冒険者共   作:サバ缶みそ味

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 すっごく遅くなりました(焼き土下座

 ガチャを爆死して数か月……凱旋チケットで欲しいキャラが現れたことに大喜び


▲8 Brave the knights④

「そんであのヘンテコなロボットは何だったんだ?」

 

 リアムはしかめっ面でスクラップとなったキラーマジンガの残骸を剣でつついた。先のキラーマジンガの襲撃で出遅れて活躍できなかったのを根に持っているのか些かご機嫌斜めの様子。そんなリアムにレイジは愉悦気味に答える。

 

「ヘンテコじゃねえ、キラーマジンガだ。海底神殿にてあのハッサンをワンターンキルして一瞬にしてパーティーを全滅させるみんなのトラウマだ」

「だからその説明の意味が分からねえっつってんだろうが‼てかハッサンて誰だよ‼」

「うるせえ!あとなんかカメとかいたらさらに面倒なんだっての!何度も説明させるんじゃねえ‼」

「なんでカメが出てくるんだよ!?」

 

 リアムは理解できないレイジの説明にイライラを募らせレイジと取っ組み合い喧嘩となった。そんな二人がギャーギャーと喧騒している横でアイシャはクオンとジークの説明を聞いて頷きながら納得していた。

 

「なるほど…魔法を跳ね返す魔法を備わり強力な攻撃力と剣技を持つ殺戮マシン、それがキラーマジンガというわけなんだね?」

「うん、キラーマシンの中でも凶悪な部類なんだ…でも他のキラーマシンはマヒャド斬りとかバギとか、習得されていない技を持っていた。もしかしたら強化されているかもしれないね」

「だよなー…配合して卵産んでより強い技を持った個体がでているだろうなぁ」

 

「それは厄介だ‥‥って、機械なのに卵を産むのかい!?」

 

 とんでも発言にアイシャは思わず二度見をしてしまった。彼らの話を聞いて理解ができていたがまさかの卵産むことにややこしくなってきたようだ。そんな考えこむアイシャにレイジと取っ組み合いをしていたリアムがジロリと視線を鋭くして見つめた。

 

「そういえばあんた、クオンと一緒にこのキラーなんとかに追われてたみてえだが何もんだ?」

 

 もしかしたら敵陣営のスパイか刺客かと警戒している。リアム達傭兵集団が警戒している中アイシャはふっと微笑んだ。

 

「詳しいことまでは明かせないが、私は帝国の者だ。この島の領主の要請を聞いて秘密裏に調査をしている最中にこの機械系モンスターに襲われ、クオンに助けてもらった。と言えば納得してくれるかな?」

 

「‥‥」

 

 リアムは訝しげにクオンへと視線を向ける。クオンは彼女の言うとおりだと何度も頷き、レイジは「てめえクオンを疑う気かこの野郎」とガンを飛ばし、ジークはそんなレイジを抑えて苦笑いで頷いた。リアムはしばらく考え込んだがため息をついた。

 

「わーったよ、とりあえず信じてやる。味方は多いほうが有利だからな」

 

「受け入れてくれて助かるよ」

 

 なんとか信じてくれてクオンはほっと安堵して胸をなでおろした。一息ついて次なる問題に移る。リアムも考えは同じようで再びキラーマジンガの残骸へと視線を向けた。

 

「問題はこのヘンテコマシンが大量に生産されているってことだ」

「クオン、話によるとキラーマシンの大群が押し寄せてくるのか?」

 

「西側の領主は明日にでも投機してくる。けども手の内がバレたからにはすぐにでも差し向けてくるだろうね」

「この島を制圧したあかつきには他国へと売り込み帝国はおろか連邦へと戦争をふっかけるつもりみたいだ。迅速に方を付けないといけない」

 

「つまりは殴り込みか‼」

 

 目を輝かせてフンスと張り切るレイジにクオンは苦笑いをする。今回ばかりはそれしかないかもしれない。リアムは好戦的な笑みで頷いた。

 

「俺たちで殴り込んで短期決戦ってやつだな!やってやろうじゃねえか‼」

「アニキ、様子見するんじゃなかったんスか?」

 

