衝動的なの   作:ソウクイ

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第88話

 

初日初っぱな

個性把握テスト

 

「ぷふ…横島、試験の実技でトップだったのに筆記はクラスで最下位だったのかよ」

 

「アハハハ!横島って勉強苦手なんだねぇ!」

 

「そっちはイメージにあってるよ!」

 

「なんで嬉しそう!?おいこら!おまえらドンマイみたいに肩を叩くなや!!!平均が高過ぎ

るんじゃ!!オレ、バカとちゃう!!ちゃうんや!!」

 

ピンク肌の少女が嬉しそうな顔をし肩を叩く男子複数。全員がなんか成績が悪そうな感じがする。その筆頭が横島!いや横島の発言は間違いでなく、平均が高すぎるだけで成績最下位でも中学のクラスで横島は優等生だった…筈だ

 

「横島さん、よろしければ今度、勉強のお手伝いをいたしますよ」

 

他の生徒がバカにする中で八百万はそう言った。

 

まだ入学初日、登校から一時間と経っていないのに、他の女子は既に横島がスケベだと警戒している。そんな中で八百万は不思議と横島に好意的だ。女子に勉強を教えて貰えるなんて最高だろう!健全な男子ならスケベなハプニングも期待してしまう!

横島がスケベな人間だと察してる女子が八百万に不埒の事をしないか横島を警戒した視線で見ていた。

 

「……」

 

しかし横島はこれをスルー!聞こえてなかったのか。上から目線に思えたのがあれなのか。勉強が嫌なのか。それか周りからの視線にそれどころでなかったのか。なにか他の事に意識を向けてるのか。気づいてて無視してるヘタレなのか。正解はヘタレ…もとい他の事に意識を向けていた。

 

(担任のオッサン!!なんで持ち上げてから突き落としたぁあ!!)

 

横島は少し前に本人も知らなかった入試トップという情報で尊敬の視線を向けられた!すぐ後の筆記試験の結果の暴露によりクラス1のアホキャラと認識、一般入試トップという話に鼻高々だったのは儚い優越感だった。横島にとって優越感を感じるのは希少な体験。そんな希少な体験が直ぐに終わったのには不満を抱いた。

 

しかし…横島本人の自己評価は合格したのも不思議と思うぐらい。入試トップなんて器で無いことを自覚はしている。自覚はしているのだ!!

 

(ま、まぁ過大評価されたままで…後になって落胆されるより良かったか)

 

なんで涙が滲んでるのか。

 

「雑談は其処までだ。ほら横島も泣いてないでさっさと投げろ」

 

担任が優しくない

 

「そこの円からなげろ」

 

「へーい」

 

土に円が書かれた投げる場所に立つとみんなから注目される。入試トップだと知れた横島が何れだけ投げられるか興味津々なんだろう。

 

(全員がアホなんやって視線を向けてくる!)

 

単なる被害妄想。

横島は過大評価も嫌だが底辺評価も嫌だ!評価をあげたい!と思う。

 

(名誉返上!汚名挽回や!)

 

とネタを交えて横島忠夫、テストの口火を切る

ソフトボール投げ!

 

「こんちくしょうが!!」

 

すでに負け組ぽい台詞と共に投げる!

ヒューーーと飛んで100メートル近くでボスと落ちた!

 

「よし!これなら!やったか!」

 

何をやったのか知らないがフラグ?

 

因みに後々の横島他の生徒のソフトボール投げ!百メートルを越える記録者多数、上位の場合。大砲でキロ単位!無重力で無限!!

 

「そんなん勝てるかぁ!!!」

 

入試トップなのにソフトボール投げでベストテンにも入れず!別にそこまで悪くない成績なのに叫んだせいで他から悪い結果と見られる墓穴堀り。

 

 

汚名返上もあるが担任の発言から成績の事を過剰に意識し過ぎていた。

 

なんの発言かと言えば…

 

「……このテストの総合成績の最下位は見込みなしと判断しヒーロー科を除籍とする」

 

ソフトボール投げで横島の後に爆豪が改めて投げクラスメイトが楽しんだ様子を見せた後の発言。当然だが非難轟々。

 

