ハイスクールD×D 魔王ルシファーの親友はルシファー 作:竜星
ベランダへと移動すると、俺はリアスに一つ聞いてみた。
「リアス。どうしてお前は今回の縁談を拒否してるんだ? ライザーって野郎が、クソみたいな悪魔だからか?」
リアスは嘆息した。
「私は『グレモリー』なのよ。これだけ言えば、同じ悪魔のあなたなら理解できるんじゃない? 私はあくまでもグレモリーの人間で、どこまでいってもその名が付き纏うってこと」
「確かに、それは俺たち悪魔にとって避けられないことだな。けど、嫌ではないんだろ?」
「ええ。誇りにすら感じているわ。けれど、私個人を殺しているものでもある。あなたもそういう意識少なからずあるんじゃない? それとも感じたこともないかしら?」
「いや、その感覚は何となくわかる」
「誰しも私のことをグレモリーのリアスと見るわ。リアス個人として認識してはもらえない。だから人間界での生活は充実していたの。誰も悪魔グレモリーのことなんて知らないものね。皆、私を私として見てくれている。それがたまらなく好きだわ。悪魔の社会ではそれを感じることはできなかったし、これからも感じることなんてできないわ。私が私として充実できるのは、人間界にいる間だけ。でも、あなたは少し違う気がする。悪魔グレモリーとしてではなく、一人の個人――リアスとして見てくれているような気がするわね」
リアスはどこか嬉しそうに笑みを浮かべていた。
「当たり前だ。言っただろ。種族でわざわざ区別する意味なんてないって。それと同じで家として、悪魔としてしか認識する意味もないんだよ。俺はサーゼクスのことも魔王ルシファーではなく、一人の親友サーゼクスとして認識している。悪魔に限らず、この世界は昔からバカばかりなんだよ。誰も個人を見ていない」
「私はそんな風に考えられる世界に生まれたかった。永い命なんていらなかったから、人間に生まれたかったとさえ思うこともある。けれど、やっぱり悪魔グレモリーとしての誇りも捨てられない自分もいる」
そこでリアスは少し間を置く。
「ねえウィル。私の婚約者があなたであれば、よかったと今思うわ。私はグレモリーを抜きとして、私を、リアスを愛してくれるヒトと一緒になりたいの。それが私の小さな夢。……そしてそれがあなたならできる。……残念だけれど、ライザーは私のことをグレモリーのリアスとして見ている。それが嫌なの。それでもグレモリーとしての誇りは大切なものよ。矛盾した想いだけど、それでも私はこの小さな夢を持っていたいわ。それを叶えてくれる人がこんなに近くにいるというのに、届かないなんて本当に残念なことだわ」
リアスの目は少しだけ潤んでいた。涙を溜め、泣き出すんじゃないかという顔をしていた。
この時、俺ははじめてリアスに対して、守ってやりたいという気持ちを抱く。が、それは部外者の俺にはできない。
「リアス。今回、お前の夢は叶わないかもしれない」
「……ええ」
「けどな、諦めるな。それをどうにかする手段、あるかもしれんだろ。諦めたら、絶対に二度と夢を叶えるチャンスは巡ってこない」
らしくもないことを言っている自覚はあった。だが、言わずにはいられない。たとえ、これが気休めに過ぎないとしてもだ。
「ありがと、ウィル。私を慰めてくれて」
「そんなつもりはないが」
クスッと小さく笑うと、「ここまでにしましょうか」と言って、リアスはベランダを後にした。
しばらくして姿が見えなくなると、純白のネグリジェ姿のグレイフィアが現れる。
「ウィル。あの子の話し相手になってくれてありがと。少しでも気持ちを吐き出せて、きっと楽になったと思うわ。だから私からもお礼を言わせてちょうだい」
「別に気にするほどのことじゃない。俺の言いたいことを言ったに過ぎない」
「それでいいのよ。あなたという『王様』は」
☆☆☆☆☆☆
何とか修行最終日の朝まで全員が生き残った。
途中で死にそうになった男が一人いたが、まあそれでも最後まで生き残ったことには変わりない。
「さてイッセー。『赤竜帝の籠手』を発動してみろ」
禁止していた『神器』の使用。最初から今日は使わせると言っていた。
「そうだな。祐斗あたりと戦ってもらおうか。俺が相手してもいいが、さすがにそれだとお前を一方的になぶり倒すだけになりそうだしな。任せていいか?」
祐斗に目配せして確認を取る。
