衝動的なの   作:ソウクイ

87 / 95


 

ヒーローになる目的がアレな少年もとい横島忠夫、雄英のヒーロー科に合格す。

 

ただ合格通知などは見てはいたがある事情(セクハラ関係の体罰)と重なり意識が朦朧としてる時で記憶しておらず、本人が合格と気づいたのは制服などが届いてから。

 

「これは雄英の制服、教材?……んん??…合格しないとこんなん届かないやんな…んーーーーーー…つまり……え、はぁぁぁあ!!!?ええええええええ!!!お、俺って合格したんか!???いや!騙されへんぞ!誰かのイタズラか!」

 

偶々通り掛かった師匠から呆れた顔で合格通知前届いてたでしょと言われる。

 

「そんな通知見た覚えが無いけど…えぇマジかーマジで合格したんか……なんで合格したのかは謎やけど………合格したのか………これがエリート高校の生徒の証の制服………ぐふ、ぐふふふ…」

 

何を思い付いたのか不気味に笑う横島はいそいそと届いたばかりの制服を着る。制服を着た姿は…制服姿は特にコメントが!ない!良くも悪くも普通!赤いバンダナは外した方が良いのでは?

 

「いざ出陣じゃ!」

 

 

気合を入れ何処かに向かう横島。

何をするつもりだろうか。

 

ヒント1、横島はエリート高校生なら女の子にモテると思っている。

ヒント2、街中に制服を着用した横島がいる。

ヒント3、道行く女性を鼻息荒く見ている。

 

正解は…

 

「其処行く綺麗なお姉さん!どうですボクと一緒にお茶でも!」

 

「急いでますので」

 

「そ、そうですかー。残念です。また今度!ご縁がありましたら!あ、そこの!かわいいお嬢さん、お一人のようですが…どうです。ボクと一緒に何処かに行きませんか!ボクが何処にでもエスコートしますよ!」

 

「……」ガン無視

 

「キュートなお嬢さん!!ボクとあそ「邪魔」…はい」

 

「へい!彼女!お暇ならボクと遊ばないかい!」

 

「ナンパするなら顔を取り替えてください」

 

「」

 

横島は雄英の合格を記念してナンパを敢行。制服が届いて直ぐにナンパ、恐らく歴代の雄英の生徒の誰一人もこの様な事をしたことはないだろう。たぶんない。…葡萄頭。

 

それは!ともかく!!これまで一時間足らずで99人に対してナンパを実行。ナンパ成功率は堂々の0%!命中率ゼロ!!成功なるか!?期待感で言えば9回裏スリーアウト!!じゃん拳で言えばパーを出してチョキに勝てる確率!

 

「…どういうことや。雄英の制服着てるのにナンパに成功しない!?あのあと調べたら雄英とんでもないエリート高校やったぞ!雄英高校の生徒ならモテにモテまくるって嘘やったんか!?雄英に騙されたんか!?」

 

騙すも何も雄英のうたい文句に合格すればモテるなんて無い。ないが全国的に有名なエリート高校の合格者は普通ならモテる可能性は多い。なのでモテると言っても嘘にはならないか。ならなんでナンパが成功しないか。例えば雄英の制服で成功率が五十上がるとして、元々の成功確率がマイナス100で成功するかどうか

 

「まだだ!!まだあきらめへんぞ!! 」

 

横島は不屈の闘志、不純なエロ心を燃やしナンパを続行する!次で100人、100にして諦めなかった結果、誰も止めなかった結果、100人目にして!!

 

「そこの綺麗なおねえさん!ボクと遊びませんか!」

 

これまでより声に気合いが入ったナンパ!相手は美人、もう!男が理想とする感じの"作り物"に見えるぐらいの美人!!服は男を誘ってるように!胸元が開いてミニスカートときわどい!高嶺の花!身の程知らず!こんなの相手にされるわけがない。またすげなくあしらわれるに決まってる。内心、横島も自分でもダメだと諦めていた。

 

しかし!!

