超次元ゲイムネプテューヌ戦記 Re;Birth1   作:rivy

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第三話 奥の手

「ミミ、あんたなかなか面白い戦い方するのね」

「ふっふーん、魔法と体術を組み合わせたまったく新しい戦闘術ですよー。とは言っても……」

 

 そこでチラ、とコンパちゃんの方を見る。そう、あろうことか、超巨大な注射器を武器に戦っているではないか。あのほんわかした見た目で! あのド天然な言動で! 一応、中の液体は人体に影響はないって言うけど、それにしたって内容量が……

 それはともかく、道中聞いた話によると、この洞窟は魔窟という最近発見された洞窟らしく、三人はここの調査のクエストを受けて来たらしい。

 しかもその発見のきっかけは、なんともまあ信じられないような出来事の積み重ねで。

 ネプちゃんが空から降ってきて、頭から地面に突き刺さる。それをコンパちゃんが目撃し、救出。その後二人で記憶喪失の手がかりを探しに、突き刺さったところに行ったところ、穴に亀裂が入り、地面が割れ、魔窟へと落ちた、と。

 最初がどう考えてもおかしいよ! 空から降ってきて地面に突き刺さるって……よくまあ記憶喪失だけで済んだものだよ。

 そうそう、ネプテューヌちゃんと呼ぶのは面倒だし、噛んでしまいそうなのでネプちゃんと呼ぶことにしました。と言うか実際呼ぼうとしたときに噛んだので。

 

 さて、そんな感じでモンスターの調査、討伐をしつつ先へと進んでいくと、ネプちゃんが何かを見つけたようで、わたしたちに見せに来た。

 

「ねぇねぇ、何かこんなの拾ったんだけどさ」

「……ディスク、のようね。ネプ子、こんなのどこで拾ってきたのよ」

「あっれー? そういえば前話からいつの間にかあいちゃんにネプ子って呼ばれてる気が……」

「そんな細かいことはいいじゃない。で、どこにあったの?」

「細かいこと……まあいっか。これはあっちの壁に飾られてたよ」

 

 と、ネプちゃんは壁の方を指さしながら言う。しかし、

 

「壁にこのディスクが? 本当かしら……」

「ねぷっ!? 酷いよあいちゃん! 長年の付き合いの私を疑うなんて……!」

「ねぷねぷを疑うなんて、あいちゃん酷いですぅ」

「そーだそーだ。あいちゃんのくせに愛がないぞー」

「三人して悪ノリしないの。だいたい、出会ったのもついさっきじゃない」

「一緒にいる時間は短くとも、私たちの間には見えない絆が!」

「あーはいはい。ま、ネプ子が適当な嘘をつくようなキャラじゃないのはわかってるしね。信じてあげるわ」

 

 そんなこんなで一段落したところで、今度は当然のように湧いてくる疑問。何故ディスクがこんな洞窟に飾られていたのか?

 わたしたちがそのことについて話始めようとしたそのとき。

 突然、ディスクから眩い光が!

 

「な、何が起こってるんですか!?」

「わからないわ! わたしだってこんなこと初めてよ!」

 

 ディスクから湧き出る光は数秒もたてば収まったが、その場には。

 

「モンスター!? みんな、構えて!」

 

 突然のことに驚いたけど、そこは流石のあいちゃん。旅をしているだけあって、態勢をすぐに立て直し、わたしたちに号令をかける。

 幸いにも、そのモンスターたちはこの洞窟にいたモンスターと同じで、ほとんど被害もなく撃破することができた。

 

「び、びっくりしたぁ。この世界のモンスターってディスクから生まれるんだね」

「それは知らなかったなー。あいちゃんも教えてくれればよかったのにー」

「そんなこと言われても、わたしも知らなかったわよ……というかディスクからモンスターが生まれるなんて誰も……」

「どうしたですか? あいちゃん」

 

 急に言葉を止め、考え込むあいちゃん。そして、少し経ってから顔を上げ、

 

「そうよ、大量発生の原因はこれだったのよ! この大きさのディスクなら目立たないし、見つかったとしても、直接モンスターが出てくるのを見たりしなければ、誰もこのディスクからモンスターが出てくるなんて思いもしないわ」

「それでモンスターの増加がいつまでも止まらなくて……なるほど、これは大発見です!」

 

 魔窟の調査に来て、思わぬ収穫に沸くわたしたち。しかし、そんな空気を一瞬で吹き飛ばす高笑いが、わたしたちの耳に入ってくる。

 

「ハーハッハッハッハッハ!」

「うわー、今時こんな高笑いする人存在したんだ」

「姿を見せる前から茶々をいれるんじゃない!」

 

 登場シーンを邪魔されたせいか、少し不機嫌そうな顔で現れる謎の人物。

 

「まったく、ガーディアンの反応が消滅して何事かと思い来てみれば、いきなりおちょくられるとは……それはともかくネプテューヌ、こんなところで貴様と会えるとはな」

 

 その謎の人物は良く言えば妖艶、悪く言えば年齢にそぐわなそうな恰好をしたおばさん。いや、ちょっとメイクが濃いだけでそこまで歳は取ってないかも? というかその魔女帽子に黒基調の服装、わたしと被ってるんですけどー。私はあんなに肌を露出したりはしてないけどね?

