は減ってない。

 

『こちら、BYのヤムチャ組だ。次は何処に行けば良いんだ』

 

「ヤムチャ、貴方はCA方面に向かって、向こうが進路を変えなきゃ最大で戦闘力3000ぐらいの相手が5人、戦闘力がちょっと高い相手だけど増援はいる」

 

『いや、その程度の相手なら一人で楽勝だ』

 

慎重に慎重にフリーザ軍を減らして、フリーザの戦力を丸裸にして最後に皆で囲ってフリーザを仕留める。今表示されてる53万ぐらいのフリーザの戦闘力、孫くん突撃させたら終わりじゃない?って思ってたんだけど、孫くん達の最大戦闘力は一時的になら数百万とか数千万にもなるってきいてるし。 楽勝じゃない!

 

……けど

 

ベジータってサイヤ人の話だと、フリーザの本気は53万よりもっと高いって話なのよね。変身タイプで強くなる。もしかしたら今の孫くん達でも厳しい可能性はあるんだって。だから油断はしない。フリーザと戦うのに最善の状態にしないと。

 

「ブルマ、戦闘力が20000以上の反応が二つ移動しとる」

 

亀仙人の言葉にレーダーを見ると確かに動いてる。ずっとフリーザの傍に居た戦闘力が高い二人が、フリーザらしい反応は動いてない。

 

「ふふ、フリーザ。遂に痺れを切らして幹部を動かしたわね。近くで戦えるのは…ちょうど良い所に…孫くん、ベジータにナッパ聞こえてる。戦闘力は二〇〇〇〇クラスのたぶんフリーザの幹部と思える二人がそっちに向かってるから」

 

『幹部っていうと、強いやつか』

 

『あー強いって言えば強いんだけど………』

 

『なんだ?』

 

『ふん、今の俺達の敵じゃないって事だ。来るのは十中八九はザーボンにドドリアだろうな。ふふ運が良い。これまでの恨みを込めて俺様がじっくりと料理してやるぜ!』

 

『え、ソイツら食えるんか?』

 

『くえるか!!言葉のあやだ!!……いや、ドドリアの方は…』

 

『ドドリアの方はってなんだ!?』

 

緊張感ないわね。そんな三人に倒される幹部の二人は可愛そうに。三人とも戦闘力で言えばトップ三。二万ぐらいじゃ勝てない。

 

「悟空たちの勝ちのようじゃ」

 

数分で幹部ぽい二人の反応は消えた。

これでフリーザは丸裸。

一気に狙うか増援が来るだろうし増援を何とかしてからか

 

 

「ブルマさんに亀仙人殿、飲み物だ。少し休憩すると良い」

 

「パラガスさんやありがとう」

 

「有難う。あーそう言えばパラガスさん……」

 

「なにかね」

 

「あの娘たちって大丈夫なの………苛々してるみたいだけど」

 

事前にクリリンくんに暴走する時があるって警告されてるのよね。暴走て護衛を放棄して戦闘に向かうかもとか。

 

「……恐らく大丈夫だ」

 

「本当に大丈夫なのかの。相当に我慢してるようだが」

 

「…………………………………………大丈夫だ」

 

「スゴい信用できない……って、なにデンデくん」

 

顔が緑なのに青褪めてる感じになってるんだけど。

 

「ぶ、ブルマさん、モニターにさきほどまで無かった戦闘力四万クラス三人と十万越えが」

 

「え!?」

 

本当に表示されてる。フリーザはベジータと孫くんに幹部はやられて兵力も大分無くしてる。この状況で考えると…

 

「…………フリーザは切り札を呼び出してたみたいね」

 

なるほど幹部を動かせたのももうすぐ切り札が来るからだったのね。この切り札を倒せば、フリーザとの戦い!総力戦!

 

総力戦だけどパラガスさんたち三人は抜く!孫くん達全員の希望なのよ。最強の戦力って話なのにどうしてと思うわよね。

 

クリリンくんの話だとパラガスさんはボコボコにされたトラウマ、ブロリーくんは強いけど暴走癖があるそう。あの娘の方は単純に怖いんだって、特訓で何をしたの?

