GATE~ヴァンツァー、彼の地にて、斯く戦えり~   作:のんびり日和

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15話

アルヌスの丘から飛び立った第4戦闘強襲団と海兵隊、そして2機のヴァンツァー。彼らはイタリカを襲っている盗賊団を撃滅すべく向かっていた。

 

第4戦闘強襲団を指揮している健軍の後ろでは用賀が伊丹達と無線をとっていた。

 

『401。此方3Rec、送れ』

 

「此方401、コールサイン<ワルキューレリーダー>、送れ」

 

『報告する、既にイタリカの東門付近で戦闘が開始された模様。繰り返す、敵は東門。目標は発色信号で知らせる。送れ』

 

「了解。我々は朝日を背に突入する。到着まであと5分、交信終了」

 

通信を終えた用賀は前に居た健軍に報告をする。

 

「一佐、伊丹から報告です。既に東門にて戦闘が開始されている模様です」

 

「うむ。全機10時の方向、攻撃態勢に入れ! 朝日を背に突入する!」

 

その指示が出されると、ヘリは機首を曲げ朝日を背に飛行する。

 

「後は用賀に任せる。音楽を鳴らせ!」

 

健軍の指示の元、コンポに電源が流れ音楽が流れ始めた。流れ出したのは【ワルキューレの騎行】映画で一躍有名となりヘリボーンとなれば定番となった曲である。

その音楽のリズムに乗る様に隊員達は鉄帽を下に敷き急所を守ったり、64式を軽く振ったりとリズムに乗る。

海兵隊側も同様にリズムをとったりと、今から始まる作戦を今か今かと待っていた。

 

『ワルキューレリーダー、こちらレイブン3。お楽しみ中ごめんなさい、意見具申があるのですが宜しいでしょうか?』

 

後方を飛行していたレイブン3ことフレデリカはそう聞く。

 

「此方ワルキューレリーダー、内容は?」

 

『現在レイブン3は遠距離攻撃用のライフル<ウィニー>を装備しています。その為今から送る座標から援護、及び逃走を開始した盗賊団の対処に当たりたいと考えています』

 

フレデリカから送られてきた座標を確認する用賀。其処はイタリカの東門から離れた位置にある雑木林だった。

 

「……如何なさいますか、一佐?」

 

「よし、許可する」

 

健軍の許可が下り、用賀はフレデリカに許可すると送った。そしてフレデリカが指したポイント付近へと到着する。

 

『では、ワルキューレリーダー。いい狩りを』

 

「そちらも。ワルキューレリーダー、交信終了」

 

そしてポイントに着くとレイブン3のヘリは降下し、レイブン3を下ろした。

 

『レイブン3、いい狩りを!』

 

「ありがとうね」

 

輸送してくれたヘリのパイロットにフレデリカはそう言い、イーゲルに装備した遠距離攻撃用ライフル<ウィニー>を構える。

 

「さて、獲物は沢山いるみたいだし選び放題ね」

 

そう言いワルキューレ達の攻撃の合図を待った。

そして先頭をを飛んでいたコブラ、ヴァイパーはヘルファイヤーⅡを発射。ミサイルは城壁へと命中し、瓦礫などが落下していく。

盗賊団達は突然聞いた事が無い歌が響いたと思えば、突然自分達のうえにあった城壁が爆発し瓦礫が落下し仲間達が次々と潰されていった。

コブラとヴァイパーの攻撃に続くように、ヒューイやヴェノムに乗った自衛隊員や海兵隊達は攻撃を開始した。

 

「な、なんだあれは!?」

 

「ひ、人が見えたぞ!!?」

 

「よ、翼竜でもないのに空を飛んでいるというのか?!」

 

そんな驚きを上げている中、一部の盗賊達は遠くから飛んでくる影に恐怖し、腰を抜かした。

 

「お、おい! こんなところで死ぬ気か!」

 

そう叫び腰を抜かした兵士を立ち上がらせようと、腕を掴む盗賊。

 

「む、無理だぁ。お、俺達はもう死ぬ運命だあぁぁぁ!?!!?」

 

そう泣き叫ぶ男。立たせようとした盗賊はそう叫んだ理由が分からず、叫んだ男の目線を辿った瞬間、その盗賊も理解した。もう自分達は此処で死ぬ運命だと。

 

