らき☆すた〜変わる日常、高校生編〜   作:ガイアード

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波乱の旋律~乙女達の戦い、バレンタイン騒動記、中編~

こうの誕生日会を終え、バレンタインの相談をするこなた達。

 

かがみは、そんなこなた達と一緒にチョコ作りをするのが照れくさいのもあって、こっそりと準備をする。

 

そんな中、やまととこうも慶一へのチョコを用意しようと考えていた。

 

それから数日後、ついにその日がやってきたのだが、俺はいつもどおりに行動をする。

 

いつものように朝にやってきたみさおとあやのを迎えて、俺は2人からバレンタインのチョコをもらったのだった。

 

その場で俺は2人から貰ったチョコを食べる。

 

そして、学校に向かう途中で俺は、複数の女子と織部さんからもチョコを貰う事となった。

 

そして、下駄箱での詰め込まれたチョコを見た時、俺はこの日を無事に乗り切れるのだろうか?と考えるのだった。

 

やがて、自分のクラスへと辿り着く俺に、クラスの女子数人からもチョコを貰う。

 

そんな俺を見ているかがみの視線に気付かないまま、今日がスタートしたのだった。

 

俺は今貰ったチョコを持っていた紙袋に修めると、軽いため息をついた。

 

「うーん・・・俺、予想以上に目立っちゃったのかな・・・さっきから他の男子生徒からの殺気の篭った視線も届いてるしなあ・・・」

 

そんな事を呟きつつ自分の席に戻ると、途端にやってくる男子生徒の群れ

 

「おい!森村、てめえ、1人だけいい思いしやがって!」

「羨ましすぎるぞ?チキショー!!」

「・・・呪ってやる・・・」

「・・・お前、俺らを完全に敵に回したぞ!?」

「更には柊達からももらえるんだよなあ・・・いいよなー・・・お前・・・」

 

そんな男子生徒達の剣幕に俺は、ただただ困惑と苦笑をするしかなかった。

 

かがみside

 

今日はバレンタインという事もあり、こなたにも内緒で峰岸に教わり、手作りのチョコを作った私だったけど、何となく照れくさくて今日は慶一くんに会わないように先に学校へ来て心の準備をしていた私だった。

 

そして、私の来た30分後位に慶一くんが教室に入ってくるのを確認すると、一気に緊張が増してきた私だったが、そんな私の心情などお構いなしに他の数人の女生徒達が慶一くんに一斉にチョコを渡しに行ったのを見て、私はその勢いに驚いていたのだった。

 

慶一くんも彼女らから受け取ったチョコを持って困惑の表情を見せていたのだが、私はそれを見た時になんだが少し腹が立ったのだった。

 

そして、自分の席に戻った慶一くんを待っていたのは、血の涙を流すほどの勢いで慶一くんを羨ましがりながら何事かをまくしたてる男子生徒達の姿があった。

 

「・・・うーん・・・今はちょっと渡すの無理そうね・・・チャンスを待つしかないかな・・・」

 

そう呟いていると、何時のまにか私の側にやってきた日下部と峰岸が挨拶をしてきたのだった。

 

「おはよー柊ー。今日はいつもの電車にいなかったよな?どうしたのかと思ったゼ?」

「おはよう、柊ちゃん。今日は早かったのね。」

 

と言う2人に私も挨拶を返しつつ

 

「おはよう、日下部、峰岸。まあちょっと色々あってね。あのさ・・・あんたらは慶一くんと一緒に今日は来たのよね?もう渡したの?」

 

そう訊ねると2人は満面の笑みで

 

「ああ。朝に慶一の家にあやのと一緒に行った時に渡したゼ?しかも渡して速攻で食ってくれたしな。何か嬉しかったよなー。」

「私ももう渡したわ。そうね、あれは本当にびっくりしたわね。でも、私も嬉しかったかな。」

 

そう言う2人に私は、そんな慶一くんのとった行動に驚きつつ

 

「そ、そんな事があったんだ・・・よ、よかったじゃない、2人とも。」

 

少し動揺しながらも2人にそう言うと、日下部が

 

「柊も慶一に渡すつもりなんだろ?」

 

と聞いて来たので、私はその言葉に慌てつつ

 

「え!?あ、その・・・別に私は・・・そんな事・・・」

 

少し顔を赤らめつつそう返すと峰岸は、普段もよく見せるいつもの笑顔で

 

