らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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癒しの旋律達、第5話~アニ研部員達の来訪と暴走~

みゆきの家からの帰りに俺は、家で飼っている猫の事をすっかり忘れてしまって、その事を思い出して焦っていた。

 

だが、俺の心配も、みゆきの機転によってあやのに俺の忘れている事を伝えてくれ、猫の問題は解決したのだった。

 

その後、その事をみゆきとあやのに連絡して礼を言う俺。

 

2人の気遣いに俺は、とてもありがたい気持になったのだった。

 

そして、俺とのやり取りを聞いていたみさおが、俺を元気付けようとあやのと一緒に家までやって来て俺を外に連れ出した。

 

俺もまた、みさおに言われた通り家の中でうじうじしてばかりもよくないと思い、みさおの誘いに乗ってみる事にしたのだった。

 

その後は糖部動物公園へと繰り出した俺達は、3人で気晴らしをしたのだった。

 

また少し自分の心が癒される感覚を味わいながら、俺は2人に改めて礼を言い、頑張って立ち直ろう、と心に誓ったのだった。

 

そして、その翌日、陵桜学園アニ研部室にて・・・・・・

 

みくside

 

今日はやさことやまとさん、パティもバイトの日だったので、私とたまき、ひよりん、いずみさんの4人で部室で色々な事を話していたのだけど、その話の中で、ひよりんから慶一先輩の事が出てきたのだった。

 

「・・・そういえば、慶一先輩はどうしてるっスかね?泉先輩が慶一先輩を元気付ける為にゆーちゃんと一緒に慶一先輩の家に乗り込んだという話を聞いたんですが、その後は柊先輩達や高良先輩達、峰岸先輩達らも慶一先輩を元気付ける為に会いに行っていた、って聞いてるっスよ?」

 

ひよりんの言葉に私も頷いて

 

「確かにお昼休みに泉先輩達と話している時にそんな話が出てたね。積極的に真っ先に行動したのは流石先輩だと思うけど、泉先輩達の実績があるんだし、そろそろ私達も行動を起こしてもいいかもしれないね。」

 

私のその言葉にたまきも頷きながら

 

「そうだよね?それに私達は他の先輩やひよりん達よりもまだ付き合いは浅いけど、先輩は私達の事も友達だと言ってくれたし、なにより、アニ研入部の時の恩もあるもんね。」

 

そう言うと、そんな私達の言葉を聞いていたいずみさんが

 

「・・・私も、先輩の言葉があったから自分の趣味にも自信が持てるようになったものね。それに、私の事も先輩は仲間だ、って言ってくれた事もとても嬉しかったし。」

 

私達3人の言葉に考え込んでいたひよりんが

 

「みく先輩、たまき先輩、委員長。今度は私達が動きましょう。先輩の為に何が出来るかはわからないっスけど、それでも先輩の為に何かしましょうよ。」

 

そのひよりんの言葉に私達もお互いに頷きあうと

 

「そうだね、今こそ私達で少しでも先輩に恩返しする為に・・・。」

「先輩の心の傷を癒すために・・・。」

「私達をも仲間と呼んでくれた先輩の為に・・・。」

 

私を含めた3人がそう言うと、ひよりんも頷いて

 

「私に友人をくれた、そして、受験の時にも力になってくれた先輩の為にも・・・。」

 

そして、私達は全員で声を揃えて

 

「「「「先輩を元気付けよう!!(るっス!!)」」」」

 

4人が全会一致でそれを決意したのだった。

 

そして、具体的にどうするのかを私達は話し合い始めた。

 

「それで、具体的にどうする?」

 

私が皆に話しを振ると、みんなは一様に考え込み始めた。

 

私もまた、皆に意見を振りつつも考え込み始める。

 

そして、少ししてひよりんが何かを思いついたらしく声をあげた。

 

「そうだ!今日は一晩先輩の家に泊まりに行って家事とかを手伝ってあげましょうよ。」

 

その言葉に私達は慌てつつ

 

「ち、ちょっと待ってよ、ひよりん。泊まる、って簡単に言ってくれるけどさ、先輩以外は私達全員女の子だよ?流石にそれはまずいんじゃ・・・。」

 

その言葉にうんうんと首を振るたまきといずみさん。

 

そんな私の言葉にひよりんは

 

