問題児達と亡霊の姫君《ゴースト・プリンセス》   作:NI☆WA☆KA

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 こんにちは最近、問題児シリーズを三巻ほど買って現在1巻を読み出したNI☆WA☆KAです。

 こんなニワカ知識の作者ですが読んでくれると幸いです。



第1話 亡霊の姫君は問題児達に激怒する。

 先程まで不安そうにしていたローブを着た少年の背中を、ゴシック風のドレスに青白い肌をした白髪の少女が高笑いしながら叩いた。

 

「大丈夫だってきにすんじゃないよ!」

 

「え、あ!?」

 

「それに、そんなしけた面してたら相手さんを不安にするだけってもんさ、むしろ明るく出迎えてやりなって」

 

 少女のその言葉に少年はハッとした顔になる。

 

 先程まで彼は自身の所属しているコミュニティの安否に不安を覚え、気付いたら沈んでしまっていた。

 

 そして今は後ろ向きに考えるのは良くないのだ。

 

 今は自分を支えてくれている黒いウサ耳をした少女が、連れてくるだろう人達を加入できるか否かで自身のコミュニティの行先が決まるのだ。

 

 そしてそんな時に自分が弱気になってどうすると、少年は改めて気を引き締め、少女に向かって頭を下げる。

 

「ペッカートゥムさん! あ、ありがとうございます!」

 

「アッハッハッハッ気にしするこったあないよ! あたしはあたしのやりたいようにやっただけさね!」

 

 そしてそんな少年にペッカートゥムと呼ばれた少女は高笑いしながら、バシバシと少年の背中を叩いた。

 

「ジンぼっちゃ〜〜ん。新しい方々を連れてきましたよ」

 

 少年の名前を呼ぶ声を聞いてジンと呼ばれた少年とペッカートゥムは声のした方向を見る。

 

 そこには黒いウサ耳の少女が二人の女性を連れて駆け寄って来ていた。

 

「おかえり黒ウサギ。所で、その女性の御二人が?」

 

「はい! こちらの御三人様が⋯⋯」

 

 黒ウサギと呼ばれた少女は楽しそうに言いながら、振り向くと目を丸くして固まる。

 

「え、あれ? おかしいですね〜〜! 確か金髪の明らかに俺問題児的な雰囲気の男性のかたが〜〜」

 

「ああ、彼なら〝ちょっと世界の果てを見てくるぜ〟て言ってあっちに行ったわよ?」

 

 そんな中、黒髪の少女が箱庭の入り口とは真逆の方向を指さす。

 

「ちょ、何でおしえてくれなかったんですか!」

 

「黒ウサギには言うなよって言われたから」

 

 黒ウサギの問いかけに茶髪の少女が答える。

 

「う、嘘です! 本当はたんに面倒くさかったからでしょう!」

 

「「うん!」」

 

 二人は息が合ったように声を合わせて頷く。

 

 そんな二人に黒ウサギは両膝と手を血につけて愕然となる。

 

「た、大変です! 〝世界の果て〟にはギフトゲームの為に野放しにされている幻獣が!」

 

 そんな中、ジンが顔を青ざめて取り乱したようにそう答える。

 

「幻獣?」

 

「は、はい!幻獣と言うのはギフトを持った獣を指す言葉で、〝特に世界の果て〟付近にはとくに強力なギフトを持ったものがいます。出くわせば人間では太刀打ちなど出来ません!」」

 

「あら? それなら彼はもうゲームオーバー何かしら?」

 

「参加する前にゲームオーバー⋯⋯斬新?」

 

「巫山戯てる場合じゃ────っ!」

 

 その瞬間、その場の空気が凍り付いた。

 

「ねぇアンタら、今自分がどれだけ酷い事を口にしてるか分かってる?」

 

 凍てつく空気の中をただならぬ気配を放つ白髪の少女が、その黒曜石のような黒い瞳で二人の少女達を見詰めながら問いかける。

 

「え、あ、その⋯⋯」

 

「世の中には生きたくても生きられない子も、産まれたくても産まれる事が出来なかった子達だってたくさんいるんだ。だから私は命をかろんじた行為や考えが大っ嫌いなのさ」

 

 彼女はそう言うと息を深く吸い込みそして、

 

「分かったら二度と命を軽く見る様な言うんじゃないよ!」

 

 少女は目をカッと見開き大声で怒鳴り声を上げる。

 

 ジンや黒ウサギを含む二人の少女達などはその一言にすくみ上がる。

 

 そして、怒鳴り声を上げたペッカートゥムはハッとした顔をすると軽く咳払いをする。

 

「⋯⋯あー悪い。ついカッとなって怒鳴っちまった。悪い」

 

「い、いえ⋯⋯こちらこそ軽率な事を口にしたわごめんなさい」

 

「⋯⋯私もごめんなさい」

 

『あっしからも御二人を許してくだせぇや姉御』

 

 二人の少女はそう言って頭を下げる。最後に猫から姉御と呼ばれた事には少女は苦笑いを浮かべるが、直ぐに気を引き締めて黒ウサギを見る。

 

「黒ウサギ、こいつらはあたし達にまかせな、そんでもってあんたはその小僧をとっとと連れてきな!」

 

「⋯⋯YES! 分かっております!」

 

 そう言った黒ウサギはすぐさま髪が淡い緋色に変色する。

 

 そして外門目掛けて高く飛び上がって脇の彫像を次々と掛けた上がり、外門の柱に水平に張り付く。

 

「それでは、一刻程で戻ります! ペッカートゥムさんとジン坊ちゃん後の事はおまかせ致します!」

 

 そして柱に亀裂を入れるくらいに全力で跳躍して、弾丸のように飛び去った。

 

「⋯⋯箱庭のウサギは随分早く飛べるのね。まぁ先程の出来事を見てるから余り驚けないけれども」

 

 少女の言葉にペッカートゥムは乾いた笑を浮かべる。

 

 ジンもこればかりは否定出来ないので苦笑した。

 

「まぁ確かにペッカートゥムさんの実力は今まで見た事もありませんから分かりかねますし、あのようなペッカートゥムさん今回初めて見ましたからどうも言えませんが、黒ウサギでしたらウサギ達は箱庭の創造者の眷属ですので、力もそうですが、様々なギフトの他に特殊な権限を持ち合わせた貴種ですから当然ではありますね」

 

 そう、と先程の激怒した彼女を思い出して引きつった笑を浮かべながら少女はそう呟くとジン達に向き直る。

 

「それで黒ウサギは貴方達に後は任せると言ってたみたいだからエスコートは貴方達がして下さるのかしら?」

 

「え、あ、はい。コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。齢十一の身ですがよろしくお願いします」

 

「同じくコミュニティに所属しているペッカートゥム・オリギナーレだ! 宜しくねお嬢ちゃん達」

 

「そう、私は久遠飛鳥よ宜しくね、それでこちらの猫を抱えてるのが」

 

「春日部耀」

 

 こうして全員が自己紹介を終えた。

 

「それじゃあさっそく向かうとしようじゃないか! まずはそうだねぇ。軽く軽食でもしながら話をするとしようじゃないか!」

 

 ペッカートゥムは満面の笑みを浮かべてジン達と共に箱庭の外門を潜るのだった。

 

 

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