「うふふ。頑張ってね?柊ちゃん。あ、後これは私の勘なんだけど、慶ちゃんはきっと柊ちゃんのチョコもその場で食べてくれるかもしれないわよ?」

 

と言う言葉に私は驚きながら

 

「え?それってどういう事なのよ?」

 

そう聞き返すと、峰岸は笑いながら

 

「何となくだけど分かるんだ。それに、他の子から慶ちゃんもチョコ受け取ってるけど、そっちには一切手をつけてない、って所からもそうじゃないかな?って思えるのよね。だから、柊ちゃんもちゃんと慶ちゃんに渡さなきゃだめよ?そのために私も頑張って教えたんだから。」

 

峰岸のその自信がどこからくるのかは分からなかったけど、少しでも私を心配してくれる峰岸に

 

「・・・ありがと、峰岸。どうなるか分からないけど、頑張ってみるわ。」

 

そう返事をすると、峰岸は笑って頷いてくれたのだった。

 

峰岸に返事をした後、私は何気なく時計に目をやって、まだHRまで時間があることを確認すると

 

「峰岸、日下部、ちょっとこなた達の様子、見に行ってくるわ。」

 

そう伝えると、私はこなた達のクラスへと足を向けるのだった。

 

こなたside

 

八坂さんの誕生日会から今日まで、私はつかさと峰岸さんに手作りチョコの作り方を習って、時間を作っては練習し、当日までに満足のいく物を作る事が出来た。

 

つかさは言うに及ばず、みゆきさんも納得のいく物が作れたと今朝教室で私やつかさに言っていたのを聞いていた。

 

そして私達は、慶一君へどうやってチョコを渡そうか、その事を話しあっていたのだが・・・・・・

 

「さてさて、つかさ、みゆきさん。私達もチョコを用意した訳だけど、どうやって渡そうか?」

 

そう2人に聞いてみると、2人は少し赤くなりつつも

 

「わたしは休み時間とかにけいちゃんのクラス覗いてみて渡せそうなら渡そうかなって・・・」

「私はお昼休みとか放課後を考えていますが・・・」

 

その2人の答えに私も頭を捻りつつ

 

「うーん、学校内ではやっぱりそれしかないよね・・・じゃあ、私もその路線で狙ってみようかな?」

 

と、一応の意見交換をしている所にかがみがやってきた。

 

「おはよ、こなた、つかさ、みゆき。あんたらも、その・・・持ってきてるのよね?」

 

少し聞きづらそうにかがみが私達に言うと、私達も頷いて

 

「まあねー。この日の為に頑張って作ったからね。万事抜かりなしだよ。」

「わたしも今回はいつも以上にがんばっちゃったな~。」

「私も今回は納得のいく物が出来ました。なので、お渡ししたいと思っています。」

 

その私達の言葉を聞いて、かがみは言いにくそうに

 

「実はその事であんた達にも情報持ってきたのよ。」

 

と言うかがみに私は「情報?どんな?」と短く聞き返すと、かがみはさっき慶一君が教室に入ってきた時の様子等を私達に教えてくれたのだった。

 

「ふーむ・・・なるほど、今回もそんな事になっているのだね?」

「またけいちゃん、逃げ回るのかな?」

「そうなると、慶一さんとの接触を如何にするか、が問題になってきますね・・・」

 

3人でそんな事を呟きつつ、私はかがみを見て

 

「でも、かがみはいいよねー。」

 

そう声をかけると、かがみは私の方を見て

 

「いい、って、何がよ?」

 

と短く答えるかがみに私は

 

「だって、かがみ、慶一君と同じクラスだから渡そうと思えば私達よりチャンスあるじゃん?私達はクラス違うから結構厄介だしね。」

 

と言う私の言葉にかがみは軽いため息をつきつつ

 

「あんたが言うほどいいと言うわけでもないわよ・・・特に今日なんて常に慶一くんの机の周りには人が一杯だから近づけないしね・・・しかも、慶一くんを妬んで集まってる男子生徒の方が多いって言うのが今の状況よ・・・」

 

少し落ち込みつつ言うかがみに、私も苦笑するしかなかった。

 

そして、そろそろHRの始まる時間が近づいたのでかがみも

 

「まあ、そんな訳で私はそろそろ時間だから自分のクラスに帰るわね。学校で慶一くん捕まえるのは難しいかもしれないけど、無事に渡せればいいわね。」

 

