今回は、かなりスキップしました。
では、どうぞ。
決心と目標
朝。
目覚ましとほぼ同時に目を覚ます。
ベッドから出て、着替える。
ガチャッ
家のドアを開けて、外に出る。もちろん鍵も、かける。
「おおっ、ちょっと寒いな。」
吐く息も白い。
季節を感じる。もうすっかり、冬だ。
海辺の町の冬は、寒い。
だが、これも気持ちよく感じられるようになってきた。
軽くストレッチ。
「よし、行くか。」
俺は、走り出した。
走り出して、数分。
目の前から走ってくる人の姿が。
「おはよう、友章。」
「おはよう、ちょっと寒いが、心地良いぞ。」
「おう。じゃ、また学校で。」
いつもの所まで来てから、いつものように引き返す。
そして、帰宅。
「ただいま~、おかえり~、ってね。」
最近始めた、セルフあいさつをする。
朝ご飯を食べて、支度をして。
俺は再び外へ。学校へと向かった。
今日の全ての授業が終わって、帰りのHR。
12月に入ったし、そろそろ進路とかのことも真剣に考え始めろ、という話も終わり。
俺は何人かと一緒に部室へ。今日ももちろん、部活だ。
部活も終わって家に帰る。
その路で。
友章に話しかけられる。
「なあ、双葉。お前、本当にもういいのか?」
「ん、まあな。結構前から考えてたし、来年の夏も見据えての判断だよ。」
「いや、でもよ...。」
この間まで行われていた市長旗大会。
俺たちほしうら学院高校は、準決勝まで駒を進めていた。
準決勝。3-1とリードして迎えた7回。
俺が突如つかまり、一挙4失点。
その日の俺は調子が良く、右投げで毎回の10奪三振を奪っていた。
そして7回。
体力的な限界が来たのか、ストレートが走らなくなった。
左で投げる体力も気力もなく、俺は降板。
試合は、6-4で負けた。
この大会での優勝を目標に据えていたチームにとって、とてもつらい敗戦。
そして俺は、一つのことを決めた。
『これからは基本的に左投げだけでやっていく、と。』
「ホントに大丈夫だって。」
「元々右投げは成績が悪かったし、俺としてもどっちかに専念したいって気持ちはあったから。」
「両投げへの憧れよりも、現実を見るように決めたんだよ。」
「・・そうか。それなら、いいんだけどな。」
「(実際、右の練習量を減らしてから左は良くなってきたし。これで、いいんだ。)」
そうして俺たちは、本格的な冬を迎える。
冬。
それは、野球部の人間にとってみれば、正直とてもつらい時期。
ボールは触らず、体力的なトレーニングがメインになる。
年末。そして新年。
俺は親のいる街に戻ってのんびりと過ごす。
初詣では、野球部の必勝祈願を。
そして再び、部活の練習。
気が付けば、あっという間に2月。
2月といえば、男子のざわつくあの時期なわけで...。
「お疲れ!ミッチー!また明日ね!」
最近の洋介の帰りが異様に早くなった。
「なんか、料理の勉強してるって言ってたよ。」
ああ、なるほど。察しました。
バレンタイン当日。
洋介は、スポーツバッグ四つ分の大量の生チョコやらチョコ菓子を作ってきた。
さすがに冬とはいえ、全部食べ切るころにはいくつか溶けているのではなかろうか...。
ちなみに、真っ当な形で一番チョコをもらったのは、伊月だった。
基本の運動能力が高く(球技は苦手だが)、イケメン。まあ、妥当だ。
そして、3月。
すっかり暖かくなってきて、いかにも野球日和な日が続く。
時が流れるのは早いもので、来月には入学式とともに、新入部員が入ってくる。
それよりも。すごく大事なことがあるわけで。
「皆、分かっているとは思うが今月下旬からは春季大会が始まる。」
松宮先輩が皆が集まった教室の一番前に立って話す。
「冬の間、きつい中でしっかりと積み上げてきた体力。」
「各々が磨き上げてきた個人のスキル。」
「それらを皆がしっかりと出し切れれば、きっと結果は自ずとついてくるだろう。」
「今から大会までは、無理をしすぎず正しく練習することが大切だ。」
「焦らずいこう。自分たちの力を信じて、目の前を見て進んでいくぞ。」
「「「はいっ!!!」」」
かくして。
春季大会に向けて練習する日々となった。
最終目標は夏の大会なわけだが、今からそこを見据えても無理がある。
目の前のことから一つずつ、しっかりと目的意識を持って臨む。
松宮主将の決めたことだ。
確かにその通り。
多くの学校は、とにかく夏を目安に頑張っているのだろう、と思う。
でも。
夏の大会を、一つの大きな目標として。
それに向かって突き進もうとしてもなかなか上手くいかないのではと思う。
先を見すぎると、かえって悪い結果につながることが多々ある。
だから。
しっかりと一歩ずつ、進んでいこう。
きっとその先には、輝きが待っているだろうから。
すみません。
何故か主人公が両投げ両打ちではなくなるという展開になってしまいました。
全く、主人公のくせに無責任ですね...。
これでは、タイトル詐欺作品になってしまいます。
まあ、どうか見てやってください。
きっと何とかなりますから笑。
素早く話をすすめていけるように筆者も考えているので、多少の割愛はおおめに見てくださるとうれしいです。
では。
今話も読んでくださり、ありがとうございました!