 こっそりとツッコミを入れるチャックにリアムはムスッとして肘鉄を入れた。

 

「うるせえ!時と場合ってやつだ!ていうかちんたらしてたらこの馬鹿に先越されるだろうが‼」

 

 先ほどの遅れを挽回するためレイジ達より活躍してやる。そう意気込むリアムだったがちらりと彼らの方を見ればレイジの姿がなく、離れたところで猪突猛進に駆けだしているレイジとそんなレイジを止めようとひたすら追いかけているクオン達の姿が見えた。

 

「言うなれば有言実行だぜ‼いくぜいくぜええええっ‼」

 

「待って!?無暗に突撃しても危ないからね!?」

「ああくそっ!あの脳味噌筋肉バカ、こんな時だけ速いんだよなぁ!」

「…彼、別の方角へ曲がっていったよ?」

「「待てえええっ‼」」

 

 

「またかよ!?手柄を独り占めされてたまるか!お前ら‼あのバカよりも速く突っ走って片付けるぞ‼」

 

 リアムの合図とともに男達の気合の入った雄たけびが響き、全員彼らに続いて走り出した。

 

___

 

「兎に角『兵器』の製造を急がせろ…」

 

 西陣営の領主ことルイジは部下の報告を聞きながら報告書に目を通していた。希少金属のルーンを使っての『キラーマシン』という兵器の製造は成功した。このキラーマシンという兵器は従順でどの魔物や人間よりも強い。すぐにでも実戦投入をすればこの泥沼化した紛争も圧倒的に勝ち、憎き兄のママーリオを抹殺して島を我が物にできるだろう。そうすればより大量に製造が可能であり、キラーマシンの設計図を送ってくれた『スポンサー』だけでなく他国へと売り込めることができる。

 その反面、ルイジは内心焦っていた。昨夜、侵入者が現れたことだ。しかも二人もいたようで、もしかしたら帝国か連邦の者だったかもしれない。『高性能型』のキラーマジンガで追跡させたから侵入者を抹殺できたであろうが、もう嗅ぎついできたことに驚きと焦りが募らせた。この紛争のさなかに両国にこの兵器の事がバレたらまずい。急ぎキラーマシンを戦場に投入させて紛争を終わらせなくては。ルイジは渋い顔をして窓を開けて外を眺めた。

 

「……?」

 

 ふと遠くから喧しい叫び声が聞こえてきた。空耳だろうかと眉をひそめて耳を澄ませる。だが気のせいだと思っていた叫び声が段々と音量を上げて近づいてきた。間違いなく人の喧しい声だと確信したと同時に遠くの砦の門が音を立てて崩壊した。

 

「え、ちょ、何事だ!?」

 

 突然の事で狼狽えているとドアが乱暴に開き、兵士が息を荒げながら慌ただしく入ってきた。

 

「た、大変です‼東陣営の奴らが攻めてきました‼」

「なんだと!?は、早くないか!?」

 

 東側の傭兵達は高額な金で巻き上げ、沢山の傭兵達で攻め立てた。あちら側には抵抗できる戦力はないはずだと思っていたのだがまさかいきなり攻め込んで来るとは予想だにしなかった。兵士の報告を聞けば、たった小数で殴り込んできてしかもその中でも5人程かなり手強い相手がいると。ルイジは苛立ちで壁を強く叩いた。

 

「すぐにでもキラーマシンを投入させろ‼蹴散らしてやれ‼」

「ど、どのキラーマシンを投入させますか!?」

「馬鹿者‼全部だ!それもキラーマシン2やキラーマシン3だけでない、キラーマジンガも、全部だ‼」

 

___

 

「な、なんかめちゃくちゃ来たっすよ!?」

 

 西陣営の砦の第一門を突破して次の第二門へと駆けている中、門が開いて大量のキラーマシンが現れたことにチャックはギョッとしていたがジークとレイジは目を輝かせていた。

 

「こいつはすげえな…!完成度高いぞこれ」

「やっべえ‼2も3もある!やる気出てきたぜ‼」

 

 レイジは喜んでいの一番にキラーマシンの群れに突っ込んだ。先頭にいたある一機のキラーマシンが迫りこんできたレイジに反応してサーベルで薙ぐがレイジは背中を逸らせて躱してサーベルの刃は空を切った。

