西浦高校サクセスストーリー 作:野球エアプ
3月
「お前、あかつきに行かないんだってな?」
猪狩 守が問う。
彼は猪狩世代と総称される世代を築いた中心人物。
中学生離れした速球を武器として、三振、凡打の山を作った。
投の猪狩。
だとしたら、打は誰か?
今ここにいるもう一人の少年。波羽 符郎である。
彼は、中学生の通算成績で打率5割3分
5割というところでは、5割打者が多くひしめく猪狩世代においては上の部類には入るものの決してNo. 1とは言えない。
しかし、彼は異常な得点圏打率を誇った。
8割6分。
とにかくチャンスに異常に強く、2打席連続満塁ホームランなど、最早伝説と行っていいだろう。周囲にそれだけ強烈な印象を残したのだ。
投の猪狩。打の波羽。
彼らが率いるあかつき大附属中学は全国大会に出場。優勝をした。
だが、決して彼らは圧倒的な強さを誇ったとも言えないのが猪狩世代の恐ろしいところであろう。他校の生徒も彼らに並ぶほどの実力者がひしめいていたのだ。
「ああ、俺は強豪での野球も凄く楽しめた。
でも、一つ思った…思っちまったんだ。お前らを倒してみてぇって、いや、お前らだけじゃない。猪狩世代。並み居る強豪を撃破してぇってな。
それには、一人も猪狩世代が居たら困るんだ。だから、俺は西浦に行くよ。ちょうど、母さんの母校だし。」
「ッフ。そういや、お前はチャンスだけでなく、劣勢時にも凄い打力を誇ったな。逆境を好むお前の事だ。きっと凄いチームを作るんだろう?」
「ああ。少なくとも天才猪狩がエースを務める高校を倒すくらいには。」
「言うじゃないか。その時は楽しめそうだ。」
「ああ。それじゃ、西浦は埼玉にある。俺らが次に会うのは…
「「甲子園だ!」」
二人の天才はまだ寒さ残る3月の空の下。約束を交わした。
四月 春
「ここが西浦。硬式野球部が今年から新設。ここから甲子園か…」
波羽はグラウンドに入る。
「あら、さっきの三橋くんで最後かと思ったけど…貴方も新入部員?」
波羽に声をかけたのは、豊かな双球を持つ女性。
「私は百枝。ここの監督をやらしてもらってます。さっそくだけど、貴方の名前と希望ポジは?」
「波羽 符郎です。ポジは外野希望ですが、やれと言われたら内野やピッチャーもやります。」
「そう、それはありがたいわね…ん?波羽?ごめわなさい、貴方の出身中学校って…」
「あかつき大附属っす。」
あかつきという言葉に、つり目の人が関心を示す。
「なぁ、お前って猪狩世代において、打の波羽って呼ばれたあの…?」
「ああ、一応そう呼ばれてるね。」
(まじかー!荒シーの田島以外にもう一人名門の4番が来た!大博打で入った公立の新設だが、田島に波羽という二人も…こいつはやべぇ…)
(え!やっぱり見間違いじゃなかったのね…
波羽君の姿を見た時、そっくりさんかと思ったけど…)
「はい!それじゃ 、みんなの紹介を始めるねー。まず、そこにいる栄口君とこっちが阿部君。シニア出身だから硬球の扱い方とか、後二人は4月春休みから来てるので物の場所とか聞いてねー。」
(シニア出身が二人も…!これは大きいぞ。)
「それから、内野だった人ー「俺田島!サードで4番だった!」
「俺も4番だったけどー。入るのやめまーす。」
(4番が二人も…え?)
「ど、どどどうして!?えと…花井君!」
「監督が女だから。1年しか居ないのは別にいいけど、監督が女ってありえなくね?」
「花井君…だっけ?それは女は野球が出来ないっていう意味なのかな?」
「ん?ま、そうなるかな。」
「その考えは改めた方がいいよ。女でも野球が上手いやつはいる。六道っていう知り合いの女の子がいてね、その子の守備やミートのセンスはずば抜けている。君も野球をやってるなら聞いたことあるんじゃないかな?」
「それは六道だからだろ!この監督が上手いってわけじゃ…」
コンコンコン
「上手ければいいのね…?」
百枝がバットで野球ボールを操る。
「キャッチ行くよ!」
スパーン!
ボールは高々と垂直方向に上がり…ポスッ
阿部のミットに収まった。
「あ!そうだ!喉乾いたでしょっ!ジュース飲む?」
百枝はカゴシマアマナツと書いてある袋からみかんを取り出した。
(((飲む…???)))
そして、それを片手に一個ずつ持ち……
「フングァァァァァ!!!」
およそ、若い女の人が出す声とは思えない声をあげて絞り出した。
「はい、花井君!どうぞ!」
花井(女って…女って…女ってぇぇぇ…)
ゴクゴクゴク
(飲んでる…)
「みんなも飲む?」
「「「ま、丸のまま頂きます!!」」」
チームというのは野球をせずともまとまるものらしい。
千代ちゃん以外にマネ入れたいな…
誰がいいんだろうか…
また、脳内設定では、入学当時の田島をパワーEで他オールDだとすると、ちょうどオールC位です。
また、勝負師、サヨナラ男、満塁男あたりも持っています