「ち、千歌くすぐったいよぉ!」
「ほらほら曜ちゃん動かないの!」
現在、俺は必死に耐えている。
理由は今女子たちは衣装合わせをしているのだが、カーテンの先から聞こえてくる内容が普通の男子だったら一発KOしそうなものばかりなのだ。
「やっぱり曜ちゃんお肌すべすべ〜!」
「千歌ちゃんだって綺麗だよ?」
「はちくんもきっと曜ちゃんにメロメロだよ!」
「ちょ、ちょっと千歌ちゃん!?比企谷くんすぐそこにいるんだから!」
「大丈夫大丈夫!多分聞こえてないって!」
うん。聞こえてないよ。決して。ほんとほんと。
「よしっできた!曜ちゃんすっごく似合ってるよ!」
「ほ、ほんと…?」
「うんっ!さっそくはちくんに見せよう!ほらほら!」
「こ、心の準備がっ…」
「はちくーん!」
「終わったの…か」
高海に呼ばれたので振り向くと、そこには青、というよりは水色を基調としたドレスを着た渡辺の姿があった。
「どうどう!?曜ちゃんすっごく綺麗だよね!」
「……」
「おーい?はちくーん?はちくん!」
「え?あ、お、おう。……いいと思うぞ」
「あ、ありがと…」
「良かったね!曜ちゃん!」
「う、うん…!」
いかんいかん、ほんとに見惚れてしまった。まぁ普通に渡辺は可愛いの分類に入るしな。
「じゃあ次ははちくん!こっち来て!」
「いや俺は1人で…」
「ほらほら!」
「お、おいっ!」
「お、おいお前どこ触ってんだ!?」
「じっとして!」
「お、おいバカ…ひっ!」
「な、何してるんだろう…?」
「できた!じゃじゃーん!」
「わぁ!比企谷くん似合ってるじゃない!」
「ほんとだ!メガネかけてるほうがかっこいいよ!」
「疲れた…」
「どうどう?曜ちゃん!」
「……」
「おーい?曜ちゃん?曜ちゃん!」
「え?あ、う、うん!か、かっこいいよ!」
「もー、はちくんと同じような反応するんだからー」
もうなんか精神的に疲れた帰りたい。帰らせて。帰る
「…比企谷くん」ボソッ
「ん?」
「…私はメガネかけてない比企谷くんもカッコイイと思うよ」
「お、おう……渡辺も良かったなそんな豪華な衣装着れて」
「うんっ!みんなのおかげだよ!…ほんとに似合ってるかな?」
「あぁ、似合ってると思うぞ。客観的に見ても主観的に見ても」
「そ、そっか。ありがとっ!…えへへ!」
「さぁ!練習もラストスパートだよ!みんな気合入れていこう!」
「「おー!!!」」
「ほらはちくんも!」
「…おー」
「元気がないぞ!ヨーソロー!」
「それはもうやらない」
そして、文化祭がやってきた。