緊急事態。
これを聞いて、技術技師さんが宇宙転移を発動してくれた。
私達が到着したのは、何の変哲もない建物の内部だった。
「ここは?」
「周辺の様子を鑑みるに、どこかの学校だろうな」
そう、名称だけでみれば、ただの学校だ。
しかし一番可笑しいのは、真昼間だというのに人が一人もいない事。
そして大地を含め、建造物などいろんなものが破壊されていることだ。
ここはどんな世界なんだ?
私が来たことがある世界ならば、きっと対応できるはず。
しかしどう見てもこれはただの崩壊ではない。
どこをどう見ても人が住んでいた場所だ。
いろんな形式の家屋。
どれもこれも観光名所にありそうなものばかりだ。それなのに、道端にある言語表記が日本語だ。
ここはどこだ?
私はなのはさんに、上空から人間を探すようにお願いした。
探索中。私は大いに動き、周辺のクリアリングを進める。
そのうち、宇宙転移してきた『マザーシップ』が、ヘルメットと連動し周辺のフォーリナーを表示した。
範囲は1キロ平方メートル。
おかしい。
普通ならば餌の市民がいるはずだ。
住宅団地が遠方で確認できるのに、全く存在を確認できない。
フォーリナーもいるにはいる。
しかし数がそんなに多くない。
そして極めつけは、画面端にてぎりぎり表示されている2つの青と7つの青・1つの青……。
合計10の青点が、このレーダーに表示されている。
三つの地点の特徴。
それは2つの青は大量の赤点・7つの青は移動が激しい複数の赤点・1つの青は2つの白点と邂逅していること。
「結城さん!」
「どうだった!?」
上空にいるなのはさんが帰ってきた。
話によると赤点と邂逅している勢力は、すべて女性でフォーリナーと交戦。
もう一つの方は、魔法で確認したらしく子供一人を大人二人が囲っているらしい。
うーん……。
子供ではなく女性の方を確認しよう。
子供は建物の中に居て、なおかつ安全ということが分かった。
なにせ魔法で盗み撮りしなければ、その状況を確認できなかったんだから。
「なのはさんは7人の女性の方へ向かってくれ。私は二人の女性がいる方へいく。
それと会話はEDFの標準装備に、『無線』があるからそれで連絡してくれて構わない」
「うん、わかった」
「では、作戦開始!」
私となのはさんは、散開する。
私はなのはさんよりもかなり遅く現場に到着した。
最短距離を進んでいたのだが、途中の段差に引っかかってしまって……。
おかげで数分ロストしてしまった。なんてこった!
それと数年前からのアーマーは、かなり前からある旧型アーマーよりも不便になっている。
まあ得している部分もあるんだが、今しがたEDFニュースで新型アーマーができたという。
その能力は兵科によって違うんだそうだ。
詳しい話は戻ってからにするが、レンジャーは持久戦がやりやすくなったと報道で言っていた。
非常に楽しみなんだなこれが!
っと、私は大量の敵と戦闘している二人の女性を発見した。
市民だったら躊躇なく爆撃しているところだが、青点である仲間である以上誤射はやめたい。
なにせ相手を削るための肉壁がなくなるからな!
