クリス先輩がこんなに可愛いわけがない! 作:TearDrop
友人「クリスちゃんの小説書いてたんだな」
作者「うん。書いてるけど?」
友人「クリスちゃんの小説だよな?」
作者「そうだけど?( ´Д`)y━・~~」
友人「6話、切ちゃんの出番が多かったな」
作者「あっ……(゚Д゚)y━・~~」
すまない……クリスちゃんの小説なのに、クリスちゃんの出番が少なくてすまない……。許しくださいなんでもしま(ry
律がリディアンに来てから二週間程が経ったある日の事。〝昼休みに屋上に来て欲しい〟と、クリスから連絡があった律は、屋上へと向かった。
だが、屋上へ繋がる扉を開けるまでが長かった。
アニメや漫画などでは、ヒロインが主人公を屋上に呼び出して愛の告白をすると言う、定番中の定番があったりなかったり。
もしかすると、自分もクリスに告白されるのではないかと期待と不安が入り混じったような、よく分からない表情を浮かべる律。
しかし、こんな炎天下にクリスを待たせる訳には行かないと気付き、扉を開ける。
まだ夏真っ盛りなこの時期に屋上に呼び出したのは何故なのだろうかと言う疑問が、扉を開けた瞬間に自身を襲った熱と同時に浮かび上がった。
「あっつぅ……クリス先輩、どうかしたんですか?こんな所に呼び出して……」
「悪りぃな。教室とか中庭だと人目があるからな……ていうか、あちぃな此処……!」
「そりゃあ、こんな日陰も無いところに来る人なんて僕とクリス先輩しか居ませんしね……っ!?」
ふと、視線をクリスに向けた時だった。
この暑さからか、服をパタパタさせるクリスであったが、制服が汗で滲んで少しばかり透けていた。
それに気づかないクリスは、さらに服をパタパタさせるがリディアンに男一人しかいない律にとっては目のやり場に困る。
(クリス先輩、気づいてください……!服が透けて下着が見えてます!!こんなの思春期の僕には目に毒ですっ!!………今日の下着は赤か………)
手で顔を隠していながら冷静に下着を見る律。
ふと、クリスが律の視線に気づく。どこを見ているのか、律の視線を追うと自身の胸に行き着いた。
そして制服が透けている事に気付き、頰を赤くしながら律を睨みつける。
「………見たか?」
「み、見てません!決してクリス先輩の下着が赤だった事は知りません!!ーーーーあっ」
「持ってけダブルだっ!!!」
クリスの拳が、律の顔面にクリーンヒットし、その日クラスメイト全員から〝赤い果実を見ていたら目が腫れた〟という謎の噂が広まり、心配される日となってしまった。結局、クリスの話とは何だったのか。
腫れがようやく治った律は、帰り支度をしているとクリスが教室へやって来た。殴ってしまった事に少し罪悪感を感じているのか、律から少し視線を逸らしていた。
「ク、クリス先輩……どうかしましーーーまさか、また僕を殴りに来たんですか!?」
「そんなんじゃねぇよ!ったく……ほら、昼休みに話が出来なかっただろ。それを伝えに来たんだよ」
「あ、あぁ、そうでしたね……それで、話ってなんですか?」
「そ、それはだな……」
余程言いづらい事なのか、口に出せないクリス。
「あ、あの、クリス先輩?言いづらい事なら、また後日でもいいですよ?」
「ちょ、ちょっと待て!言うから少し待ってろ!」
クリスは頭を抱え、どう伝えようか考えている。そして、律に視線を向ける。いつになく真剣な眼差しで見つめられ、胸がトゥンクとなった律。
「お前……明日、暇か?」
「は、はい。暇、ですけど?」
「そうか……じ、じゃあ……暇なんだな?」
「そうですけど……?」
クリスは頰を染めながら、視線を逸らす。モジモジしているクリスも可愛いと思ってしまったが、一体明日何があるのだろうかと考えていると、クリスの口から思ってもみなかった言葉が、律に放たれた。
翌日の土曜日。
学校が休みだからか、街には若者達が溢れかえっていた。正しく人がゴミのようだと、律は観覧車に乗りながらそんな事を思っていた。
そんな光景から、自分の目の前に座るクリスに視線を移した。何故、二人で観覧車に乗る事になったのか、それは昨日に遡る。
◇◇◇◇
「明日、デート……しねぇか?」
「デートですか?いいでーーーーえっ?僕とクリス先輩で、デ、デ、デートですか!?」
「あ、あぁ……実はさ、二年の後輩がお前の事を疑っててよ。あたしがお前に誑かされてるって……」
「誑かすって……それよりも、なんでその先輩は僕を疑うんですか?」
「前にお前ん家に行っただろ?偶々、あたしとお前が家から出てくるのを見たらしくてな。それで、あたしがお前にいやらしい事をされたんだって勘違いしてるって訳だ……」
「えぇ……どういう風に解釈したらそんな風に勘違いを……ーーーというか、そんな勇気が僕にある訳ないじゃないか……!」
「何か言ったか?」
「い、いえ、なにも……!」