 

「あら、かわいい坊や。私と遊びたいの」

 

先程までと違って好意的な声色!これまでと違った反応! 予想外の反応に横島は期待に胸を高鳴らせ興奮する!なにか嫌な予感もしたが興奮に打ち消された!!

 

「!!!!?は、はい!あ、遊びたいです!!遊びたいです!!」

 

「あらあら元気なお返事ね。ふふ、いいわよ。じゃあ…そこの路地裏に行きましょうか」

 

「ろ、路地裏…」

 

どう考えてもあれな発言に横島はゴクリと唾を呑んだ

 

「あらイヤなの?…オネーさんと路地裏で遊びたくない?」

 

「い、いえいえ!!滅相もない!!ふしょう!横島忠夫!お姉さんにどこにでもついて行かせてもらいます!!」

 

「なら行きましょう。オネーさんが楽しませてあげるから…」

 

「(うおおおお!!!路地裏って!あれか!あれだよな!!ピーーー(修正音)なビデオにありがちなあれなんだよな!!!こ、これは噂のビッ○お姉さま!?)」

 

横島はホイホイ、自分の本能が鳴らすサイレン並みに煩い警報音を無視して人が居ない路地裏についていく。横島は興奮しながらホンの少しの冷静な一部はどうせ美人局とかだろなと思う。念のため美人局オチではない。

 

それならまだ…救いはあった…

 

横島と美女は路地裏に

誰もいない薄暗い路地裏

獲物が入ってしまう

 

「ふふ、此処で遊びましょうか。ぼうやこう言うのは初めてかしら?」

 

「は、はい初めてです!!」

 

「…嬉しいわ。坊やの初めてを奪えるなんて」

 

「は、初めて奪う!?やっぱそういう事ですか!そういうことをしてくれるんですか!ふおおおお!!!」

 

「ふふ…喜んでくれて私も嬉しい」

 

ガッシリと肩を掴まれる。

 

「あ、あれ、ちょっと予想より力強いですね」

 

「そうかしら」

 

その声は野太かった。

 

「あ、あれ、なんか声が低く聞こえたようなぁ…あれれーーー、の、喉に…さっきまで無かったものが??」

 

喉に喉仏。

喉仏がある…性別は?

 

横島はダラダラと汗をながしだす。ようやくさっきから最大音量でワーニン、ワーニンと本能から出てる警鐘に気がついた。

 

美女の身体がゴキリゴキリと膨張していく。

 

この個性社会、変身能力を持った人間も普通に居たりする。変身能力で悪質な事をする人間も居たりする。例えば変身能力を使うために必要な血を無理矢理吸ったり。例えば女装好きの変態がいたり…類似して美女に擬態した肉食系のガチムキなホ○がいたり。

 

「あ、あのー…おねえさん、なんか身体が大きくなってませ…ん…」

 

「これが本当の身体なの」

 

「わープロレスラーみたいにマッチョですね」

 

ボイン

 

「お顔が…ラオ○さまみたい」

 

「ふふ恥ずかしい」

 

バイン

 

「…下に…ご立派なモノが………」

 

ドゴン

 

「これから貴方に入るのよ」

 

「………………」

 

「さ、初めてを奪ってあげるわ」(野性的な野太い声)

 

「いやぁぁぁあああ!!!!そんな初めてはいやぁぁぁあ!!!おたすけええええ!!」

 

 

 

数時間後の違う町、電柱から顔を出しブルブルと震える横島がいた。

 

横島の顔や首にはキスマークみたいなのがついて、上着は乱れ、ズボンがナゼか脱げかけてるが…追及してはダメだろう。気にしてはダメだ。助かったと思おう。ボラギノールをあげよう。

 

「はぁはぁはぁはぁぁぁ…も、もももも、もうおらんよな…あ、あの化け物から逃げきった……にげきった…!?た、たすかった!?よがっだ……こ!こわかった。こわがっだ…!」

 