私はロケランを放つ。
黒蟻とたまに混じっている緑蟻、蜘蛛を爆散させる。
私の攻撃に爆発で気付いたのか、射線先にいる私に顔を向ける女性二人。
しかし量が多いな…。引き撃ちするしかなさそうだ。
私が引き撃ち体制に移ろうとしたとき、刀を持っている女性が圧倒的火力を持つ蜘蛛糸を切り裂いた。
普通なら不可能なはずだ。
しかしそれが可能ということは、フォーリナーが弱いのかそれとも設定介入が弱いのか。
それでも有利になるのならば、そんな些細なことは気にしない。
私とその女性二人は、ここにいるフォーリナーを殲滅。
それから私は彼女らに話しかける。
「そこの方、ご無事ですか?」
「はい、おかげで助かりました」
黒髪の少女はそう答える。
日本刀であり得ないくらいの斬撃を、フォーリナーに向かって放っていた。
そしてもう一人、傍らにいる細目の長身の女性。
いやマザーシップからの解析によれば、年齢は二人とも同じという結果だ。
私は二人に何が起こっているか聞いてみる。
「おっと申し遅れました。私はEDFのレンジャー1結城と申します」
「ご、ご丁寧な挨拶痛み入ります」
先ほどの斬撃や目にもとまらぬ攻撃。
あれはアーマー値が吹き飛ぶのは確定なので、少しでもより良い態度を示してみる。
EDF隊員や市民は別に、故意の射殺だろうと誤射で済む。
しかしここは私が住む世界じゃない。
だから少しでも強力な戦闘力を持つ人物と協力体制ができるような雰囲気を醸し出しておく。
そうしておいた方が相手にとって、都合の良い何かを得ることができるかもしれなからだ。
私はそういう考えをして行動を起こした結果、相手方からよりよい言葉を貰えた。
「えーと、結城さんってことは……ネギ先生を知っていますか?」
「ネギ?ああ、ネギ・スプリングフィールドなら知っているよ」
「やはり!それはよかった。ぜひ、私達と協力してください」
「待ってください。状況が分かりません」
ネギは以前ライブ会場らしきところで、紳士風の人物と戦っていたのは知っている。
私はマザーシップからの写真画像を受け取り、そこからこの少女らの事を知れるか確認する。
するとその中から、目の前の少女と同じ姿が確認できた。
きっとネギが私の話を色々したんだろうな、と思う。
だから私が自己紹介した後、姿勢が軟化したんだな。
「私は”桜咲 刹那”です。ネギ先生救出に協力してください」
「拙者は”長瀬 楓”。よろしく頼むでござるよ」
「よろしく、お嬢さん方。では、状況確認をお願いします」
私は桜咲さんと長瀬さんに、こうなった経緯を教えてもらった。
細かい部分は飛ばさせてもらおう。
この世界の学園祭にてボスであり、ネギの生徒である人物が世界を塗り替える魔法を放とうとした。
それを阻害するため、行動を起こしたネギに協力する生徒たち。
しかしその途中でいつの間にか未来に来ていた。
その未来ではすでに魔法が認知されている世界になってしまっていて、世界中が大混乱。
その混乱の要因がネギの生徒であり、既に行方をくらましている。
さらにネギは、現状把握の前に一時解散しており、行方不明である。
そんな時に何時ぞやみた生物に多数襲われてしまった。
それによりネギの生徒たちは、全員ばらばらになってしまったとの事。
現状、彼女二人が大半を引き受けており、他の非戦闘員である生徒には対処できる程度の生物に追われているとのこと。
私はそれを聞いて、私はネギの生徒で屈指の戦闘力を持つ生徒に出会ったという事を知る。
更になのはさんが向かったのは、非戦闘員である生徒の方に向かったことも分かった。
レーダーに映る青点の意味が漸く分かった。
これでもう、彼女たちに敵対する意味は皆無となる。
さて、善は急げだ。
すぐにマザーシップに、ネギがいるであろう場所を座標で割り出してもらい、そこへ行けるようルート検索をしてもらおう。
そしてなのはさんとも合流してからいこう。
なのはさんは隊長ではなく、合流待ちの隊員だから合流した方が効率的だ。
「わかりました。では、彼女たちと合流しながら、ネギのところへ行きましょう」