「だーいじょうぶっスよ。先輩の家にはパティがホームステイで一緒に暮らしているんですから。それに私も先輩とは泊りがけの旅行だって行ってるんスよ?しかも2回も。でも、そんな中でも先輩は凄く信頼のできる人だったっス。危険な事などなにもないっスよ。むしろ、私らの暴走で先輩を困らせる事はあったっスけど・・・。」

 

最後は苦笑しながらそう言うひよりんの言葉に驚きながら

 

「え?ひよりんて先輩と一緒に泊りがけの旅行に行った事あったの!?」

「えー?いいなあ・・・ちょっと羨ましいかも・・・。」

「で、でも、それは先輩の周りに田村さん以外にも人がいたからじゃないの?そう言う状況なら先輩が手出しとか出来なくっても不思議はないと思うけど・・・。」

 

と、3人してひよりんにそう言うと、ひよりんは首を振って

 

「そんな事はないっスよ。海の時だって先輩は命がけで猪から他の先輩達を護ったりもしたし、温泉旅行でも地元の性質の悪い男達にちょっかいかけられた時だって私達を助けてくれた人なんですよ?それに・・・まあ、なりゆきっスけど、泉先輩の罠にはまって一緒に混浴の温泉に浸かったりもしましたが、そんな時でも先輩からは危険な空気は感じなかったっスからね。」

 

ひよりんのその言葉に私達は再度驚きながら

 

「・・・え!?ひ、ひよりん、こ、混浴って・・・そんな事、したの?」

「うわー・・・大胆だね、ひよりん・・・。」

「そ、それは流石にやりすぎじゃ・・・先輩は何も言わなかったの?」

 

そう言うと、ひよりんは苦笑しながら

 

「あはは・・・1回目の時は先輩が先輩のお父さんに騙されて私達と鉢合わせしたようなものだし、2回目は何も知らない先輩の所へ私達が泉先輩に騙されて行ったようなものだからねー・・・だから、どっちも不可抗力だったんだよね。まあ、それでも私達も水着はちゃんと着ていたから結局はプールとかにいるのと一緒だったんであんまり意識はしなかったっスけどね。」

 

そんなひよりんの言葉に私達も、顔を見合わせて困惑していたが、先ほどのひよりんの言葉の中にスルーできないワードを聞いて私達は

 

「それと・・・あ、あのさ?ひよりん。さっきの言葉の中に無視できないワードがあったから聞いてみたいんだけど、猪って・・・?」

「先輩が命がけで護った、って言ってたよね・・・?」

「・・・何かかなり・・・ただ事じゃない感じなんだけど・・・。」

 

そんな私達の言葉にひよりんも苦笑しながら

 

「その事っスか?後で聞いた話っスけど、かがみ先輩、高良先輩、日下部先輩、峰岸先輩、それに永森先輩の5人が夏の旅行に行った時に慶一先輩と山へ登ったんですが、その時に永森先輩が猪に襲われたみたいで、その猪を追い払う為に慶一先輩が猪と戦ったらしいんスよね。結果は怪我はしたけれど見事に仕留めたらしいっス。その日の夕食に先輩の仕留めた猪の肉を食べたっスからね。」

 

その言葉に思わず絶句して冷や汗をたらす私達。

 

「・・・先輩って凄いんだね・・・。」

「というか、人間って猪倒せるの・・・?」

「あ、あはは・・・あ!それじゃ田村さんが書いたあの漫画のネタって、ひょっとして?」

 

いずみさんのその言葉にひよりんは急に焦り出し

 

「え、えっと、その、なんと言いますか・・・その時の事を想像しながら、ちょっと・・・。」

 

そう言うひよりんに私達は

 

「そうか、そうか・・・あれはそう言うネタだったのか。後でもう一回あの漫画見てみよう。」

「私ももう一回確認してみたくなったかな?」

「で、でも、あの漫画のアクションは田村さんの想像なんでしょ?」

 

と言う私たちにひよりんも複雑な表情を見せつつ

 

「うーん・・・かがみ先輩達が見た一部始終の状況を聞いて私なりにアレンジしてみたっスけど、後で永森先輩にこの漫画が見つかって問い詰められた時に確認させてもらいましたが、大体このような感じだったらしいっスよ?」

 

と言うひよりんの言葉に私達は漫画のシーンを想像して

 

「・・・うーん・・・まるで漫画みたいだよね、でも・・・かっこいいかも・・・。」

「私も生で見てみたかったかも・・・。」

「先輩ってかなりの身体能力あるんですね・・・。でも、毒島先輩の言うようにかっこいいかも・・・。」

 