よほど怖い体験をしたのか。ぼろ泣きだ。ナンパを99失敗、100で怖い目にあう。普通ならここで二度とナンパなんてしない!と、なるだろうが、普通は帰るだろうが

 

「つ…次こそ、次こそ!ナンパを成功させる!!!」

 

とやる気は消えてなかった。いや、今はエロ根性が理由というより…ナンパ成功(?)の一件があんなのなのは絶対に嫌だったからか。切実に記憶の上書きを願ってるのだ。涙で濡れた顔を見たらそう判断せざるえない。

 

勇気をもってナンパを再開しようとしたが…

 

「ねぇそこの君、ちょっと良いかしら」

 

後ろから女性の声、それも美人だ!(声から判別)。まさかの逆ナンか!と横島にはあり得ない事を想像しながら目をキラキラさせながら振り向いた。さっきのあれで警戒しないんだろうか。

 

「ちょっとよろしいですよ!なんでしょうか!お姉さ…ん…」

 

其処に居たのはピッチリしたコスチュームな女性、ボディラインがバッチリでている。十人に聞けば十人がスケベな格好と答えるドスケベ衣装。何時もの横島ならそのエロい格好に喜ぶが、いや、鼻の下が延びているので喜んではいるようだ。しかし同時にヤバイと冷や汗も出ている。

衣装から見て相手はどう見ても痴女、違う。女性プロヒーロー。お巡りさんに声を掛けられた様な感じか。お巡りさんに声を掛けられる。即座に逃走の二文字が浮かぶ横島……後ろめたい事(前科)がある人間の思考だ。

 

しかし待ったと思う。

(て!いやいや別に今回は逃げんでもいいやん。ナンパしかしてないし)

 

今回は別に悪いことはしてないので逃げる必用がないと、堂々としてればいいと思うが…

「な、なんのご用でございますか」

 

なんで挙動不審になるのか。

 

「いえね。少し前にね。女性に声を掛けてる雄英生に擬態した変質者が居るって通報を受けたのだけど…」

 

ヒーローの目は完全に横島が通報された変質者だとみている。横島を変質者と認識している!なんて酷い!横島を変質者とみるなんて!この女性ヒーローの目は節穴でない!

 

「その変質者がオレ!?ちゃいますよ!オレはちゃんと合格した正式な雄英生ですから人違いっすよ!」

 

「…へー…仮にもし本当だとして、ナンパはしてたんでしょ。本物の方が問題あると思うんだけど…雄英に確認してみても良いの?」

 

(雄英に連絡して確認されるの不味いんか?)

 

ナンパぐらい良いだろ…と思うが、ナンパしてた事を雄英がどう見るか。怒られるか……いやエリートのイメージ的に最悪まだ初日登校もまだなのに停学、最悪合格取り消し退学。

いや横島としては雄英の退学は問題でない、せっかく合格したのにナンパで退学=激怒する師匠達=師匠達の物理的なお怒りを受ける=命の危険。

 

「ちょ!ちょっと待ってくだせぇ!!な、な、ナンパには理由あるんすよ!」

 

「へーーー…どんな理由があるのかしら」

 

「えーーほら!オレ、雄英に入ってヒーローを目指すんですけどね!俺小心者な人見知りでしてね!ヒーローになるなら人見知り直してあとヒーローなら度胸も付けないといけませんよね!なんでナンパで鍛えてたんすよ!」

 

などと横島容疑者は供述をした。

 

「色々突っ込みどころはあるけど……はぁ……まぁ…いいわ。通報されたりもするんだからナンパはもうしないでね」

 

嘘臭い矛盾ありなツッコミどころが複数の発言。しかし雄英の制服に"似せた服"を着てナンパをしただけだと、軽く注意されるだけで終わる。欠片も女性ヒーローから横島が本当の雄英生だと思われなかったお陰だ。

 

「あ、ちょっとまってください!」

 

「なに」

 