「雄英は生徒の如何は教師の自由、ようこそこれが雄英高校ヒーロー科だ」

 

相澤はヒーローには理不尽が付き物だと正論の様な理不尽を突き付けた。

 

最下位は除籍なのは嘘である。最下位が除籍でなく相澤が見込みがないと判断したら除籍とさらに容赦がない。いきなり除籍にするのは酷いが、一度の失敗が命に直結するヒーローを目指すなら其処まで厳しくするのも間違いとも言いがたいか。横島は其処まで理不尽なモノとは思わない…

 

(大した説明もなしに死ぬ危険のある仕事に連れてくあの女みたいなのよりはマシやな!!……あれ?あの女て誰やっけ?)

 

横島の脳裏に金髪ボンテージ美女の幻影が…金にがめつそう…年齢は…あれ、美女の顔が鬼女に!!

 

「ピンチを覆してこそのヒーローだ。プルスウルトラさ。全力で乗り越えろ」

 

担任の権威に負けたのかある程度の理解を示したのか納得した様に黙る。

 

いや一人だけ納得してない!

 

「そんなん納得できるか!権力の横暴や!横暴!」

 

「ほお…」

 

最下位が除籍なんて理不尽を突きつける相手ような相手に逆らう、テスト関係なしに除籍にすると思わないか。除籍が怖くないのか!

 

横島が雄英ヒーロー科を受けたのは師匠たちに誘導されて、雄英高校に入ればモテるという横島専用の餌にハゼの様に釣られた。

 

なのに前の中学で雄英に合格したと言っても一向にモテない。雄英生の立場でのナンパにも失敗してる。八百万筆頭に可愛い女子は多い。しかしヒーローに成るために全力という事なら仮にモテても女の子を彼女にしたりイチャイチャするなんて無理そう。汗臭いスポコンモノみたいな青春が想像できてしまう。それでは意味がない!!ヒーローを目指すだけなら他の場所でもいける。再起を目指すなら早い方がいい。なので!!

 

(普通に試験に堕ちたとかなら師匠たちが怖い!修行不足だって地獄が待っとる!なら!!理不尽な教師に逆らったという方向で行けばいい!教師の理不尽に抗議して除籍なら師匠たちも納得してくれるやろ!!…してくれるよな?)

 

相澤は横島をギラッとした目でみた。

 

「抗議は撤回する気はないっすよ」

 

強気に堂々と…言ってない。腰が引けてる。周りの生徒が恐々と見ている。目で心配そうに止めてきている。

 

「……なんだ物足りないのか。確かに入試トップのお前だとビリでは乗り越える壁にならないな。なので横島お前だけはベスト10に入らなければ…」

 

相澤は言葉を止めて横島を見る。

 

「入ら無ければ除籍すか?」

 

「…ああ…いや」

 

相澤は横島の様子を見て台詞を変える。

 

「…ベストテンに入らなければ、改めて横島、お前だけには特別な理不尽をプレゼントしよう」

 

「そんな特別なプレゼントいらんわい!!いや!さっきのは除籍って言う流れやったやないか!?」

 

「そんな流れはお前の気のせいだろ。それより、さぁ、本番始めるぞ。余計な時間を掛けたから早足でやれよ」

 

こうして始まったテスト。

 

 

第一競技!

50メートル走!

 

横島が走った。

 

「早い!」

 

横島は逃げる。走るのは大の得意。結構な頻度で命懸けで走っているので早くなる。スケベなこと以外にも師匠の一人の散歩で鍛えられてる。如何わしい意味でなく文字通りの散歩、因みにその師匠の足の速さはバイクや車並み。

 

「けど走り方が気持ち悪い」

 

正直な女子の発言にゴールした後にスッ転ぶ。

 

第二競技!

握力

 

「ふぬぬぬぬ!!!」

 

横島は顔を真っ赤に頑張った。

まぁ結構高い。

 

第三競技!

立ち幅跳び

 

「ぬりゃああ!!」

 

横島はビョンとバッタかカエルの様に跳んだ。

ナゼか自分に飛び掛かって来そうな姿だと女子からの好感度が落ちるという謎。

 

第四競技!