 まあそれはいいとして、お相手さんはネプちゃんのことを知っている様子。なんだろう、親戚のおばさんとかかな?

 

「? ねぷねぷ、知り合いなんですか?」

「まっさかー。さすがの私でもこんな悪趣味なメイクのおばさんと知り合いな訳ないってー」

 

 あぁそうだった、ネプちゃん記憶喪失だった。記憶があったとしても知ってたのかどうかはわからないけど。

 

「それは良かったです。こんな悪趣味なメイクの人と知り合いだったら、ちょっと人付き合いを疑っちゃうです」

「そうね。あんな悪趣味なメイクの人と付き合いがあったらわたしでもドン引きだわ」

「だよねー。で、おばさん誰?」

 

 おぉ、みんなして煽る煽る。コンパちゃんは無自覚に煽ってそうだけど、あいちゃんはわざとだろうなぁ。

 

「ええい、好き勝手言いおって! もういい、四人まとめて葬ってやる!」

「えぇー、わたしまで?」

「貴様はいの一番におちょくってきたではないか!」

「いや、あれは正直な感想を言っただけで……」

「それはそれでたち悪いわ!」

 

 言い終わるやいなや、わたしたちに向けて槍を振るう。

 その槍は速く、そして鋭く、避けることなどできずに、わたしたちは瀕死の状態にさせられた。

 

「どういうことこれ!? もしかしてこれが噂に聞く負けイベントってやつ!?」

「動くこともできなかったし、多分そうだと思うです」

「いかにも魔法使いっぽいのに槍で一撃だなんて……人は見かけによらないわね」

 

 緊張感も何もなく、メタネタをぶちかます二人だが、二人とも余裕そうなのは声だけで、深手を負ったのは一目でわかる。そしてそんな二人にツッコミを入れる余裕すら、わたしにもあいちゃんにも無い。これ結構ピンチだよねぇ……

 

「ふん、さんざん煽っておいて手も足も出んとはな……ん? これは」

 

 謎のおばさんの視線がネプちゃんの近くの地面に向けられ、静止する。その視線を辿り、同じところを見てみると、奇妙な形の金属がそこに落ちていた。

 

「ほぅ、やはりガーディアンを倒したのは貴様だったか。この鍵の欠片は返してもらうぞ」

「あー! それは私とこんぱが頑張って手に入れたのに! 返せー!」

「黙れ! 先に見つけたのは私だ!」

 

 鍵の欠片を奪い返そうとネプちゃんが這いよるも、声とはうらはらに動作は遅く、おばさんに簡単にあしらわれてしまっている。

 

「さて、遊びは終わりだ。ネプテューヌ、私の悲願の達成のために貴様の力、貰うとしよう!」

「ねぷねぷを……返すです!」

「何っ!?」

 

 おばさんがネプちゃんに集中している隙に、いつの間にか走れるくらいにまで自分の応急処置を済ませていたコンパちゃん。回復するやいなやダッシュで駆け寄り、おばさんとネプちゃんの間に割って入ることはできたが、

 

「きゃああああぁぁ!」

「こんぱ!」

 

 おばさんに掴まれ、悲鳴を上げるコンパちゃん。

 

「大丈夫!? コンパちゃん!」

「あ、あれ? 痛みがないです……」

「え? じゃあいったい何をされたのよ?」

「貴様……よくも邪魔しおってです!」

 

 ……です?

 

「コンパちゃんが言うのはいいけど、その見た目で語尾にですはちょっと……」

「ちょっと無理があるわよね」

「好きでつけてるわけではないです! ええい、力をコピーして語尾がうつるとはどういうことなのだです!」

「わたしに言われてもわからないですよぉ」

「くっ……もう一度だ! 今度こそネプテューヌの力を私のものにですぅ!」

「そうはさせないわよ!」

 

 ネプちゃんの力をコピーしようと腕を伸ばす、が、その腕は今度は、会話中に回復していたあいちゃんによって阻まれた。

 

「語尾だけならまだしも、小娘ごときに止められるほど弱体化してしまうとは。だが、貴様らにはこれでも充分ですぅ!」

「おっと、それならもう簡単にやられはしないよ! 変身!」

 

 ネプちゃんの声と共に、立ち昇る光の柱。光が消え、その中心に立っていたのは、さっきまでのお気楽天真爛漫な少女ではなく、精悍で大人びた姿の女性だった。

 

「さあ、反撃開始よ。こんぱ、あいちゃん、ミミちゃん!」

「え、これネプちゃん!? ネプちゃん変身なんて出来たの?」

「ええ。いーすんが言うにはメガ身化? らしいけれど」

「鍵の欠片だとかいーすんだとか、果てはメガミカとかもうなんだかわけがわからないけど……ネプちゃんが本気を出すならわたしもー」

 

 疲れるから普段はあまり使ってなかったんだけど、今そんな出し惜しみをしてる場合じゃない。弱体化なんていうチャンス、逃すわけにはいかないしねー!

 

「テアナー、メイクアーップ!」





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