横島としてはエロいおねーさんをもっと見ていたいと言う理由で呼び止めた訳でない。女性ヒーローに横島はちゃんとおぞましい…ナンパ100人目の事を伝えるためだ。

 

「そんなのが居たの」

 

「はい!襲われかけました!是非ともあの変態を捕まえてください!!」

ヒーローの女性は横島を見て何か言いたげに軽く溜め息をはいた。

 

「その変質者の情報は前にも聞いたことはあるわ…この近くに居るのね……私はその変質者を探しに行くけど!念のためもう一度いうけど!ナンパはしないでね。少なくとも雄英の制服を勝手に着てやっちゃダメ!雄英に理想像があってその理想を壊してるって襲ってくる過激な人も居て危険なんだから!他のヒーローも近くに居るからね!」

 

「わかりました気を付けます!ご苦労様した!」

 

ビジッと敬礼して見送る。

そして見えなくなるとペッとつばを吐くワルエロガキ。

 

「くそぅ!近くに他のヒーローも居るならナンパは無理か。前もヒーローに邪魔されたし…毎度毎度ナンパを途中でヒーローに邪魔されるな!なんとかヒーローを出し抜いてナンパが出来ないもんかな…」

 

全国トップクラスの高校のヒーロー候補生になった人間の台詞である。とはいっても雄英の制服を宛にしたのにコスプレとか思われて更に危険な可能性があるときいた。雄英の制服を着てのナンパの再開は…今日は止めておく事にした。女性ヒーローのエロい姿で満足する事にした。ナンパ百人目の記憶はむりくり上書きできたのでラッキーか。無駄にポジティブ。

 

「はーー…日も暮れてきたしもう帰るか」

 

今日はナンパは出来ないとトボトボと帰る事にする。あきらめた訳ではない。雄英の制服は着るのは止めるが明日またヒーローが少ない所でナンパをやるつもりだ!不屈という点だけ見ればヒーローに相応しいか?

 

「必ず明日こそはナンパを成功させる!明日が無理でも休み中に!なんとしても!」

 

そう沈み行く太陽に不可能な事を誓う横島。

 

「あれ、そういや…なにか忘れてるような」

 

今日はもう終わる。一日の終わり。一日の終わりを意識すると横島は何か忘れてる事が有るような気がしたが、気のせいかと帰った。

 

今日は修行の日だった。

制服を見て即ナンパに行った横島は無断でサボった

休みの間、再犯(ナンパ)は無理となった。

 

一般的にいって地獄の始まり

 

 

 

 

雄英一年となる生徒達の初登校日。

雄英とい…知っていれば大抵の少年少女が憧れる高校。入るには300倍という難関を乗り越えなければいけない。

 

多かれ少なかれ誰もが喜びと緊張で初々しい姿を晒していた。チンピラみたいな態度の生徒もきっと緊張してるのか?してるんだろうきっと

 

そんな生徒達の中、誤解の余地もなく…

 

「生まれる前から愛してました!!」

「え、…生まれる前からですか?」

 

緊張感もなく醜態を晒しているのはコイツぐらいだろう。

 

横島も初めはナンパをするつもりもなかった。くる前にナゼか自分の事を先生と呼ぶ師匠の中では一番甘い相手にクラスメイトをナンパしたらいけないでゴザルよ!と強く言われ、ナンパを自重しようとは思っていたのだ。

 

しかし…しかしだ!クラスメイトにオッパイが特盛で美人な同級生のお嬢様ぽいのを目にしてスケベの化身が我慢できるだろうか?出来るわけがない!!自重がスコンと何処かに飛び成功率脅威の一%未満のナンパを実行!(成功例は♂のみ)

 

驚愕の視線が集まる。コイツやりやがったという視線だ。エリート高校、チンピラみたいなのが居ただけでも驚きなのに、まさか初日にナンパ行為に及ぶとんでもないのまで居るとは予想だにしていなかった。

 

「生まれる前からですか…つまり私と前世でお知り合いという事でしょうか。申し訳ありません…前世の事は覚えていませんので」

 

妄言のナンパ発言を真に受け申し訳なさそうに答えてる女子にも驚かれた。生まれる前とかあるわきゃない。いや横島だと生まれる前からという発言は確実に嘘と言えないのだが今回は違う。

 

(この娘天然さんか!天然系のお嬢様か!)