反復横跳び

 

横島の素早い反復横跳び!その有り様はカサカサ動く…その姿は…!高速で左右に動くゴキ○りのごとし!

 

「女子の皆さんなんで離れてらっしゃる?」

 

第五競技!

上体起こし

 

足を抑えるのにペア。

横島には切島が選ばれた。

 

「……」

 

「おい余所見すんなよ」

 

上体起こしをしながら横島の視線は女子のペア。切島に呆れられる。他所を見ながら上体を起こしてたら回数は下がる筈なのに、横を向きながら上体を高速で上げ下げする姿は不気味。(興奮に比例する様に高速化、女子が視線に気付いて男子を壁にすると速度低下)卑猥に見えるのなんだろ?

 

 

第六競技!

長座体前屈!!

 

また切島とのペアで

横島の視線先は……お察し

 

「おいまた余所見してやるな!というか何で俺が連続してお前とペアなんだよ。押し付けられたのか!?」

 

 

第7競技!

ソフトボール投げ!

 

もう投げたので横島は割愛。

横島は見ていて圧倒的な差にこんなん勝てるかと叫ぶ。それと生徒の一人が指の骨を折って投げた事にビビる。指を折ったのに問題ないとした担任にもビビる。

 

 

ラスト第八競技!

持久走(五キロ…尚、横島だけ体力尽きるまで)

 

「なんでやねん!!」

 

「もうベストテンはダメだからな。始まる前にいった理不尽のプレゼントだ」

 

「ぇ…ベストテン入って…ないんで?」

 

横島は、一つも最上位は取れてないモノの全般的に平均よりは上、ベストテンにギリギリ入れる可能性はあると思っていた。間違ってないが…ギリギリ過ぎて相澤含めて何人かから手を抜いてると思われていた。

 

「入ってない。だからありがたくプレゼントを受けとれ」

 

「男からのプレゼントなんていらんわい!」

 

「いいから行け。スタートするぞ」

 

「鬼!悪魔!!無精髭!」

 

悪態をつきながらスタートラインにいく横島。

 

 

全員が走る持久走。

 

有利と思えるのは短距離トップな飯田。持久走でも飯田は鍛えられたスタミナと個性で走る事なら誰にも負けないと自信があったが、短距離と違って長距離は時間がある。スクーターを造り出した八百万には流石に勝てなかった。

 

飯田が遅れ八百万がトップになる!…そんな八百万の少し後ろから追走する影が!

 

「横島さん…!」

 

横島は八百万のスクーターのすぐ後ろを走っている。パト、白黒の車に追われて逃げ切った事もあるので、スクーターぐらい追い越す事すら出来る!

 

「ふぅふぅ」

 

速度を落とし追い抜かない。スクーターを追い抜かないのは持久走なので体力の消費を抑えるためか!。決して後ろから八百万のお尻を見るためではない!息が荒く興奮してる様子は疲れからだ!相澤には八百万が性犯罪者に追われてるように見えたが勘違いだ。

 

そのまま持久走は変態に追われる少女と変態のワンツーで終わる。間違えた。八百万が一位、横島が二位だ。遅れて飯田が。

 

「く…ボクの個性で三位…!」

 

「横島さん、スゴいですわね。もう少しで負けると思いましたわ」

 

八百万は真後ろからの横島の視線には気付いたが、自分に勝つため強い視線を向けていたんだと誤解し横島を称賛した。

 

「ふぅ、えがった…じゃない終わった!あーもう動きたくない!」

 

と言ってるが横島は大して汗を掻いてない。そんなに疲労してる様子も見えない。汗を掻いて息がまだ荒い飯田と比べると、八百万は横島の様子を見て…。

 

「……何してるんだ。言ったろお前は体力が尽きるまで、まだまだ体力あるだろ走れ」

 

相澤の台詞に確信を得て八百万はショックを受けたように聞いた。

 

「……横島さん…やはり…手加減をされたのですか」

 

「え!?…い、いやいや!手加減なんてしてない!!してない!!」

 

「では…なぜ飯田さんの様に息が乱れていないのですか」

 

「…横島くん…!」

 

