東方鵺行記   作:タリオン

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 どうも、タリオンです。待たせたな!
 あっ、やめて、ゴミ投げないで! 悪かったと思ってますから! 一月に学校行事が目白押しだったんです。では何故今まで音沙汰無かったのか。それは私が活動報告を忘れてたからです☆
 あぁ、鉄骨まで飛んできた! いや、本当にすみませんでした!
 それでは第二十一話、どうぞ!


第二十一話

 

 

 

 

 

 やぁ、毎回毎回しつこいと思うが、夜鳥剣二だ。

 

 

 またやっちまったよ。元々そのために此処に来たっていうのに、それ自体を忘れてどうすんだよ、俺。あぁ、一日だけとはいえ、やるべきことを忘れてぬくぬくと過ごしてしまった……気分は正に堕天使!

 などと封魔師のようなことを言っていないで、すぐに此処を出発しなければならない。こっちに来てから何日経っていたか……少なくとも一週間は経ってるはずだ。妖怪に襲われたなんて思われてなきゃいいけど……。いや、それよりもまだぬえがこちらへ来ていると決まった訳じゃないんだ。まずはその確認をするために行かなきゃならないな。

 

 

 

 え? さっきから「それ」とか「その」とかなんのことだって?

 

 

 

 そんなの決まってるだろ。命蓮寺のことだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ということで今までありがとうございました」

 

 

「と、唐突だな……」

 

 

 素直に驚いたような顔の藍さん。

 

 

「いやー、急ぎの用事だったのにちょっとゆっくりし過ぎてしまったもので。そろそろ行かないといけないと思いましてね」

 

 

「もっとゆっくりしてもらってもいいのだが……しかし急ぎの用事ならば致し方ないか」

 

 

「それで、命蓮寺までの道が分からないので、案内を頼みたいというのが最初の目的なんですが……」

 

 

「あぁ、構わないよ。ちょうど食材も切れかけていてね、買い出しにいかなければならないところだったんだ。命蓮寺は人里の近くだったから、ついでに送っていこう」

 

 

「本当に助かります。それじゃ、早速準備をしましょうか」

 

 

「忘れ物のないようにな」

 

 

 俺は小学生か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、もう行っちゃうの?」

 

 

 やはり橙も驚いたような顔を見せた。長居はしないと言ったはずなのだが……。

 

 

「そうだけど、きっとまた直ぐに会えるさ。というか来なかったらこっちが困るからね」

 

 

「ふーん……いつ頃になりそうなの?」

 

 

「来年の春くらいかな。ちょっとばかしズレることもあるかもしれないけど、まず間違いないと思うよ」

 

 

「そっか。じゃ、くれぐれも体に気を付けて。今度弾幕ごっこするときはあんまり簡単に負けないでよ?」

 

 

 ほう、言ってくれるじゃないか。

 

 

「よく言うよ、結構危なかったくせにさ」

 

 

「あれは油断してたからよ。本気出してたら数秒で終わってたから」

 

 

「へぇ、そいつはどうだろうねぇ?」

 

 

 しばし橙とにらみ合うと、橙は何かを思い出したような顔をして一言告げた後に何処かへ行ってしまった。うーん、もっと食ってかかると思ったんだけど。

 その数分後、何か綺麗な音が部屋の外から聞こえてきた。ふすまを開いて、入ってきた橙が持っていたのは、澄んだ音色を鳴らす鈴だった。

 

 

「これは?」

 

 

「マヨヒガの物って持って帰ったら幸せになるらしいから、とりあえず身につけられる物をと思って」

 

 

「おぉ、ありがとう! これがあったら春まで無事に過ごせそうだな、うん」

 

 

 その鈴はカバンに付けておいた。カバンを肩にかけるときにチリンと小さく音が鳴る。こういう音があるだけでも色々と違ってくるものだろう。主に退屈度合いとかが。ありがたく頂戴しておくことにする。

 

 

「おーい、そろそろ仁日はできたかー?」

 

 