 

天然だと認識した。

横島は天然に漬け込んで更に攻めるか?

 

「き、気にしなくてええよ!ええと…できれば此れから、クラスメイトとして仲良くしてほしいな!名乗るの遅れたけど俺は横島忠夫!これからよろしく!」

 

ちょっとナンパ染みてるがクラスメイトに挨拶したとも言える範囲か?さっきより攻めこむどころか後退しているのはわかる。生まれる前とか信じると思えない発言で騙した事に罪悪感が生まれたのか、はたまた天然なお嬢様という単語に何か地雷めいた危険物さを感じたのか。影から何かが飛び出す誰か思い出したのか。

 

「ありがとうございます横島さん。前世の事はわかりませんがこれからクラスメイトとしてよろしくお願いしますね。私は八百万百といいます」

 

いきなり変なナンパをしてきた横島相手への女子の反応と考えれば、恐るべきほどに好意的な反応だ。先ほどの行為をナンパと認識してないからの反応だろうか。世間知らずなんだろうか。やっぱり天然の含有量が多い。

 

この短い対話で…クラスメイトは八百万の事を世間知らずのチョロい感じの天然お嬢様だと認識した。横島はもちろんスケベなナンパ男だと思われた。

 

「コチラコソヨロシクオネガイシマス」

 

横島は棒読みで返事。

心中では世間知らずに漬け込んでセクハラ出来るのでは…いや、それは流石にアカン!と天使と悪魔が内部抗争中。

 

(うう…惜しいけど流石に弱味に漬け込むみたいなのはなぁ…それに…何よりも!天然系のお嬢様と思うとナゼかとても恐い!!影から何か飛び出てきたりしそうな気が!!けど美人なんや…ばいんばいんなんや!ぬううう)

 

そんな一人下劣な葛藤をする横島の様子に不思議そうな顔をする八百万、他の生徒たちはそんな二人を見たり別の事を話したりガヤガヤと雑談をした。コミュニケーション能力がある生徒達が多い。

 

そんな和やかな空気の中。

 

「お友だちゴッコがしたいなら余所へいけ…此処はヒーロー科だぞ」

 

突然放たれた一言。

 

(教卓に無精髭の不審者がおる!!)

 

と良く不審者と認識される横島は思った。

 

此処にいるなら雄英の関係者なんだろうか。ナンパしていた横島はともかく、初登校のクラスで初対面のクラスメイトと話しててお友達ゴッコと言う。厳しさも感じるが…何か目的が有るようにも見えるが…本人の性格が素でこじれてそうでもある。

 

「はい、静かになるのに八秒もかかりました。時間は有限、君達合理性にかくね。…俺は担任の相澤消太、よろしくね」

 

困惑された側がぬけぬけと言い放った。

 

担任は初っぱなの発言があれな無精髭の不審者。初対面のクラスメイトと話していただけで合理性がかけるという。話せてない方が問題では…本当に教員なのか。これから担任になる相手とすると不信と不安を感じても仕方ない。

 

(担任はオッサンかぁ。ドジっ子美人女教師じゃないんか)

 

これを考えたのが誰かは言わない。

 

「体操着に着替えてグラウンドに出ろ」

 

そう言っただけでメガネの男子が質問したが質問に答えず出ていった。全員がまた困惑した。

 

(き、着替えだと!)