3人ともぼーっとしながらそんな事を呟いていた。

 

そして、しばらくして”はっ”と我に帰った私達は

 

「そ、それはともかく、私達も先輩の家にはお邪魔した事もあるんだし、問題はないと思うけど。」

「そうだね。一度お邪魔してるんだし、今更って感じだね。」

 

私たちが同意していると、その同意に焦ったいずみさんは

 

「せ、先輩達はいいかもしれませんが、私はパティの誕生日にお邪魔した事がある位ですし・・・。」

 

そう言って渋っていたが、私はそんないずみさんに

 

「大丈夫だよ。私達もいるんだし、先輩の家に泊まりに行くんじゃなくてパティの家に泊まりに行くって思えばさ。それに、今回は緊急な訳だしね。」

 

そう、いずみさんに言って聞かせると、いずみさんも少し考え込んでいたが、”ふう”と1つ軽いため息をついてから

 

「・・・わかりました。確かに今の先輩をほおって置けない事は確かですしね・・・私もお付き合いします。」

 

その言葉に私達も頷くのだった。

 

そして、満場一致となった所でひよりんが

 

「先輩の所へ行く前に私はパティにも声をかけておきますよ。パティもいい加減先輩の事気になっていたみたいですし。駅でパティと合流してから行きましょうよ。」

 

そう言ってきたので私も頷いて

 

「わかった。それじゃそっちは任せるよ。それじゃ、私達は先輩の為に何かおいしいものでも作ってあげれるように夕飯の食材を用意しますか。」

「え?でもいいの?私達、人に自慢できる程料理は上手くないよ?」

「なら、私はお菓子でも作ろうかな?」

「ん?いずみさんはお菓子作りが出来るの?」

「あ、はい。とは言っても得意なのはそれだけなんですけどね、料理の腕は人並み程度ですし。」

 

最後のいずみさんの言葉に私達が感心していると、その言葉を聞いたひよりんが私達に

 

「いいじゃないっスか。ようは気持が肝心っスよ。人並みなものでも先輩に喜んでもらえればいいんスから。私も料理はほとんど出来ないっスけど、何かしら手伝わせてもらうっス。だから、胸を張って行きましょう!」

 

そう言うひよりんの言葉に私達も頷いて

 

「そうだね。よーし!それじゃ早速行動開始だね。ひよりん、パティへの連絡よろしく!」

「じゃあ、私達は早速買い物に行こうか。」

「そうですね。私もお付き合いします。」

 

口々にそう言うとひよりんも頷いて

 

「了解っス!それじゃ早速行動開始と行きましょう!」

 

その言葉に全員が頷いて部室を出て行く。

 

そして、そんな中、空気になっていた桜庭先生が

 

「・・・私もここにいたんだがな。とはいえ、ああまでも皆に心配してもらえる森村は幸せものだな。森村、仲間はこれからも大事にしろよ?」

 

そう呟いて部室を出て行く桜庭先生の背中には哀愁が漂っていたという事を、その後に他のアニ研部員が見たのだという話を後に聞く事となるのだが、それはまた別の話。

 

そして、私達は食材の買い物を済ませてパティと駅で待ち合わせをした。

 

「ミナサンおマたせデス!ワタシもチョウドケイイチのコトがキになっていたトコロですから、コンカイのコトはワタりにフネデスね!」

 

待ち合わせ場所に現れたパティがそう言って来たのを聞いて、私は苦笑しながら

 

「お帰り、パティ。やっぱりパティも気にしてたんだね。でも、パティも妙な言葉を知ってるよねえ・・・。」

 

そう言うと、たまきやいずみさんも

 

「時々パティが外国人と思えない時があるよ。」

「パティは日本文化に相当馴染んでますよねえ・・・。」

 

苦笑しながらそう言っていた。

 

そして、更にひよりんが

 

「お帰りパティ、それはともかく、先輩への連絡はついた?」

 

そう聞くと、パティはコクリと頷いて

 

「カエルマエにケイイチにレンラクしましたが、キョウはイエにイルとのコトデス。アンシンしてムカイましょう!」

 

その言葉に私達もほっと胸を撫で下ろしつつも、先輩の家へと向かうのだった。

 

慶一side

 