そう言いながら手を振って教室を出て行くかがみに私も

 

「かがみー、かがみも渡せる事祈ってるよー!」

 

とわざと大声をかけると、かがみは途端に真っ赤になって

 

「うっさい!!、恥ずかしいから大声で言うな!!」

 

と突っ込みを入れつつ、かがみは自分のクラスへと戻って行くのだった。

 

それを見送った私はこれからどうしようかな?と今後の行動を色々思案しつつ、自分の席に戻ってHRを待つのだった。

 

慶一side

 

とりあえず、朝の騒ぎを何とかやり過ごした俺は、朝から少し疲れつつもHRを行った。

 

そして、1時間目の授業が始まり、俺は休み時間の過ごし方を考えつつ、気が気でない授業を受けるのだった。

 

休み時間になった時、俺は隙を見て教室を抜け出し、適当な所に隠れて授業開始ぎりぎりに戻るという作戦にでる事にした。

 

(とりあえず、これで放課後までやり過ごすしかないよな・・・はあ・・・目立つのも考え物だな・・・気をつけないと・・・)

 

そう考えつつ、チャイムが鳴り、授業終了の号令と同時にダッシュで教室を抜け出る俺だった。

 

こうside

 

先輩達がそんな状況に陥っている事など露知らず、私とやまとはいつものように先輩の教室に行き、先輩にチョコを渡すべく移動をしていた。

 

その際に、やまとが恥ずかしいからみんなの前での手渡しは嫌だとごねていたのだが、散々に説得して今は私と同行し、不満な顔をしつつも同じように先輩の教室へ向かっていた。

 

先輩の教室に辿り着き、教室から出てくる先輩と同じクラスの男子生徒に

 

「あのー、すみませんが、森村先輩呼んでもらえないでしょうか?」

 

と言うと、男子生徒は一瞬教室の中を見て

 

「森村は今いないみたいだな、さっき、授業終了と同時にダッシュで教室から出て行ったの見たからね。」

 

その言葉に私は少しがっかり(やまとは何だかほっとしている)しつつ

 

「・・・そうですかー・・・あ、それじゃ、代わりに柊先輩を呼んでもらっていいですか?」

 

そう、男子生徒に持ちかけた時、丁度教室から出てくる峰岸先輩がいたので私は

 

「あ、すいません、やっぱりいいです。ご迷惑をおかけしました。」

 

そう男子生徒に言った後、私は峰岸先輩に声をかけた

 

「峰岸先輩、ちょっといいですか?」

 

私の声に気付き、こちらにやってくる峰岸先輩は私に

 

「あら?八坂さん、永森さん。おはよう。どうしたの?」

 

そう挨拶してきたので、私も

 

「おはようございます、峰岸先輩。先輩、慶一先輩がどこ行ったかご存じないですか?」

 

そう訊ねると、峰岸先輩は軽いため息をつきながら

 

「慶ちゃんは、たぶん、どこかに逃げ込んでるかもしれないわ。実は今朝からね・・・・・・」

 

と、先輩の身の上に起きていた事を説明してくれた。

 

「なるほど・・・それで、先輩はほとぼりが冷めるまではどこかに逃げ込んでようとして教室を抜け出たと、そういうわけですか。」

 

一応納得して私は少し考え込みつつ、おもむろに携帯を取り出すと、先輩の携帯にメールを打った。

 

その様子を見ていたやまとが私に

 

「こう?一体何をやっているの?」

 

と聞いて来たので私はやまとに

 

「先輩の携帯にメールしておいたんだよ。逃げ込む場所にアニ研の部室も開けておきますってね。あと、今日のお昼は部室で食べましょう、とね。」

 

その説明にやまとも考え込む仕草をしながら

 

「まあ、その方が無難かもね・・・こう、今回も私達でかくまいましょう。(そうすれば隙を見て渡す事もできそうだしね・・・)」

 

そう言うやまとに下心ありありなのが見て取れたのだが、あえて気付かないふりをして

 

「そうだね。それじゃ早速部室の鍵借りてきて逃げ場所確保しとこうかー。それじゃ峰岸先輩、情報ありがとうございます。先輩達も後ほど部室でお会いしましょう、それではー。」

 

そう言いながら、先輩の逃げ場所を確保する為に部室を開ける為、私達は鍵を借りに職員室へと向かったのだった。

 

