「えへへ〜!はちまーん!」
さて、今日は曜がうちに来ている。いわゆるお家デートと言うやつだ。
それはまだいい。
問題は曜が家に来てからだ。
机の上に置いてあったキャンディを食べてから曜が酔っ払ってしまった。
なんだこのベタな展開は。
それから曜がめちゃくちゃ甘えてくる。いや可愛いけども。
俺の精神が持つかが問題。
「はちまんは私のことすき?」
「…当たり前だろ」
「そっかそっかぁ!えへへ!」
恥ずか死ぬ。まじで。
「はちまん!」
「な、なんだ?」
「キスして!」
「…」
「は・や・く!」
「…わかったよ」
「んっ……えへへ!甘いね!」
もうこの子さっきからニコニコしすぎ。ニコニコしすぎて「にっこにっこ」言わせねぇよ。「ぬぁんでよ!」
おっと、変な声が入ってしまった。
「…はちまんとこうしているの好きだなぁ」
「そうか?」
「まぁはちまんがそばに居てくれるだけでも幸せだけどね!」
なにこの子。結婚したい。
「ならいつかプロポーズしてね?」
心を読むな。
「…なんか暑いね」
「まぁ俺は恥ずかしくて暑いわ」
「んしょっ…」
「お、おいなに脱ぎ始めてんだ!?」
「えぇ?だってあついんだもん」
「だからって脱ごうとするな!俺いるんだぞ?」
「はちまんなら気にしないよー?」
「俺が気にするんだよ…って徐々に脱ぐな!」
「もう、わかったよぉ」
「ふぅ…」
「…はちまんってさ」
「あぁ」
「キスとかはしてくれるけど…その先はしようとしないよね」
「ぶっ!…何言い出すんだ急に」
「女の子だって…もっと一緒になりたいって思ったりするんだよ?」
「…俺たちまだ高校生だろ」
「まぁはちまんはヘタレだしね」
「ぐっ…いや、俺だってそういう気持ちがないわけではないよ?うん」
「…変態」
「お前が言わせたんだろ…」
「…いつかは…ね?」
「…ま、まぁいつか…な」
俺たちはなんて会話をしてるんだ。小町に聞かれてたから恥ずかしすぎて家出するぞ。
「じゃあ今はキスで我慢する!んっ…えへへ!」
「……お前もう酔っぱらってないだろ」
「酔っ払ってるよぉ」
「酔っ払ってるやつは自分で酔っ払ってるなんて言わねぇよ」
「だって酔っ払ってることにでもしないと恥ずかしくて甘えられないもん…」
「…まぁたまには甘えることも必要だぞ。スクールアイドルのこととかだって例え楽しくたって大変なことだってあるからな。俺にくらい甘えろ」
「…うん。そうする。…抱きしめて?」
「いきなりかよ……ほら」
「えへへ、あったかい。…ずっと一緒に居てね?」
「…あぁ」