 カバンを肩にかけた辺りで、ちょうど藍さんが部屋に俺を呼びに来た。藍さんの装備は、いつもの服に籐のかごだった。超家庭的だなオイ。

 

 

「準備万端ですよー」

 

 

「なら行こうか、人里まで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マヨヒガから出て後ろを振り返ると、橙が此方へ向かって手を振ってくれていた。ニコニコと笑顔で見送っている。やべぇ、どこぞの九尾では無いが、鼻から愛が溢れ出そうだ。そして俺も良い笑顔で手を振り返す。傍から見ていてとっても微笑ましい光景なのだろうが、横の人の黒いオーラのせいで台無しになっている。こういう時くらい自重してください。それと、橙はなぜ気づかないんだ。謎すぎる。

 

 

 

 

 

 マヨヒガが見えなくなってしばらく経ち、今は道中で藍さんと他愛もない会話や世間話なんかをしながら人里へと歩を進めている。橙の可愛さとか、橙の普段の生活ぶりとか、橙の可愛さとか、とにかく九割九分が橙の話題だったことは言わずともわかるだろう。

 そして、人里まであと少しで着こうかというところで、唐突に話は変わった。

 

 

「ところで、君は幻想郷に何か危害を加える気はあるかな?」

 

 

「は? 危害……ですか?」

 

 

 いきなりだな。

 

 

「そう。幻想郷にとっての危険分子であるかを聞いているんだ」

 

 

「そりゃまた唐突な……というかそれ聞かれたところで言う人っていますかね?」

 

 

「フム、やる気がないならいいんだ。間違っても博麗大結界に手をだそうとか巫女に何かしようとか考えるんじゃないぞ」

 

 

 ま、こちらとしては手を出したくもないし、出すことも出来ないので知らんぷりを通しておこうか。それに部外者がそんなこと知っているとなったら面倒なことになりそうだ。

 

 

「はぁ……よく分かりませんが、とりあえず気をつけておきますね。……因みに、そういうことをしてしまった場合はどうなりますかね?」

 

 

 質問すると、藍さんは動きをピタリと止めた。若干後ろについてきていたので、俺も少し遅れて立ち止まる。

 

 

「知りたいか? それはな……」

 

 

 藍さんは何やら不敵な笑みを浮かべながら、ゆっくりと俺の眉間に指を突き立てた。ってか痛い。痛いですって。爪が眉間に刺さってますって。

 

 

「こうなるんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 瞬間。俺の頭が弾けとんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……いや、そうなったような気がした。幻覚と称するのも生温い程に鮮明な映像が、俺の脳に流れ込んできたのだ。洒落にならないリアルさに、思わず体をのけ反らせ、たじろいだ。この状況で腰を抜かして尻餅をつかなかったのは僥倖だろう。体が頭に追い付かず、悲鳴すら出せない。

 数分か、数十秒か、あるいは数秒か。どれ程の時間が経ったのかは分からないが、続いていた沈黙を藍さんが破った。

 

 

「……ククッ……ハ、アッハッハッハハハハ!!」

 

 

 腹を抱えて笑ってた。心底面白そうに。

 ……え、ここって笑うとこか? と、先程の緊張感はどこへやら、キョトンとした顔で藍さんを見ていると、俺の視線に気づいたようで、息を整えながら言った。

 

 

「フゥー、あぁ、すまなかったね。ちょっと君の顔が面白かったんで、つい」

 

 

 俺って爆笑するほど可笑しな顔してたっけ? ……いや、これはアレか、からかっているだけなのか。俺の顔が変とかそういうことじゃないだろうな。……そうだと思いたい。

 

 

「えぇー……それってひどくないですか? 割と真剣にビビったんですけど。しかし何故こんなことを?」

 

 

「橙がここ数日間私に構ってくれなかったことに対しての腹いせだな」

 

 

 聞きました? 今キリッとして言ってるけど、コレ、八つ当たりなんだぜ? というような何とも言えない微妙な雰囲気が俺の顔から溢れ出ていたのか、藍さんは言った。

 

 

「という冗談はさておき」

 