慶一side

 

あれから休み時間になるたびに教室を抜け出して隠れる為に出て行くのだが、完全には回避しきれず、何人かに捕まる事もあった。

 

そんな中でこうからのメールをもらい、俺はこうの用意してくれた逃げ道を使わせてもらう事となった。

 

こうにお礼のメールを送りつつ、俺は昼休み1時間前の休み時間、アニ研部室に隠れていたのだが、そこに2人の女生徒がやってきた。

 

「・・・でさー・・・それが面白くてねー・・・なのよ・・・」

「・・・そうなんだ・・・でも・・・だよね・・・」

 

部室のドアを開けて入ってくる2人の女生徒に緊張して思わず後ずさりする俺だったが、その姿を確認するなりほっとする俺だった。

 

「・・・ふう、誰かと思ったら君達だったか。部室に何か用事かい?山辺さん、毒島さん。」

 

と、2人に声をかけると2人は俺を見て

 

「あ、部長ー。こんにちはー。あれ?部長はこんな所で何をしてるんですか?」

「普段はやさこに任せてる部長が珍しいですね。何か用事でも?」

 

と言う2人に俺は苦笑しつつも自分の事情を説明した。

 

「・・・・・・とまあ、こういう訳でね・・・。」

 

俺の説明に納得する2人は

 

「なるほど、確かに部長は伝説の持ち主ですからねー。女の子が部長を追いかける気持もわからなくもないですよ。」

「体育祭の時もそうだけど、腕相撲や、不審者撃退は確かに目立っていましたね。実は私達もそんな先輩にも興味があったのもまた、この部に入ろうと思ったきっかけでもあったんですよ。」

 

と言う2人の説明に俺は驚きながら

 

「そ、そうだったのか・・・なあ、2人とも、頼みがあるんだが・・・」

 

俺がそう話を持ちかけようとした時、毒島さんが

 

「みなまで言わなくてもわかっていますよ。私達は先輩の居場所を他言したりはしませんから安心してください。その代わり・・・」

 

そう言いながら2人はお互いに頷きあうと、持っていた荷物からある物を取り出して俺に

 

「これ受け取ってください。今日はそういう日ですし義理ではありますけど、部に入れてくださった先輩への感謝の気持です。」

「市販品ですみませんー。私達なりのお礼って事で。」

 

毒島さんと山辺さんは俺にチョコをくれたのだった。

 

「え?いいのか?わざわざすまないな。お礼と言うならこうの誕生日会で俺の頼みを聞いてくれた事に対して俺がしなきゃいけないとは思ってたけどさ。」

 

そんな俺の言葉に2人は笑いながら

 

「あはは。先輩は生真面目ですね。そこの所は好感持てますよ。」

「みくも意外と生真面目だよねー。意外と先輩と似てるよ。でも、みくを知ってるから先輩の事も分かりますねー。」

 

と言ってくれる2人に俺はただただ照れていた。

 

その後、用事を済ませた2人は俺の隠れ家を他言しないと言う事を俺に改めて伝えて部室を出て行った。

 

それを見届けて、授業開始ぎりぎりに俺は教室へと戻ったのだった。

 

かがみside

 

何とか慶一くんにチョコを渡してしまって、この落ち着かない気持をどうにかしたかったのだけど、休み時間になるたびに慶一くんは教室を素早く抜け出してしまい、結局慶一くんと接触する事が出来なかった。

 

今日の昼休みはアニ研部室で取るという事を峰岸から、八坂さんから預かってきた伝言で知ったのだけど、そこでもみんなの前だからたぶん渡せないな、と思い、私は軽く落ち込んでいた。

 

そうこうしているうちにお昼休みになってしまったので、私はとりあえずお弁当と密かにチョコを忍ばせてアニ研部室へと出向いていったのだった。

 

こなたside

 

休み時間になり、そのたびに慶一君と接触しようと3人で試みていたのだけど、私達が行く頃にはすでに教室に慶一君の姿がなく、肩透かしをくらって結局4時間目までチョコを手渡す事も出来なかった。

 

こうなったらアニ研の部室でのお弁当タイムで慶一君に渡すしかないと思った私達は、そのチャンスを生かそうとお弁当と共にチョコも持ってアニ研部室へと向かったのだった。

 

慶一side

 