「ちゃ、ちゃうよ!……ほ、ほら!い、息は上がってるし!ゼエゼエ」

 

それは騙され易い飯田と八百万から見てもわかる大根演技。横島は本気での演技だったが相澤からも同じだ。先にベストテンに入れないからと言ったから手を抜いた様にも見えた。その前にもベストテンにギリギリ入れるぐらいに手を抜いていた疑惑もある。

 

「……体力はあるな。走れるな?」

 

「はぁはぁ…気のせいです。体力は限界ですんで」

 

「………そうか。もし本当に限界なら今度からテストは女子と別の所でやってもらうおうか?女子をみて余計な体力を使ってたみたいだしな」

 

内容はあれだが横島には最大級の脅迫だ。どうやら担任が横島のスケベに気付いたようだ。いや一人除いてもう全員が気づいてるか。

 

「はっはぁ!いやぁー!先生さま!体力あります!限界と思ったの気のせいした!…は!」

 

ほぼ反射でそう言った横島は不味いと八百万を見た。

 

「……私は…一位を譲られたのですね」

 

八百万の中で横島が手加減していた事が確定したようだ。手加減されたんだと、一位を譲られたと八百万が落ち込む。横島は焦った。後ろを走ってたのは手加減ではない。下劣なエロ心、むしろ手加減の方が圧倒的にマシだ!だからこそ横島が前に出なかった本当の理由を説明する訳にもいかない。

 

「……八百万、ヒーローを目指すなら手加減された事に落ち込んでる暇はないぞ。本気を出されても勝てる様にしろ」

 

「っ、は、はい!横島さん……この様な機会が有りましたら手加減などしないでくださいませ!今度は貴方の全力に勝って見せます!」

 

「……ボクも君達に負けないと宣言させてもらうよ」

 

飯田と八百万の目が挑戦者のそれ、二人からライバルと認定された?客観的にみて二人とも横島よりテストは好成績、特に八百万等は一位。二人は他のテストでも手加減したと思い横島を格上だと評価してないか。

 

(狼にライバル意識を向けられる仔犬みたいな立場やない…?)

 

「さて、手加減した罰だ走れ」

 

「……」

 

(このオッサンに此処で反論してもどのみち走らされるのは決定事項な気がする!)

 

なら抗議せずに全力で走って一気に体力を無くしてさっさと終わろうと思う。

 

「…ああ、出来るだけさっきと同じ程度の速度で走れよ。あまり速いと手加減された二人が傷付くだろうしな」

 

二人が傷付くからでなく横島をなるべく長く走らせる為の方便にしか聞こえない。二人の心が傷付く事とか気にするようなタイプでない。むしろ傷付いても乗り越えるのがヒーローとか思ってるだろう。

 

(てか……もし傷付けないとか言うなら、二人に聞こえるようにさっきの台詞を言うわけがないやろ!!)

 

「先生…ボクも走らせてください!!」

 

「……飯田、お前は今出せる全力を出してしっかりやったからダメだ。そこの横島と違ってな」

 

「ちょいまて!!オレも全力でやったんすけど!」

 

「………全力でやったヤツがそんな元気よく叫べるか。良いからはよ走れ」

 

「……へいへい!わかりましたよ!(このオッサン!ろくな死にかたせんぞ!)」

 

ゴネるのを諦め横島は走りだす

入れ替わるように他の生徒達が走り終わりだす。横島を見て不思議そうな顔をした。

 

「なんで横島はまた走っているんだ?先頭の方で終わったんじゃ」

 

「横島の事は気にするな。それよりもこれでテストも終わった。つまり最下位も決まるということだ」

 

(((っ!!!)))

