曜日和   作:リヨ

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二期始まりましたねぇ〜
みら僕神曲


28話

「お待たせ!まった?」

「いや、大して待ってない」

恋人同士が待ち合わせの時に言うであろう定番のセリフ。

それを俺は今恋人ではない相手に言っている。

こんなことがあっていいのだろうか。これモテ期来てるんじゃね?

「じゃあ行こっか」

「おう」

先日の桜内の提案通り、その辺のショッピングモールに来た。

ちなみに小町に問いただしたところ、舌を出して「てへぺろっ!」と言って全力で二階へ逃げやがった。

「今日は私の奢りだから!なんでも食べたいものとかあったら言ってね!」

と、言われてはいるがお礼とはいえ男が女に奢ってもらうってのもな…

「やっぱり奢ってもらうのは悪いから遠慮しとく」

「でもそれじゃ…」

「…あれだ、俺みたいな奴は美少女とデートできるだけで御褒美だからな。今こうして歩いてるのがお礼でいい」

「……び、美少女?私が?」

「ん?あぁ。なにかおかしなこと言ったか?」

「わ、私なんて全然美少女なんかじゃないよ!地味だし…」

「…お前が地味だったら全世界の女子が地味ってことになるぞ」

「私なんかより可愛い子はたくさんいるよ。ほら、高海さんとか…」

「いや、あいつらも確かに可愛いけどよ…お前も大して変わらんぞ」

「…ひ、比企谷くんは私のこと可愛いって、思う?」

「だからさっきからそう言ってるだろ。恥ずかしいから何度も言わせるな」

「ご、ごめん。…そっか。可愛い…可愛い…」

「…桜内?」

「よしっ!じゃあ今日はいっぱい楽しもうね!私まだここ来たばかりだからよく分からないから案内よろしくね!」

「いや、俺も大差ないぞ…」

こうして俺と桜内のデートが始まった。

 

 

 

その頃

「なんかいい雰囲気だね…」

「八幡…浮気…」

「よ、曜ちゃん落ち着いて!黒いオーラが出てるよ!」

「桜内さん確かに可愛いし八幡もしかして好きになっちゃったのかな…」

「んー、いや、それはないと思う。普段の見てたらはちくん、曜ちゃんにベタ惚れだよ?曜ちゃんにだけやけに優しいし。千歌には頭ぐりぐりとかしてくるのに!あぁ!なんかムカついてきた!」

「ち、千歌ちゃんも落ち着いて!あ!八幡達移動するよ!」

「よし!行こう曜ちゃん!…あ!この犬可愛い!」

「え?あ、千歌ちゃん!」

 

 

 

 

「で、どこ行くんだ?」

「んー、普段は服見たりしてるけど…比企谷くんつまらないよね?」

「…なら、俺は書店に行ってるからお前は服見てこいよ」

「…それじゃ意味無いでしょ!」

「な、なんかすみません…」

めっちゃキレてる…

「じゃあ先服見るか。その後書店ついてきてくれ」

「わかった。そうしよっか。あ、丁度そこに服屋さんあるよ。入ってみよっか」

「おう」

俺たちは目の前にあったいかにも今どきの女子が行きそうな店に足を踏み入れる。

「わぁこれ可愛い!比企谷くんどう思う?」

「いいと思うぞ」

そういや、今日発売の本買うか。まだ読み終わってないけど。

「あ、これとか!」

「いいと思うぞ」

ついでに新しい本とかも開拓しておくか。

「これとこれどっちがいいかな?」

「いいと思うぞ」

前やたらエロい表紙のやつがあったんだよな…いや、買わないよ?気になってるけど。見つかったら小町に軽蔑されそう。まぁ外見だけで判断するのは良くないけどな。

「…比企谷くん!」

「いいと思…なに、どした」

「さっきから「いいと思うぞ」しか言ってないよ!聞いてないでしょ!今も言おうとしてたし!」

「あー…すみません」

「もうっ…試着するからどっちがいいか選んで?」

「…俺が?」

「そう」

「いやでも…」

「い・い・わ・よ・ね?」

「…はい」

女子って怖い。

「曜ちゃん、なんか桜内さん怖いね…」

「どうせ八幡がまた変な事言ったんだよ。八幡案外デリカシーないからね」

「そうだ!千歌達も何か服買っていこうよ!」

「さんせいっ!」

 

