「いちか。朝だよ。はやくおきないと学校遅刻しちゃうよ?」
私はその一言ですぐに覚醒する。私が一日を健やかに送るために必要な儀式を始めるために。私は、狸寝入りをする。そうすべてはおねえちゃんのかわいい姿を見るために!!
「いちか~。もう、しょうがないお寝坊さんだな~」
ゆさゆさ。おねえちゃんは、諦めずに私を揺する。でもおねえちゃんは激しく揺することは絶対にないのだ。だって女神だから!!理由になってない?いいの!私が納得しているからね!
「おねえちゃん後五分・・」
私がおねだりをすると、
「だ~め。ご飯を食べる時間がなくなっちゃうよ」
それは、大変だ!!今日分のおねえちゃんは成分を補給しないと!私はばっさと布団から起き上がった。バタバタと目的の床を鳴らし、いち早くご飯にありつけるルートで歩く。別にお腹がすいているとかではなく、速急におねえちゃん成分を補給しないとどうにかなってしまう。やえちゃんは泊まりに来るたびに家が広いことをうらやましいというけど、今ばかりは、私の家が旅館並みに広いことが憎い。でも次の角を右に曲がれば私のエデンだ。私は意気揚々と右に曲がり襖を音を立てないように開ける。そして目の前にあるのはおねえちゃんが毎日可愛いおててで一生懸命握ってくれるおにぎりが!!
・・・・・・ない。
え?なんでないの?おねえちゃん成分の補給が・・できない・・・。おにぎりのかわりにテーブルに並んでいたのはこんがりとやけたパン。
「ごめんねいちか。なんか炊飯器の調子が悪くてね。多分壊れちゃったんだ。だからお願いだから今日はパンで我慢してね」
おねえちゃんが申し訳なさそうに言うと、よしよしと私の頭を撫でる。炊飯器が壊れた?ということはお昼ご飯のおにぎりもないってこと?
「そんなぁ」
私は半泣き状態で小さく、可愛いお口でパンを食べてるおねえちゃんにべったりくっつきながら食べることで、何とかおねえちゃん成分の補給を試みた。でも制服の上からじゃ駄目だ。やっぱり素肌じゃないと・・そうだ1今から一緒にお風呂に入ればいいんだ!朝からきゃきゃうふふ的な展開がいい。
「ねえ、お姉さん今から「どうしたのいちか。さっきから元気ないけど大丈夫?体調でも悪いの?今日は学校休む?」
おねえちゃんは私の顔をじっと見て、おでこに手のひらを置く。その手はすごく柔らかくすべすべしていて思わず食べちゃいたいくらいだった。おねえちゃんはすごく優しい。私がこんなことを考えていたのに心配してくれる。私の一番の優先事項はおねえちゃんを心配させないこと。それがパンであろうとおねえちゃんが作ってくれたのに変わりはない。
「大丈夫。おねえちゃんは今日も女神だなって思っただけだから!!いただきます!」
おねえちゃんにくっつきながら私はパンをカリカリ食べた。
といきこんだものの・・
「足りない・・おねえちゃん成分が足りないよ~やえちゃん」
私は前の席に座っているやえちゃんに声を掛ける
「いち。さっきからのそればっかりだね。というかおねえちゃん成分って何?」
八重ちゃんの言葉を聞いて私はすくっと立ち上がる。
「おねえちゃん成分とは!おねえちゃんの体から生み出される癒しホルモン!それを摂取することにより私は今日も生きているの!これがないとしなびた花みたいに萎れてしまうのだ。ちなみに常に充電が八十五%ないとスリーブモードにはいってしまうのだ!」(一部抜粋)
私は、大統領が演説をするかのようにおねえちゃんの素晴らしさ、おねえちゃん成分とはなにかを先生がはいってくるまで続けた。先生が私が見た時の目は、大統領ではなく新興宗教の勧誘にあったような目だった。あの先生には将来はげるように祈っておいた。神社の娘と言うことで確率は高い。将来が楽しみだ。
昼休み。私は、おねえちゃんから受け取ったお弁当を手に中庭び来ていた。お昼と言うことで人が大勢いけど、空いてる場所を見つけて座る。お弁当の中身は何かなと開けるとサンドイッチだった。私の脳内が大フィーバーになった。おにぎりが一番だけど、今はなりふり構ってられない!私は、サンドイッチに鼻を近づけ大きく吸い込む。ああ!微かだけど確かにあるおねえちゃんのにおい!!数時間ぶりのおねえちゃん成分だ!!
「すーーーうはあすーーーうはあ」
私は、おねえちゃん成分が消えるまでお弁当箱の匂いを吸いづけた。多分傍から見たら私は、危ない薬をやっているようにしか見えないだろう。それぐらいおねえちゃん成分は不足していた。そしてここで初めて私は、おにぎりが、そしてご飯を炊く炊飯器がいかに重要だったかを身をもって体験した。もしかしたらおねえちゃんの次に偉大なのは炊飯器かもしれない。
そんな事を考えた私が、帰宅した時に新しい炊飯器を見て思わず炊飯器様と言ってしまったのは、仕方のないことだと思う。
多分ですけどいちかはおねえちゃんが、関わるとこんな感じですよね・・・・ですよね。