連日押しかけてくるこなた達の相手をしつつ、俺自身も心が癒されて行くのを感じながら徐々に自分が元気になっていくのを実感しながら、もう少しで俺は立ち直れる所まで来ているのだと思えた。

 

そして、ここ数日の事を思い返しながら俺は、今日もゆっくりと心を落ち着けながら過ごしていたが、ふいに俺の携帯に着信が入ったので、俺は携帯を開いてディスプレイをチェックすると、そこにはパティの携帯番号が出ていたので俺は電話に出る。

 

「もしもし、パティか?」

「モシモシ、ケイイチ?しばらくルスにしていてスミマセンでした。ヨテイよりはスコしハヤイデスが、キョウ、ホームへモドります。キョウはケイイチはホームにいるのデスか?」

「ああ。今日は特に出掛ける用事はないからな。そうか、それじゃ気をつけて戻って来いよ?駅の方へは迎えに行かなくても平気か?」

「ノープロブレムです!ミクやタマキ、ヒヨリやイズミとイッショですからシンパイはありませんヨ?あ、それと、オネガイがあるのですが、ヒヨリタチのシュクハクをキョカしてもらえませんカ?」

「ん?ひより達は泊まりに来るのか?まあ、俺は別に構わないが。」

「サンキューデス!ケイイチ!!それではこれでデンワをキリますね?」

「ああ、気をつけてな。」

 

そう言ってパティとの会話を打ち切って俺も電話を切る。

 

そして、さっきの電話での会話を思い出して(今日は少し騒がしくなるかもな。)と心の中で考えている俺だった。

 

それからしばらくして家の呼び鈴が鳴ったのでm俺はパティ達を出迎えに玄関へと向かった。

 

「はいはい、っと。お帰り、パティ。それといらっしゃい、毒島さん、山辺さん、若瀬さん、ひより。」

 

俺の言葉にパティが

 

「タダイマです!ケイイチ!しばらくヒトリきりでサビシクなかったデスか?」

 

そう言って、他の4人は俺の言葉に驚きつつ

 

「あ、えと、こんばんわ先輩。何か私達の来るのわかってたって感じですが・・・。」

「そ、そうだね・・・。私達、誰か先輩に家に行く事言ったっけ?」

「言ってないと思いますが・・・。」

「んー・・・あ!ひょっとしてパティ、先輩の状況確認の時に私達の事言っちゃったんじゃ・・・。」

 

最後のひよりの言葉にパティはさも当然、というような顔で

 

「イグザトリィ!そのトオリですヨ?ナニかモンダイアリマシタか?」

 

そう言うパティにひより達は軽いため息をつくと

 

「はあ・・・せっかく内緒で驚かそうと思ったんだけどなあ・・・。」

「私達のささやかな計画が・・・。」

「パティは意外と口が軽いのかもしれませんね・・・。」

「サプライズ失敗っス・・・。」

 

そう言って落ち込んでいた。

 

俺はそんな4人を見て不思議そうな顔を向けているパティを見つつ、4人に苦笑しながら

 

「あー・・・まあ、なんだ・・・。4人とも俺の為に来てくれたって事かな?一応聞くけど。」

 

俺も少しばつの悪そうな顔でそう尋ねると、4人は重々しくコクリと頷いて

 

「泉先輩達も慶一先輩の為に行動したって聞きました。だから、私達も今回の事で落ち込んでいる先輩の為に少しでも元気付けてあげたいと思いましたから。」

「先輩には色々とお世話にもなってますしね。」

「私も先輩には大切な事を教わりましたから・・・。それに落ち込んでいる先輩の姿がとても辛く感じたので・・・。」

「私は先輩に受験の時には色々助けてもらった恩があります。少しでもその恩が返せるのなら、それが今の瞬間だというのなら私も先輩の力になりたいと思いまして。」

 

そして、そんな4人の言葉を聞いてパティも

 

「ワタシもそうしたい、とオモっていましたが、コンカイはワタシのキヅカイがウラメにデてしまいました。ワタシもケイイチのヤクにタチたいとオモっていたトキ、ヒヨリからのデンワをモラったんデス。だから、カエってキタのですヨ。」

 

その5人の言葉に嬉しい気持になった俺は

 

「みんなの気持はよく分かった。ありがとうな、俺の為にそんな風に考えてくれて。なら、今回はそんな皆の気遣いに甘えさせてもらっちゃってもいいだろうか?」

 

