ゼロの使い魔〜if〜 サイト・ラ・ヴァリエール   作:匿名サンタ

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三話 ああ、系統魔法

「でさ、ルイズ魔法って最初はどんなことを習うんだ?」

先生がいる場所へと向かうために歩いている途中、サイトはルイズに尋ねた。

サイトの問いにルイズは少し呆れたような顔をした後、

「兄様ったら聞いてなかったの? 仕方ないわね。私が説明してあげるから……よく……」

と、得意気にしゃべり始めた。

 

ルイズ曰く最初は杖との相性を調べるそれからは得意系統を見つけるとのこと。

しかし、説明を終えてもルイズの口は止まらなかった。

「私はきっと風系統よ。そしてお母様みたいな立派な魔法使いになるの。お父様とお母様の娘だもの。きっとスクウェアも夢じゃないわ」

魔法のことを語るルイズは本当に楽しそうだ。

魔法を使えることになることが楽しみで仕方ないのだろう。

きっと魔法が存在するしないに関わらず、地球でもハルケギニアでも子どもが魔法に憧れるのは共通なのだ。

だからこそ、サイトは少し辛くなる。

もし、ここがサイトのいた未来と同じ道を辿るのなら、虚無であるならルイズは多分魔法を使うことができない。

しかも、それはかなり長く続くのだ。

始祖の祈祷書を持ってあの爆発を起こしトリステインを救うまでに約十年。

それまでルイズはずっと魔法が使えないままだ。

その間に彼女はどれだけの悲しい思いをするのだろうか……。

 

「ねぇ! ちょっと兄様! 私の話聞いてる!?」

 

サイトが返事をしなかっただろう。ルイズに軽く睨んでいる。

 

「ああ、聞いていたよ」

と、サイトは相槌を打つ。

 

サイトの返事を聞いて、ルイズは、はぁっと小さくため息を吐いたあと、

「そういえば兄様はどの系統になるのかしら。やっぱりお父様とお母様のことを考えると水か風よね」

と、言った。

そのルイズの言葉でサイトは自分も魔法を使えることを思い出した。

何しろ今までいろんな事で手いっぱいでそんなことを考える余裕なんてなかったのだ。

……ルイズの言う通り遺伝があるのならば、恐らく自分の系統は水か風だろうとサイトは考える。

実際、確実にサイトはルイズの両親の血を引いていた。

顔つきは自分でも以前と同じように見えるのだが、髪はルイズと同じ……この場合はルイズ母と同じで、ピンク色だし瞳の色も緑色だ。

確実に遺伝はしている。

でも、魔法はどうなのだろうか?

実際ルイズは虚無で水や風の系統の遺伝していない。

虚無が特別だからなのだろうか。

先ほどからサイトが考え事ばかりしているのでルイズは退屈そうに拗ねた口調で、

「実際、兄様は自分でなんの系統だと思ってるの?」

と、サイトに聞いた。

「さあ、多分遺伝があるのなら水か風だと思うけど……。もしかして虚無だったりしてな」

サイトの答えを聞いてルイズはぷっと吹き出した。

「何言ってるのよ。兄様。いい? 虚無は失われた系統なのよ? もうないのよ」

「さあ、意外に近くにいたりしてな。なぁ、ルイズ知ってるか? 虚無の系統は目覚めまで時間が掛かるんだ。しかも目覚めるまでに魔法は一切使えない」

「……知らなかったわ。兄様なんでそんなことを知ってるのよ。……あー! わかった! 兄様、自分が魔法を使えなかったときのための保険をかけてるんでしょ!」

ルイズは可笑しそうに笑う

「心配しないで、兄様。私たちはヴァリエール家の子どもですもの。今日にいきなりラインのクラスになっちゃうかも」

サイトはルイズが自分を励ましていることがわかった。それが、嬉しくてサイトはルイズの頭に手を乗せて撫でる。ルイズもまた嬉しそうにそれを受け入れる。

……神様。いや、この場合はブリミル様か? まあ、誰でもいいけど。どうか、どうかご主人様が虚無ではありませんように。この可愛い妹が風か水の系統でありますように。

 

ーー。

 

「で、先生はどこの部屋にいるんだ?」

サイトが尋ねると、ほらそこの部屋よ、とルイズが扉を指差す。

指をさした扉へと向かい、サイトがドアに手を掛けると、 待って、とルイズに袖を掴まれた。サイトが少し驚いてルイズを見ると、ルイズはもじもじしながら、

「兄様。私たち双子じゃない? だから……」

ルイズの言いたいことをサイトは察して、仕方ないなぁ。と、笑った。

二人で扉に手を掛ける。それから、一、二の三の掛け声で扉を開いた。

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