曜日和   作:リヨ

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30話

今日は珍しく一人で帰宅中、どうも比企谷八幡です。

ボッチを自称している俺が「珍しく1人」なんていう日が来るとはな…まぁこれも高海や曜の影響だな…

「暇だし本屋で立ち読みでもするか…」

久しぶりに文学系でもいってみるか。最近ラノベばっかだったしな。

俺はオールジャンル読むから。

「知らん間に色々増えたな…」

「んしょ…んっ…」

俺が本を探していると、目の前に浦の星の生徒と思われる女子が高いところに入る本を取ろうとしていた。

「…ほら、これか?」

「あ…あ、ありがとうずら」

「…ずら?」

「っ!あ、ありがとうございます!そ、それでは!ずらっ!?」

彼女は急に慌てて走り出そうとしたのでつまづいて転けてしまった。

「大丈夫か?」

「うぅ…」

「…足痛いのか?見せてみろ」

「は、はい…」

「…これ捻ってるな…立てるか?」

「これくらい…ずらっ!?」

「おっと。無理っぽいな……一人で来たのか?」

「は、はい」

さすがに俺がおんぶしていくのもアレだしな…絶対通報される。

「かといってどうしたもんか…」

「オラの家はすぐ近くだから頑張って帰る…ずらっ」

「おい無理するな。悪化するぞ」

「で、でもここにいるわけにもいかないし」

「…俺から一つ提案がある。嫌なら断ってくれて構わん」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…重くないずらか?」

「いや、別に」

「…」

「…」

結局俺がおんぶすることになりました。

女子の太ももって柔らかい(白目)。

「…いまいやらしい事考えたずら」

「…なんで女子ってそういうの鋭いんだろうな」

「……先輩、ですよね?」

「ん?そういや名前言ってないな。2年の比企谷八幡だ」

「おらは1年の国木田花丸です」

「…それ方言か?」.

「え?…あ!」

「オラとかずらとか言ってたから」

「な、治そうとしてるんですけど…」

「まぁ方言女子とか俺は好きだぞ」

「す、好き!?」

「いや、個性的でいいってことだ。俺なんか悪い方に個性の塊だけどな」

「確かに比企谷先輩は目とかアレずらね」

「案外きもいとかよりアレって言われた方が傷つく時もあるんだぞ」

時に優しさは人を傷つけるよね。

「ご、ごめんなさいずら!」

「まぁ別にいいけどよ…」

「そういえば比企谷先輩は本読むんですか?」

「色々読むぞ。基本休みの日も外でないで家で本読んでる時も多いしな」

「周りにあまり本好きな子がいなくて…」

「まぁ今どきの子は読むやつ少ないだろうな。なんの作品が好きなんだ?」

「オラはやっぱり…!」

 

 

 

 

 

帰り道はひたすら本の話をした。

国木田のやつヒートアップしたら止まらなくなるタイプだな。

「あ、ここです」

「ん?…寺なのか?」

「あれ?花丸ちゃん?」

「あ、ルビィちゃん」

「お、男の…人…!!」

「ひ、比企谷先輩!ちょっとルビィちゃんから離れた方がいいかも…」

「え、俺何もしてないのに犯罪者扱い?ひどくない?」

「ぴ…ぴぎゃぁぁぁあああ!!?」

新たに現れた女の子は俺を見て悲鳴をあげて気絶してしまった。

一難去ってまた一難。


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