「お母さま、稽古を付けて下さい。」
3歳になり、初めてのワガママは稽古の要求であった。
いくらチートを持ち合わせようとも使いこなせなければ豚に真珠である。
経験値も、修行せねば入ってこないのだから100倍にしようと0は0である。
「構わないけれど…私から教えられるのは、白眼と柔拳くらいよ?」
「はい!お願いします!」
「お、母さんに稽古を付けて貰うのか…うん、決めた。俺も稽古を付けよう。
最近写輪眼に目覚めたばかりだろう?白眼も写輪眼も使いこなせば一騎当千となるだろうな。身を守る為に修行は必須だ。」
「ありがとうございます!」
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「ハァ、ハァ…ハァ…。」
「…もう、辞める?」
「まだまだぁっ!」
気力を振り絞り、気休めにもならない柔拳の手を突き出す。
当然母の手に弾かれてしまうが、諦めずに〝点穴〟に向けて攻撃を仕掛ける。
だが、当然弾かれて反動でコケてしまう。
「攻撃が単純で一直線過ぎます。」
「は、はい!」
コケては立ち上がる。コケては立ち上がる。
どれだけ稽古が苦しく疲れようとも弱音は吐かず、目は死んでいない。
(自分の言葉を曲げない性格はあの人似ね…)
「今日はここまで。」
「ありがとうございました。」
修行開始から早4年。
7歳になったハルカは母から柔拳を、父から写輪眼のレクチャーを受けて驚異的な成長を見せていた。
そして、自己鍛錬も欠かさずに努力をして来た。
(霧隠れの忍がいつ来るか分からないからな…。)
無能ジジイめっ!と心で毒づくが、それに返す人間はいなかった。
写輪眼で父が覚えている多重影分身をコピーし、チャクラ量が増えるのを待ってから
本当に…人柱力って…。
封印術、忍術、幻術、体術。
これら全てを鍛え上げて置かなければ、やぐら様が助けに来る前に死んでしまう可能性もある。
永遠の万華鏡写輪眼を使える事は早々にバレたが、突然変異と結論付けられた。
なまじ前例が無いことだ。
他と違うことは突然変異で片付けられる。
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「八卦掌回天!」
回天が発動し、ハルカの周りに絶対防御が現れる。
「やっと…出来た!」
母は回天を使えないため独学での習得となったが、原作でもネジは独学で習得している。
一人で修行を開始したが…やはり原作のネジはホンモノの天才であったらしい。
経験値100倍のチートを持つ私でも1年かかった。
でも、回天を物に出来たのは大きい。
痛いのは嫌だ。
そんな理由で絶対防御の回天の修行を開始したが、霧隠れの忍を相手取るには大きなアドバンテージとなる。
「次は八卦六十四掌かな…」
うちはハルカ、うちは史上初の柔拳使いとなる。
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『ヒャッハーッ!自由だ自由だ!滝隠れの野郎共から逃げ出せたぞ!
空を飛べるのはサイコーだ〜!!』
自主練をしていると、上から大きな声と共にカブトムシ的な物が現れた。
修行が終盤に入り、疲れた体に大きな声は毒である。
「うるせぇっ!黙れ羽虫!」ギンッ!
<神威!>
イライラのままに羽虫を
(って言うか、あれって…七尾の…!お父さまに知らせなければ!)
「ハルカッ!何か大きな声がしたが、無事か!」
報告をしようとした時、大きな声に気づいた両親がこちらへ近づいてきた。
「…大きなカブトムシ?を発見したので、神威空間に入れたのですが…」
そう言うと、両親が目を見開いていた。
「おそらく…尾獣だ。滝隠れが七尾の封印に失敗したらしいと街で噂になっていたからな。
被害が出る前に空間に放り込めて良かったな。
良くやった、ハルカ。」
やっぱり…尾獣だったのか。
これは、
「…お父さま、七尾と話をして来てもいい?」
「だ、ダメに決まっているだろう!相手は尾獣だぞ!?」
「うん、でも…あの子と友達になりたいの。
…あの子、自由に空を飛べるって喜んでた。きっと、閉じ込められて苦しかったと思う。」
子供らしく、しょんぼりした顔で父に相談する。
「ハァ…私達を連れて行きなさい。
そうでないと許可は出せんぞ。」
「あ、あなた!」
母は泣きそうになりながら反対の色を滲ませているが、父は言葉を続けた。
「…こうなったハルカを止める術があると思うか?ハルカも私達が修行をつけ、中忍如きでは束になっても相手にならん。
危なくなったら神威空間から逃げ出せばいい。」
「…分かったわ。私も行く。」
「ありがとうございます、お父さま、お母さま!」