そうおそるおそる尋ねると、5人とも自分達が受け入れられた事に驚きの表情を見せつつも

 

「もちろんです。今日は食事の支度から部屋のお掃除までやらせてもらいますよ?」

「私もがんばりますよ?だから、先輩はくつろいでいてください。」

「私も先輩達と一緒に頑張ります。」

「私も何が出来るかわからないっスけど、皆と一緒にやらせてもらうっス!」

「だからケイイチはドーンとカマエているといいデスよ?」

 

そう言ってくれる5人の言葉に俺も頷いて、5人を家に上げた。

 

俺は4人に寝るべき部屋へと案内をした。

 

パティは元々割り当てられた部屋があったのでそこへ行く。

 

4人は自分達の部屋に荷物等を置いて一段落すると、まずは夕食を作りにキッチンへと向かったのだった。

 

俺は4人に言われるままにキッチンへと案内する。

 

そして、4人にキッチンの場所を教えた頃にパティが着替えを終えてやってきた。

 

「ソーリィ、ミナさん。ワタシもジュンビバンタンですヨ?それじゃミンナでレッツクッキング、デス!!」

 

そう言うパティの言葉に4人とも頷いて早速夕食の準備を始める皆を見つつ、俺も軽く食器を出したりして準備をすませた。

 

そして、5人の様子を少し心配しつつ見守っていた俺だった。

 

「たまき、それ取って?」

「はいよー。みく、これはこれでいいの?」

「うん。それはそうでいいよ。」

「先輩、これは皮むきしといた方がいいですよね?」

「うん。よろしく、いずみさん。」

「ミク、これのシタゴシラエをヨロシクです。」

「はいよ、パティ。じゃあ、こっちの奴煮込んどくね。」

「先輩、材料は何とか全部切り終わりましたっス。」

「ありがとう、ひよりん。それじゃ次はー・・・・・・。」

 

そんな風に会話しながら全員で協力しあう姿を見て、俺は気付けば微笑んでいたようだ。

 

そんな俺の顔に気付いた若瀬さんが

 

「せ、先輩。なんだか頬を緩めているみたいですけど、何か私たちの行動におかしな所でもありました?」

 

ちょっと慌てながらそう確認をとってきた若瀬さんに、俺も慌てて手を振って

 

「いやいや、ごめん。そうじゃないんだ。騒がしいけど何だかこの光景がとても嬉しくてね。つい頬を緩ませてしまっていただけだよ。勘違いさせちゃってごめん。」

 

そう言うと、若瀬さんも少しほっとした顔で

 

「そうですか。それならよかったです。私達も少しは先輩の役に立てていますよね?」

 

その言葉に俺は力強く首を縦に振って

 

「もちろんさ。ありがたいよ。俺なんかの為に皆がこんな風に集まってくれてさ。」

 

そう答えると、若瀬さんもにっこりと笑ってくれたのを見て俺もほっとしたのだった。

 

そんなやり取りを交えつつ、食事の準備も出来たみたいだったので、俺達は揃ってテーブルについて早速食事を始めるのだった。

 

「「「「「「いただきまーす。」」」」」」

 

と、全員で言った後、俺は早速箸をつけてみた。

 

今日のメニューは肉じゃがとほうれん草のおひたし、きんぴらごぼうときゅうりの浅漬け、大根の味噌汁だった。

 

中々和風な感じの夕食を俺は口に運んでみる。

 

その様子をドキドキしながら見守る5人の姿に俺も、少々緊張気味だったが、「お、これは美味い。」と俺が料理の賞賛をすると、5人ともほっとしたような表情を見せつつも喜んでいたのが見て取れた。

 

そんな皆の姿を見て、俺も再び頬が緩むのを感じていた。

 

そして、食事を済ませた後は、洗い物を済ませた皆が各部屋に散って掃除を行ってくれた。

 

俺は、そこまでしてくれなくても、と思って皆にそう言ったのだけど、皆は自分達がそうしたいから、と譲らなかったので、仕方なく皆のしたいようにしてもらった。

 

そして、風呂の準備をしてそれぞれにはいってもらったが、俺が入っている時にパティが

 

「ケイイチ!ヒサビサにセナカナガしてあげまース!」

 

と言って飛び込んで来た。

 

流石に他の4人は真似はしなかったけど、今回もまさに不意打ちだったので凄く驚く俺だった。

 

そして、その後は何故か、皆俺の部屋に集まっていた。

 

