曜日和   作:リヨ

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6話

「お兄ちゃんおかえりー」

「おう。悪いけどこの後また出かけるから」

「そうなの?どこ行くの?こんな時間から」

「…祭り」

「あーそういえばあったね。…ん?………お兄ちゃん、今、祭りって言った?」

「あぁ」

「だ、誰と行くの!?まさか1人じゃないよね!?」

「…友達だよ」

「お兄ちゃんに友達なんているわけないでしょ!もしかして女の子と!?」

「……まぁ一応そうだが」

「ひゃっほーう!お兄ちゃんにも春が訪れたー!」

「今は夏だぞ小町」

「お兄ちゃん!これはチャンスだよ!告白だよ!」

「待てなんで俺が恋心を抱いてる前提なの?」

「え?違うの?」

「なわけないだろ。ただのクラスメートだ」

「ふーん…?誘ったのどっち?」

「俺が誘うと思うか?」

「ふむふむなるほど……お兄ちゃんもやる時はやるね!」

「俺は前からやる時はやる男だぞ」

「まぁ普段がやる気無さすぎだからねー」

「もしかしてその格好で行くの?ダメだよ!小町がこーでねーとしてあげる!」

「それを言うならコーディネートな」

 

 

 

「比企谷くーん!はぁっ、はぁっ…ふぅ。ごめんね、待った?」

「別に対して待ってないから気にするな」

渡辺は普段と違い、後ろで髪を結んでいる。格好も青の浴衣だ。

「…これ、どうかな?今日のために選んだんだけど…」

「……可愛いと思うぞ」

「っ!そっか!えへへ!ありがとう!行こっか!」

「お、おい、なんで手つなぐの」

「えー?だめ?じゃあ腕!」

「やめなさい」

「ぶー…もうっ、早く行こっ」

「なんで不機嫌になるんだ…」

「比企谷くんがヘタレだからだよ!」

「今頃知ったのか」

「えぇー…まさかそんな反応されるとは思わなかったよ」

「ほら、早く行くぞ」

「あ、待ってよ!」

 

「りんご飴美味しいー!」

「花火は見るのか?」

「もちろんだよ!でも場所空いてるかな?」

「さぁな…」

俺達はどこか空いてる場所を探したが、どこにも見当たらなかった。

「そこのボーイ&ガール!」

そこに突如現れた金髪美少女。俺たちと同じくらいの年っぽい。

「な、なんですか?」

「もしかして花火見る場所探してるのかしら?」

「えぇ、まあ」

「じゃあ私の取っておきの場所を教えてあげるわ!カモン!」

「…どうする?」

「行ってみよ。もしかしたら穴場の場所かも」

 

「わぁ!ここなら綺麗に見れそう!」

「でしょ?」

「どうして俺たちに?」

「そうね…懐かしかったから、かしら!」

「懐かしかった?どこかで会ったことありました?」

「あったかもしれないしなかったかもしれないわね♪」

「どっちですか…」

「今はそんなことより、デートを楽しみなさい!チャオ〜!」

「デートじゃありません…っていない」

「比企谷くんもこっちきてごらんよ!すごい景色!」

「はいはい。……おぉ、結構すごいな」

「ね!あの人に感謝しなきゃ!」

そして、少し待つと花火が打ち上がり始めた。

「わぁー!すごい綺麗!」

「写真撮るか」

「…ねぇ、比企谷くん」

「なんだ?」

「来年もこうして、私達は一緒にいるかな?」

「唐突だな。そんなのクラス変われば分からんだろ。まぁ二クラスしかないが」

「…来年もまた夏祭り行きたいね。2人で」

「………まぁ、行けたらな」

「うん。次は比企谷くんから誘ってよ!」

「えー…」

「あからさまに嫌な顔したね……待ってるからね!」

「……善処する」

「比企谷くん!」

「今度はなんだ?」

「ヨーソロー!」

「…」

「…」

これはやり返せということだろうか。

…まぁ人いないしいいか。

「…ヨーソロー」

「…ぷっ!あはは!比企谷くん似合わないね!」

「…もうおうち帰る」

せっかく勇気だしてやったのに。

「ご、ごめんごめん!…私、決めた!」

「なにを?」

「比企谷くんを倒します!」

「え、何怖い」

「覚悟しててね!」

「……よく分からんが、御手柔らかに頼む」

「ヨーソロー!」

 

 


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