「え、場所がわかるんですか?」
「はい。それに、私の仲間もいます」
ちょうどこの時、無線に感あり。
合流できたようだ。
私は発煙筒替わりに、『OゴリアスD2―3』を上空に向けて放つ。
噴進弾なので煙が帯を引く。これで過去となった今の現在位置がわかるだろう。
さあルートも分かった。行くか。
「ではついてきてください」
「お主、歩きか?」
「ええ、まあ」
一応緊急回避で走るより早いが、歩きと同義だろうな。
脚を回転させるという意味ではな。
「拙者がお主を肩車したほうが、早いでござるよ?」
「ではお願いします。では、『OゴリアスD2―3』にて道案内をさせていただきます」
「誤射は堪忍でござる」
「ええ、もちろん」
忍者な長瀬さんに肩車をしてもらい、『OゴリアスD2―3』の煙にて方向を示す。
レンジャー自身に反動があるだけで、肩車をしている長瀬さんにちょくせつ反動は行かない。
ヘリコプターのローターにのり、いくら反動武器を使っても自身が影響を受けるだけというのと同じだ。
さて…。移動中になのはさんと無線で話をつける。
向こう側は非戦闘員が多数というのもあって、早急に話をつけることができた。
魔法無力化がどうのこうのと叫ばれたらしいが、魔法の構造どころか世界や位相・次元レベルで違うので、この世界の常識が通用しないのは当然である。
しばらく行くと教会にたどりついた。その時、なのはさんを含む残りのネギの生徒と合流することができた。
「私はEDFのレンジャー1結城です。よろしくお願いします」
……
さて、困ったことになった。理由は後に説明しよう。
あの後ネギ一行と合流し、ネギ・スプリングフィールドを救助した。
そしてその足で学園内にある世界樹の根元から、過去へ共に連れて行ってもらった。
ここまでは順調だ。
まあ途中で魔法使いや西洋龍に急襲されてしまったが……。
私達はともかく、転移で空中に飛ばされてしまったネギ一行は、ネギの渾身の浮力魔法により難を逃れた。
さてこの転移は無事、成功したかと思ったらそうでもなかった。
実は目的とされていた日ではなく、学園祭の最終日に飛んでしまったらしい。
つまりネギの生徒でありボスの作戦決行日だという事だ。
私はあまり華やかな事は好きではないが、ここぞとばかりなのはさんが一巡りしたいらしかったのでついていった。
場所は東京の都心近くで、世界樹が丘の上に立っているのを中心に広げていった学園。
更にその規模が一つの学園といえるものではないので、総称として学園都市といわれている。
ネギが先生として通勤している学校は、女子校と言われており女性のみが通っているらしい。しかも年齢は12と若いのに、二人~三人の同居同棲を学生寮で行い通勤通学するんだと。
規模はあり得ないくらいでかく、公共交通機関が路面電車が数両しかない。
景観同調とか健全で健やかな生徒の心身の成長のため、あえてこのような形なんだとか。
この学園、麻帆良学園の歴史とか言われるブースにて、閲覧可能な情報だった。
「スゴイ人! コスプレもできるんだね」
「楽しむのを止めろとは言わないが、いつフォーリナーがやってくるかわからない。
心まで緩慢にさせるコスプレは止めておいた方がいい」
「えー。でも、かわいいし……」
「好きにすればいいさ」
さてなのはさんが衣装を選んでいる間、少し考えることがある。
時間跳躍マシンである、カシオペア。
此れの状況を見たが、どう見ても一般界隈では直せそうもない。
そしてこの技術は、当のEDFでも開発されていない。
なにせ魔法なんて存在せず、技術面でどうにかして大量の電力を使って再現できている。
それに技術とはいっても、結局は鹵獲技術に過ぎない。
改良することはできても、開発することはベースマシン・ハードの面で劣っているからできない。
よって個人携帯できる時点で、敵の優勢は決まっている。
なにせあのカシオペア、故障率・精密性も相まって使用はあと二・三回が限界だろう。
その来るべき時、ネギをこちらの腕輪を使って帰還しつつ再度機械を使って過去に転移すべきかどうか。