「お待たせ。どうかな?」

「…まぁお前らしくていいんじゃないか?」

「そうかな?じゃあ次の着るから待ってて」

……そういや曜のやつ今日のこと何も言ってこなかったな。

あいつ案外嫉妬深いところあるし何か言われるかと思ったが…

「じゃーん!どう?曜ちゃん!」

「おぉ!かっこいいよ!じゃあ私も!」

「曜ちゃんエロい!エロいよ!どんだけ肌見せるの!」

「すぐ夏来るし暑くなったらこういうのもアリかなって!」

「はちくんに襲われちゃうよ!」

「そ、それはそれで…えへへ」

「よ、曜ちゃーん?曜ちゃん!」

「比企谷くん、着替え終わったよ。さっきとどっちがいいかな?」

「…俺はさっきのかな。まぁお前の好きな方でいいと思うぞ」

「じゃあさっきのにするね。買ってくるから外で待ってて!」

「ほんとに俺のセンスでいいのか…?」

 

 

 

服屋を後にした俺達は書店にやってきた。

さて、ここからが問題だ。ラノベコーナーに行けばほぼ確実に桜内に勘違いされて変態扱いされる。

内容は別になんてことないのに、イラストだけやたらエロいのとかあるからな。

「あー、桜内。お前はこの辺のコーナーでも見ててくれ」

「え?私もついてくよ。比企谷くんの読む本とかも気になるし」

「いや、だがな…」

「推理小説とか?比企谷くんなんから似合いそうだよね。それとも古典系とか?」

「…まぁわかった。ひくなよ?」

「うん?」

 

「これがラノベかー。たくさんあるね」

「まぁお堅い小説を読みやすくした感じだな」

「イラストも……こ、これ…!」

「あー、刺激の強いやつとかあるから」

「あ、あんな恥ずかしい格好で…ひ、比企谷くんもああいうイラストがいいの?」

「いや、たまにはああいうのも…っていや、別に俺は内容派だから。うん」

「……ま、まぁ比企谷くんも男の子だもんね」

「…あ、あの時の…」

「ん?…お前は確か…」

突如話しかけられ、後ろを振り向くと、たくさん大事に本を抱え込んでいる美少女がいた。ってこいつ前高海が勧誘してた子だな。

「こ、こんにちは…」

「お、おう」

「…」

「…」

「比企谷くん知り合い?」

「ん?知り合いというか…こいつも高海に勧誘された一人だ」

「なるほど…」

「く、国木田花丸です」

「そういや名乗ってなかったな。比企谷八幡だ」

「桜内梨子です。よろしくね?」

「は、はい。…おふたりはデ、デート中ずらか?」

「いや、まぁ傍から見ればそうだが…彼女ではないぞ。あの時のグレーの髪の毛のやつが彼女だし」

「ひ、比企谷くん彼女いたんだ…」

「まぁな。一応」

「…浮気ずらか?」

「ちげぇ!…話せば少し長くなるが、簡潔にいえば俺が前桜内を助けてそのお礼で来てるだけだ」

「よ、よく分からないずらが、浮気はダメずらよ?」

「しないしない。そんな甲斐性ない。…ずら?」

「…あ!またいつの間にか言っちゃったずら…あ!また!」

「…比企谷くん、なんかこの子抱きしめたくなってきた」

「お前の中で何があった。落ち着け」

 

 

あの後国木田とは適当に話して別れた。あいつかなりの文学少女だな。スクールアイドルのことは…まぁおいおい話すか。

「……で、そろそろ出てこい。さっきからずっとバレてるぞ」

「比企谷くん?」

「「…」」

「みかんやるぞ」

「ほんとっ!?」

「あ!千歌ちゃん!」

「た、高海さん!?渡辺さんも…」

「曜が何も言わなかったから怪しいと思ったんだ。これが目的か」

「いや~、あはは。なんでバレたの?」

「いや、お前ら毎回途中から自分たちのショッピングに変わってるじゃねぇか。普通に服見てたりしてたし」

「てへっ!」

「ストーカーには罰だな!」

「いたいいたい!はちくん痛いよ!ぐりぐりしないでぇ!」

「…桜内さん」

「どうしたの?」

「…もしかして八幡のこと好き?」

「…分からない。気になってる、かな?でも渡辺さん彼女だもんね」

「…これからはライバルだね!」

「え?」

「八幡は今は恋人だけど、桜内さんみたいな可愛い子がいたら私のことなんかどうでも良くなっちゃうかもしれないし」

「そ、そんなこと」

「浦の星には可愛い子がたくさんいるから、私も恋人だからって余裕って訳じゃないんだよ?八幡は結構影で人気もあるし。だから梨子ちゃんにも負けない!」

「…うん。なら私も負けないよ!曜ちゃん!」

「あ!なんで2人とも名前呼びしてるのー!!?千歌も!」

「おい、罰は終わってないぞ」

「鬼だ!鬼がいるよー!」

「千歌ちゃん元気だね」

「それが千歌ちゃんの取り柄だからね!」

「…?どうしたんだ?2人とも」

「ううん!ただ今梨子ちゃんに宣戦布告しただけ!」

「そうそう。気にしないで」

「…なに、戦争でもするの?」

 

 

続く


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