飛んできたのは輸送用ヘリに吊り下げられたレイブン4ことガウェインが搭乗したヴァンツァー【ルナール】だ。ルナールは脚部がキャタピラタイプになっており、悪路だろうと何だろうと問題なく走破できる。そして装備している武器はアサルトマシンガンのラプターを2丁装備し、肩には重火力制圧を目的に装備したグレネード<ヴィルトGGR>が有った。

ガウェインは地面に居る盗賊団を確認し、武器の安全装置を解除した。そして下りるのに最適な位置を確認しパイロットに指示を出す。

 

「この辺で降ろしてくれ」

 

『此処にか?』

 

「ジェントルマン達が降りる場所を少しでも綺麗にしておかなきゃいけないだろ」

 

ガウェインがそう言うと、パイロットは確かにな。と笑いながら降下していく。

 

『それじゃあ掃除は頼むぜ。だが程々にな。ジェントルマン達もパーティーを楽しみにしているんだからな』

 

そう言いながらヘリのパイロットはガウェインを下ろし上空に退避した。

 

「レイブン4からミスフィット指揮官、パーティーに参加するなら早く下りてこい。じゃないと早々に終わらせるぞ」

 

『ミスフィット指揮官からレイブン4へ、それは困る。部下達は早く参加したくてうずうずしているんだ。すぐに行く』

 

そう通信が送られ、ガウェインはヘリが着陸できるよう周辺に居る盗賊団達に攻撃を開始した。

 

 

 

地上にヴァンツァーが下り、更に上空ではヘリが縦横無尽に飛び、地面に居る盗賊団達を攻撃していた。

すると上空から戦況を確認していたOH-1ニンジャが城壁上にあるバリスタに槍を装填しようとしている光景を目撃した。

 

『こちらオスカー1。城壁上に対空兵器が2門。どちらもまだ装填前です』

 

『こちらレイブン3、此方も確認した。狙撃で潰す』

 

フレデリカからの通信の後、片方の対空兵器のバリスタはフレデリカの狙撃によって吹き飛んだ。

 

『ハンター1、もう一門の対空兵器を潰せ』

 

健軍の指示によりコブラはもう片方のバリスタへと飛び、ハイドラロケットを撃ち込んだ。

 

『よくやった! 戻ったらビールをおごってやる!』

 

その頃ガウェインは周囲に居た盗賊団をあらかた片付け終えた所で、後ろから海兵隊を乗せたシーナイトがやって来た。

 

「よぉし、お前等任務の内容は理解しているか!」

 

「「「ウーラァ!!」」」

 

「覚悟はいいか!」

 

「「「ウーラァ!!」」」

 

「よしブラックバーン、カンポ。お前達が先陣だ! 行けっ! 行けっ! 行けぇ!」

 

シーナイトが着陸すると同時に後部ハッチを開き、次々と海兵隊は降りていきガウェインのルナ―ルの後ろに着く。

 

「ミスフィット指揮官からレイブン4。待たせて済まない。エスコート任せたぞ」

 

『全く待たせすぎだぞ。まぁ良い、しっかりと付いてこいよ』

 

ガウェインはそう言い機体を前進しだすと、その後ろから海兵隊達が付いて行く。盗賊団達はジッとしながら鉄の杖で攻撃していた巨人が、突然空飛ぶ箱舟が降りて来て兵士を降ろした後、前進を始めてきた事に恐怖し蜘蛛の子を散らすように盗賊団達は逃げ出す。海兵達はそんな盗賊団を逃がすはずもなく、逃げ出す盗賊団達に攻撃を始めた。

 

「ヴァンツァーの影から攻撃しろ! 下手に出て矢に撃たれたくないだろ!」

 

「タンゴダウン!」

 

「逃げる奴は盗賊だ! 逃げずに向かってくる奴はよく訓練された盗賊だ!」

 

「上からの援護もある! このまま畳み掛けるぞ!」

 

地上には前進してくるヴァンツァー、上空には攻撃ヘリ等。既に城外に居た者達に退路など存在していなかった。

そして城内に居た盗賊団達も決着がつきようとしていた。




次回予告
城外で攻撃が開始された頃、東門にロゥリィが突如現れた。そして伊丹達も到着し盗賊団に攻撃を開始した

次回
エムロイの神官
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