 

 あ、冗談だったんだ。

 

 

「今でこそ幻想郷自体に手を出す者はほぼいないが、昔……ちょうど幻想郷ができた辺りは、ちょっかいをかける程度の奴から、本気で幻想郷を奪おうとする奴まで、とにかくその手の問題が沢山あったんだ。だから、言い方は悪いが、こうして外来人には脅しをかけるようにしているのさ。まぁ、悪気があって幻想卿に来る奴は滅多にいなかったから、あまりやったことはないのだがね」

 

 

「脅しですか……確かにさっきみたいなの見せられたら死んでも戦いたくないって思いますよねぇ、納得だ」

 

 

「しかし、今回は既に数日間は君のことを見てきたから、別にこんなことしなくても良かったんだ。最近この手の幻術は使っていなかったから、まだ上手く使えるかを確かめたかっただけなのだが……いやはや、まだまだ大丈夫そうだな」

 

 

「うん、完全にとばっちりですよね」

 

 

「まぁ、そう怒らないでくれないか。ちょっとした出来心だったんだ」

 

 

 出来心で自分が死ぬところを見せられるとか、たまったもんじゃない。頭吹っ飛んだぜ? 何も言われずにこんなことになったら、そりゃ怒りもするだろう。でも生きてるしいいか。

 

 

「では、しばしのお別れですね。永遠の別れにならなくて良かったですよ」

 

 

「本当に悪いと思ってるから機嫌を直して欲しいのだが……」

 

 

 どうやら本当にすまなかったと思っているようだ。証拠に、ピンと立っていた耳が、こう、何というか、シュン、となっているのだ。尻尾も心なしか元気がなさそうだ。

 これはこれでいいな。

 

 

「別に怒ってませんて。頭上げてくださいよ。それでは、今回は本当にありがとうございました。また会いましょう」

 

 

「あぁ、少し待ってくれ。行くのならばこれを持って行ってくれ。私特製の御札だ。そこらの小妖怪ぐらいだったら、持っているだけで寄ってこなくなるだろう」

 

 

 そう言って手渡されたのは、歪な文字がびっしりと書かれた御札だった。正直、見た目だけだったら効果の程はまったくわからないが、今までの経験からなのか、妖力がこの中に凝縮されているのがわかるため、効果は期待できそうだ。ありがたく頂戴しておこう。

 

 

「あと、いつでもマヨヒガに来て貰って構わないからな。困ったことがあったら私たちを頼るといい。出来るだけサポートをしよう」

 

 

「おぉ……本当にありがとうございます。この御札は有効活用させてもらいますね。マヨヒガには行けるか分かりませんけど、機会があれば」

 

 

「時間をとらせてしまったな。では、そろそろ」

 

 

「はい。また来春に会いましょう」

 

 

 そう言うと、藍さんは消えた。いや、消えたのではなくて、超高速で走っているようだ。こういうところを見ると、純粋なスペックの違いが嫌でも思い知らされる。そしてスペックが違うことは、今まで俺に合わせていたということにもなる。

 俺はそのことにありがたさを感じると共に、恐怖も感じた。幻想郷を敵に回すということは、藍さんのような幻想郷の有力者を敵に回すことと同義だ。藍さん一人でさえ歯が立たないのに、全員を敵に回すと、塵も残らないのは火を見るより明らかだろう。

 

 

 俺はもう二度とBBAとか、幼女などの有力者をからかうような発言はしないでおこう、と心の中で誓いながら、命蓮寺へと向かうことにした。

 

 

 

 

 

 




 とりあえず言ってはおきますが、この物語は完成させたいのでエタるつもりはありません。そこを踏まえたところで少し知りたいことがあります。
 今回活動報告を忘れてしまった訳なのですけど、やっぱり活動報告ってするべきですかね? 意見を聞かせていただけると嬉しいです。
 あと、これからも学年末やら大会やらが重なることが多々あり、遅筆さも相まって不定期更新が続くかもしれませんが、拙作をよろしくお願いいたします。
 それでは、また。
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