GATE~ヴァンツァー、彼の地にて、斯く戦えり~   作:のんびり日和

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2話

2XXX年 午前10時頃 東京 航空自衛隊習志野分屯基地

 

習志野分屯基地に2台の武装したM1151ハンヴィーとそれに挟まれるよう警護された高級車が停車した。車から軍服を身に纏った茶髪の青年と白髪の初老の男性が降りてくると、4人ほどの自衛隊員がやって来た。

 

「遠路はるばるお越しいただきありがとうございます、ゴドウィン将軍。当駐屯地を案内を任されました、桐谷隼人1等陸佐です」

 

隊員の一人が敬礼しながらそう伝えると、後ろにいた隊員達も同じように敬礼をする、ゴドウィンと呼ばれた老人も同じように敬礼を返す。

 

「うむ。今日はよろしく頼む」

 

そう言い、ゴドウィンは敬礼していた手を前へと差し出すと、桐谷は慌ててゴドウィンの手を握り返す。そしてゴドウィンの後ろにいた青年に目線を向ける。

 

「ところで将軍。そちらの青年はもしや……?」

 

「うむ、今回のプロジェクトのパイロットとして私が連れてきた優秀な者だ。カズヤ大尉、挨拶を」

 

カズヤと呼ばれた青年は前へと出て敬礼し、挨拶を始めた。

 

「カズヤ・ハミルトン大尉です。第42機動部隊に所属しています」

 

「カズヤと言いますと、貴方はもしや?」

 

「はい、日本人とアメリカ人のハーフです」

 

カズヤがそう説明すると桐谷は、あぁなるほどと納得する。

 

「では、時間も押してますしどうぞこちらへ」

 

そう言い、桐谷は2人を格納庫へと案内しする。

 

格納庫へと案内された2人。格納庫内は暗く、前の方には何か大きな物があることが分かった。

 

「これが日米共同開発して出来た機体、『ゼフィール』です」

 

そう桐谷が言うとライトアップされ一機の灰色のヴァンツァーが照らし出された。

 

「ほう、これが」

 

ゴドウィンは顎髭に手を添えながらゼフィールをよく見る。

 

「武装は左手にMGのセメテリー、右手にナックルを装備させています。それと肩にはミサイルランチャーを乗せています。通常のWAP同様、パーツは換装出来ます。違いは中身で、通常のWAPとは違いそちらが開発した新システムを導入しています」

 

「新システムと言うと、E.D.G.E.システムの事だな」

 

ゴドウィンがそう聞くと桐谷は、その通りです。と返す。

 

「まだデータが余り無い為、このシステムは自衛隊のWAPにはまだ導入できませんが、将来的には配備しているWAP全てに導入したい考えでいます」

 

「そうか。このシステムの導入が多くのWAPパイロット達の命を守れるか。カズヤ大尉、その命運は君に掛かっているんだ。頼んだぞ」

 

「はっ!」

 

ゴドウィンの信頼にこたえるために、カズヤは真剣な表情を浮かべ敬礼する。

 

「では初期起動とパイロットの情報などを入力が必要な為、カズヤ大尉WAPに搭乗してください」

 

「了解しました」

 

カズヤは軍服からWAPパイロット用の戦闘服へと着替えに更衣室へと入りに行く。そして着替え終えたカズヤはゼフィールのコックピットに乗り込み起動シーケンスに入る。

 

『初期起動開始。……パイロット情報の入力を開始。待機中……入力完了。機体データディスプレイ投影開始……完了。システムチェック……オールコンプリート』

 

WAPの機械音声の案内を聞いたカズヤは、機体チェックをしている自衛隊隊員に報告する。

 

「こちらカズヤ。パイロット情報の入力並びに、システムチェック終了」

 

『了解しました。ではそのまま格納庫から出て下さい。実射実験等は此処ではなく別の所で行われますので』

 

「了解した」

 

カズヤはゼフィールを固定している留め具が外れたのを確認し、外へと出る。すると首都の方に大きな煙が立ち昇っているのが見えた。

 

「こちらカズヤ。首都の方で大きな火事が起きているのか、煙が立ち昇っています」

 

そう言われ地上にいた隊員達は双眼鏡などで確認したり、無線で状況を確認していたりしていた。カズヤはモニターを拡大し煙の方を見ていると、煙から人が乗ったドラゴンが出てきた。

 

「!? ど、ドラゴン? ゴドウィン将軍、あの煙只の火事ではないかもしれません!」

 

カズヤの報告を聞いたゴドウィンはどういう意味だと聞き返そうとする前に、一人の自衛隊隊員が大慌てで走ってきた。

 