「へー・・・これが先輩の部屋ですか・・・綺麗に片付いてますねー・・・。」

「先輩は思ったほど物は持っていないんですねえ・・・。」

 

と言う毒島さんと山辺さんの2人の言葉に俺は照れながら

 

「ラノベみたいな本とかは結構ある方だけどな。それでもちょっと散らかったらすぐに片付けちゃうからな。」

 

そう言うと、2人ともしきりに感心していたのだが、更に若瀬さんとひよりも

 

「うちのお兄ちゃんの部屋なんかかなり散らかってますよ?」

「うちの兄貴の部屋もっスねー・・・。流石は先輩っスね。」

 

と言う2人の言葉に苦笑しつつ

 

「そういえば若瀬さんやひよりにもお兄さんが居たんだっけな。うちの兄貴も意外と綺麗好きだから部屋も結構片付いてるよ。でも、ひよりも若瀬さんもそう言う部分は反面教師としていいと思うぞ?」

 

そう言うと、2人ともしばし考え込んでいるようだった。

 

すると、普段俺に部屋の事で注意されているパティが

 

「ケイイチはジブンにもそうデスが、タニンにもキビしいですからネ。ワタシもよくチュウイされますヨ?」

 

そんな事を言ったので俺は、軽いため息を1つつきながら

 

「お前は言わなきゃ散らかしっぱなしにしてるだろうが。それに、そんなには厳しくしてないつもりだがな。お前にそう思われているのはちょっと胸に何か刺さるものがあったぞ?」

 

そう言って少し凹んだ俺だった。

 

そんな俺の言葉にパティが舌を出して笑っていたのを見て再度ため息をついたのだった。

 

その後は皆で撮った集合写真等を見て、旅行の時の話を聞きたいと言う毒島さん達に俺は旅行での思い出を話して聞かせたのだった。

 

その中でやはり、猪のエピソードと温泉に関するエピソードは特に詳しく話して欲しいと言われて俺は、苦笑しながらもとりあえずその事を話したのだった。

 

「・・・なるほどー・・・猪の一件は相当にやばかったみたいですね。でも、先輩本当によく生きてましたねー・・・。」

「まったくですよ。そういえば私達は先輩のやっている武術の事は知りませんでしたね。」

「先輩が本当は強い人だ、って言うのも田村さんやパティから聞いて知ったんですしね。」

 

猪の一件の事を話す3人にひよりが

 

「実は私は2回目だったりするんスよね。先輩の強さを見たのって。」

 

そう言うひよりにパティが興味の目を向けながら

 

「オウ!そうだったんデスか?オンセンでのあれはヒヨリはハジメテではなかったのですネ?」

 

その言葉にひよりは照れ笑いをしていたが、俺がその先の補足をした。

 

「ああ。そういう事さ。最初にひよりと会った時にひよりはこうと一緒に不良どもに絡まれていたからな。それを助けたのが最初さ。で、後は温泉旅行中の事、だな。」

 

その言葉に皆は感心しながらほーっと息を吐いていた。

 

そして、そんな話をしていた時にパティが

 

「ソウダ!ケイイチ!あのトキワタシタチのマエでミせたあのメをまたミせてクダさい!ミクやタマキ、イズミにもミてホシイデスから!」

 

その言葉に俺は困惑しながら

 

「え?あ、あれか?うーん・・・。」

 

そう言うと、ひよりを除く3人が

 

「目、って一体何なんですか?凄く興味ありますけど。」

「まさか、某漫画の忍者よろしくな目が使えるとかそういうのなんですか?」

「私も見てみたいですね。それってすぐに見せれるものなんですか?」

 

凄く目をキラキラさせながら迫ってくる3人に俺は、苦笑しながら

 

「ちょ、ちょっと落ち着けって。わかった、わかったよ。見せてやるからとりあえず下がってくれ・・・はあ。」

 

3人を制して軽いため息を1つついた後、俺はおもむろに目に気を集中させ始める。

 

そして、龍眼を発動して3人に見せた。

 

「・・・おおー・・・凄い。目の色完全に変わってますねー・・・。」

「綺麗ー・・・でも、某漫画の忍者のとは違いましたね。不思議な感じですが・・・。」

「・・・人間ってこんな事もできちゃうものなんですか?」

 

最後の若瀬さんの言葉に俺は苦笑しつつ

 

