今日は二話連続。
「2年の比企谷八幡くん、連絡事項があるので理事長室へ来てください」
「は、八幡なにしたの!?理事長室って…」
「あれ?でも理事長って今いないんじゃなかったっけ?」
「…まぁとりあえずいってくるわ。よく分からんが」
俺は理由もわからないまま理事長室へやってきた。
「…すみません、比企谷八幡です」
「…入ってください」
「失礼しま」
「はちまーーーーんーーっ!」
「うおっ!?は!?な、なんだ!?」
「久しぶりね!」
「…………もしかして、鞠莉姉…か?」
「Excellent!会いたかったわ!」
この人は小原鞠莉。俺が昔海外に旅行に行った時に仲良くなった。
というか仲良くさせられた。まぁその話は追々。
「まじで久しぶりだな…でもなんでここに?」
「それは私がこの学院の理事長だからよ!」
「ほうほう…意味がわからん」
「それは私から説明いたしますわ」
「あ、いたんですか」
「最初からいましたわっ!!」
「す、すみません」
相変わらず怖いなぁこの人。あ、俺のせいか
「元々この学院の理事長は鞠莉さんのお父様なのですが事情により鞠莉さんが理事長を務めることになりましたの」
「でも鞠莉姉って年俺と大して離れてなかった気が…」
「私は今はダイヤと同じ高校3年ね」
「…理事長できるのか?それ」
「できるからここにいるのでぇす!」
「というか私は鞠莉さんと比企谷さんが知り合いということに驚きですわ」
「昔色々ありまして」
「私の初恋の相手よ!」
「えっ!?」
「すぐそういう嘘つかないで下さい」
この人昔もからかう癖あったからな。俺も色々連れ回された。
「ほんとよ?」
「…騙されませんよ?」
「じゃあ証拠に…キスしよっか」
「まだ諦めない気か……っ!?」
嘘だと思って油断していると、鞠莉姉はほんとに頬にキスしてきた。
「顔真っ赤よ?八幡っ!」
「な、なにしてんの!?」
「あら、外国では普通よ?」
「日本は違うんだよ!」
「は、破廉恥ですわ!」
やばい、これは波乱の予感しかしない。
「…で、なんの用で俺を呼んだんですか?」
「別に敬語じゃなくてもいいわよ?昔からの仲でしょ?」
「いきなりキスしてくるような人と仲良くなった覚えはありません」
「その割には今の八幡にやけてるわよ?」
「は?え?まじ?」
「…ぷっ!嘘よ嘘!イッツジョーク!」
「…帰る」
「あー!待って待って!ちゃんと用はあるから!」
「…なんですか」
「…高海千歌ちゃん?だったかしら?彼女がスクールアイドル部を作ろうとしてるらしいわね」
「あぁ。らしいな」
「でもダイヤが認めない」
「あぁ」
「でも私は賛成なのよ?ということで、条件を出すことにしたの」
「条件?」
「ライブで体育館を満員にすること。そしたら部の設立を認める。ダイヤもそれで納得したわ」
「それを伝えろってことか?」
「まぁそれもあるんだけど、八幡にはそのお手伝いをして欲しいの」
「は?なんで?」
「しないと退学よ?」
「え、なにそれ怖すぎ」
「…」
「…え?まじで?」
「さぁ?それは自分で考える事ね!」
「…はぁ、わかったわかった。よく分からんがやりますよ」
曜もやることになったらしいしな。
「あら、案外早く決まったわね。やっぱりガールフレンドのため?」
「なんで知ってんだおい」
「理事長はどこからでも情報が入ってくるのでーす」
「こわ。理事長こわ」
「それじゃあ八幡、よろしくね。応援してるから!」
「はいはい」
「ちゃお〜!」
「…」
鞠莉姉が理事長室をでる瞬間、一瞬だけ悪い顔をしている気がした。
「気のせい…か?」
「ふふ、面白いことになりそうっ!」