「うゅ…?」
「あ、ルビィちゃん起きたずら」
「わ、私…」
「何があったか覚えてる?」
「確か……お、男の人が花丸ちゃんを…」
「それでルビィちゃん気絶しちゃったずら」
「あら、ルビィ起きたのね」
「お姉ちゃん」
「あ、比企谷先輩、誤解はとけたずらか?」
「ホント疲れた…」
「ルビィ、この方は怪しい方ではありませんでした。中身は」
「腐ってる目はデフォなんだ、すまんな」
「あ、えっと…」
「男が苦手らしいな。別に無理に話さなくていいぞ」
「ご、ごめんなさい…」
「改めて自己紹介致しますわ。私は黒澤ダイヤ、この子は妹のルビィです」
「比企谷八幡だ」
「この度はルビィが迷惑をかけてすみませんでした」
「いや、こんな見た目不審者の俺が友達おんぶしてたら気絶してもしょうがない。むしろ男が苦手なら」
「まぁ確かにそうですわね」
「否定してくださいよそこは」
「比企谷先輩は見た目こんなだけど優しい人ずら。多分」
「なに?俺をいじめたいの君たち」
黒澤姉は性格きつそうだ。さっき誤解とくときとかずっと竹刀突きつけられてたからな。
「…そういや黒澤姉はどこかで見たことあるような」
「私は生徒会長ですから。それのせいかもしれません」
「なるほど」
「というか、私前比企谷さんにお会いしてますわよ」
「え?いつ?」
「あのスクールアイドル部に勧誘しようとしていた方がいた時です」
「…あー、そういやそうだったな。国木田とかもあの時いたな」
「そういえばそうだったずらね」
「スクールアイドルやるのか?」
「ま、マルは図書委員があるから…」
「そもそもまだ部活は設立されていませんけどね」
「認めてないんですか?」
「認めるわけありませんわ」
まぁ色々事情があるのだろう…
「じゃあ俺はこれで」
「あ、比企谷先輩!」
「なんだ?」
「連絡先教えてほしいズラ!」
「え?なんで?」
「本の話ができる人は少ないから!」
「あー、まぁ別にいいぞ」
「なら私もお願いしますわ。浦の星でおかしなことをしないように監視しなければいけませんから」
「え?俺の誤解とけてないの?」
「ふふっ、嘘ですわ。これも何かの縁ですし」
「じゃあ登録しといてください」
「マルたちがやるずらね…終わったずら。比企谷先輩、今日はほんとうにありがとうございました」
「気にすんな。それじゃあ」
「ほら、ルビィも」
「あ、えっと…ま、また」
「…あぁ、またな」
怖がられるのはまぁ慣れているがいつかは話せるといいな。
次の日、携帯に国木田からメールが来ていて、さらにそれを曜に見られて誤解を解くのが大変だった。
「なんか八幡の周りに急激に女子が増えてる気がする」
「気のせいだ」
「…ニネンブゥリデスカ」