 

つまり成るべくなら戦って貰いたくない枠。という事で護衛としていてもらうことになった。もしもの時はうごいてもらうつもりだったけど…

 

相手の最大戦力は孫くんたちで十二分になんとかなる。もう敵も殆ど居ないし。この分だとフリーザもなんとかなるわよね。

こうなると不安要素はブロリーくんたち、パラガスさんはまぁ大丈夫ぽいけど、ブロリー君たちは暴れに行きそうな感じがある。

 

ブロリーくんたちの暴走の危険を聞いて用意した強力な睡眠薬がある。パラガスさんと亀仙人にコッソリと相談してみる。

 

「睡眠薬など用意してたのか…」

 

「………うーむ……暴れに行くのは否定はできないな。私は反対しないよ」

 

「まぁ我慢するよりは寝ておいてもらった方が本人達にも良いじゃろう」

 

「二人とも賛成って事で…」

 

私は早速特製のケーキとジュースを差し入れした。

 

「姉さんと俺だけで親父とブルマたちは良いのか……」

 

「え、ええ、私達はやることがあるから」

 

「そうか」

 

疑いゼロで美味しそうに食べる姿に少し罪悪感が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な!フリーザさま、雑兵の大半だけでなく既にザーボンとドドリアまでやれてると言うのですか!しかも倒したのがあのベジータですと!」

 

「残念ながら事実ですよギニュー隊長。ベジータさんはドドリアさんの最後の通信でハッキリと裏切りを明言してくれてました」

 

「フリーザさまそれは……ドラゴンボールの情報の出所はベジータで、ナメック星でのこれまでの損害、無人の建物のみでナメック星人で非戦闘員が見付からないのですよね。ベジータが裏切り向こうに居るのと合わせて考えますと……」

 

「ええ、そうですギニューさん。どうやら我々はベジータさんの罠に掛けられたようです」

 

「やはりそうですか!」

 

「これまでの苦戦、ベジータさんが我々が来る前から対策を立てていたせいでしょう。戦力を何処からか集めたようですし…………ナメック星で迎撃の準備する時間も考えますと、地球での通信を聞かれるのも予定どおり、そこから更に私がナメック星に来ると予想した…ベジータさんをなめていたようです」

 

「ぬぅベジータめ。…フリーザさま!お任せください!我々が裏切り者のベジータらを倒しに向かいます!」

 

「少し待ってください………特選隊の皆さんには折角来てもらいましたが、ドラゴンボール探索も儘ならないほど此方の被害も大きいですし。一旦退却しようかと悩んでいます」

 

「そ、それは成りません!一時的とはいえ退却などされてはフリーザさまのお名前に傷がつきます!どうかこのギニュー特選隊にお任せ下さい!」

 

「あなた達を信用しない訳では有りませんが……相手も中々やるようですしね。いくら貴方たちでも無策では危険でしょう。貴方達がやられることは避けたいのです」

 

「おお!フリーザさま!我々の事を心配なさって下さっているのですね!」

 

「…今でも損害は許容範囲を大きく越えますしね。それに策略としたらそもそも目的のドラゴンボールが本当にあるのかどうか…無いと断言出来ないのが面倒です……少し考えることがありますので、待機しておいてください」

 

「わかりました…必勝祈願のダンスを躍りながら待機しておきます!」

 

「……敵の情報でも見ておいてください」

 

 

 

 

「フリーザさま大発見です!」

 

「どうしたのですかギニュー隊長」

 

「フリーザさまのご命令通りギュニー特選隊全員でこれまでのデータを見ていたのですが、此方のデータを御覧ください!」

 

「(本当に見てたのですか)」

 

「敵の移動パターンを見ると明らかに向こうを指揮をする存在が居ると考えました。そう考え調べると1ヶ所だけ一度も動いていない反応を見つけたのです。ここが敵の本陣の可能性があります!!」

 

「ふむ……たしかにこの地点は怪しいですね。本陣かは不明ですが、重要地点の可能性は高くみえます」

 

「フリーザさまもそう思われますか!では、どうか我々にこの場所への襲撃のご命令を!」

 

「そうですね…………良いでしょう。特選隊の皆さんに向かって貰いますが、私も其処に向かいます」

 

「ふ、フリーザさまもですか!」

 

「戦闘だけなら任せるのですが、直接聞いておきたい重要なことがありますのでね。仮に敵の本陣としても先ずは戦闘よりも情報収集が優先しますので、良いですねギニュー特選隊のみなさん」

 

「戦闘でなく情報収集ですか……お任せください!」 

 

「はい?」

 

「我々の究極のダンスにより相手を魅了すれば情報の収集もスムーズになりましょう」

 

「……そうですか。一応期待しますよ。期待して(一緒にされたくないので)私はちょっと離れた所で待ってますよ」

 

「おお!お任せくださいフリーザさま!フリーザさまもご期待されたのだ!最高のダンスをやるぞみんな!」

 

「「「おお!!!」」」

 

「………………ザーボンさん達を無くして本当に惜しい気持ちになりますよ…」

 

 

 

 

や、ヤバイ。

 

「これ!フリーザとフリーザの切り札達が此方に向かってきてる!!」

 

どうして!?フリーザの切り札の能力!?

