「えへへー♪」
「曜ちゃんどうしたの?」
「じゃーん!見て!ストラップ!」
「あ!それ前欲しいって言ってたやつだよね?ゲット出来たんだ!」
「うん!」
「あれ?でもそれカップル限定なんじゃ…」
「比企谷くんについてきてもらったんだ!いや〜楽しかったよ!」
「…ふ〜ん?」
「ど、どうしたの千歌ちゃん、ニヤニヤしてるよ?」
「え?いや〜、曜ちゃんもすっかり恋する乙女だな〜って」
「え!?そ、そんなことないよ!」
「みんなもそう思うよね?」
「「うん」」
「なにそのクラス一体感…」
「クラスじゃはちくんと曜ちゃんはいつ付き合うのか!?って話題で持ちきりだもん!」
「そ、そんな付き合うなんて…!」
「…」
「曜ちゃんは告白とかしないの?」
「こ、こここ告白!?わ、私まだ比企谷くんのこと好きなんて言ってないよ!?」
「とぼけてもダメだよ〜。曜ちゃん、はちくんと話す時、とっても楽しそうだもん!」
「そ、それは…確かに楽しいけど」
「曜ちゃん!そろそろ自分の気持ちを認めようよ!曜ちゃんは比企谷くんのことが好き!?嫌い!?」
「……す、好きです」
「裁判長!曜ちゃんがついに白状しました!」
「しっかり録音したよ!」
「えっ!?ま、待って消して!」
「ダーメっ!千歌、パス!」
「…」
「はいよ!曜ちゃん!私は応援するからね!」
「それより録音消して〜!」
「…」
なんで俺教室にいるのにそんな話してんの?なに、イヤホンしてるから聞こえてないと思われてるの?バッチリ聞こえてるんですけど。
これから渡辺とどう接すればいいのでしょうか。
「比企谷くんっ!帰ろ!」
「……あぁ」
渡辺は聞かれてないと思っているからか平常運転だが、俺はそうもいかない。
「そういえばもうすぐ夏休みだね」
「そうだな」
「夏休みどこか一緒に遊びに行こうよ!」
「…2人でか?」
「そう!」
「…断る」
「えー?どうしてー?もしかして暑いから外出たくないとか?」
「その通り」
「じゃあ海行こうよ!海なら涼しいし楽しいし!」
「それはもっとダメだ」
それはつまり渡辺の水着姿を見るということだ。
渡辺は制服からでもスタイルがいいのが伝わってくる。
体育の時とか特に。
メンタル的に死ぬ。
以上。
「…私と行くの、いや?」
「嫌ではないが……」
「私は…比企谷くんと行きたい、な」
「……よくそういう恥ずかしいこと言えるよな」
「えぇっ!?……だ、だってそうでもしないと比企谷くん来てくれないし…」
「……ほかの男子も連れてきていいならいいぞ」
「っ!うん!それでもいいよ!なら私は千歌ちゃん連れてくるね!」
俺に友達なんているのかって?ふっ、俺には女神がついているのさ。
「じゃあ…れ、連絡先教えてもらってもいい?」
「あぁ。ほら」
「わ、私が打つの?」
「俺やり方知らんし」
「わ、わかったよ。………はい!それじゃぁまた連絡するね!また明日!比企谷くん!」
「あぁ」
「ヨーソロー!」
「……」
ヨーソローというのはまだ恥ずかしかったので、周りに人がいないのを確認し、敬礼だけした。
「っ!えへへ!」
渡辺はそれを見て満面の笑みを浮かべて帰っていった。
続く