超次元ゲイムネプテューヌ戦記 Re;Birth1 作:rivy
故郷から出てきてもうどのくらい経っただろうか。
セントラルパークから出発し、それほど時間も経たないうちに見つけた洞窟の入り口。
具体的な道を聞いたわけではないが、ケイトおばちゃんは「真っすぐ行けば着くわ」と言っていたから、この洞窟を抜ければきっと目的地、アラド大陸に辿り着けるだろう。
「はぁ……いつになったらこの洞窟を抜けられるんだろう」
しかし、わたしはいまだ洞窟を抜けることができていなかった。
簡単な旅じゃないとは思っていたけど、まさか旅の第一歩の、アラド大陸に着くことすらできていないなんて。
しかもこの洞窟、薄暗くて視界が確保しにくいのも歩みが遅い一因。こんなことなら松明でも準備してから来るんだった。
洞窟の天井は、光を漏らすような穴も一切ないらしく、現時刻が昼なのか、夕方なのか、はたまた夜なのかすらわからない。
とにかく、時間がわからなくなるほど歩き回ったのは事実。つまり――
「疲れた。眠い。もう動きたくない……」
よく考えてみれば、全部ケイトおばちゃんが悪いのではないだろうか? アラドまでの距離だって、こんな洞窟があることだって教えてくれなかったし。ケイトおばちゃんめ……
でも過ぎたことを愚痴っても仕方がない。こんなところで野宿ってのも気が引けるけど、眠気には勝てないし、何かあったときに対処できそうにない。
おあつらえ向きに、窪んでいてある程度は身を隠せそうな壁もあって、休むことはできそうだ。
そんなわけで、わたしの旅の一日目は、あまり進展がないまま終わったのであった。
――――――――
「ねぷぅ!?」
「!?」
翌日、いや厳密には翌日なのかどうかわからないんだけど、とりあえず寝て起きたから翌日。
目が覚めた……というか甲高く短い悲鳴によって強制的に起こされた。
何事かと思い周囲を見渡すと、少し離れたところからこっちに近づいてくる炎と、声を上げる二つの人影。
「ねぷねぷ、大丈夫ですか?」
そう言って手を差し伸べるクリーム色の髪の女の子と、
「もう、だから一人で先に進んじゃ危ないって言ったのに」
少し呆れたような目で見ている茶髪の、妙に袖の長いコートを着た女の子。そして、
「ごめんごめん、ちょっとテンションが上がっちゃってー」
おそらく転んで悲鳴をあげたのだろう、差し出された手を取り立ち上がる紫髪の女の子。
どうにもこの場にはそぐわなさそうな三人組だが、そんなことはどうでもいい。大事なのは……
「人だー!!」
「わひゃあ!」
そう、ようやく人を見つけられたこと!
まるでこの洞窟のようにお先真っ暗だったけど、これでやっとなんとかなりそう。
あ、でもとりあえず。
「急に大きな声を出してごめんなさい……」
「びっくりしたですぅ……」
「ちょっとこの洞窟で迷って困ってて、人に出会えたのが嬉しくて」
そう言いつつ、三人のもとへ近づく。
一応、敵意が無いことのアピールのため、両手を挙げつつ。
だんだんと距離が縮まり、松明の明かりによってわたしの姿が見えるようになったのだろう、茶髪の人が一言。
「あら、ちっちゃい子」