 

相澤なテスト前にビリだと除籍するといった。ビリに近い生徒は勿論、確実にビリでない生徒も不安そうな顔をしている。横島一人だけ蚊帳の外。

 

「…ビリが除籍は嘘。君達に全力を出させる合理的な虚偽だ」

 

「「「「はぁぁぁあ!!!?」」」」

 

実は本当はもっと酷い条件だった事を隠してそう言う相澤。

 

「全員騙されんな!きっとビリが除籍なのが嘘とかって意味や!考えてた事はもっとひどかったんや!質が悪そうなオッサンだしな!!」

 

聞こえてたのか横島が走りながら言った。聞いてる方は走らされた事への仕返しの悪口なんだろと思う。しかし実際には正解。

 

相澤は隠した意図に気付いたのか。それとも適当な悪口でも正解を引き当てたのかと感心した。感心したので次の言葉をいう

 

「……よし体力まだまだありそうだ。クラスは解散するけどお前だけまだ走ってろ」

 

「」

 

理不尽過ぎる?まぁ理不尽なよう気もする。クラスの誰も特に止める言葉が出なかったのは横島のキャラクターのせいか。競技中に女子の身体を眺めすぎたせいか。相澤が教室に戻るようにいうとクラスの全員が素直にグラウンドから出ていく。

 

「横島さん、頑張ってくださいまし!」

 

八百万だけ声を掛けてくれた。

恋愛意識でなく挑戦するライバルとしての応援だろうが。

 

「横島くん!ボ、オレは必ず君に追い付くよ!」

 

飯田の台詞は聞かなかった事にする。横島の中で八百万への好感度は爆上がり。今度からなるべくエロい目で見ないよう心掛ける事にした(見ないとは言ってない)

 

相澤まで含めて誰もいなくなった。

 

「一人放置はひどいやろ!!」

 

横島の叫びは一人だけのグラウンドで響く。

 

ただ走り続ける。

 

 

 

それから何時間のグラウンド。

辺りは完全に暗くなっている。

ミッドナイトからグラウンドに呼び出された相澤。

 

「………」

 

そこにゾンビのような目で走っている横島がいた。

 

「ほら居るでしょ」

 

「横島おまえ…本当にまだ走ってたのか……もう止めて良いぞ」

 

と、ようやく相澤から言われたのは夜になってからだった。聞こえた瞬間に電池が切れたみたいにベチャッと倒れる横島。

 

「横島、おい、大丈夫か?」

 

(どういうヤツなんだ)

 

「イレイザー貴方ね。流石に初日にこれはやりすぎでしょ」

 

「…スミマセン…不真面目なヤツだと思っていたのでもう帰ってるとばかり…まさかこんなになるまで走るなんて」

 

相澤は忙しく様子を見に来る時間がなかった。横島の態度から不真面目な人間だと思っていた。なので既に途中で帰っていたと思いこんでいた。

 

「予想外な事だったの。まぁ確かに監視もないなら帰ると思える子よね…意外とストイックなタイプだったのね」

 

「……態度から勝手に不真面目なヤツだと思ったのは失敗でした」

 

「そうね。不真面目で入試でトップはとれないわよね」

 

横島は根本はストイックで生真面目、努力を惜しまない性格なんだろうと評価は無駄に上がる。

 

だがそうなると相澤としては不思議なのが……なんでテストの時に個性を使った様子がないのか。何度もテストの時に自分の目で横島を見ても変化は無かった。

 

つまり個性は使っていない。幾ら順位が悪くなくても手抜きをしたんだと思う。10位に入れなかった事もあるが、手抜きをしたと思ったから走らせた。

 

(…………手抜きなんて事じゃなくて理由があったのか?それだったら少し悪いことをしたか。個性についても含めて聞きたいがこれじゃ無理だな)

 

相澤は倒れた横島を背に抱えて運ぶ。

 

「ううううう!!!」

 

呻く横島。

 

「なにかスゴくうなされてるわね?」

 

横島はオッサンの背に背負われお持ち帰りされる悪夢をみている。悲しいことに現実だ。

 

 

 

 

 

 

もちろんの話だが、横島はストイックでも生真面目でも普段は努力家でもない。ならなんで倒れるまで走っていたのか。ただ一言で言えば横島の修行の参考に使われた昔々に書かれたある本の成果

 

 

 

 

 

 

『言うことを聞かない駄犬の優しい躾方厳選百選、屈強な海兵隊も泣いて逃げるお手軽な躾!これでどんなアホな駄犬も命令絶対順守!!

 

著作MR』

 

 

尚、作成当時に本書を書いた著者の目的はある少年の助平根性の抑制だったが、肝心な部分には大して効果はなしだった。

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