パーシヴァルの物語   作:匿名

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意外と続くなぁ。

感想や評価が作者のモチベーションアップに繋がります。
くれると狂喜乱舞します。
来たら多分、発狂して山葵を友達の穴という穴に突っ込むと思います。



04━修行

 顔を見せたばかりの陽の光が森を照らし、鳥のさえずりが音楽を奏でる早朝。

 森の中でパーシヴァルとマーリンは、相対するようにして立っていた。

 パーシヴァルの手には既に、鞘から抜かれていた剥き身の剣が握られていた。

 

 「さて、まずは見切りから始めようか」

 「おう、で何を……!?」

 

 言い切る前に高速で何かが飛来してきた。

 咄嗟に反応し、身体を捻る事で何とか避けるがバランスを崩し、尻餅をついてしまう。

 

 「いきなりなんだよ!」

 「不意打ちをしたつもりだったけど……流石、なかなかの反射神経だね」

 

 吠えるパーシヴァルを無視して、純粋にその能力の高さに感心する。

 今飛ばしたのは、昨日使っていた魔力で出来た光球だ。殆ど同じ代物だが、その速度は昨日の比ではなく、状況によっては円卓の騎士達ですら直撃してしまう速さだ。

 パーシヴァルはそれを、己の純粋な能力だけで、不意打ちにも関わらず、避けたのだ。

 偶然では無い、でなれば器用に体を捻って避けるなどという事は出来ない。

 それだけでマーリンが、感心するには十分だった。

 

 「たく、やるならやるって言えよな」

 「ごめんごめん。次からは言うから」

 

 言葉だけの謝罪をし、さっさと修行を行おうとするマーリン。

 お巫山戯も程々に、二人は本格的な修行を開始した。

 

 基礎訓練に始まり、体裁き、歩法、体術、光球を使った見切りや避け、そして剣術。

 マーリンは、全てにおいてパーシヴァルが付いてこれるギリギリを見極め、程よい難しさで教えていた。

 そんな事を続け、気が付けば辺りは暗く影が差し込む日暮れ時だった。

 

 「……ゼっ、ハァ……ハァハァ……うっ……」

 

 バタリっ、とその場に仰向けに倒れる。

 あまりの疲労から、視界は少し霞み呼吸も乱れている。

 その赤色の瞳に映る暁の空は、修行に没頭し忘れてた時間の経過を知らせた。

 

 「お疲れ様、さて帰ろうか」

 「ちょ……ハァ、まっ……て、俺う、動けない……」

 「うん、少しだけね」

 

 それから数分、息を整え二人は家に帰った。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 日が昇り、外から光が入ってくる。

 普段ならこの時間には既に、パーシヴァルは起きているのだが現在は寝たっきりだった。

 否正確には、目は覚めている。

 この世界に来てから、規則正しい生活を送っていた為早寝早起きの習慣が身に付いているのだ。では何故起き上がれないのか答えは簡単、筋肉痛だ。

 それも重度の。

 

 「やぁパーシヴァル、おはよう」

 

 そこへマーリンがやって来る。

 手を見れば、朝食であろう食べ物を持ちながら寝ているパーシヴァルの傍らへ座った。

 

 「全身が痛すぎる、魔術で何とかしてくれマーリン」

 

 首すら動かせないパーシヴァルは、視線だけをマーリンに向けて助けを求める。

 

 「うーん、生憎痛みを和らげる事なら出来るけど、それ以上は出来ないよ。回復の呪文、長くて半分忘れちゃったし。それは夢の中でも言っただろう?」

 

 昨晩、就寝したパーシヴァルの夢にマーリンは出てきた。

 寝ている間には武力ではなく、知識を授ける為だ。

 そして昨夜教わったのは魔術や神秘の事、その際にパーシヴァルはマーリンから出来る事出来ない事を教えて貰っていた。

 

 「く、使えない奴め」

 「はは、ホント役立たずでごめん」

 

 パーシヴァルのマーリンに対する態度が段々と辛辣になっていく。

 まぁ修行での疲労と今尚続く痛み、それの原因が笑顔で悪びれる様子もなく、どころか楽しんでいる節があるのを感じればそうなっても可笑しくない。

 

 加えてマーリンは呪文を忘れたと言っていたが、これは恐らく嘘だ。

 目ががそろそろ覚める頃に夢でマーリンは、「痛みを覚え慣れる事も大事だから」、と唐突にそう言っていた事をパーシヴァルは覚えており、その時は意味がわからなかったが今になって理解し、沸沸と怒りが湧いてきたのだ。

 

 「まぁいいや。痛みを和らげる事は出来んだろ? ならそれで十分だ、少しでも和らげば多少は動けんだろ。やってくれ」

 「いいけど……もしかして今日も修行をするつもりなのかい?」

 

 その物言いから、パーシヴァルが修行を行おうとしているように聞こえたマーリンはそう聞いた。

 どうせ筋肉痛で動けないだろうと、そう思い今日だけは休ませようと思っていたマーリンには、まさか痛みの中修行をしようとするとは予想外だった。

 

 「そりゃ、修行なんだから殆ど毎日続けなきゃ意味が無いだろ? ならするさ。それに一昨日は何だかんだ言ってたけど、実際に体験してみて、本当に強くなれる気がしたんだ。だから、今日も頼むぜマーリン」

 

 明るい笑顔を浮かべ、言い切るパーシヴァル。

 マーリンはそんなパーシヴァルに少し、驚きを見せるも答えるようにして頷いた。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 高速で接近する無数の光球、それを見切り剣でいなし、避け、夢で教わった魔力放出で弾き飛ばす。

 それでも光球は数が減らず、更には変則的な起動を描きながら突っ込んできた。

 

 「ぐっ!」

 

 避けきれず一つが腹に入り、吹き飛ばされる。

 パーシヴァルは動く度に感じる痛みと、今受けた痛みの両方を歯を食いしばり耐え、すぐさま起き上がった。

 

(もう既に、教えたばかりの魔力放出を扱えるようになったのか、本当に凄い才能だ。……いきなり魔術回路を使った痛みもあるだろうに)

 

 パーシヴァルには、もはや痛みなど気になっていなかった。

 耐えられる程度の痛みなど気にするだけ無駄と割り切り、ただ被弾しないように回避行動に集中をする。

 

 見切りと回避の修行は二時間ほど行って終了した。

 その間に僅かな休息を入れ、それが終わるとさっさと次の修行を始める。

 それの繰り返し。

 そして昨日と同じように、気が付けば空は赤く染まっていた。

 

 「あたたた、久々の運動はこたえるねぇ」

 

 剣術の修行で、マーリンは本日から直々にパーシヴァルを相手しており、全く運動してこなかった体に響いていた。

 因みに昨日の剣術では、基礎的な事しか教わっていなく実戦的なのは今日から行っていた。

 

 「……ぜ……ハァハァ……」

 

 自分の手で腰を叩くマーリンの横、パーシヴァルは死にそうな顔をしていた。

 

 「辛そうだね」

 「ば、辛い……ハァ、って、もん……じゃねー」

 「大丈夫大丈夫、いずれ慣れてくるよ」

 

 笑い言うマーリンの顔を見ながら、答える余裕が無いのかパーシヴァルは無言のまま剣を杖に使い、家路に付いた。

 

 

 ━━そんな修行漬けの日々を数ヶ月、パーシヴァルは続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 




駆け足駆け足……

次回はパーシヴァルと母親の話。

それにしても、自分で読み返して文に違和感を感じる。気のせいだといいなぁ。

という訳で変な所がありましたら報告お願いします。
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