お昼休みになり、俺はこれもまた素早く弁当を手に、教室から抜け出してアニ研の部室を目指した。

 

そして、部室に一番乗りした俺はとりあえず部室内に身を潜め、皆がやってくるのを待つ。

 

そうこうしているうちに、まず、こうとやまとがやってきた。

 

2人は部室のドアを開け中に入り、俺を呼ぶ。

 

「慶一先輩ー!私達です。隠れてなくてももう大丈夫ですよー!」

「安心して出てきていいわよ!?先輩!」

 

と声をかけられた俺はおそるおそる2人の前に顔を出したのだった。

 

「ふう・・・こう、すまないな。お前の機転のおかげで助かったよ。」

 

弁当を机に置いて席に着きながら俺は、こうに逃げ場所を作ってくれた事を感謝する。

 

「いえいえ。とはいえ、ようやく会えましたね先輩。やまとも先輩を探して、ごふぅ!?」

 

いきなりこうの台詞が中断されたと思ったら、やまとが真っ赤な顔をしてこうのわき腹に肘鉄をかましていた。

 

悶絶するこう、そしてそんなこうを一瞥した後、赤い顔のまま俺の方に向き直って

 

「先輩?こうの言うことをうのみにしちゃだめよ?別に私は先輩の事探してなんていないし・・・」

 

最後の方はごにょごにょと言い訳をするやまとと、未だ悶絶中のこうを見て俺は苦笑していた。

 

やっと、悶絶から立ち直ったこうはやまとに

 

「や、やまと、酷いよ・・・息止まるかと思った・・・」

 

涙目でやまとに抗議するが、やまとはぷいとそっぽを向いて

 

「あなたがあることない事言うからでしょう?自業自得よ。」

 

そう言ってこうを突き放していた。

 

そんなやり取りをしていると、他の皆もようやく集まって来た。

 

次々と部室に入ってくる旋律のメンバー達。

 

みんなは部室に入ってくるたびに挨拶してくれたのだった。

 

「あ、慶一君。ようやく会えたねー。今回も逃げ回ってたらしいじゃん?」

 

と、まずはこなたがやって来てそう言う。

 

「まあ、さらに目立ってしまったらしくてな・・・」

 

すまなそうな顔でこなたにそう言う俺。

 

「あ、けいちゃん。やっとあえたよ~。」

 

次に入って来たのはつかさだった。

 

「ごめんな、つかさ。こっちも色々大変でさ。」

 

そんなつかさに詫びる俺。

 

「慶一さんもご苦労なさっていますね。ですが、もう少しの辛抱ですよ?」

 

つかさと共にやってきたみゆき。

 

「まあ、何とか乗り切って見せるよ。」

 

苦笑しつつみゆきに答える俺。

 

少し間があいてみさおとあやのもやってきた。

 

「お、慶一。お前も苦労してんなー。でもようやく落ちついてみんな集まれそうだなー。」

「ふふ。でもまだまだ油断は禁物よ?頑張ってね、慶ちゃん。」

 

そう言ってくれる2人に俺も

 

「はは、まあ、何とか頑張るよ。」

 

と力なく答える俺。

 

そして最後にかがみがやってきた。

 

「あ、慶一くん・・・何だか大変そうね?大丈夫なの?」

 

少し元気がなさそうなかがみだったが、俺は

 

「まあ、なんとかね・・・今回は織部さんみたいな事にはならなそうだけどさ。」

 

という言葉にかがみも心持ちほっとしている表情をしていたのだった。

 

そして、念のため部室の入り口に鍵をかけて、雑談を楽しみつつ俺達はお昼御飯を食べるのだった。

 

「あれ?慶一君、いつもよりお弁当の量、少なくない?」

 

と、俺の弁当がいつもよりも少なめな量に気付いたこなたがそう聞いてくる。

 

「ああ、ちょっと今日は少なめに作ったからな。」

 

と答える俺にこなたは

 

「ひょっとしておかずの買い込み忘れたとか?」

 

そう言ってくるこなたに俺は

 

「まあ、そんな所さ。さて、と・・・」

 

いち早く弁当を食べ終えた俺は、持ってきたお茶をすすりつつのんびりとする。

 

そんな俺の様子を、弁当を食べ終わって見ていたこう、こなた、つかさ、みゆきの4人が俺のところにやってきて

 