いつもの爽やかなイケメンスマイルを浮かべた祐斗は、木刀を携えて一歩前に出た。
「はい。任せてください。僕が相手をして、イッセー君の実力を測るというわけですね」
「だからと言って手加減する必要はない。これはお前の成長を認識するいい機会でもあるからな。初手で終わらせるくらいの意気込み臨め」
まあ実際問題、今のイッセーと祐斗どちらが強いかと言えば、通常時のままなら間違いなく祐斗が上だ。
――しかし。
「ブースト!」
イッセーはようやく『赤竜帝の籠手』を発動した。
『
宝玉が光って音声と共に、イッセーの中に力が漲っていくのがわかる。しかし、まだ足りない。あの程度なら、祐斗は簡単に倒せる。今のイッセーの限界、それはまだまだ先。
『Boost‼』
その音声が十六回ほど発せられ、同じ回数だけイッセーの能力は『倍増』している。
このあたりが今の限界だろう。
「そこまで」
「いくぞ、『赤竜帝の籠手』!」
『
俺は基本的に戦闘能力の向上に修行を当てていたが、当然イッセーには別のメニューも課していた。でなければ、宝の持ち腐れになる。
イッセーには戦闘能力とは別に、肉体強化と体力増強の二つのメニューも同時進行でさせていた。
正直、イッセーが完全にこなせるとは思っていなかったが、嬉しい誤算というべきか、俺の予想を超えて限界値を伸ばしている。
十回から十二回が限度だと高を括っていたが、今のイッセーは十六回まで『倍増』して見せた。
「じゃあイッセー。祐斗。お前たち、お互いの実力がどれだけ伸ばせたか確認してみろ」
「はい。先輩」
祐斗の構えは相変わらず隙がない。
「じゃあはじめろ」
祐斗が一瞬でイッセーの背後へ回る。そのスピードはもはや今までとは比較にならない。
いくら『騎士』がスピードに秀でているとはいえ、これだけ速いものはそう多くないはずだ。
ほぼゼロ距離からの祐斗の一撃。それをイッセーは腕で完全にガードする。
まあ、この辺りまでは予想の範囲内。だが、祐斗にとっては予想外だろう。
初日こそ祐斗と白音にも見学させたが、それからは俺以外にイッセーの修行を目にしていない。祐斗の神速にイッセーが反応できていることに、間違いなく驚愕しているはずだ。
「っ! やるね、イッセー君。僕もかなりスピード上げてるんだけど、それに簡単に反応してくるとはね」
「当然だ! こちとらウィル先輩のあり得ないスピードとパワー相手に、毎日半殺しにされてきたんだからな! いくら速くても、ウィル先輩よりは遅いからな。反応できて当然だ!」
「なるほどね」
「次は、こっちの番だ!」
イッセーが力の限りの拳を放つ。
しかし攻撃は完全に空を切る。祐斗はイッセーの上へと移動し、次の攻撃に転じていた。それにイッセーはまだ気づいていない。
少し遅れて気付くものの、すでに回避するには遅すぎた。祐斗の一撃はイッセーの頭部を痛烈に捉える。
「痛っ……!」
そうイッセーは呻くものの、すでに次の攻撃に転じた。
蹴りが祐斗の脇を捉え、吹っ飛ばす。木刀でガードしたものの、勢いを殺しきれずにいた。
これでイッセーも自分の近接戦の成長には気づくことができただろう。今までなら、祐斗に一撃も入れることはできなかった。
しかし今回。ガードこそされたものの、祐斗を吹っ飛ばした。
「まあ。これくらいやってもらわないとな。仮にも赤い龍の帝王を身に宿すもの――当代の『赤龍帝』なんだからな」
祐斗とイッセーの攻防はまだ続いている。だが、経験の差がじょじょに出はじめ、祐斗にイッセーが押される状況になりつつあった。
「イッセー。そろそろ魔力の一撃を撃ってみろ! 魔力を出す時、お前が一番イメージしやすい形で撃て!」
そう言うと、イッセーが指示に従って魔力の塊を出現させた。しかし、お世辞にも大きいと言えるほどの塊ではない。米粒程度の小さいもの。
「この一撃を喰らえ、木場ぁっ! いっけえええええええぇぇぇぇぇぇぇっ!」
米粒だったものが、どでかい塊となって祐斗めがけて放たれる。
今の祐斗がどう対処するかと期待してみていた俺だったが、危険と判断したのかすぐさま回避行動を取った。まあ、これが正解だ。
あのまま受け止めていれば、祐斗は大ダメージを受けていたのは間違いない。
魔力の塊は勢いを殺すことなく、別荘のあるこの山から少し離れた別の山へと迫っていた。
ドッゴォオオオオオオオオオオオオオンッッ!
