頭の中にある漫画形式のイメージを字に起こすのは難しいです。
「ベル~。アイスちょうだい。」
「はいはい。何味?」
「イチゴ~。」
ダランとベルのベッドの端から、頭と脚を出してユラユラさせているフランの言葉に、苦笑しながら自室の冷蔵庫からアイスを取り出すベル。
枕元の引き出しから木のスプーンを出して待ち構えているフラン。
「ん~、つめたくておいし~。」
幸せそうに食べるフランに頬を緩めながら、ベルはゲームの準備をする。アイスの後にゲーム。がフランが部屋に居る時のいつもの流れだからだ。
「何をする?」
「スマサヴァ~。」
正式名『大激突!スマッシュサーヴァント』
カルデアで新たに出したゲームであり、中々の人気を誇っているモノだ。
HP制でキャラ毎の特色が強く出ていて、バトルキャラ、サポートキャラ、概念礼装の組み合わせで特殊効果も発生するシステム。(例:移動は歩きのみ、防御、回避不可だが、火力、範囲が強いギルガメッシュとオジマンディアス等)
尚、強すぎるためギルガメッシュとオジマンディアスは大会では禁止されている。
「バベッジ先生もしますか?」
「ウム、ワタシモ参戦サセテモラオウ。」
バシュ~、と各所から蒸気、ではなく特性フィルターによって冷気を噴出しながら返答するバベッジ氏。
この特性フィルターは、蒸気を通す時に蒸気の汚れと熱を奪い、熱エネルギーを魔力へと変換、圧縮し、「聖昌石」と「聖昌石の欠片」に変えるフィルターである。
発案:マスター、作成:キャスター陣によるこのフィルターにより、夏場に居て欲しいサーヴァントにランクインしている。また、暑いのが苦手なフランの傍で気兼ね無く蒸気を噴出できるのは本人も負担が少ないらしい。
フランもいつでも冷気を浴びれて嬉しいそうだ。
尚、聖昌石長者となったマスターはかなりの回数召喚しているとか。(羨ましい限りである)
ゲームをする準備が終わり、それぞれに得意なサーヴァントを選び、バトルを開始する。
「とりゃ~。」
「まだまだ!」
「油断大敵ダ。」
「ほいっと。」
「危ない危ない。」
「一難去ッテマタ一難ダ。」
白熱したバトルに時間を忘れ、既に昼の2時を過ぎていた。三人は、遅い昼食を食べに食堂へ向かう。
「はい、ベル。おねがいします。」
何処からかフランが取り出したのは
特異点においては、移動距離や時間の都合等からマスターとマシュを乗せて足の速いサーヴァントが背負って移動したり、怪我人を乗せる事もあったりと大活躍なのだが、カルデアでは主に子供組や、新しい物好きのサーヴァントが使用している。
「む~。」
「コノ回路ナラバ、ココニコレヲ設置スレバ良クナルノデナハナイカ?」
「お~、さすがバベッジせんせ~。」
移動中、彼女は携帯ゲーム機で『ブロックで構成された世界で好きにクラフト』できるゲームで、オブジェクトにさせたい動きをできる回路に悩んでいたのだが、バベッジ氏のアドバイスでなんとかできたようだ。
その様子をベルは見ることは出来ないが、そのやり取りを聞いてオラリオのファミリアを思い出し、自然と笑みがこぼれた。
「あ、バベッジ先生、ちょっと来てもらって良いですか?」
「コノアイダノ研究デ造ッタ機関ノコトカナ?」
「はい、それで先生の感想が欲しくて。」
「ワカッタ、デハ私ハココデ。」
「あ、はい。分かりました。」
「いってらっしゃ~い。」
カルデア職員で蒸気機関を愛していると豪語している男に呼び止められ、バベッジ氏と別れた。また長時間の熱い議論を交わすのだろう。
「ベル、あ~ん。」
「はい、あ~ん。」
食堂到着後、フランは雛鳥のように、ベルから一口サンドイッチを食べさせてもらっていた。手が汚れないよう、カラフルな串で纏められたサンドイッチをタイミング良く口に入れていく。食べさせつつも自分も食べるという器用な事をしているベル。
フラン曰く「おなじセイバーだからいっしょにたたかうこともおおいとおもうので、れんけいのくんれんです。」らしい。
見た目には妹の世話をする兄にしか見えない。
「ふ~、おなかいっぱい。ベル、おひるねしよ~。」
「ここで寝たらダメだよ。部屋に行くまで待ってね。それじゃぁブーディカさん、ご馳走さまでした。」
「ごちそうさま~。」
「はい、夕食には遅れないようにね。」
「はい、気を付けます。」
「ます~。」
眠くなってきたようで語尾が延びているフランを背負いながら、今日の食事担当であるブーディカに挨拶し、ベルの部屋へと戻る。
そのまま二人で仲良く眠る様子は、仲の良い兄妹の図であったと、"偶然"カメラを持って覗きこんだ誰かは語ったという。