曜日和   作:リヨ

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8話

日にちも経ち、あの季節がやってきた。

「そう!それは文化祭!!」

「はちくん急に騒いでどうしたの?」

「リア充共がイチャイチャするためだけのクソイベント!」

「ひねくれすぎだよ比企谷くん…」

「そこ、静かに。文化祭ということで劇をやるんだけど、案がある人いる?」

うちの学校では1年生は劇。2年生はなにか調べ物をして展示と決まっているのだ。3年は知らん。

「だれも案はないの?なら私が決めちゃうわよ?そうね……ロミオとジュリエット!なんてどうかしら」

「でも女子高ですよ?男子なんて…」

「いるじゃない、そ・こ・に♪」

「「……」」

なんだかすごい視線を感じるぞ。絶対に誰とも目を合わせてはいけない。絶対にだ。

「ひーきーがーやーくーん?」

「……」

寝た振りだ。うん。ほら、身の危険を感じた時は死んだフリが一番だろ?

「返事しないと成績落とすわよ?」

「それはせこくないですかね…」

「はいじゃあ決定!大丈夫!比企谷くんは目以外はイケてるから!目以外は」

大事なことなので二回言いました。そんなことより、俺がロミオなんてやってみろ、気絶するヤツ続出するぞ。キモすぎて。

さらにそもそもジュリエットをやるやつがいるのかが問題だ。

中学のキャンプファイヤー、男女2人1組で踊るのに相手いなくて1人でエアダンスやったのはなかなか辛かった…

「ジュリエット役は……そうね、やっぱり渡辺さん!」

「わ、私!?」

「だってあなた達仲いいしいい演技が出来ると思うわ!うん!決定!」

「え、ちょっ」

「曜ちゃんジュリエットやるのー!?主役なんていいなー!千歌と変わってよ!」

「そ、それはダメっ!」

「やっぱりはちくんとやりたいんだね〜?」

「そ、そういうことじゃ………なくもないけど」

真隣でそういう会話しないでいただける?この前と言いこの子達わざとでしょ。

「やっぱりドレスとかも着るんでしょ?羨ましいなー!」

「ど、ドレス…!」

渡辺も何やら妄想モードに入ったみたいだ。なんかニヤニヤし始めた。

「はちくんはタキシード?かな?……なんか微妙だね」

「おい」

「大丈夫!私が立派なロミオにするから!」

「なんだ立派なロミオって」

「あれ?曜ちゃん急にすごいやる気だね?」

「決まっちゃったことだしやるからには全力だよっ!」

「あれだ、多分文化祭の日は台風が来るな。うん。俺の勘はほぼ当たるんだ」

「そんな嘘くさい予知してもやるよ!?ほらさっそくお話を読んで勉強しよっ!」

「おいどこ行くんだよ!?」

「もちろん図書室だよ!全速前進ヨーソロー!!」

 

 

続く


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