 

一人だけ、いや二人反応が違う。 当然だが男女別々に着替える。クラスメイトは可愛い女子ばかり、飢えた狼は健全なる男子高生(変態)として理想郷を覗く罪人になろうとしていた。

 

「…横島だったか…行くぞ」

ガッシリと横島は左右からマッチョな砂藤と細身の瀬呂に腕を捕まれた。

 

「な、なんだお前ら!ま、まさかお前もそっちの趣味なのか!?イヤやぁぁあ!!お尻が痛いのは!!」

 

マッチョな砂藤の太い腕…ナンパが成功してしまった相手と同じぐらい…正体を現した時の顔の系統が似てる感じが、あの時の相手は変身系の個性の持ち主…もしかしたら…砂藤を見る横島の顔は演技の要素が見えないぐらい怯えていた。

 

「いきなりとんでもない事を叫ぶな!!以前に何があった!?誤解するな!そう言うのと違うからな!?」

 

疑惑の視線が集まり砂藤は必死に否定した。一緒に掴んでる瀬呂も少し離れていた。砂藤は自分がそう言う人間に見えるのかと涙目だ。

 

「な、ならなんで捕まえてるんだよ」

 

「女子からお前の事を見張ってろと言われたんだよ」

 

「え、なんで!?なんで見張られるんといかんのや!まだなにもしてへんやろ!?」

 

「…まだって自白してるよな」

 

「は!い、いや言い間違いなだけだぞ?なにもするつもりもないぞ。だからら離してくれ!」

 

「頼まれたから無理だ。このまま行くぞ。……砂藤、俺一人でもいけるぞ」

 

「なぁ?瀬呂だったか。俺を警戒してない??俺から離れようとしてない?コイツの発言から誤解続いてない?そう言う趣味とかないからな!?」

 

「あーぅん、ごめん。じゃあ行こうか」

 

「お、おう…いくぞ!誤解解いてくれたんだよな?心持ち離れてるけど」

 

「いやー!はなせー!男の感触とか感じたくないんやー!」

 

騒がしく連行される横島。

こうまでされると今回は覗きを実行できない。

 

流石は雄英ヒーロー科の女子だ。

事件前に犯人に気付けていた。危険察知能力が高い。着替えと聞いて鼻息荒くしてるの見てたらわかるか。

 

体操着に着替えた。

そしてグラウンド

無精髭の担任がいた。

 

「これから個性把握テストを行う」

 

入学初日にいきなりテスト。

可笑しいだろう。

"普通の高校なら"

入学式もガイダンスなどそんな時間はないと発言。初っぱなから生徒に嘘をついていた。入学式はあり同じヒーロー科のB組や他のクラスは参加してる。入学式を必要ないモノとして無いと嘘をついて不参加にする教師。

 

初めに発言した友達ゴッコを含め他人との交流が面倒や必要ないと思うタイプか。積極的に関わってくれる人間が居なきゃ孤立してそうだ。もしくは下手に積極的な相手がいたからコミュニケーションの必要性を学ばなかったか。

 

「テスト内容、ソフトボール投げ。立ち幅跳び、50メートル走、握力測定、持久走、反復横跳び、状態起こし、長座体前屈、中学の頃にやってるだろ?これ等を個性ありでやる。なんで中学時代にやってないんだろうな。個性禁止の体力測定…合理的じゃない」

 

どうやら高校以前の学校の測定で個性禁止だった事に不満があるようだ。

 

普通は禁止にする。一般の学校で種類も効果も個人ごとに違う個性を使ってテスト……重火器みたいな扱いもそれてる個性…どう考えても危険。集団で安全にやるには、それこそ個性のプロフェッショナルなプロヒーローが監督でもしてないと。この担任の個性はアンチ個性の抹消。見てる間個性は発動できない。自分が個性でテストを安全にできる事で個性のテストをやる危険性を理解できて無いのか。

そもそも今の社会はヒーロー以外は個性を使わない前提の社会。悪意的に考えすぎかもしれないが発言が危うい感じがする。担任に不信感などを感じてる生徒が居るかもしれない。ただ横島忠夫は欠片も不信は感じてない。そんな思考は存在しない。むしろわりと良い先生だと思っていた!

