日にちも経ち、あの季節がやってきた。
「そう!それは文化祭!!」
「はちくん急に騒いでどうしたの?」
「リア充共がイチャイチャするためだけのクソイベント!」
「ひねくれすぎだよ比企谷くん…」
「そこ、静かに。文化祭ということで劇をやるんだけど、案がある人いる?」
うちの学校では1年生は劇。2年生はなにか調べ物をして展示と決まっているのだ。3年は知らん。
「だれも案はないの?なら私が決めちゃうわよ?そうね……ロミオとジュリエット!なんてどうかしら」
「でも女子高ですよ?男子なんて…」
「いるじゃない、そ・こ・に♪」
「「……」」
なんだかすごい視線を感じるぞ。絶対に誰とも目を合わせてはいけない。絶対にだ。
「ひーきーがーやーくーん?」
「……」
寝た振りだ。うん。ほら、身の危険を感じた時は死んだフリが一番だろ?
「返事しないと成績落とすわよ?」
「それはせこくないですかね…」
「はいじゃあ決定!大丈夫!比企谷くんは目以外はイケてるから!目以外は」
大事なことなので二回言いました。そんなことより、俺がロミオなんてやってみろ、気絶するヤツ続出するぞ。キモすぎて。
さらにそもそもジュリエットをやるやつがいるのかが問題だ。
中学のキャンプファイヤー、男女2人1組で踊るのに相手いなくて1人でエアダンスやったのはなかなか辛かった…
「ジュリエット役は……そうね、やっぱり渡辺さん!」
「わ、私!?」
「だってあなた達仲いいしいい演技が出来ると思うわ!うん!決定!」
「え、ちょっ」
「曜ちゃんジュリエットやるのー!?主役なんていいなー!千歌と変わってよ!」
「そ、それはダメっ!」
「やっぱりはちくんとやりたいんだね〜?」
「そ、そういうことじゃ………なくもないけど」
真隣でそういう会話しないでいただける?この前と言いこの子達わざとでしょ。
「やっぱりドレスとかも着るんでしょ?羨ましいなー!」
「ど、ドレス…!」
渡辺も何やら妄想モードに入ったみたいだ。なんかニヤニヤし始めた。
「はちくんはタキシード?かな?……なんか微妙だね」
「おい」
「大丈夫!私が立派なロミオにするから!」
「なんだ立派なロミオって」
「あれ?曜ちゃん急にすごいやる気だね?」
「決まっちゃったことだしやるからには全力だよっ!」
「あれだ、多分文化祭の日は台風が来るな。うん。俺の勘はほぼ当たるんだ」
「そんな嘘くさい予知してもやるよ!?ほらさっそくお話を読んで勉強しよっ!」
「おいどこ行くんだよ!?」
「もちろん図書室だよ!全速前進ヨーソロー!!」
続く