 

皆を呼び出しても間に合わない。

先にフリーザ達が来る。

こ、こう言うときの為の護衛なんだけど……

 

「「Zzzzz」」

 

「だ、駄目ですブルマさん!二人とも起きてくれません!!」

 

誰よ睡眠薬飲ませたバカは!

 

残ったのはパラガスさんだけ。亀仙人も居る…修行にも少しだけ参加させられて多少強くなったらしいけど、一番弱い雑兵で何とか足止め出きるかってレベルらしいのよね。戦闘力としては悪いけど宛に出来ない。

 

「ぱ、パラガスさん…ひ、一人でなんとかなる」

 

パラガスさんの戦闘力って幾つ。

二人が強いとは聞いてたけど…パラガスさんは?

 

「ふ、私に任せなさいブルマさん大丈夫だ………たぶん…時間稼ぎは…なんとか…うむ……」

ああもう!!パラガスさんなら一人でもフリーザや切り札相手に時間稼ぎできると期待するしかない!!あとの問題はか弱い私は巻き込まれたら一瞬で消し炭なことよ!

 

「此処を外から破壊されるかもしれない。外に出よう」

 

パラガスさんは外、モニターにやってきた敵が見えた。五人ね。あれが切り札!…フリーザは居ない?少し離れた所に反応があるわね。なんで離れてるの?

 

「リクーム!」

 

「バータ!」

 

「ジース!」

 

「グルド!」

 

「ギニュー!」

 

「み、ん、な、揃って!」

 

「「「「「ギニュー特選隊!」」」」」

 

え、なにあのエセな戦隊モノ。フリーザ軍の切り札ってあんな感じだったの。まぁ地球の某世界最強の軍隊だってオカマが将軍とかしてたし、変なのが上に立つのって普通なのかしら。

 

「なんだこの変態どもは、何処から現れた」

 

あれ?いま、お前が言うなってクリリンくん達の生き霊が見えたような。

 

「誰が変態だって言うんだこのオヤジ」

 

「ナマ足が見えるマント姿って、お前の方が変態ぽいだろ」

 

パラガスさんはマントを付けてるのに下半身、ブロリーくんはズボンは履いてるのに上半身を露出。家族がそんなセンスだからあの子も服に興味が無くなったのよね。

 

「名乗った通り我々はフリーザ軍のギニュー特選隊、いや話す暇はない……元の予定ならさらにダンスを披露してからフリーザさまに引き渡すのだが、敵が此処に集まってきてるようで時間もないのでな。ダンスはお前たちを拐ってからにしろとフリーザさまからのお達しだ!」

 

「ふん、このパラガスを簡単に拐えると思うなギニュー特選隊よ!」

 

ギニュー特選隊に対峙するパラガスさん。なにか、こう、スゴい光景を見てる気がする。

 

「パラガスさんや、ワシも微力ながら加勢させてもらいますぞ」

 

亀仙人、いつの間に外に

 

「いや亀仙人殿はブルマさんの護衛を。コイツらなら私一人で十分だ」

 

「言ってくれるな……ソチラがそう言うなら遠慮なく五人でいかせてもらう」

 

「5対1…大丈夫なの」

 

私の声にパラガスさんはニヤリと笑った

 

「オフコース……ふふ、ソチラが数で来るならこちらも数で行かせてもらう。さぁ地球で学んだ私の新技をうけ、恐怖を味わいながら」

 

アレ、パラガスさんの姿がダブって見えて……あの技って!天下一武道大会であった天津飯の!

 

「「「「「俺たちに八つ裂きにされるといい」」」」」

 

四人に増えた!!

 

「これで数は互角……!!」

 

 

ギニュー特撰隊五人

パラガスさん四人

 

五対四

 

一人足りなくない。

 

あとあの技って…弱くなるんじゃ

 


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