「という訳なんだけどよ……その後輩に、あたしは変な事されてないって事を証明しなきゃいけなくなっちまったんだ……疑いを解くために、協力してくれ」
◇◇◇◇
そんなこんなで、クリスと擬似デートをする事になったのであった。
律がクリスに変な事をしないかどうかをこのデートで見極めるらしいが、取り敢えず観覧車に乗ったまではよかった。
だが、二人とも無言が続いて、気まずい雰囲気が観覧車の中に漂っていた。何か気になる話題でも振ろうかと思った矢先、観覧車が頂上で止まる。
「こ、こんな高いと逆に怖いですよね?」
「そうだな」
「ク、クリス先輩は高い所は平気なんですか?」
「あぁ、〝S.O.N.G〟の任務でヘリとか乗る事もあれば、ミサイルに乗る事もあるな」
「へぇ、そうなんでーーーえっ、ミサイル?」
何か物騒な言葉が聞こえて来たが、クリスがシンフォギア奏者であるという事を思い出した。
そりゃあミサイルも使うよなぁと、よく分からない心境になりながら外へ視線を向ける。
さて、これからどうしたものかと頭の中でデートプランを考える。擬似デートではあるが、クリスを楽しませようと昨日から考えていた。
しかし、自分一人が考えても意味が無い為、クリスに何処か行きたい所があるか話しかける。
「クリス先輩、何処か行きたい場所とかありますか?」
「そうだなぁ……水族館、とか?」
「水族館、ですか?」
「あぁ、こないだクラスメイトが話してるのを聞いてな。新しく水族館が出来たらしいんだけどよ……ダメか?」
「い、いいえ!水族館、行きましょう!」
律がそう答えると、クリスは笑みを浮かべる。
その後、観覧車が一番下に戻ってくると、二人は水族館へと向かった。
時々、後ろを振り向くとクリスを慕ってる後輩が跡をつけて来ていた。バスを経由して、水族館へと到着した律とクリスは受付で観覧料を払うと水族館へと入っていく。
新しく出来た事もあってか人が多く、親子連れやカップルがそこら中を歩いていた。
「……なんか、カップル多いですね」
「そうだな……ほら、早く観に行こうぜ」
「は、はい!」
それから二人は、大きな水槽の中を泳ぐ魚たちを観たり、ペンギン館やアザラシ館を見て回った。
特に凄かったのがイルカのショーであった。
飼育員達の指示を聞くイルカ達を見て驚く二人だったが、司会のお姉さんが律とクリスを呼び、イルカ達への指示をレクチャーする。
「それじゃあ、カップルのお二人にはイルカ達に指示を出してもらいましょう!」
「なっ……!?」
「あはは……カップルじゃないんだけどなぁ……」
司会のお姉さんの一通りレクチャーを受けた二人は、イルカ達を見事に指示通りに成功させていく。成功させた二人を拍手で讃える観客達。
すると、イルカが二人の下へやって来た。
「さぁ、イルカ達を撫でてあげてください!」
クリスがイルカの頭を撫でるとイルカや喜びの鳴き声を上げる。
クリスが笑みを零すのを見て、律もイルカの頭を撫でようとした時だった。一匹のイルカがくちばしで水を弾き、見事に律の顔面に当てた。その光景に爆笑する観客達と、びしょ濡れになった律を心配するクリス。
「お、おい、大丈夫か?」
「……はい、大丈夫です」
その後イルカショーは終わり、律とクリスは休憩出来るスペースでまったりと過ごしていた。
「はぁ……酷い目にあった……」
「ほら、あったかい飲み物買って来たぞ」
「あったかい物どうも……どうでした?楽しかったですか?」
「あぁ、案外水族館も悪くないな。それより、あたし達を覗き見てる後輩達が気がかりだったが、いつの間にか居なくなってるし……」
「あはは……でも、居なくなったって事は、誤解が解けたんじゃないですか?」
「そうかもな。……悪かったな、巻き込む形になっちまって」
「気にしてないから大丈夫ですよ。それに、僕も楽しかったですし」
「そうか、それならよかったよ」
これで、クリスとの擬似デートは終わった。楽しい時間は過ぎていくのは早いなぁと夕陽を見ながら、しみじみ思う律であった。
その日、ニヤニヤしながら律ママが律にしつこく、〝クリスちゃんとはキスはしたの?〟と質問してくるのを必死に躱した律であった。
◇◇◇◇
「えっ?またですか?」
「あぁ……今度はあたし達が本当に付き合ってるのか確かめたいとさ……」
「えぇ……!」
肩をがっくり落とす律。あれで懲りなかったクリスの後輩は、中々しつこい者であった。当分、擬似デートは終わりそうにない。
夏の日差しがそう告げているかのようだった。
如何でしたでしょうか?
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。それと、感想や評価、ありがとうございます。低い評価も真摯に受け止めて、これからも頑張っていきたいと思います。
AXZ4話のクリスちゃん変身シーン……可愛かったなぁ。