……とにかく、何が緊急事態なのか全くわからない中、フォーリナーとの関連性があるだろう今、気を抜くことはできない。
いや、今現在真昼間だ。
そしてこの世界の主人公はおそらくネギだ。
だからこの世界に於いて異端なEDFは、全く相手にされないだろう。
それに今回の敵は、ネギの生徒だ。
確実を喫し、この世界の常識を上書きしようとするならば、周到な準備と時間帯・演出といったものをするだろう。
ましてや学園祭だ。下手な事をすれば、魔法世界はともかく現実世界にまで敵を増やすかもしれない。
きっとその生徒も、そうなった場合のシミュレートはしているだろう。
深慮の末の結果、学園祭最後のイベントの時に仕掛けてくるだろうと至った。
だがもしものことがある。気を抜くことはしないが、気を張ることは止めておこう。
「結城さん、できましたよ!」
そう結論付けたとき、ちょうどなのはさんが出てきた。
仮装ということもあって、年相応のかわいらしい服装だ。
私はなのはさんと束の間の休戦を楽しんだ。
そして冒頭の困惑の理由が、そのイベントにある。
この学園祭最後のイベントにおいて、火星ロボ軍団と戦うことになる。
ここまではいいのだが、この火星のロボの中にフォーリナー似の蟻と蜘蛛が田中といわれるロボと隊列を組んで沿岸から急襲してきた。
その数は合計3400。
非常に敵が多かったが、私となのはさんがネギの生徒に頼まれてヒーローユニットになり戦闘に参加したことで、何の障害もなく撃破できた。
そのあとも順調に撃破していくと、ヒーローユニットを中心に未来送りの弾丸が撃ち込まれてしまうという現象が起こる。
幸いネギの生徒たちは、その弾丸に巻き込まれなかった。
色々端折るが、ボスとなる超鈴音[チャオリンシェン]がいる場所まで、私達二人とネギが出向く。
私は母船に乗り、なのはさんは魔法で飛んでボスがいる飛行船の上に行った。
主人公格が居れば勝てると思ったが、勝てなかった。
結局ネギはカシオペアを吹き飛ばされ、未来送りを食らってしまう。
もちろん私達も無抵抗で食らってやった。
なぜか。主人公格のネギにカシオペアがない今、どうやって過去戻りできる要素があろうかということ。
ただでさえ量子力学やワームホールが未完成で、理論上な技術力にどうして過去に戻れると思おうか。
よって巻き込まれてやった。
いや、それは詭弁だな。
本当はそういう言い訳にしたかっただけなんだが……。
「おやおや、偉大なる魔法使いのご子息のほかに、EDFもきているではないカ」
「む。我々の事を知っているのか」
「もちろんネ。100年後の火星は、そのEDFの庇護下にありモノリスを受け取り時空の跳躍ができるようになったネ。
更に火星の技術と魔法で、時空跳躍技術を個人携帯できるレベルにまで達したネ」
「ほほう。ならば、敵対する必要はあまりないわけだが……」
「君たちになくても、私達にはあるネ。私たちはEDFの停滞した技術レベルを追い越し、F因子の解析とそれを操ることができた。
更にF装甲をも私たちは解析し、それを作り上げることができた。つまり、フォーリナーを旧型から新型まで操れるようになったネ。
私達火星の住人は、この技術を使いこの宇宙空間に存在する全ての可能性を拾い上げた。
そして、搾取され苦しむ者たちでEDFに対して、反旗を翻したのだよ」
まあ見てわかる通り、私が半信半疑のEDFがまさかのやらかしようである。
きっとこの情報も、私がこの時点で真実を知りすぎたという名目と発見者は消すという理由で、口を滑らせたに違いない。
さすがに私も死にたくないので、なのはさんと共にネギの後を追って未来送りされる。
未来送りされた先にて、絶望するネギを発見する。
ネギが居ない事で、全世界が魔法を知るという未来は変わらなかった。
これによりネギは主人公だと確信するが、今ここで彼に腕輪を渡すほど私はバカじゃない。
「ネギ。一体どうするつもりだ?」
「……あの……EDFって時空跳躍できるのは、本当なの?」
まあ、いきなりで不躾なのは仕方がないか。