「この技は完全に目を変化させるからな。色は完璧に変わってしまう。後、某漫画の忍者みたいな万能さはないけど攻撃や動きを見切る力は格段にあがるよ。それと、誰でも、って訳じゃない。この技は龍神に連なる者だけが使える技さ。後は、俺の中にも流れている龍神の血も関係あるらしいんだけどな。ふう・・・こいつを発動し続けるのは結構しんどいから、もう解除するぞ?」

 

そう言って俺は、龍眼を解除して一息ついたのだった。

 

そうこうしながらしばらく色々な事を皆で話していたが、そのうちに俺の旅行でのエピソードと今見せた龍眼が漫画のネタに使えるかも、という話にシフトして行き、アニ研部員達は次第に暴走していった。

 

何だか変な方向へ話が行きそうになっていたので、俺はとりあえず話題転換してその場を収めた。

 

その後、かなり遅い時間となり、皆は各部屋に戻って眠りにつき、その日を終えたのだった。

 

次の日の朝にまた、いつものようにあやのが猫の世話にやってきてくれて、そんなあやのと毒島さん達が鉢合わせてお互いに驚いていたのだった。

 

あやのは毒島さん達より一足早くに学校に行き、その後で毒島さん達も学校へと向かう事となったので5人を見送ったのだった。

 

そして、その時に毒島さん達は俺に

 

「さて、それじゃ私達は学校へ行きますね。先輩、何だか色々慌しくなってしまってすいません。先輩を元気付けてあげたいと思っていたのに何だかあまりお役に立てなかったかも、とちょっと思っていたりしましたから。」

「目的が結局は達成されてない気がします・・・すみません、先輩。」

「旅行の思い出話とか、アニ研の漫画作りのネタに関してとかになりましたね・・・なんか、すいません。」

「うう・・・先輩の為にと思って意気込んで来たのに面目ないっス・・・。」

「ソーリィ、ケイイチ。ハメをハズしスギました・・・。」

 

そんな風に言う5人に俺は苦笑しつつも

 

「そんな事ないさ。俺の為に来てくれた事、家の事を手伝ってくれた事、食事を作ってくれた事、楽しい話が出来た事。とても嬉しかったよ。皆のその気持がその中にあったから俺にとっても凄く充実した日になった。ありがとうな、皆。後もう少しで俺も立ち直れると思う。今回もそのきっかけをもらえたしな。だから、もう少しだけ待っていて欲しい。きっと俺は皆の前に戻ってみせるからさ。だから、これからも遊びにでも来てくれよ。俺は歓迎するからさ。とにかく、もう出ないと学校遅れるぞ?それじゃ気をつけてな。」

 

そう言って驚きの表情を見せる5人を送り出す俺だった。

 

俺はまた1つ心が癒されるのを感じながら、今日の事も忘れずに心の中にしまっておこうと思うのだった。

 

みくside

 

当初は先輩を励ますために、と意気込んで先輩の家に行った私達だったけど、結局暴走が出てしまい、自分達の考えていた事とは逆の事になってしまった。

 

先輩の家から学校へ向かう時に先輩にその事を詫びたのだけど、先輩は気にしてない、それ以上に自分を気遣ってくれた事が嬉しかったと言ってくれた。

 

私はその言葉を聞いてほっとしつつ、先輩の復帰を心の中で望んだのだった。

 

そして、私は皆に

 

「いやーそれにしても今回は当初の目的とずれた事になっちゃったから少し焦ったよ。」

「だよね。でも、先輩は喜んでくれたね。だから、一応の目的は達成だよね。」

「そうですね。先輩も昨日よりも今日、って言う感じでまた少し元気になったような気がします。」

「そうっスね。この分ならもう少しで先輩も復帰してくれるはずっス。」

「そのタメにもワタシはケイイチのイエにスんでるのだからこれからもケイイチをハゲましてイクですヨ。」

「そうだね。私達は頻繁には来れないからここはパティに頑張ってもらいますか。お願いね?パティ。」

「オマカセデス!そして、またアニケンでミンナでランチをタベたいデスからネ!」

 

パティのその言葉に私達も頷いて、そして、その光景をイメージするのだった。

 

(先輩、待ってますよ?だから早く元気になって学校へ来てくださいね?)

 

そう心の中で思いながら今日も学業に、部活に、と精を出す私達だった。

 

先輩の復帰をそれぞれに願いながら・・・・・・。

 

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