「ほ、報告します! 東京銀座にて謎の武装勢力が市民を虐殺しているとのことです!」

 

「なんだと!?」

 

桐谷は驚いた表情を浮かべながら、爪を噛む。

 

「クソッ! 出動といっても陸自の地上部隊はいいとして、WAPを送るとなると輸送ヘリを駐屯地に送ってから現場に向かわせても遅すぎるんだぞ!」

 

WAPを輸送するヘリは陸自、そして空自に配備しているが陸自の場合、ヘリを格納する場所が余り無い為ほとんどが演習地に置かれているのだ。

 

桐谷がそう呟いていると、ゴドウィンがある提案を出す。

 

「なら彼を現場に送りましょう」

 

そう言いゴドウィンは目線をゼフィールへと向ける。

 

「し、しかし「しかしと言っている暇なんかない! 今は一刻を争う事態なんだぞ!」……分かりました。カズヤ大尉、我が国の国民を助けてくれないか?」

 

「言われるまでもありません。この国は母の祖国です。だったら守らなければ母に顔向けできませんからね」

 

カズヤの返答を聞いた桐谷は急ぎ外に停められていたヘリのパイロットに目的地を銀座に向かうよう伝える。そしてゼフィールをヘリへと乗せ、ヘリは習志野分屯基地を飛び立った。

 

 

 

銀座 午前11時

銀座にいた市民たちは突然現れたドラゴンや兵士達を只のパレードの催しだと思っていた。だが現実は違った。兵士達は剣や槍で人々に斬りかかり、豚の顔をした化け物たちは逃げる市民達の背後から強襲し殺していく。そして空中にいたドラゴンに乗った兵士も槍で逃げる市民の背後を襲ったりしていた。

 

偶々同人即売会へと来ていた陸上自衛隊隊員、伊丹耀司は走っていた。その訳が

 

「急がないと、同人即売会が中止してしまう!!」

 

と自分の都合を言っているとある光景が見えた。

一人の警官が持っていたニューナンブM60でドラゴンに乗っていた兵士を撃ち落とすが、兵士は撃たれた事に関わらず持っていたナイフで警官を殺そうとしていた。伊丹は咄嗟に兵士が警官を殺そうとする前に真横から飛び込み兵士を拘束する。そして近くに落ちていた兵士が持っていたナイフで喉元を刺し、兵士を殺した。

顔に着いた血を拭い、伊丹は茫然としていた警官をゆする。

 

「おい、今すぐ市民を皇居に避難させるんだ!」

 

そう言うと警官は、我へと帰り伊丹の指示に従い市民を避難させようと他の警官達に無線で呼びかけている中、伊丹は足を挫いたのか苦痛な顔で座り込んでいた女性と、その女性の子供だと思われる少女が泣きながら母親にしがみ付いていた。その背後からドラゴンに乗った兵士が襲い掛かろうとしていた。伊丹は不味い!と思い親子を庇おうと前へと出る瞬間、突如ドラゴンが地面へと落ちる。その背中には大きな穴が出来ていた。そして伊丹達の前にヘリがホバリングして降りてきて、一機のヴァンツァーが降りてきた。

 

「ヴァ、ヴァンツァー?」

 

伊丹はさっきのドラゴンを撃ち落としたのはこいつかと思っていると、降りてきたヴァンツァーから声を掛けられた。

 

『其処の人、無事ですか?』

 

「あ、あぁ。市民を皇居に避難させるから時間を稼いでもらえないか?」

 

伊丹は突然現れたヴァンツァーにそう言うと

 

『分かりました。早い所その人達を連れて行ってください、伊丹さん』

 

そう言われ伊丹はなんで俺の名前を?と疑問に持ちつつも市民を皇居へと避難させていった。

 

「全く声で気付いて下さいよ、伊丹さん」

 

苦笑いを浮かべつつ避難していく伊丹を見つめるカズヤ。そしてカズヤは機体の向きを変える。

 

「さて、覚悟はできたかテロリスト共?」

 

カズヤはそう呟きながらモニター越しで睨む先には、馬に乗った兵士達が居た。全員驚いた表情を浮かべながらも果敢に、ゼファールへと挑もうと剣を掲げ突撃してくるが、その前にカズヤは操縦桿の引き金を引きセメテリーを発砲し、次々と兵士達を挽肉へと変えていった。

 

「そら掛かってこいテロリスト共! 一匹も逃がさないからな!」

 

カズヤの活躍、そして皇居へと市民を避難させた伊丹の活躍によって多くの市民達を助けることが出来た。だがそれでも多くの市民の死傷者が出て、その中には旅行で来ていたアメリカ人も含まれており、アメリカではこのテロに怒りを表した。




次回
日米特地遠征団出撃!



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