今まで友情・努力・死闘・勝利していたのが、嘘だというような展開だからな。
「ああ。本当だ」
「じゃ、じゃあ……借りたいなあって……」
「駄目だ」
「ですよね」
「しかし、条件によって、貸すこともやぶさかではない」
意外というようなネギの表情に、私は希望を見出させる。
残念ながら私達EDFは、その世界の事は全くしらないしどうでもいい。
結果的にその世界に奴らが住み着き、特殊な技術や特性を身に着け量産化されなければどうでもいいのだ。
だからその世界に手を貸し、全ての分野において総合的に強化されフォーリナーに対抗できればいい。
よってネギ。君にはこちらの都合を盛り込んでお話ししよう。
何、君の命を貸してもらうだけで充分だからさ。
「EDFの一員になる?」
「ああ。私たちはフォーリナーの外的要因による進化を食い止めるべく、世界に進出している。
よって、そのフォーリナーが関係していなければ、私たちは技術的にも関与しない。
たとえ100年後の火星が、EDFに対して喧嘩を売ろうともフォーリナーが増えなければどうでもいいのだ」
「い、一員って、どうやるんですか?」
「例えば今の立場、世界を捨てEDFの隊員になるとか」
こういうとネギは顔面蒼白になる。
つまり、偉大なる魔法使いとか父の背中を追うとか、この世界の教師やら諸々捨ててEDFに所属するというもの。
「そして、たとえばというように、もう一つある」
「!」
俯く顔をがばっと上げて、こっちを見る。
まあ、上げて下げてあげたからな。
「それはなのはさんのように、一時的にこちらに加担するというものだ」
なのはさんはEDFの腕輪を見せる。
「ネギ君、こっちの立場の方が断然楽だと思うよ?私も夏休みを利用して、こうしてバイトに来てるわけだし」
命がけのな。
「9歳の少女がそういっているぞ、10歳のネギ君」
そういうとネギは驚愕した後、気を引き締めて口を開ける。
「ぼ、僕もEDFに参加させてください!」
「ああ、いいよ」
未来の学園は通常業務であるため、授業中である時間帯に誰もいない場所にて腕輪をはめ込ませる。
未来的デザインの意匠である腕輪を見て、目を輝かせるネギ。
まあそんな猶予なぞないわけで……。
<主任。一度戻してもらっていいですか?>
<状況は把握している。どっちに転んでも絶望しかない。よって、正史に戻すため、転移装置の再使用を認めよう!>
<ありがとうございます!>
無線で会話した後、私達三人はEDFに戻る。
EDFに戻ると相変わらずの忙しさと騒がしさ、熱気にこちらが酔いそうだ。
ネギの探求心が刺激されたのか、貪欲に周囲を見てどんな風に動いているのか見ているようだ。
だが時間は待ってくれない。すぐに向かうぞ。
「なのはさん、ネギ君。これより同じ世界線にある世界の過去に転移する。
時間帯はカシオペアで転移した時と同じく、正午に値する。
タイムパラドックスを避けるため、戦場を別途に指定している。
また、再度失敗することも考慮して、行動のタイムスケジュールも作り上げた。
各自確認してくれ」
このスケジュールというよりアルゴリズムは、全て母船が作り上げたものだ。
フォーリナーの技術をほとんど使いまわしているので、人類未踏の領域である計算によって一瞬で作成された。
更に性格面や各人物の性格を取り入れた行動計画を入れてくれているので、お互いの時間軸に干渉しないよう緻密に組まれている。
ただネギ君はその世界において教師であり、事前に行われた大会によって顔が割れている。
そのためある程度自由に活動されるのは織り込み済みだ。
「では行くぞ」
「休憩なしですか!?」
「当然だ」
下手をしなくても半日以上の連続戦闘になるEDFのレンジャーを嘗めない方がいい。
今回は急の事であるため、説明不足は否めない。
まあ説明は学園に行ったときでいいだろう。
とまあ転移して奴らに攻撃を仕向けたのはいい。
実にいい。だがそれ以上の問題がある。
戦闘の都合上、前のネギと私達が未来送りにされてからでないと攻撃ができないという事だ。
