繭の中   作:桃音@まゆすきp

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第3話

「凛ちゃん、お願いがあります。

今から言う花で花束を作ってくれませんかぁ?」

 

プロデューサーさんが眠った後、凛ちゃんに依頼をする。

 

「イカリソウ アイビー サンザシ スグリ マリーゴールド そして桑。以上です。」

『ま、待って。まゆ。

あんたその花の意味って知ってるの!?』

 

知った上でですよ。

 

「お願いしますね。出来たら連絡くださいね。」

 

一方的に電話を切りました。

プロデューサーさんにプレゼントする花に何か問題があったんでしょうか。

すぐに着信が鳴る。

 

『まゆ!?

ねぇ、大丈夫なの!?』

「凛ちゃん、私は大丈夫ですよぉ?」

『じゃあ、なんであの花束・・・。』

「気にしないでください。まゆの為の花束じゃありません。個人的に好きな花らしいですから。」

 

こんな曖昧な説明に凛ちゃんは納得してくれる。

 

『じゃあ出来たらすぐ連絡するよ。』

「ふふっ。楽しみにしてますよぉ?」

 

電話を終えて、プロデューサーさんの側に戻る。

 

「プロデューサーさん、ずっとずっと一緒にいてくれますよね?」

 

プロデューサーさんの汗を拭き取る。

本当は舐めてしまいたいけれど我慢。

その変わりにプロデューサーさんを抱き締めて眠ります。

 

 

 

 

 

目覚めてすぐしたのは、朝食作り。

隠し味は内緒です。

強いて言うのなら、愛情・・・ですね。

ここに来てからプロデューサーさんはご飯を食べていません。

ご飯は待てされた分だけ美味しくなるでしょう?

 

「はい、あーん。」

 

無理矢理口のなかにご飯を入れる。

 

「・・・まゆ、何を入れたんだ。」

「愛情ですよぉ?」

「鉄分の味がする。」

 

美味しくなさそうに食べているのを見て、少し悲しかった。

 

もっと期間を空けるべきでしょうか。

 

お風呂は一緒に入ります。

手錠をプロデューサーさんの右手と私の左手にはめて。

逃げられないんだから、服なんか着せなくても大丈夫。

髪も体も綺麗に洗います。

でないと、プロデューサーさんが不愉快に思うかもしれないから。

 

「かゆいところはありませんか?」

「ここから出してくれ。」

「嫌です」

 

プロデューサーさんをこんなに愛しているのに、なぜこの愛情が伝わってないのでしょうか。

 

「プロデューサーさん。

まゆを見て。

まゆを愛して。

まゆだけの貴方になって。」

 

プロデューサーさんは震えるだけ。

怯えた目で私を見るだけ。

 

「まゆの事、好きですか?」

 

「まゆの事、好きですか?」

 

「まゆの事、好きですか?」

 

繰り返し繰り返し同じことを問う。

 

「まゆの事、好きですか?」

 

「まゆは貴方を愛しています。」

 

ガタガタと震えていたプロデューサーさんが唇を開く。

 

「もう・・・やめてくれ。」

 

「まゆを好きになる事は出来ない。」

 

「家に返してくれ。」

 

そうですか。

でも残念です。

 

もうプロデューサーさんが家に帰る事なんてないんだから。

 

そうだ。

私を好きになってもらえないのなら既成事実を作ればいいですよね。

 

 

 

「プロデューサーさん。まゆだけを見て?」




連続投稿です。

どの花も好きです。
でも、桑の花ってそんな簡単に手に入るのかなー(ο∀ο)
花言葉は次回、凛ちゃんが説明してくれる事でしょう。

3話構成のはずがもうちょっと続きますwすみません!

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