 

「うおらあああっ‼」

 

 その隙を狙ったリアムが剣をキラーマシンの頭部へと叩き切った。先頭のキラーマシンは銭湯不能となったがレイジがプンスカと怒り出す。

 

「おいい‼こっから反撃の蹴りを入れようとしたところ横取りすんじゃねえよ‼」

「うるせえ‼こっから俺が無双して俺の伝説を始まりそうなところなんだよ‼てめえの出る幕はねえ!」

「あぁ?それだったら俺の方が伝説のスーパーすげえし!出しゃばりは引っ込んでろバーカ!」

「あぁ?出しゃばりはてめえだバーカ‼」

 

 敵陣の中でリアムとレイジは取っ組み合いを始めた。そんな二人に向けてキラーマシンの群れはボウガンで弓を放つ。数多の矢が二人に向かって飛んできているがリアムとレイジは気づいていない。ジークが慌てて前へ立ち、唾のない刀を引き抜いてボウガンの矢をすべて斬り落とした。

 

「喧嘩してる場合じゃねえだろ。ったく、バカに先頭を任すとすぐにこれだ」

 

「「誰がバカだこの野郎!」」

 

「お前ら、そういうところだぞ」

 

 声を揃えて反論する二人にジークは呆れてため息を漏らしながら襲い掛かってきたキラーマシン2の剣を躱して居合を放ち一瞬にして両断させる。

 

「馬鹿に構う暇はねえ。ささ麗しきレディ、こんなおバカ二人はほっといてどんどん突破していこう。そしてこの戦いが終わったら二人でバーで祝杯をあげないかい?」

 

「アイシャの姐さんならクオンさんと一緒にどんどん先へと行ったっすよ?」

 

「なんとおおおおおっ!?」

 

 チャックの言葉にジークは驚愕し、ここで時間をつぶしている場合ではないと焦りだして駆けだす。キラーマシンの剣やボウガンを躱しつつすれ違いざまに居合斬りをかましながらクオンとアイシャの後を追いかけていく。

 

「うおおおおお!クオン、待ってろよぉぉぉ!俺がレディの扱いをレクチャーしてやるからなぁぁぁ!」

 

「ジーク‼俺より無双してんじゃねえ‼」

「だからてめえら俺より目立つな‼」

 

 辻斬りの如く敵を切り倒していくジークに取っ組み合ってた二人は喧嘩をするのをやめてプンスカと文句を垂らす。そんな二人に2機のキラーマジンガがウォーハンマーを振り下ろそうと襲い掛かってきた。

 

「「邪魔だあああっ‼」」

 

 イライラを爆発させたのかリアムは強力な剣技を放ち、レイジは昇竜拳を打ち込んでキラーマジンガを倒す。

 

「このMVPは俺になるんだ!ジーク‼てめえに手柄を取らせねえぞぉぉぉっ‼」

「てめえらの出る幕はねえ‼活躍するのはこの俺だぁぁぁっ‼」

 

 レイジとリアムは怒号を飛ばして駆けだし、次々に襲い掛かってくるキラーマシンの群れを倒していった。

 

 

 

「なんというか…君の仲間達は随分と賑やかだね」

「うん、これ日常茶飯事なんだよね…」

 

 遠く離れた後方で大暴れするジークとレイジ達をちらりと見てクオンはどこか遠い眼差しで見つめており、そんな彼をアイシャは苦笑いする。彼らにヘイトがかかったおかげかこちらはスムーズに進むことができ、屋敷内へと侵入できた。

 

「ここの領主を捕らえないと」

「ああ、彼には聞きたい事が沢山ある」

 

 アイシャの言葉にクオンは頷く。『キラーマシン』の製造を教え協力したのは誰か、どこの国へと売ろうとしたのか問い詰めなくては。

 だがクオンの憂いはそれだけでない。この白猫の世界に存在するはずのないキラーマシン、これの存在を知っているのは自分と同じ転生者に違いない。推測だがある転生者がキラーマシンの設計図を送って製造させた可能性がある。その転生者が何を考えているのか、もしかしたら恐ろしいことを考えているのかもしれない。