そうしなければ、タイムパラドックスによる事象異常が起こってしまう。
更にこの問題を解決するには、以前の私たちが認識しない場所で待機するしかない。
よって超の計画が完遂してしまう可能性が高くなってしまう。
そこでピンポイント時空跳躍を行った。
これは転移する際、条件をはるかに厳密にしたもので電力を食う。
更に私達自身も疲労してしまう。
いや。私はともかくなのはさんやネギ君は、EDFの仕様になじめない子供だ。
よってその疲労が受け継がれたまま、その世界で戦闘してしまう。
しかもカシオペアも連続戦闘により、完全に崩壊してしまった。
一応EDFで解析してもらっているが、時間がかかるという事らしい。
そこは専門家にまかせるが、現状かなり難しい。
そしてもう一つ問題がある。
再三いうが、それは電力だ。
今回のピンポイント跳躍だが、かなり電力を食う。
おかげで二回と三回目の接続準備で使った時、停電と共に跳躍が使用できなくなった。
「ええっ!? 何でですか!?」
「ネギ君。君は大学卒業の首席なんだから、少しくらいわかるだろう?」
この世界線・位相・時空・時間跳躍は、時と場合によって使用電力が大きく異なる。
未来や現在進行中である世界にいくのは、電力的に省エネで済む。
未来は少しかかるがそれくらいだ。
しかし過去。これが問題だ。未来は現在の結果によるものだが、過去は現在の0以下1秒前の世界だ。
さらに今現在でさえ計算方法がわからない、量子の揺らぎがある。
そのため計算のため、電力が多くいる。
つまり、電力は過去・現在・未来の順に必要なのだ。
未来と現在の順番が逆なのは、時と場合による。
位相・世界線・次元の他に、時間経過の差異がある。
これは私が今まで行った世界にあったように、数か月空けていると6年の歳月が経過していたとか。
なのはさんの世界の様に、ほぼ同じ速度で進行していたりとか。
ちなみになのはさんがいうミッドチルダは、未来にあたっていて私達の世界より進行速度が遅かった。
私の主観なのだが、この地球世界の時間軸を中心に過去にあたる世界は加速しており、技術的な意味でも未来に行っている世界の
時間経過は遅いとみている。
今は20XX年。しかしネギ君が居た世界は、199X年代。
更に巨人の世界は、蒸気機関の世界だ。時代の進行が早いのもうなずける。
そして花の世界は数か月空けていたのにも関わらず、一週間程度しか経過していなかった。
あそこは異世界であり、未来なのかもしれない。
最後になのはさんの世界は、200X年代で技術的にもEDFを除けばほぼ同じである。
よって時間的差異は、ほぼないと言えるだろう。
ちなみに現在地球の過去にさかのぼっても、干渉した時点で並行世界となるため介入しても全く意味がない。
だがモノリスの受け渡しにより、世界的ブレイクスルーが発生することになり世界中が混乱し、歴史がおかしくなるだろう。
他にも色々制約があるが、普通に過ごしていれば関係ないことだ。
で、だ。
私たちは今現在、停電により身動きできない状況にある。
そこで私は二人と共に、訓練室に行くことにした。
ああそうだ。今のネギ君は、なのはさんの父親とおなじような感じである。
よってEDFの一員なれど、協力体制を築いている現地民であるという認識だ。
その為主任に報告して、EDFの人事と面会する必要性は皆無である。
まあただの現地民のために、停電させてまで正史に戻す価値があるのかといわれるとない。
しかしそのまま行くと、その世界が結果的にフォーリナーと戦闘するためのモノリスを入手できない世界線になってしまう。
そんな可能性を秘めているため、結局主人公絡みの歴史改変は元に戻さなければならない。
「さて、訓練場に来たが、二人の魔法はどんな風に発生させているか見させてもらう」
「わかりました」
「うん、いいよ」
なのはさんの場合、リンカーコアとかいうもので空気中の魔力を人間が使えるように変異させて使用する。
ネギ君の場合、空気中の魔力を魔法陣と口上に乗せて発動する。
二人の魔法の差異を見ながら、停電の時を稼ぐ事にした。