「あの、先輩。今日はバレンタインなのでいつもお世話になってる先輩に用意させてもらいました。」

「慶一君、つかさに教わりながらだけど手作りしてみたよ?後でゆっくり食べてねー。」

「わたしも今回だいぶ凝っちゃったよ。食べてくれたら嬉しいな。」

「わ、私も不器用ながらも頑張りました。食べてもらえたら嬉しいです・・・」

 

と言いながら4人が俺にチョコを渡してきた。

 

俺はチョコを受け取りながらみんなに笑顔で

 

「ありがとう、みんな。俺なんかの為にわざわざ手作りしてくれるなんて、嬉しいな。」

 

そう答えると4人とも赤くなりながら

 

「あ、あはは。そう言って貰えると頑張った甲斐がありますよ。」

「な、何だか照れるねー。でもそう言ってもらえて嬉しいね。」

「あはは・・・けいちゃんに少しでも恩返しできたかな~?」

「そんな風に言っていただけてとても嬉しいです。」

 

とそれぞれ答えるのだった。

 

俺は皆のチョコをじぃっと見つめていたが、おもむろにラッピングを外すと4人のチョコを食べ始めたのだった。

 

そんな俺の突然の行動に驚いた4人は

 

「あ、あの先輩?別にいますぐでなくても・・・」

「慶一君・・・?」

「はわわ、大丈夫?けいちゃん。」

「4人分なんてご無理をなされなくても・・・」

 

と心配そうに俺を見ていたが、俺はそんな皆ににっこりと笑顔を見せて

 

「なあに、丁度食後のデザートも欲しいと思ってた所さ。それに、みんなのチョコ美味かったぞ?」

 

そう答えると、途端にみんなまたも顔を赤くして照れていたのだった。

 

そして、そんな俺の行動を見て驚いているのがもう2人いた。

 

かがみside

 

皆でチョコを持ってアニ研部室に集まり、お昼御飯を食べ終えて私はみんなの様子を見ていたのだが、やはり、こなた達が先に動いたのだった。

 

そして、4人同時に慶一くんにチョコをあげたのだが、その直後に峰岸が言った通りの事が起こった。

 

なんと、チョコを貰った慶一くんはその場でラッピングを剥ぎ取ると、4人のチョコを食べ始めたのだ。

 

そして、そんな様子を見ていた私に峰岸が

 

『ね?私が言った通りになったでしょ?慶ちゃんはきっとそうするって。』

 

小声でそう言ってくる峰岸に私は

 

『う、うん・・・でも、どうして慶一くんはあんな行動を・・・他の女子から貰ったチョコには一切手をつけてないのに・・・』

 

そう返すと、峰岸も首を傾げながら

 

『その理由は慶ちゃんに直接聞いてみないとわからないわね・・・でも、慶ちゃんの事だからきっと何らかの理由があると思うわ。だから、後で慶ちゃんに理由を聞いてみましょ?』

 

私は慶一くんの行動の理由は知りたいと思ったけど、持ち前の性格が邪魔してるのもあるけれど、他の皆もいる前では聞けないなあと思いつつ、ふともう1人の同じく慶一くんにチョコを渡せずに今の慶一くんの行動を呆然と見ている永森さんに気付いたのだった。

 

慶一side

 

思いがけず、みさお、あやのだけでなく、こなた、つかさ、みゆき、こうからもチョコを貰った俺はみさお達と同様その場でチョコを食べたのだが、それを見ていたこなた達もかがみややまとも俺のこの行動にはだいぶ驚いていた。

 

そうしているうちに、こなたが呆然とこっちを見ている2人に気付いたみたいで

 

「あれー?かがみと永森さんは慶一君にチョコ渡さないのー?」

 

とニヤニヤしながら言う。

 

その言葉で我に帰り、途端に慌て出す2人。

 

「え!?あ、えと・・その・・・」

 

歯切れの悪い返事になっているかがみ。

 

「あ、えっと・・・わ、私は・・・」

 

こちらも大分テンパってる様子のやまと。

 

そして、パニックになった2人が次の瞬間、皆が驚愕する言葉を放つのだった。

 

「「あ(せ)」」

 

「あ?」短く発した言葉を復唱するこなた

 

「「あんた(先輩)なんかに用意しているチョコなんてないんだからね!!」」

 

2人ははっきりとそう言い放ち、そして、その場にいる全員が驚愕の表情を向けていたのだった。

 

後編へ続く。

 

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