 

 そんなことを考えている間にこちらの侵入に気づいたのか兵士と数機のキラーマシンがこちらに向かってきた。

 

「…もうこそこそする必要はないよね?」

 

 クオンは背中に背負っている剣『レッドクイーン』を引き抜いてちらりとアイシャを見つめる。アイシャはクスリとほほ笑んで頷く。

 

「派手に暴れる性分ではないが…ここではもう必要ないな」

「それじゃあ手早く片付けて領主をちゃちゃっととっちめよう!」

 

 クオンとアイシャは互いに好戦的な笑みを見せて敵陣へと駆け込んだ。

 

 

 

 

「ま、まだ片付かんのか!?」

 

 屋敷内で爆発音と振動が響き渡る中、ルイジは焦りながら廊下を駆けていた。早く逃げなくてはすぐに追いつかれてしまう。

 

「き、キラーマジンガも投入させたのですが…ぜ、全機大破されこちらへと迫っております!」

「ええいくそっ‼」

 

 ルイジは怒りに任せて何度も壁を叩いた。キラーマシンの製造ラインも潰されキラーマシンの生産はおろか輸出もできなくなる。このままだと『スポンサー』の怒りを買って自分の首が飛ばされ兼ねない。もはや出し惜しみをする必要はないとルイジは決意を固めた。

 

「こうなれば……『大型』を起動させる‼」

 

 『大型』と聞いて部下はギョッと驚き焦りながら首を横に何度もふる。

 

「で、ですがあれは成功といえどもまだ完成度は80%!魔物のように敵味方も判断せずに手あたり次第に破壊しますよ!?」

「ええい喧しい!それしかもう手がないのだ‼」

 

 ルイジは大急ぎで離れの大型倉庫へと駆け込み南京錠を持っていたカギで解錠して荒々しく開けた。

 

 

 

 

「彼はここに逃げ込んだようだね…」

「あとは領主だけだ」

 

 次々に襲い掛かるキラーマシンや兵士を倒していき遂に領主を追い詰めた。大型倉庫の扉を開けて慎重に中を伺う。中はうっすらと暗く静かだが敵が潜んでいる様子は見えない。二人は辺りを見回しながら中へと進んでいく。

 

「…よくも私の製造を滅茶苦茶にしてくれたな」

 

 うっすらとした暗闇の中からゆっくりと領主であるルイジの姿が現れた。茶色いスーツを着ているがレイジが見たら間違いなく「あんたあの配管工の弟だろ?」と言うだろうと予想してしまうほど『あの配管工の弟』に似ていた。そんな領主にアイシャはジト目で見つめる。

 

「滅茶苦茶にするのが私の仕事だ。貴方には色々と聞きたいことが山ほどある。おとなしく同行してくれないか?」

 

 ルイジはフンと鼻で笑うと懐からこれもレイジが見たら「それPスイッチだよな?」と言い出しそうなスイッチを取り出した。

 

「その必要はない。何故ならば貴様らはここで死ぬからだ!」

 

 ルイジがスイッチを押すとうっすらとした暗闇の中で赤いモノアイの光が光ると金属が軋め気合ながら動く音が聞こえだす。赤くモノアイの位置からしてかなりの大型のようだ。クオンは警戒して剣を構えた。

 

 軋めく音を鳴らしながら『それ』は現れた。『それ』は巨躯で腕が4本もあり、2つの腕には大刀を持ちもう2つの腕には大きなボウガンが装備されていた。

 

「さあこのキラーマシン『大型』に無残にもやられるがいい‼」

 

 ちょっと離れたところで隠れて府的な笑みを浮かべて叫ぶルイジを無視し、現れた『大型』にアイシャは目を丸くす。

 

「これは…‼」

 

 しかしクオンはこの『大型』には見覚えがあった、寧ろ知っていた。この『大型』までもがまさか製造されていたのかとクオンは驚きを隠せなかった。

 

「これって……スーパーキラーマシンだ!?」




 
 サージタウロスとかドラゴンマシンとかも出したかったけどスーパーキラーマシンが浪漫でしたのでスーパーキラーマシンにしました。

 またーり更新していきます…

 アイシャかわいいね!
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