爆風と爆音を撒き散らしながら、山一つを軽々とイッセーの魔力は消し飛ばした。そこに生息していた動植物もろとも。
『
音声が発せられ、イッセーの力は元通りとなった。
「まあ、こんなもんでいいか。祐斗、イッセー。どうだった? 自分の力が伸びていることを実感できたか?」
「はい。先輩に言われた通り、手加減なしに初手で終わらせるつもりで言ったんですけど、最後まで決めきることができませんでした。でも、先輩の攻撃を毎日受けていれば当然ですね。僕もまだまだということですね」
「イッセーの評価はわかった。お前自身、成長を実感できたか?」
俺はイッセーのことよりも先に、それを聞きたかった。イッセーもそうだが、『騎士』の祐斗も俺は白音にも優先して伸ばしたつもりだ。
「はい。実感できてます。まあ、僕の成長よりも、イッセー君の成長を実感させられましたけど」
「まあな。毎日半殺しまで追い込んだんだ。成長してもらわないと困る。イッセー。お前はどうだ?」
「木場を相手に、ここまで善戦できるとは思ってなかったです」
「そうか。けど忘れるな、イッセー。そのお前の持つ武器を生かすなら、成長し続けなければならない。ここにいる誰よりも努力し、進化し続けろ」
「はい」
「とは言っても、イッセー。最後の一撃、あれはよかった。あの攻撃は上級悪魔クラスの力はあった。たいていの相手は、あの一撃で終わらせることができるはずだ」
「……っ!?」
俺の言葉に驚いているイッセーだが、それだけじゃない。
「けど、あくまでたいていの相手だ。お前らが戦うのは、死んでも炎から蘇ると謳われる不死鳥――フェニックス。その一撃で一回は倒せても、その後をどうするかだ。相手はまた強化されるまで待ってはくれないだろう。強くなったからと言って浮かれるな」
「了解です、ウィル先輩」
「さて、他の連中も自分の成長を試したいかもしれんが、それは実戦の中でしてくるといい。思う存分、不死鳥にお前たちの力をぶつけてこい。お前たちが勝つのを期待している」
「任せて。この戦い、絶対に負けられないもの」
自分の人生がかかっているだけあり、リアスのやる気は他の誰よりも勝っている。
これは案外楽しい戦いが見れるかもしれない。が、不死鳥を攻略する手立て、果たしてリアスにあるのだろうか。それだけが気がかりだ。
☆☆☆☆☆☆
「さて、と。そろそろか」
俺は自宅リビングにある時計を確認する。
夜の十時。リアスとライザーのレーティングゲームまで二時間。激励にでも行ってやるか。
「お前たちはどうする? グレイフィア、シバ」
黒歌と白音の参戦は決定していることだが、グレイフィアとシバは違う。ここに残るという選択肢もあった。
「ついていくわ」
「ウィルフレッド様のお供をします」
「そうか」
これから決戦。
リビングには黒歌と白音もいる。二人はそれぞれ黒と白の和服を着ていた。が、白音がきっちりと着こなしているの対し、黒歌はかなり着崩している。
「ねえウィルちゃん。少し甘えさせてほしいにゃ♪ これから私たち戦いに臨むんだから」
「そうです。甘えさせてください」
言ってソファに座る俺に体を擦り寄らせてくる猫姉妹。
「にゃ~♪」
いつものように白音は俺の膝の上に座り、黒歌は背後から抱きついてたわわな胸を押し付けてくる。これは甘えるというより、誘惑されているような気がしてならなかった。
「ウィルちゃん。私たちが最後まで生き残って、リアスちゃんを勝利させたらご褒美が欲しいにゃ」
「褒美?」
「うんうん♪ そ、ご褒美にゃ♪」
「言ってみろ」
妖しくペロッと舌を出すと、黒歌は上唇を舐めた。
「私、ウィルちゃんの子供が欲しいにゃ♪」
「……はっ!?」
「だ・か・ら。私はウィルちゃんの子供が欲しいにゃ。子作りして欲しいにゃ」
予想外の要望。
「あら黒歌。いつからそんな冗談を言うようになったのかしら」
少し離れた場所では、グレイフィアが凄い怖い笑顔を浮かべている。
「グレイフィアだからって、これだけは譲らないにゃ! ウィルちゃんの最初の子供は私と作るにゃ」
