劇はなんとか無事に終わった。
しかし、問題はその後だった。
「あ、あの!」
「ん?何か用か?」
劇が終わり、クラスの出し物の手伝いをしていると、ネクタイからして1年生から声をかけられる。
「え、えっと…しゃ、写真撮ってください!」
「あぁ。じゃあカメラ貸してくれ」
「い、いえ!そうではなくて…一緒に写真撮ってください!」
「…俺と?」
「はい!」
「はぁ…まぁ別に構わんが…おい高海!写真撮ってくれ!」
「え?うんいいよー」
「ありがとうございました!」
「おう」
「君!」
今度は3年生から声をかけられる。
「はい?なにか?」
「一緒に写真撮ろ!」
「べ、べつにいいですけど…高海また頼む」
「はいはーい。いくよー」
「これいつ終わるの…」
最初の1年生が来てから、何故か俺と写真を撮ろうとするやつが絶えなくなり、ずっと写真撮りっぱなしになっている。
「いやー、はちくん人気者だね」
「そりゃあ比企谷くんは眼鏡かければただのイケメンだからねー」
「……」
「よ、曜ちゃん…?」
「なぁに?千歌ちゃん」
「な、なんか怒ってない?」
「んー?別に怒ってないよ?……でも比企谷くんはお仕置きが必要かな」
「ひっ…!よ、曜ちゃんのこんな黒いところ初めて見た…!」
「ありがとうございます!」
「おう…」
もうこれほんと全校生徒分やる勢いじゃない?なんか高海達はニヤニヤしてるし渡辺からは殺気がすごいし…
「…比企谷くん!」
「うおっ!びっくりした…なんだよ渡辺」
「ちょっと鼻の下伸ばしすぎ!」
「いたいいたい!鼻引っ張るな!伸ばしてないから!」
「伸ばしてた!女の子に囲まれてニヤニヤしてたもん!」
いやだってこんな囲まれたことないんだから仕方ないじゃん。
俺だってただの男子高校生ですから?
「だ、だからってなんでお前に怒られなきゃいけないんだよ」
「そ、それは…私が嫌なの!」
「なんだそれ…」
「ほら!比企谷くんにもやってもらうこといっぱいあるんだから!」
「ひ、引っ張るな!」
「もうホント疲れた…」
「あはは…お疲れはちくん」
あの後めちゃくちゃ渡辺にこき使われた。明日筋肉痛になりそう。
「比企谷くん一緒に帰ろ」
ここで渡辺登場。さっきよりかは殺気はないが、まだ怒っているようだ。
「いや、高海と帰れば…」
「か・え・ろ?」
「…はい」
もう怖い。ほんと怖い。
「…」
「…」
「…あ、あの…渡辺?」
「…なに」
「いつまで怒ってるんだよ」
「怒ってないもん」
「そろそろ機嫌なおせよ…」
「もともと悪くない」
なんだこの浮気した彼氏が彼女に機嫌直してもらおうと必死感は…
「…というかべつに誰と写真撮っても渡辺には関係なくないか?恋人でもあるまいし」
「あ、あるもん…わかってるくせに」
「さぁな………はあ、どうしたら許してくれるんだ」
「…じゃあ写真一緒にとってくれたら許してあげる」
「いや、写真ならクラスのヤツらで撮っただろ?」
「比企谷くんと2人ではまだ撮ったことないもん」
「…わかったよ。それで許してくれるなら」
「よし!じゃあ撮ろう!ほらこっち来て!」
「はいはい。っておい腕になんでひっつく」
「気にしない気にしない!いくよー!はいチーズっ!」
「離せ…」
「はいおっけ!写真後で比企谷くんにも送ってあげるね!じゃあまた明日!ヨーソロー!」
機嫌が直ったのかいつもの口癖を残してスキップしながら渡辺は帰っていった。
翌日、渡辺のスマホの待受が俺と撮ったツーショット写真だったらしく、クラス中からからかわれた。