……
「主任。今回の停電の事ですが……」
「結城殿、心配しなくていい。君は十分によくやっている。だから、何も心配せずやってくるんだ」
「はっ! ありがとうございます」
私は主任に二度以上の連続過去への転移使用について、謝罪しにいった。
我ながら不甲斐ないことをしてしまったと反省している。
なにせ停電によってEDFが批難を受けてしまったからだ。
今回の停電は転移の過剰使用として、国内の電力会社や国民から転移を止めるように言われた。
だが上層部は今回の転移は非常事態による大規模転移であり、国民の皆様には大変申し訳なく思っています、と説明している。
またその言葉の後には、今回の停電に関する舞台裏を話していた。
「作り話だ。気にしなくていいぞ?」
「本当に、申し訳ありません」
ストームチームと元EDF幹部が、頭をひねって結論を出した結果がこれだ。
おかげで過激は以外は、ある程度納得しているようだ。
よかった。本当に。
愚かな国民で、本当によかった。
今回の放送を多目的室のテレビで見ている。
なのはさんやネギ君は、今現在なのはさんの世界へ送っている。
理由の一つとして、停電の復旧作業中は直近の世界へ時間つぶしと見分を広めてもらうためだ。
実際はこの放送や現状を彼らの目に留めさせない事と、外来生物ユーノがネギ君の魔法理論を教えてもらいたいという諸事情も抱えている。
私も二人がやっている間、直近の世界に行って時間を稼ごうかと思う。
「後何時間ほどかかりますか?」
「少なくとも一週間はかかってしまうな」
「それは……」
「気にしなくていい。君はフォーリナーが勢力図の版図を広めない事と技術の向上を防げるよう、頑張ったらいいんだ」
「わかりました。行ってきます」
私は太陽光発電等で発電される非常用電気で、直近の世界を探しそこに行けるように技術技師さんに無線で頼んだ。
「頑張ってくれよ、レンジャー1結城殿」
去り際、主任の声が聞こえた気がした。
私はその世界に行く前に、『制御温室』へ行き杏に実っている果実を握りしめ千切り取る。強引にやるのではなく、枝を抑えてから取った。
おかげで枝を折ることなく取得できた。
この果実を仕舞って、宇宙転移広場へいく。
今回は全くというわけではないが、戦果を取ることはできなかった。
一応敵の部隊を撃破したということで、報酬はあるがとても使えるような額じゃない。
これくらいの額ならば、仕送りに使った方がいいだろう。
というわけで仕送りをした。
この仕送りをしたとき、電子メールの受信項目に一件初めて追加された。
見てみると母親からの無事を祈る手紙だった。
「元気か、か……。ああ、元気だ。皆元気だろう。さ、行こうか」
母親からの電子メールの内容を思い出しながら、次の任務への意気を込める。
「8番がお前の転移場所だ」
「了解した」
武器は変更せず、そのまま行くことにした。
なにせその世界は援護さえすれば、どうにかなる世界だからな。
私が直接手を下さなくてもいい世界。
だが、この果実はなんなのか、聞いてみる必要がある。
さあ技術技師さんが指定した場所に行って、その世界へ行こう。
しかし非常電力で、直近の世界に行けるのは非常に便利だな。
近況報告。U=装備中。AP:2759
ロケラン:
『スティングレイM1―100』
『ボルケーノ3A―64』
U『OゴリアスD2―3』
アサルトライフル:
『AF-14―100』
『AF-15―100』
スナイパーライフル:
U『ライサンダー2―2』
後方支援:
U『ルールオブゴッド―5』
『無差別爆撃支援・効果範囲+10』
フォーリナー:
『マザーシップ―6』(飛行ドローン5―1/飛行ビークル5―1/最大形態変化3)
『アルゴ―1』
『蜘蛛型巨大生物25―14』(『糸の最大射程+』)
『キャリアー・2』
『甲殻巨大生物4.1・黒蟻111-2』
全体改良:
『最大弾数強化―1』
『リロード速度強化―1』
他:
『制御温室』(アプリコット/キンギョソウ/シャボンソウ)
展開が強引だけど、しょうがないね!