「そんなこと、私が許すとでも思っているの」
「思ってないにゃ。でも、譲れないものは、譲れないにゃ!」
俺をよそに黒歌とグレイフィアが言い争いをはじめている。
膝の上に座する我が家のマスコット的存在でもある白音は、俺の手を自分の頭の上に置かせて撫でさせていた。なんというか、気持ちよさそうにしている。
けど、この状況をどうにかしてくれませんか……。まあ、グレイフィアを止めるのは、我が家の誰にもできないことだとは承知している。
そのグレイフィアと言い争いをはじめた黒歌の度胸を、俺は賞賛したい。正直、俺だったら即降参している。だって、凄い怖いんだって。マジで実力が上だろうと、殺されるんじゃないかって思えてしまうほどだ。
二人の間で散っている火花を、どうにかして納めることはできないものか。と思ってシバに視線を配ると、あからさまに背けられた。
「本当にどうしようか……。なあ白音。これ、止められない?」
「無理です。姉さんはともかく、グレイフィアさんを止めることは私にはできません」
「黒歌が止まれば、グレイフィアも納まるんじゃないか?」
「私にはわかりません。それに、こういう時こそ『王』としての器が試されるんじゃないですか?」
「それを言わないでくれ……。正直、あの二人を止められる気はしない。けど、やるしかないよな」
「そうですね」
俺は白音の頭を撫でながらも、面倒なことに突っ込んでいくことに対して大きなため息を吐く。
「おい黒歌、グレイフィア。それくらいにしたらどうだ? それと褒美の件だが、子供ってのは無理だ。だから別のものにしてくれ」
「そんな!?」
黒歌は本気だったようで、凄いショックを受けていた。目には涙まで溜めている。
「まあ、そういうことだ。白音、お前も何か考えておけ。とは言っても、お前たちが最後まで生き残り、リアスがゲームに勝つことが条件だ。そんなに簡単なことじゃない」
「……」
勝つのを前提に言っていた黒歌だったが、改めて口にされて考えの甘さを理解したのか黙り込む。それは白音も同じだ。
「並の悪魔程度なら、お前たちが正面から挑めば勝つことはできるはずだ。それくらいの実力があることはわかってる。けど、お前たちが今回戦うのは不死鳥――フェニックスだ」
「不死の存在を侮ると命取りになるわよ。それにあなたたちはウィルの眷属なのだから、最後まで生き残ることは使命と言ってもいいわ。真の魔王の直系たるルシファー眷属としての自覚を持って臨みなさい」
個人の意見としても、眷属が弱いと思われるのは正直耐え難いことではある。が、そこまでの自覚を持てとはさすがに言えない。
気楽にやるのが一番だ。気負いすぎれば、本来の力を発揮することなく負けることもある。
「まあ頑張りすぎないように楽しんで来い」
とは言っても、リアスにとっては人生のかかっているゲームだ。黒歌たちもそれがわかっている以上、純粋に楽しむことはできないだろう。
「時間が迫ってる。部室に移動するか」
「そうね」
俺たちは魔方陣を展開して部室へと移動する。
リアス眷属はすでに全員が揃っていた。一様に駒王学園の制服姿だが、アーシア嬢ちゃん一人だけシスター服に袖を通している。
一番気合いの入る制服を選んだ結果だろう。それは俺の眷属である猫姉妹も同様だ。
しばらくの間、部室で待機していた俺たちだったが、開始十分前になって魔方陣からリーシアが現れる。
「皆さん、準備はおすみになられましたか? 開始十分前です」
座っていたリアスたちが席から立ち上がった。
「開始時間になりましたら、ここの魔方陣から戦闘フィールドへ参加者の皆さんは転送されます。ウィルフレッド様はじめ三名は、別の魔方陣からVIPルームへと転送させていただきます。場所は異空間に作られた戦闘用の世界。そこではどんな派手なことをしても構いません。使い捨ての空間なので思う存分にどうぞ」
さらにリーシアは続ける。
「今回の『レーティングゲーム』は両家の皆様も他の場所から中継でフィールドでの戦闘をご覧になります」