 

ガイダンスとか面倒臭いのでサボれてラッキーとしか思わない。それに何よりも早速クラスメイト女子の体操着姿を見れてるのだから!唯一体操着が長袖長ズボンなのは不満か。

 

(体操着にはスパッツかブルマがええよな)

 

「では初めのソフトボール投げをデモンストレーションとして……………横島、お前からやってみろ」

 

相澤はスケベな妄想をしてるような顔を見て一瞬迷うが横島を指名した。

 

「へ、俺っすか」

 

横島はなんで自分が指名されたのかわからない。相澤が指名する前に考えた様子があったので 適当ではないだろう。自分を指名する理由を考えてみる。

 

(ま、まさかこのクラスで一番平凡そうだからか!?それか一番成績悪いからか!?)

 

違う。他、結構な人数のクラスメイトは横島が指名された理由を察した。クラス女子にセクハラな視線を向けていた罰だと!これも違う。

 

「なんで耳を塞いでるんすか?」

 

相澤はこの後の反応を予想して耳を塞いでから言った。

 

「お前が入試の実技試験のトップだからな」

 

「「はぁ!?」」

 

「「「ええええ!!!?」」」

 

失礼にも絶叫するほど驚いていた。特に横島と同じ試験会場にいた生徒が驚いていた。

 

「ウソァァダァ」

 

「って、横島くん、君まで驚くのかい!?」

 

「い、いや、だって知らんかったし。騙しとかじゃ?」

 

「騙したりするわけないと思うが…雄英から届いた合格通知で教えてくれなかったのかい」

 

飯田が横島に聞いた。

相澤も気になるのか話を止めない。

 

全員に届いた立体映像が出てくる無駄に豪華な合格通知。生徒一人一人に送る言葉が違った筈だ。首席なら首席と伝えると思えるが…

 

「合格の通知」

 

横島は難しい顔をした。

 

「合格の通知も見てないのかい!?」

 

「いや…えーーと…」

 

見てないのは無いと思う。

師匠から通知を見たみたいな事を言われた。

ただ見た記憶がない。

 

「(覗きの罰でも受けた後に見た?)」

 

横島は普段ナンパ覗きなど見つかった場合、必ず罰を受ける。キツい時は意識が朦朧として記憶が曖昧になる時がある。そんな朦朧としてる時に合格通知を見た、師匠から見たと言われ記憶にはないなら、横島は普段の自分の生活からそう予想した。どんな生活だ。

 

「あ~ー…師匠に(覗きとかの罰で)しごかれたりしてたから通知を見た記憶もとんだんかな」

 

モノは言いようだった。

 

「横島くん、君は…試験の後に合格の事を聞いた記憶も曖昧になるほど鍛えていたのかい…流石は実技首席か…」

何処かで真面目の体現者とも言われる事もある飯田にトップの成績と合わせて好意的に解釈された。

 

横島は反応に困る。実技の首席と言われても…試験の時にロボットの撃破でそんなにポイントを稼げてた覚えがない。自力で倒してたロボットは少ない。罠にかけたり他人の攻撃を利用して倒して逃げるぐらいで手一杯だった。

 

間違いか嫌がらせの嘘かと思う。

 

(これ、後で落胆される流れでは?早く誤解を解いた方が!!)

 

 

 

「横島さんすごかったのですね」

 

「いやー!!ははは!!それほどでも!!」

悲しきかな。美少女に褒められたら否定する事ができない。一部を除いてたまたまの結果で調子に乗ってるように見られてないか。

 

ただ結果は結果!実技トップなら偶然でも横島に負けたと言うことだろう。そんな横島に苛立ったり嫉妬で妬んだり成績を疑ったりするのがヒトだ。しかし此処には下を見る人間はほぼ居ない! 偶然でも敗けを認めてもっと頑張って勝つと奮起する生徒が多い。さすが!ヒーローを目指すだけあって人が出来ている! 他人が自分より優秀で妬む小者は居ないだろう!(横島に視線が向く)

 

 

 

「……因みに筆記試験の方だとビリだ」

 

「それなんで言った!?」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。