まあ当然だな。このゲームで婚約の成否が決まるといった重要なものだ。その行く末が気にならないはずがない。両家の人間が感染するのは当然のことだ。
「さらにウィルフレッド様の向かわれるVIPルームでは、魔王ルシファー様も今回の一戦を拝見されておられます。それをお忘れなきように」
俺を呼びつけてまで、足を運んでくる魔王に問い質したいことがある。
兄だから観戦するのは当然だが、リアスはかなり驚いていた。
「お兄様が? ……そう、お兄様が直接見られるのね」
知らされていなかったとは意外だ。
まあ、はじまる何日もそのことで緊張されても困ると考えたのかもしれない。だが、それなら今言っても同じような気がする。
サーゼクスやリーシアの思惑が俺には理解できなかった。
「あ、あの、いま、部長が魔王様のことをお兄様って……。俺の聞き間違いでしょうか?」
「いや、リアスの兄は魔王だ。そんでもって俺の親友でもある」
どうでもいい使い情報を与えておいてやる。
「マジっすか!? 部長のお兄さんって魔王なんですか!? それにウィル先輩の親友って、どういうことですか!」
「まあ昔、いろいろとあったんだよ。殺しあったこともあったな」
その情報に驚く一同。驚いているのは親友だったということより、殺しあったことがあるということに対してだろう。
まあ当時のことを知るグレイフィアとリーシアは、まったく動じてないが。
「あなたがまだ、真面目な悪魔をしていた頃の話ね。あの頃のままいてくれればよかったのに」
小さな声で呟いたグレイフィアだったが、ちゃんと耳に届いてるからな。まあ言い返したら、怖いから何も言わないけど。
「部長のファミリーネームと魔王様方のお名前が違うから、混乱してたりする?」
「ああ、まあな」
「先の大戦で魔王様は致命傷になられてね、すでに亡くなられたんだよ。しかし魔王なくして悪魔はあり得ない。そこで――」
「まだ悪魔の中じゃ若造だったが、すでに当時最強だった四人の悪魔に名前を継承させた。今じゃ、四大魔王の名はただの役職名だ」
それを快く思ってない連中も、かつての四大魔王の一族の中にはいた。いまだに何か企んでるんだろうな。馬鹿らしい。
「正直言うと、神陣営、堕天使の組織、悪魔、この三すくみのうちで現在一番力を持ってないのは悪魔なんだよ。結構、危ない状況なんだけど、現魔王様が先代魔王様に負けず劣らずなんでどうにか保っているんだ」
「じゃあ、最上級悪魔として部長のお兄さんが魔王に選ばれたわけか?」
「そういうこった。サーゼクス・ルシファー――。『
まあ実際には、俺とサーゼクスの決着は着いてないんだが。いつかはサーゼクスとの決着を着けたいとは思っているが、あいつが魔王を引退するまでお預けかもな。
「……だから、部長は家を継がないといけないのか」
「そろそろ時間です。皆様、魔方陣の方へ。ウィルフレッド様たちはそちらの魔方陣へ」
言われて急に目の前に魔方陣が展開される。
「なお、一度移動されますと終了まで魔方陣での転移は不可能となります」
その言葉を聞いて、グレモリー眷属と俺たちは魔方陣の光に包まれた。
第10話です。
まあ何とかフェニックス編終了までは順調に行きそうな予感はしています。
でももう少しオリジナル要素なり入れたいという気持ちもあります。あまりに原作に則った感が否めません。
入れすぎても、今度は話がいろいろと辻褄合わせなどできず、崩壊しそうな気もしてバランスの取り方が未だにつかめていません。
本編についてですが、この話では修行らしい修行をさせられませんでした。させようと思ったのですが、修行ばかりだとくどくなるかもしれないと思い、バッサリ切りました。
ハーレムとタグに入れてますが、今のところその要素が薄い気がしてならないので、もう少し関係などの掘り下げをしつつも、ハーレム感を出していきたいと思います。
次のレイティングゲームも視点は基本的に主人公なので、大幅カットになりそうです。サーゼクスとの会話がメインとなるはずです。そのまま最後までいくかもしれないです。
次回の投稿予定は4月13日土曜日の朝7時です。